ソードアート・オンライン~赤腕の槍使い~   作:G.S

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今回は少しおふざけがある回です。あと前回よりも短いです。
感想を下さったり、お気に入り登録をしてくださった方ありがとうございます。
それではどうぞ。


第四話:走れタツヤ!!

 第1層攻略が終わってから数ヵ月が経った。あれから攻略のペースも上がり最前線は11層となっている。攻略の指揮は《MTD》というギルドが取っている。当初はディアベルも所属していて彼が主に攻略の指揮を取っていたが、彼がβテスターだと周囲に判明すると自らギルドを出ていった。ディアベルは今は一緒に来てくれた仲間と建てた《青竜連合》というギルドで団長をやっている。攻略自体は順調とは言えずとも軌道に乗り始めたがここで問題が起こった。1つはここから先は何の情報も無いことである。βテスト時に辿り着いたのは10層までだったようでここからはガイドブックを当てに出来ないのである。βテスト時から変更点もあったが多くのプレイヤーがあのガイドブックに助けられていたのでこれは大きな痛手である。そしてもう1つは…

 

「武器替えなきゃな…」

 

現在の俺の武器は8層のクエストで手に入る《ナイトスピア》というものだが11層で使用するには威力が足りない。さっきもMobとの戦闘で大分時間をかけてしまった…早く武器を替えようとは思うがこの層にどんなクエストがあるのか俺は知らないし教えてくれるような仲のいい奴も残念ながらいない。ディアベルは団長としての仕事が忙しいと思うので却下だ。

 

「どこかにクエストの情報が転がってねえかな…」

 

「どうやらお困りのようだナ。おねーさんが助けてやろうカ?」

 

急に後ろから声が聞こえたので驚いて振り向くとフード付きのローブを着て顔に髭の様なものをつけている金髪の女性がいた。

 

「誰ですか?」

 

「俺っちはアルゴだヨ。それで何を教えて欲しいんダ?おねーさん物知りだから色々教えてやるヨ」

 

「それなら…」

 

俺は彼女にこの層で槍を入手出来るクエストとついでに防具についても聞いてみた。彼女はそれに丁寧にクエストの詳細まで答えてくれた。本当に助かった…俺は懇切丁寧に教えてくれる彼女に本当に感謝していたのだ…この時までは…

 

「本当に物知りなんだな。ありがとう助かったよ。じゃあ俺は行くわ」

 

「ニャハハハハハ!良いってことヨ!そうそう言い忘れてたことがあったヨ…」

 

彼女に背を向けて歩いていると言い忘れていたことがあると言ったので彼女に方に振り返る。

すると俺の目に見えたのはいい笑顔で指を3つ立てたアルゴの姿だった。

 

「…………」

 

「3000コルだヨ」

 

ものすごい嫌な予感がする。

 

「あれ?言っていなかったかナ?オイラは情報屋だゼ」

 

言ってねえよ!謀ったなアルゴ!謀ったな!という言葉を心の中で押さえつける。ここは冷静に…相手のペースに飲まれてはダメだ!落ち着け!落ち着け…俺!

 

「…知りませんでしたよ。そうだったんですか?」

 

「そうだヨ。まあ情報屋から情報を買ったんダ。当然コルは払ってもらうヨ」

 

「情報屋って知っていたら聞いてませんよ。騙されたんですから払いませんよ」

 

「まあ世の中騙された方が悪いってことデ。いい勉強させてもらったということでナ?」

 

こいつ開き直りやがった…!マズイ!口で勝てる気がしねえ…大人しく払おうにも現在500コルしかない俺には無理だ…!値段を下げるのも無理だろう…3000コルを500コルにまけてもらうなんて不可能だ。仕方ないここは…

 

『逃げよう!』

 

ステータスを敏捷力に7割も振っている俺だ。情報屋ということはLVはそこまで高くないだろう…全力で逃げてやる!

 

「分かりました…払いますよ」

 

「ニャハハハハハ!分かればよろしイ!」

 

向こうは俺が大人しく払うと思って油断している。今しかない!俺は敏捷力を全開にしてアルゴの横を走り抜けた。

数分走った後俺は町の裏道のような所で休んでいた。

全く…厄介な奴に会ったものだ。まあでも…

 

「もう撒けただろ「さっきぶりだナ、コルを払い忘れてるゾ」…は?!」

 

俺の前には先ほど撒いたはずのアルゴがいた。

馬鹿な!あり得ない!俺はもう一度全力で逃げた。

するとアルゴは俺の横にピッタリとくっついて走って来た。

ダメだ…!離せない…!

 

「ニャハハハハハ!オイラから逃げるには速さが足りないナ」

 

その言葉に俺の心は反応してしまった。速さが足りないだと…!俺が遅い?俺がslowly!冗談じゃねえ!こうなったら意地でもこいつから逃げてやる!走って、走って、走り続ける。こうなったら根比べだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局俺は奴から逃げることは叶わず捕まってしまった…

 

「さぁテ…払ってくれるんだロ?」

 

「えっと…あのですね…コルの方が足りない訳でですね…」

 

「でもあの時言っただロ。分かった払うっテ、おねーさんしっかり聞いていたヨ」

 

迂闊だった…確かにあの時逃げるためにそんなことを言ったので反論できない。彼女は俺がお金を持っていないと分かるとある提案をしてきた。

 

「ならオイラの仕事に手を貸してくれヨ。」

 

彼女の提案は自分の代わりにクエストの詳細を調べたり、依頼を受けて欲しいということだった。彼女1人では手が足りないこともあるらしい。面倒なことだが仕方ない。

 

「分かった…よろしく」

 

「ニャハハハハハ!よろしくなタツ坊」

 

「…?何で俺の名前を知っているんだ?言ってねえよな」

 

「そんなの決まっているじゃないカ。オイラは情報屋だゼ」

 

情報屋って怖いな…俺はそう感じた。それにしても…

 

「タツ坊って名前はよしてくれ…恥ずかしい」

 

「そうカ?オイラは結構気に入ったけどナ」

 

ニャハハハハハ!と笑って彼女はどこかに去っていった。

本当にすばしっこい奴だな…

そうして俺は不本意ながらたびたびアルゴのお使いに駆り出されることになるのだった…

 

 




速さが足りない!これを言いたかっただけです。次回は本編の方にいきます
居場所を失った少年は死に場所を求めた。その先にあるのは…
次回「クリスマスの夜に」にレディーゴーーー!!!
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