ソードアート・オンライン~赤腕の槍使い~   作:G.S

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第六話:竜使いの少女とレッドプレイヤー

 俺は今NPCのレストランで人を待っていた。

どうやらここまで走って来たようだ。

 

「遅れちゃったかな?ごめんね」

 

「俺も今来たばかりだから気にするな」

 

俺の待ち人とは月夜の黒猫団所属の少女サチであった。彼女は現在ギルドの後方支援を行っており道具作成や裁縫、鍛治にさらには料理という支援系のスキルを上げているらしい。別に料理スキルなんて上げる必要無いんじゃないか?と尋ねた時にはみんなが喜んで食べてくれるのが嬉しいと答えていた。後方支援になってからは纏っている雰囲気も明るくなり以前のような脆さは成りを潜めている。あとよく笑うようになった。

 

「それで今回も同じか?」

 

「うん。キリトにこれを渡して欲しいの。お願い」

 

そう言って渡されたのは黒色のジャケットのような上着であった。サチはキリトのために服やポーション等を作るようになった。しかしキリトは直接会うのが気まずいらしく俺に仲介を頼んできたのだ。それからというもの俺はサチから預かった荷物をキリトに受け渡す宅急便紛いのことをしている。

 

「確かに受け取った。そう言えばあいつらは元気か?」

 

「他のみんなは元気だよ。でもタツヤのことはやっぱり少し苦手みたい」

 

「まあ、あんだけキツイこと言っちまったしな…苦手意識持たねえ方がおかしいよな」

 

あの時、間違ったことをしたつもりは無い。しかし、もっと穏便にやれたのではないかと俺は少しは後悔しているのだ。

 

「うん。でもあれはタツヤが親切心からやってくれたってことはみんな分かっているから。感謝はしているんだよ」

 

「…親切なんかじゃねえよ。ただ感情のままにやっちまっただけだ」

 

「でも人のために感情を出せるっていうのはスゴくいいことだと思うよ。ありがとうねタツヤ」

 

そう面と向かって感謝されるとむず痒い気持ちになった。その後はとりとめのない雑談をした。そう言えば彼女と話していて気付いたことがある。彼女と話しているとこっちまで穏やかで心地よくなれるのだ。彼女にはこの殺伐とした世界でも相手を癒すことが出来る力があるのだろう。それはまるで夜を照らす月の光のようで…本当に彼女のような人に好意を持たれているキリトが羨ましいと思う。

 

「…っともうこんな時間だね。じゃあ私はギルドホームに戻るね。今日はありがとう」

 

「どうも。気を付けて帰れよ」

 

「うん。じゃあねタツヤ…あ!忘れてた!」

 

そう言って彼女はストレージから出した物を俺に渡してきた。

それは赤色のYシャツだった。

 

「これは…!」

 

「いつものお礼だよ。赤好きだと思ったんだけど…気に入らなかった?」

 

「…いやスゲー嬉しい。ありがとうサチ」

 

「どういたしまして。よかった気に入って貰えて。じゃあ行くね」

 

そう言うと彼女はレストランから出ていった。

さて、これをキリトの奴に直ぐにでも届けないとな。キリトの居場所をフレンドリストで見てみると意外な場所にいた。

 

「47層《フローリア》?確か《フラワーガーデン》だったよな…あいつ何でこんなところにいるんだ?」

 

47層は周りを花に囲まれた綺麗な場所であったがこれといったクエストも素材も無い階層であった。キリトの奴がこの層に来る理由なんて何にも思い浮かばないのだが…まあいい早くサチからの贈り物をあいつに渡そう俺は47層に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キリトは転移門の近くにいた。しかし、小学生ぐらいのツインテールの女の子が一緒にいたのだ。…女の子だ…それも小学生…一体キリトは何をやっているのだか…キリトの奴はこっちに気付いて無いようだ。

 

「ようキリト。何やっているんだ?」

 

俺はキリトに声をかけた。

 

 

 

シリカside

 

「ようキリト。何やっているんだ?」

 

 ピナを生き返らせるために必要な《プリウマの花》を一緒に取りに行ってくれると言ってくださったキリトさんと話していると声をかけられました。どうやらキリトさんの知り合いのようです。

 

「何でお前がいるんだよ。タツヤ」

 

「いつものお前宛の贈り物だよ」

 

どうやらタツヤさんという人らしいです。真っ赤なプレートアーマーに真っ赤な盾、そして真っ赤な髪をオールバックみたいにしている槍を持った人です。その赤色の所と槍を持っている所で昨日喧嘩をしてしまったロザリアさんを思い出して嫌な気分になりました。

 

「そうならメッセージぐらい寄越せよ。驚いただろ」

 

「あ…悪い完全に忘れてたわ…」

 

でもどうやらあんまり怖い人では無さそうです。その後はキリトさんがタツヤさんから何かを受け取って少し話していました。

 

「…で結局お前は何でこんなところにいるんだ?まさか女の子と一緒に花を見に来ただけなんて言わないよな」

 

「違うよ!そこの彼女シリカから依頼を受けたんだよ」

 

キリトさんがそう言うとタツヤさんは私の方に目を向けました。とにかく自己紹介をしないといけませんね。

 

「初めまして!シリカです!」

 

 

 

 

タツヤside

 

 どうやらキリトは彼女からの依頼でここに来たらしい。

彼女の名前はシリカといい中層では有名らしい。元気な女の子というのが第一印象だ。彼女はここにあるアイテムを取りに安全マージンから出てきたらしい。そのアイテムは使い魔蘇生アイテムらしいのだが…

 

「あのさ…使い魔って何?」

 

俺がそう言うとキリトやシリカは驚いた顔をした。使い魔ってそんなに有名なのか?

 

「えっと、使い魔というのはですね…」

 

使い魔というのは稀に起こるテイムイベントでテイムに成功したMobのことらしい。使い魔にはサポート系のスキルを覚えているものが多いらしい。しかし…

 

「なあ、そこまでする必要あるか?」

 

「?どういうことですか?」

 

「そんな危険を冒してまで復活させる必要は無いんじゃないかってことだよ。キリトが付いているからって絶対安全な訳じゃ無い。所詮使い魔なんてデータなんだから命を危険に曝すまでのことは無いんじゃないか?」

 

人の命がたかがデータのために失われるなんてことは馬鹿げている…俺はそう考えている。しかし…

 

「ピナは…ピナはただのデータじゃありません。1人で心細かった私の隣にいつもいてくれた…大事な…大事な友達なんです…」

 

シリカは顔を下に向けたままそう言った。その声は涙声であった。…あれ?俺もしかして女の子泣かしているのか?そう思うと凄い罪悪感が…これまでお節介で何度か相手に厳しいことを言ったことはあるがさすがに小学生ぐらいの女の子にあれはやり過ぎたか…

 

「…悪い。少し言い過ぎた。お詫びに俺も付いて行ってもいいか?」

 

そう言うとシリカは顔を上げて驚いたようだ。

 

「いいんですか?」

 

「お詫びだからな。戦力は多い方がいいだろ?なあキリト?」

 

「…ああ、確かにそうだな。じゃあ行こうか」

 

そう言って俺達は森の奥へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助けて!見ないで助けて下さい!」

 

「「ごめん。無理」」

 

 現在シリカは見た目がグロテスクな植物型Mobによって吊し上げられていた。この森のMobは大抵植物型なのだがかなり見た目が悪い。俺はどうして植物をこんなグロテスクな見た目にするのか理解できない。それはともかく…目を閉じて戦えって…残念ながら俺はアムロやカミーユのようなニュータイプではないので相手の気配を感じとることなんて出来ない。キリトの方も同じようなのでなるべく上の方に見ずにとっとと倒すしかない。キリトがシリカを吊し上げている蔓を斬る。その後俺が敵の胴体に向けて槍単発重攻撃《デス・スティンガー》を発動すると敵はポリゴン片になった。キリトの方を見ると奴がシリカに所謂お姫様抱っこしていた。

 

「見ましたか?」

 

「「…見てないです」」

 

「やっぱり見られたんですね…」

 

正直言うと少し見えてしまったのだが言わない方が本人のためであろう。しかし俺達の嘘はシリカにはバレてしまったようだ。もう少し上手く嘘をつけるようにした方がいいかもしれないなんてことを考えてしまった。その後はシリカのLv上げのために俺達はサポートに回った。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!」

 

シリカの短剣二連攻撃《ラピット・バイト》で植物型Mobがポリゴン片になって消滅した。彼女の戦い方は短剣による敏捷力を活かしたヒットアンドアウェイ戦法である。本来ならこれに使い魔によるサポートが入るのだ。確かに彼女の能力は中層ではトップクラスであろう。ただし1人での戦闘は不慣れそうで少し危なっかしいが…

ある程度まで進むと時間がいいので休憩することになった。

 

「それにしてもお前は本当にお節介だな。わざわざ自分の利益にならないことをするなんてな」

 

俺がそう言うとキリトの顔は少し曇った。

 

「シリカが困ってたってのもあるんだけど…他にも理由があるんだ…」

 

「?何だよ他の理由って」

 

「俺妹がいるんだ。シリカ見てると思い出しちゃってさ…贖罪なのかもしれない」

 

…妹…

 

「…贖罪ってお前何かしたのか?」

 

「…ああ。本当は妹じゃなくて従妹なんだ。俺の両親赤ん坊の頃に死んじゃって母親の妹さんが俺を引き取ってくれた。引き取られたの赤ん坊の頃だったから俺の両親はその人達だと思ってたんだ。でも自分が本当の子供じゃないと分かったら急に距離置いちゃってさ。両親も妹も全然悪く無いのにな…妹と距離置いちゃったことをシリカに話したらいつか絶対に仲直り出来ます!って言われたんだ…だからかな」

 

…いつか絶対仲直り出来るか…

 

「なあ、タツヤ…本当に仲直り出来るかな…?」

 

「…難しいんじゃないか」

 

俺がそう言うとキリトは少し驚いた。おそらく肯定してくれると思ったのだろう。

 

「人と人の関係は壊れてしまったら元通りにはならないんだ。壊れた物を接着剤でくっつけたって元通りにならないのと同じだよ。何処か歪でぎこちなくなってしまう…」

 

そう…どんなに昔仲がよくても…一回壊れてしまったら元には戻らない。

 

「…そっか…」

 

そう言ってキリトの顔はさらに曇ってしまった。しかし…

 

「そんな事はありません!」

 

突然の大声に俺はビックリしてしまった。声の主はシリカであった。

 

「キリトさんは絶対に仲直り出来ます!だってキリトさんはスゴくいい人ですから!」

 

そう言うとキリトは少し驚いた顔をしてありがとうシリカと言った。

 

「タツヤさんだってその誰かと絶対に仲直り出来ます!」

 

「その言葉は嬉しいけど一体何の根拠があるんだ?それにさっき言ったろ?一度壊れた関係は元通りにならないって」

 

「確かに元の関係に戻ることなんて出来ないのかもしれません「なら」でも!新しい関係を築くことは出来ると思います!」

 

新しい関係…?

 

「きっとタツヤさんなら前よりもいい関係になれます!だってタツヤさんずっとその事後悔しているんですよね?だったら大丈夫です!」

 

…前よりもいい関係か…考えたことも無かったな…昔の俺なら出来るわけないって言うかもしれない…けど…

 

「ありがとうシリカ。向こうに戻ったらやってみるよ」

 

今は少しだけ…ほんの少しだけ出来るかもしれないと思える…

以前の誰とも関わろうとしなかった俺では絶対に思えなかった。けれどこの世界で様々な人と出会うことで俺も少しずつ変わっているのだと今さらながら思う。

 

「はい!頑張ってください!」

 

「…まあ期待はしないでくれ」

 

その後、無事に使い魔蘇生アイテムを手に入れた俺達は町に戻ってから使い魔を蘇生させることにして町へと向けて歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なあ、タツヤ』

 

町に戻る道中でキリトに急に小声で声をかけられた。俺たちの前方にいるシリカには聞かせたくない内容らしい。

『何だよ。もしかしてこの後何かあるのか?…でもそれならシリカにも言った方がいいんじゃないか?』

 

『シリカには言いたく無いんだよ。ショック受けると思うし…俺が受けた依頼の話したよな?』

 

『シリカから使い魔蘇生アイテムを一緒に取りに行って欲しいって依頼だろ?それがどうしたんだ?』

 

『実はそれとは別の依頼も受けているんだよ』

 

そう言うとキリトの顔は強張った。

 

『依頼主はとある中層ギルドのギルドマスター。依頼内容は自分のギルドメンバーを殺した連中を黒鉄宮の監獄に入れて欲しいってことだ』

 

『殺した連中って…まさかオレンジギルドか?』

 

『ああそうだ。そしてその連中は次の目標を決めた。それがシリカだ』

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

あまりのことに驚いて大声を出してしまった。シリカは目を大きく開いてこっちを見ている。

 

「どうかしたんですか?」

 

「いやいやいや!何でもない!何でもないから大丈夫だ」

 

明らかに怪しい答え方であったがシリカの方は気付かなかったようだ。おそらく頭の中はピナのことで一杯なのだろう。

 

『どういうことだキリト?何で彼女が狙われるんだ?』

 

『奴らは殺された人が持っているアイテムを取っていく。おそらくコルに替えるんだろう。そしてシリカは今使い魔蘇生アイテムを持っているからな。市場に出回ってない分高く売れるんだろう』

 

『なるほど…にしても何で連中はシリカがそれを持っているって知っているんだ?』

 

『昨日宿でシリカと話していた時盗み聞きした奴がいた。おそらくそいつだろう。元々シリカはマークされてたみたいだけどな…』

 

『?元々マークされてたってどういうことだ?』

 

『昨日シリカと一緒のパーティーにいた奴でそのオレンジギルドのリーダーがいたんだ。おそらくシリカがある程度アイテムやコルを手に入れた時点で殺すつもりだったんだろう』

 

『胸糞悪いな…』

 

『同感だよ…』

 

この世界で心から嫌悪する奴らなんて初めてかもしれない…

 

『つまりこれからオレンジギルドからの攻撃があるってことだな?』

 

『ああそうだ』

 

『ならそれこそシリカに伝えるべきだろ?というかお前オレンジの連中が来るって最初から知ってたんなら蘇生アイテム取りに行く前にその事を言えよ』

 

『いや…そうなんだけどさ…』

 

『…もしかしてお前シリカを餌に使ったな』

 

そう言うとキリトは気まずそうに黙ってしまった。確かに餌を使って誘き出してから一網打尽にした方が手っ取り早くて確実ではあるが…

 

『取り敢えず言うにしろ言わないにしろシリカには謝っとけよ』

 

『…分かった』

 

会話が終わる頃にはかなり町に近づいていた。

 

 

 

「おい!そこに隠れている奴出て来いよ!」

 

どうやら連中のご登場らしい

 

「あたいの隠蔽を見破るなんて、なかなか高い索敵スキルを持っているみたいだね」

 

「ロ、ロザリアさん何でここに?」

 

どうやら奴が連中の親玉らしい。赤い髪をカールさせて槍を持った女性であった。なんか俺とかぶっているような…髪の色とか武器の種類とか…

 

「無事に《プネウマの花》を取って来たみたいね。じゃあそれを大人しく渡しなさい」

 

「そうはさせないぜ。オレンジギルド《タイタンズハンド》のリーダーのロザリアさん」

 

「へぇ、あたしのことを知っているなんてねぇ」

 

そう言って嗜虐的な笑みを浮かべる。

 

「あんたらこの前《シルバーフラッグス》ってギルドを襲ったな。リーダー以外が全滅した」

 

「ああ、あのボロイ連中ね。それがどうしたんだい?」

 

「俺はそのリーダーから依頼を受けたんだ。黒鉄宮の監獄に入れてくれってな。分かるか…!仇を討ってくれって言わなかったそいつの気持ちが…!」

 

「さあね。本気になって馬鹿みたい。大体この世界で死んだら現実で死ぬなんてどうやって分かるのさ?」

 

…つまりこいつらは人を殺したなんて微塵も考えて無いってことか…本当に腹立たしい奴らだな…!

 

「悪いキリト。俺もう限界だわ。こいつらと話しても無駄だよ。ほら?かかって来いよ。どうせみんな殺すつもりだったんだろう?」

 

「…っ!舐めやがって…!あんたら!さっさと殺ちまいな!」

 

俺の挑発に額に青筋を立てたロザリオは自分の部下に俺を殺すように命令した。前方に3人、斧使い、片手剣使いに短剣使い…俺は飛び上がって槍単発重攻撃《アース・バウンド》を発動する。このソードスキルは直接当たらなくても近くにいる相手にダメージを与えることが出来るので多数の相手をするときによく使う。突撃してきた3人のHPは一気にレッドゾーンまで落ちた。

 

「まだ生きてるのか?ゴキブリ並みの生命力だな」

 

そう言って近づくと飛ばされた3人は怯えた顔でこっちを見てきた。

 

「お、落ち着け!どうせこいつはオレンジしか攻撃できない!」

 

そう言ったのはカーソルがグリーンのプレイヤーだった。俺はそいつの目の前まで行き槍三連撃攻撃《トライ・スパロー》を発動する。すると俺のカーソルはグリーンからオレンジになった。

 

「ま、マジかよ…!あいつカーソルがグリーンでも攻撃したぞ!」

 

さっき攻撃した奴のHPはイエローゾーンになっていた。まあそんなに威力が高いソードスキルじゃないからこんなもんだろう。さらに周りの怯えて動けない連中に槍範囲攻撃《サークル・エッジ》を発動してHPを削る。そうなるとここにいる連中のHPはイエローやレッドになった。…1人を除いて…その1人のロザリオは俺の行動に怯えきってしまってその場に立ち尽くしていたので俺はゆっくりと近づいていった。

 

「ま、待ちな!あんたあたしを殺すつもりなのかい…?」

 

「どうだろうな。運がよければ生き残るかもな?それにあんたが言ったんだぜ、この世界で死んだからって現実で死ぬなんてことは分からないってよ。」

 

「そ、それは…」

 

「喜べよ。無事に現実に帰れるかもしれないんだぜ?むしろ感謝して欲しいくらいだ。ああ心配しなくてもお仲間さんも後で纏めて送ってやるよ」

 

「や、やめて…」

 

「無事向こうに戻れたら教えてくれよ。まあ無事に戻れたらの話だけどな…」

 

そう言って槍単発重攻撃《デス・スティンガー》を発動しようとモーションに入る。

 

「じゃあな!オバサン」

 

「イヤーーー!!」

 

そうして俺のソードスキルは発動…しなかった。何故なら俺の右手と槍は中を舞って下に落ちたからだ。そして俺の右手は下に落ちると同時にポリゴン片になって消滅した。

 

「おい!やり過ぎた!」

 

俺を止めたのはキリトであった。

 

「こいつは黒鉄宮の監獄にセットしてある回廊結晶だ。こいつに殺されたくなければ早く入れ」

 

そう言うと連中は我先にと入っていった。そしてこの場には俺、キリトそしてシリカしかいなくなった。シリカは俺の方を見て少し怯えているようだった。まあ仕方ないか…

 

「じゃあ俺はカルマ浄化クエスト受けてくるから道中気を付けて帰れよ」

 

そう言って俺は背を向けて歩き出す。

 

「タツヤさん!今日はありがとうございました!また会いましょうね!」

 

後ろからシリカに声をかけられた。背を向けたまま手を振ってそれを返す。

今日は気分が悪いから明日からやろうと俺は考えてカーソルがオレンジでも休める場所を探すのであった。

 

 




次の話は現実世界での話になります。
兄のお見舞いに訪れた桐ケ谷直葉はある少女と出会う
次回「病院での出会い」にレディーゴーー!!!
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