寝落ち配信した妹の横でギターの練習してたら伝説になってた件について   作:五河 緑

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ボザロ見てたら、ふと思いついて書いてしまいました。
作者は音楽のこと何も分かんないです。作詞作曲の経験などございません。ギターなんぞ、人生で1度も触ったことすらありません。
音楽に関する描写で「これ明らかにおかしいだろ」なんてものがありましたら、ご教授頂けると幸いです┏○┓


#1 爆睡してる妹と熱唱してる俺

 

「おーい、入んぞ」

 

 その日、バイト先から帰宅した俺は玄関で適当に靴を脱ぎ散らかし、スマホを片手で弄りながら我が家の2階にある一室へと向かっていた。

 

 ここは我が家唯一の防音が施された部屋だ。昔、親父がギターやりたくて作ったらしい。尤も、いつも仕事に追われている親父が楽器をやっている姿なんて俺はほとんど見たことなかった。

 むしろ、中学から軽音やってた俺の方がこの部屋の使用頻度は高い。

 親父も自分が好きだった音楽の道に息子が興味を持ったのが余程嬉しかったのか、俺の音楽活動を応援してくれていた。

 たった一つの防音室だが、ギターの練習に熱を上げていた俺に親父はあっさりと部屋を譲ってくれたのだ。

 結果、この部屋は実質俺の部屋みたいな感じになっていた。

 ギター、アンプ、楽譜、CDの山。部屋の中にあるのは殆ど俺の私物だ。

 好きなものに囲まれて、練習に集中できる理想の部屋。俺が最も安らぎを得られる最高の隠れ家……だった。1か月前までは。

 

「……人の部屋で寝んなよ。マジで」

 

 ドアを開けると、そこにはブゥンと冷却ファンの音を鳴らすパソコンとその前でヘッドホンをつけたままちゃぶ台に突っ伏して爆睡こいてる女が1匹。

 

 妹だ。

 今年高一になる我が愚妹は、ホットパンツにヨレヨレのダサTという女を捨てたとしか思えない出で立ちのままパソコンを置いたちゃぶ台に頭を乗っけてスヤスヤと寝ている。

 

 こいつこそがここ最近の俺が抱える悩みの種だ。

 今までは防音室になんて微塵も関心を持っていなかった妹が1か月前、唐突に部屋を貸せと言ってきた。

 最近の俺もバイトのシフトを増やしていて部屋を空けることが多かったから、別に構わんと思っていたのだが……。

 妹が要求してくる部屋の使用頻度は留まることを知らなかった。

 俺が大学やバイトに行ってる時は当然のごとく部屋を勝手に使うようになり、最近じゃあ真夜中に俺が布団敷いて寝ている横でパソコンに向かってベチャクチャと何やら話していることもある。

 大方、友達とゲームでもやってるんだろうが、こっちからすればいい迷惑だ。

 

「おい、アホ。今日、お袋帰ってくんの遅いからメシ勝手に食えって」

 

 今さっきスマホに来た母からのショートメッセージの内容を口頭で伝えるが、妹は「ゔゔん」と犬みたいな唸りを上げるだけだ。こいつ寝ぼけてんな。

 

「寝るなら自分の部屋で寝てくれよ。頼むから」

 

 相変わらず突っ伏して動きそうにない妹の肩を揺するが、やはり起きる様子はない。

 不機嫌そうに唸りながら「うるさい」「ねむい」「勝手に入ってくんな」などとゴニョゴニョ言っている。

 なんなんだこいつは本当に。

 

「なあ、妹様よ。ここ俺の部屋なんだけど?」

 

 説得を試みるがやはり妹は顔を上げない。

 ため息が出る。昔からこうだ。

 妹は、一度寝たら余程のことがない限り絶対に起きない。隣で大声で怒鳴っても絶対に瞼を開けようとしない。オマケに寝起きもすこぶる悪い。

 無理に起こそうとして、顔面に拳をもらったこともあるくらいだ。

 そのくせ、叩いたり蹴ったりして起こすと被害者面して泣き始める。

 控えめに言って面倒臭い。

 

 ふと、妹が開きっぱなしにしているパソコンの画面をチラ見する。

 何やらゲームの画面とその横に大量の文字列が流れていくのが見て取れた。

 あれだろ。ゲーム実況動画って奴だろ。

 昔から陰気な妹はこういうのが大好物だった。人が遊んでるゲームなんか見て何が楽しいんだか……。

 大方、動画サイトでゲーム実況見てたら睡魔に負けて寝落ちしたってとこか。アホらしい。

 

「なあ、俺ギターの練習したいんだけど?」

 

「ゔぁぁ、うるさい。勝手にすりゃいいじゃん」

 

「言われなくてもそうするわ。後でうるさいとか文句言うなよ」

 

 それだけ言い放つと、俺は妹に構うのをやめた。

 これ以上は何言っても無駄だ。こいつが先に好き勝手し始めたんだ。俺もそうさせてもらう。

 

 相変わらず、付けっぱなしのパソコンの画面には文字の羅列が目まぐるしく動き続けている。

 雨戸しめきった真っ暗な部屋でこういう画面見てると目がチカチカしてくる。電気くらいつけろや、アホ妹が。

 

 腹立たしい態度の妹と目に悪い光を放つパソコンから目を逸らして、部屋の隅に立てかけておいたギターを手に取り、セッティングを始める。

 ギターを手にすると不思議とさっきまでのムカムカした気持ちが落ち着いてくる。

 やっぱり、好きなものがあるってのはいい。それに集中すれば、余計なものを頭からシャットアウトできる。

 今の俺の頭の中からは、グースカ寝てる妹と文字列がゴチャゴチャしてる画面の存在はすっかりいなくなっていた。

 

 

 

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 コメント欄

 

 :爆睡してて草

 

 :寝落ちwww

 

 :よく寝るなぁww

 

 :親フラww?

 

 :男の声www

 

 :兄っぽいな

 

 :アホてww

 

 :アホは草

 

 :仲悪いのww?

 

 :兄弟?

 

 :起きてーー

 

 :リアル兄かwwこれww

 

 :寝起きの機嫌クソ悪くて草

 

 :キャラ全然ちげぇw

 

 :清楚キャラじゃなかったんかい

 

 :元ヤンかww?

 

 :声ガラガラww

 

 

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 アンプにギターを接続して、ピックを手に持つ。弦を軽く弾いて、音の具合を確かめる。

 低い心地のいい音が響く。

 悪くない……が、まだ足りない。

 慣れた手つきでペグをいじる。俺は昔からチューニングに結構時間をかけるタイプだ。

 前組んでたバンドのメンバーからも「無駄に几帳面だな」なんて笑われたりもしたが、俺から言わせてみれば他の奴らが手早く済ませすぎなようにしか見えない。

 音ってのは繊細だ。味や匂いと同じ。僅かなズレ、アンバランスさが全体に大きな影響を与える。

「こんなもんか」では無い。「これならどうだ」と言えるくらいまで、徹底的に調節する。

 音楽は料理だ。音には味がある。料理の出来が素材の下ごしらえで決まるように、楽器の奏でる音楽の出来はチューニングから決まってくる。

 

 

 

 

 

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 コメント欄

 

 :ギター始めてて草

 

 :ギターwww

 

 :ギターキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 :いい音してんねぇw

 

 :面白くなって参りましたww

 

 :放送事故かコレww

 

 :楽器やるのかwお兄さんww

 

 :流石に起きるでしょw

 

 :まさかの演奏配信かw

 

 :尚本人ではない模様ww

 

 :本人爆睡からのギター配信は流石に草

 

 

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「よし」

 

 チューニング完了。弦を撫でれば調和の取れた心地のいい音が鳴り響く。

 やはり楽器はこうでなくちゃな。

 さて、何弾こうかな。

 最近の流行りの曲でも弾いてみるか。

 売れ線の曲は抑えておかないとな。流行りには振り回されねぇ、なんてロックな台詞を吐きたくなる時もあるが、やはり人前で弾いて1番ウケがいいのは人気バンドの曲のカバーだ。

 伊達に売れてる訳では無い。

 とりま、最近よく聞いてる某有名バンドの曲にするか。このバンド、俺がハマった時はまだ名の知られてないインディーズだったけど、いつの間にか大ブレイクしてて最近じゃアニメの主題歌とかも担ってるんだっけ。

 音楽とかこれっぽっちも理解できなそうな、アホ妹ですら知ってたもんな。

 やっぱ凄いよなぁ。俺も、そんな風になりてぇよ。

 

 ……じゃあ、まあ、行きますか。

 

 左手で弦を抑え、ピックを走らせる。

 最初は、優しく押し殺すように。

 お淑やかとも言える優しい音色の伴奏から始まり、サビにかけて徐々にテンポを上げていく。

 このバンド特有の緩急が心地いい。耳を飽きさせず、人の心を音で掴む手法を心得ている。

 そんな曲風だ。

 弾く側だからこそ分かる。この1曲のために、どれだけ試行錯誤を重ねたのかが。

 なんなら弾くのもそこそこ難しい。曲調が独特すぎて、慣れない奴がぬるい気概で弾こうと思ったら、この曲のジェットコースターみたいな音の変遷に振り回されることになるだろう。

 

『気合い入れて作ったんだ。そこいらのパンピーに簡単に演奏されてたまるかよ』

 

 

 そんな挑発的な声が聞こえてきそうなくらいトリッキーな曲。

 だからこそ……楽しい。

 試されてるこの感じが。挑んでいるというこの高揚が。音楽やってて、こういう難しい曲と正面きって向かい合ってるこの瞬間が1番テンションが上がる。

 生を実感出来る。

 

 

 

 

 

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 コメント欄

 

 :うまww

 

 :普通に上手くて草

 

 :めっちゃ上手やん

 

 :プロかなww?

 

 :これ〇〇の新曲?やば

 

 :相変わらずの変態変拍子ww

 

 :よく弾けんなぁw

 

 :マジで何食ったらこんな変拍子思いつくんだよww

 

 :その変態曲を普通に弾けるのも凄いわw

 

 :え、めっちゃ上手いじゃんw

 

 :楽器のやる人間だから分かるけど、この人普通に上手いわ

 

 :野生のプロかな?

 

 :これくらい普通しょ?簡単にプロとかプロに失礼だろ

 

 :いや無理だわw

 

 :名人コメかww?

 

 :楽器引ける奴にしか分かんねぇけど、これつっかえずに弾けるの普通にヤバいから

 

 :〇〇の新曲ってこの前リリースされたばっかりだろ。この僅かな期間でどんだけ練習したんだよw

 

 :すげぇ

 

 :てか、アリアたんはよ起きろ

 

 :まだ寝てて草

 

 :なぜ起きないww

 

 

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「ふぅ」

 

 最初の1曲、最後まで弾ききって音の余韻に浸る。

 武道に残心って概念があるけどそんな感じ。音楽は弾いてる時だけが全てじゃない。

 弾く前のチューニング。そして、弾いた後の音の残滓。これら全部ひっくるめて音楽だ。

 

「耳コピでも意外といけるもんだな」

 

 額の汗を拭いながらポツリと呟く。

 中々癖の強い曲だったが、いいウォーミングアップになった。指もだいぶ温まってきた。

 それになにより、いい曲ってのは創作意欲とか音楽への熱意みたいなものを刺激してくれる。

 前のバンドで作詞作曲も担ってた身からすると、こういう曲からは多大なインスピレーションを感じ取ることができる。

 俺もこういう曲を作りたい。こんな歌詞を並べてみたい。

 そんな熱い炎のような熱意が胸の底から湧いてくる。

 

「久しぶりにやってみるかなぁ」

 

 脳裏に思い浮かべるのは、かつて所属していたバンドで仲間たちと「あーでもない、こーでもない」と言い合いながら作ったオリジナル曲だ。

 当時、流行ってた青春応援ソングとか悲恋ソングとかとは掛け離れた10代の鬱屈とした苛立ちと不相応な夢への想いを歌詞に載せた1曲。

 

 学園祭で歌ったりしたっけな。

 

 ……まあ、当然のごとくそんなにウケは良くなかった。一部の熱烈な応援をしてくれる奴らは喜んでくれたが、一般的な音楽趣味の奴らが聞きたかったのは、「青春サイコー」とか「あの人に届け、この想い」みたいな歌だ。

 鳴かず飛ばずのバンドで青春を棒にフルスイングしてるくせに、夢とか目標とかだけは無駄にでっかい青いバンドマン達の心象を歌にしたって盛り上がるはずもなかったか。

 

 あの時、歌いたかった歌。もっかいやってみてーなぁ。

 

 ちなみに俺はギター兼ボーカルもやっていた。

 ……よくよく考えるととんでもない話だよなぁ。作詞作曲やってギターやってMCやって、挙句の果てがボーカルも兼任。

 他のバンドメンバーは、全員楽器の扱いには精通していたし、才能のある連中だった。

 だが、なんというか極端に尖った奴が多かったんだ。

 楽器はできるが、それ以外はてんでダメ……みたいなのが大半を占めていた。

 消去法的に俺が色んな役割を兼任する羽目になったんだっけ。ライブハウスの予約とか、チケットの売り上げ管理とか、ノルマの交渉とか……。

 あの時はマジで過労で死ぬと思った。

 

「じゃあ、次の曲ぅ。オリ曲で『こんなバンドやってられっか』行きまぁす」

 

 昔のライブでMCやった時を思い出しながら、いるはずのないオーディエンスに向けて宣言する。

 

「『埃かぶったギター、埃かぶった俺、汚れちまったあの日々よ、どこに行ってたんだよ』」

 

 歌い出しと共にピックが弦をなぞる。

 哀愁漂う音色が俺の歌にを乗せて空気に溶けていく。瞼の裏に浮かぶ、あの青い日々と一緒に。

 

「『こんな色褪せて穢れてさぁ、元の色も分かんなくなるくらいなら、あんなに綺麗な日々なんて、知らなきゃよかった』」

 

「『もうなんだってんだよ、ふざけんなよ、こんな終わり方する為に、走り回った訳じゃない』」

 

「『こんな顔するために、お前を殴ったわけじゃない、こんな言い訳するために、お前に蹴られたわけじゃない』」

 

「『こんなバンドやってられっか、なんであんなこと言ったんだっけ、もう眩しすぎて、覚えてないのさ』」

 

「『もしあの日に戻れるなら、もしまた会えるのならば、過去でも未来でも構わないから、もしまた隣に立てるなら、今度こそ』」

 

「『この光って燃えて暴れて、行き場のないこの歌を、お前と一緒に叫ぶんだ』」

 

 サビまで一気に駆け抜けるように歌いきる。

 一緒にバンド組んで馬鹿やったアイツらを思い出しながら、思いの丈を、感情をのせて歌いきる。

 

 

 

 

 

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 コメント欄

 

 :ボーカルもやるのかよw

 

 :まさかの弾き語りw

 

 :弾き語りできんのww?

 

 :タイトルで草

 

 :やってられっかwww

 

 :オリ曲か

 

 :うっまww

 

 :ええやん

 

 :いい曲。俺好きよ

 

 :高校の頃の軽音部思い出すわ

 

 :上手いなww

 

 :なんか感情っていうか、すげぇ実感篭った歌だな

 

 :普通に上手くて草

 

 :苦労したんやろな

 

 :変にキャピキャピした歌よりもこういう方が好きだわ

 

 :ファンになりました

 

 :アンコール!アンコール!

 

 :こんなんプロやろ

 

 :最高!

 

 :そんでアリアたんはマジで起きてくださいw

 

 :アリアぁ!どんだけ眠り深いんだよww

 

 :なんでまだ寝てんだよww

 

 :ウッソだろお前ww

 

 :普通、起きるだろw

 

 :睡眠薬でも飲まされたんかw

 

 

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「んぅ……」

 

 俺の青春時代への渇望と後悔を謳ったオリ曲を弾き終わると同時に、今までちゃぶ台に突っ伏してやがった妹がもそりと 顔を上げる。

 口の端から垂れた涎をダサTの袖で拭いながら、「あぇ?」とか間の抜けた声上げてやがる。

 安定の寝起きの悪さによって、しばらく目の焦点がフワフワと定まらないが、次第にその視線は目の前のパソコンの画面に収束していく。

 

「あれ、配信つけっぱ………………………………やばっ」

 

 眠そうに半分閉じかけていた目が大きく見開かれる。同時に顔から血の気が一気に引いたかのように真っ青になる。

 

「嘘嘘嘘っ!嘘でしょ、ちょっと!みんなごめん、配信まだ写ってますか!?」

 

 尋常じゃない様子で叫び出す妹。こんな姿を見たのは随分と久しぶりだ。

 流石に只事じゃないというのは見ればわかる。

 

「お、おい、どうした?なんかヤバいのか?」

 

「……っ!!?おにぃは黙っててっ!」

 

 心配になって声をかけるが返ってくるのは裏返った叫び声。

 何がどうなってるか分からないが、どうやら緊急事態らしい。

 

 

「あのっ!皆さん、これ違うんです!今のは家族で、うちの兄なんですっ!皆さんが思ってる変なのとかじゃなくてっ!」

 

 必死の形相でパソコンに向かって弁解する妹。

 ……控えめに言って不気味だった。こいつは、一体誰と話してんだ?

 

「なあ、なにがどうなってんのか説明を……」

 

「~~~っ!おにぃは、ちょっと外出ててっ!」

 

 あろう事か、部屋から叩き出された。

 一体なんだってんだ。

 

 

「あの、えっと、本当にすいませんでしたっ!せっかくの耐久配信だったのに……こんな、つまらなかったですよね。……それに兄が何か変なことをいいませんでしたか?」

 

 半開きのドアの向こうでは、今も妹がパソコンに向かって謝り続けている。

 

 ……てか、配信?今、配信つったかアイツ?アイツ配信者なん?

 いや待て、そんなことよりもだ。

 

 ……ひょっとして、今の今まで配信してたのか?俺がギター弾いて、歌いまくってた横で?

 

 そういや妹は最近よくヘッドセットつけてパソコンに向かって話しかけている。

 ゲームのボイチャかと思っていたが、それにしたってベラベラと1人で喋りまくってた。

 画面に写ってた流れるような文字列…………あれ、ひょっとして妹を写した配信のコメント欄だったのか?

 頭の中で不可解だったものが互いに結びついていく。

 

 …………マジかよ。俺の歌、図らずもネットで公開したことになるのか。

 

 前組んでたバンドを解散して、数年。あの時と比べて音楽への情熱は随分と冷めてしまったと思っていた。もう人前で、自分の音楽を聞いてもらうことないだろう、と勝手に思い込んでいた。

 図らずも、俺は再びオーディエンスを前にして音楽をやったのか。

 

 …………なぜだろう。不思議と嫌な気分ではなかった。

 

 部屋の中では依然として、妹の謎の弁明が続いている。

 

 

 

 

 

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 コメント欄

 

 :起きたw

 

 :おはようww

 

 :おはよw

 

 :めっちゃテンパってて草

 

 :大丈夫だよw

 

 :寝起きアリア可愛いw

 

 :今の寝ぼけた声可愛かったwww

 

 :おかえりーw

 

 :さっきのお兄さん?

 

 :おにぃて呼んでんのw?

 

 :おにぃ呼び可愛いw

 

 :お兄さんギターめっちゃ上手いね

 

 :お兄さんもっかい出して!

 

 :大丈夫だよー

 

 :お兄さんのギター聴いてたから全然退屈じゃなかったよw

 

 :歌めっちゃ上手かったw

 

 :皆で盛り上がってましたw

 

 :ちょー楽しかったよw

 

 

 

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「え?あれ?なんか意外と盛り上がってる?えぇ……?どゆこと?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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