寝落ち配信した妹の横でギターの練習してたら伝説になってた件について   作:五河 緑

11 / 14
今回の話では実在するゲーム『Apex Legends』をパロったゲームを主人公達が遊ぶ回となっております。
ゲームを知らない人でも分かるように描写を心掛けたつもりですが、元ネタを知っていた方が理解しやすいと思いますので知らない方は元ネタゲームの実況動画などを1度ご覧になることをお勧めします。


#11 熟練ゲーマーな妹と初心者ゲーマーな俺

 

 Ap〇x レジェンダリー。

 

 3人1組でチームを作り、1マッチ20チームが広大な1つのフィールドに解き放たれてマップ上に落ちている武器やアイテムを駆使して最後の1チームになるまで戦い続けるバトルロワイヤル型FPS。

 

 サービス開始から5年近く経つが未だに人気の炎が衰えないビッグタイトルのゲームだ。

 配信の世界でも圧倒的人気を博するゲームであり、プロゲーマーを兼業している個人勢Vtuber発案のもとカスタムマッチ機能を用いて名だたるVtuber達が最強プレイヤーの座を賭けて競う大会、通称Vtuber杯が定期的に開かれている。

 

 予選を勝ち抜いてきた猛者60人の忖度抜きのガチバトルが見れる本戦を明日に控える今日、予選落ちしてしまったチームやスケジュールが合わずに参加できなかったVtuber達が大会を盛り上げるためにワイワイ楽しく賑やかす前夜祭エキシビションマッチが開催されようとしていた。

 

 

 

「皆さんっ!こんリア!アートライブ3期生、ゲーマー女子担当の紅アリアです!……うひょぉ!いつもより沢山人来てるっ!テンション上がるなぁ!!」

 

 場所は例の如く、我が家の防音室。

 今日は2人そろってゲームをするためにデスクトップPCを2つ運び込んでいるせいか、いつもよりも手狭に感じる。

 ことゲームが絡むとテンション5割増の我が妹だが、今日は更に拍車が掛かっている。

 

 PCのモニターに表示されているのは大人気FPSオンラインゲーム、AP〇Xレジェンダリーの待機ロビー画面と配信用のライブ2Dアバターが3人。

 

 巨乳の赤髪美少女、金髪碧眼のイケメン男子、そして威圧感半端ない全身黒ずくめのガスマスク男。

 

 ……改めて見ると俺の場違い感凄いな。

 

 

 

------------------------------------------------------------

 コメント欄

 

 :こんリア!

 

 :こんリア!

 

 :アリアちゃん今日も可愛い!

 

 :こんリアー!

 

 :同接エグww

 

 :めっちゃ人来てんなー

 

 :お邪魔します

 

 :こんリア?

 

 :お邪魔しまーす

 

 :獅子郷さんとこのリスナーかコレ

 

 :盛り上がってんねぇ

 

 :相変わらずアートライブのとこ一体感凄いな

 

 :2clock 3clockの皆ァ、うちの推しを見てってくれぇ!

 

 :楽しみー

 

 :このガスマスクもアートライブ?

 

 :アートライブって男性Vいたんだ

 

 :お兄さんの立ち絵、相変わらず圧がすごいw

 ------------------------------------------------------------

 

 

 

 

 コメント欄は大繁盛。

 流れている雰囲気がこの前のコラボ配信の時とは少し違うのは獅子郷レオン……箱外のライバーのファンが来ているからか。

 視聴者も今まで接してこなかった人達と交流するこの時間に新鮮さを感じているのが伝わってくる。

 

『いやぁ、やっぱ凄ぇ人気だなアートライブ。流石、人気アイドルVだよな。圧巻だわ』

 

「いやいや、獅子郷さんのリスナーの皆さんが応援に来てくれてるからですよー」

 

 画面内で金髪イケメン……獅子郷レオンが身体を左右に揺らしながら褒め言葉を送る。

 対する赤髪の巨乳美少女……紅アリアこと我が妹も謙遜しつつも嬉しさが抑えきれないのかウキウキしている本体の動きをモーションカメラがアバターに反映させている。

 

『改めまして、2clock 3clockから来ました!獅子郷レオンでーっす!紅アリアファンの皆さん、今日はうちのリスナー共々お世話になりまぁす!』

 

 獅子郷の掛け声と共にコメント欄に獅子郷リスナーと思わしき視聴者達の「よろしく」「お世話になります」コメントが流れる。

 

「今日はなんとアートライブと2clock 3clockさんの初となるクロスオーバーコラボ配信となってますっ!紅ファンの皆は温かく迎えてあげてね☆……そして、勘のいいリスナーの皆は気付いていると思うけど今日はもう1人ゲストにお越し頂いてます!」

 

 妹の目配せに軽く頷く。

 

「はい、どうも。またしてもお邪魔させて貰ってます。獅子郷レオンさんのリスナーの皆さんは初めまして。紅アリアの兄です。訳あって最近はアートライブの皆さんにギターとか教えさせて頂いてます」

 

 軽く会釈、モーションカメラがその動きを拾ってガスマスク男にも連動させる。

 

「わたしのリスナーにはもうお馴染みになってきたかな?我が家のおにぃです!今日はこの3人で、念願のAP〇XレジェンダリーVtuber杯エキシビションマッチに挑んでいこうと思いますっ!」

 

 意気揚々と拳を突き上げる妹の声を皮切りにコラボ配信が幕を開けた。

 

 

 

 ------------------------------------------------------------

 コメント欄

 

 :おぉ!

 

 :何気に初の試みだよな

 

 :これアートライブ鎖国終わる感じ?

 

 :他のアートライブの娘も見てってやってくだせぇ

 

 :アリアちゃんね、よろしくー

 

 :これから増えねぇかなぁ2クロとアートライブのコラボ

 

 :うちの獅子郷をよろしくおなしゃーっす

 

 :獅子郷さん声カッコイイなぁ

 

 :兄?

 

 :お兄さんもVtuberなん?

 

 :ついに来たァ!

 

 :お兄さんキターー

 

 :今日はギター持ってきてない?

 

 :最近お兄さんの出番多くて嬉しい

 

 :紅アリアのお兄さんってアレでしょ。今話題のギターの人

 

 :共食いプレデターズの動画見ました!

 

 :配信事故ギターの人か

 

 :Vデビューしたん?

 

 :獅子郷と一緒にバンドやってたんでしょ?

 

 :あれマジなん?

 

 :獅子郷のかつてのバンド仲間ってすげぇ偶然よな

 ------------------------------------------------------------

 

 

 

 

 

 初となる大手箱間でのコラボにより凄まじい盛り上がりを見せるコメント欄。

 今まで外部とのコラボを控えてきたアートライブが予想外の舵取りをしたことに驚き、今後の方針がどうなるのか気になっている人が多く見受けられた。

 

 そして話題は予想していた通り、俺と獅子郷がかつて『共食いプレデターズ』で一緒にバンド活動していたことに移っていく。

 

「コメント欄の盛り上がり凄いねぇ!これは気合い入っちゃう☆……それとー、やっぱ皆気になっちゃってるけどうちのおにぃと獅子郷さんって実は既に知り合いなんだよね?」

 

 予定通りだ。ここからの段盛りも考えてある。

 2clock 3clockの事務所にも話は通してあるらしい。

 2clock 3clockはライバーの好きなスタイルで配信させる自由をモットーにしている事務所だ。

 実写企画OK、前世の話OK、外部コラボOKでようするにモラルに反しなければどんな手を使ってでもいいから人気になることを目指すことを重視している。

 今回の俺と獅子郷の関係や過去の話についても好きに話せ、とお墨付きを頂いている。

 

「まあ……ご存知の方も多いかと思いますが……以前、一緒にバンドを組んでいましたね。ハイ……ですよね、獅子郷サン?」

 

『おいおいおい、随分と他人行儀じゃねぇか?青臭いぜ、相棒?』

 

「……水臭いな?」

 

 学がないのがバレるぞドラム全振り星人。

 

 こちとらVtuberの世界に関わり始めたの最近なんだよ。自分のチャンネルがある訳でも、フォロワーがいる訳でもないし。

 対する獅子郷は、大手事務所の看板ライバーでフォロワーもウン十万人のレベルだ。

 今、その凄まじい数のフォロワーが俺を見ている。

 嫌でも緊張する。

 

『まあ、アレよ。うちのリスナーには前に雑談で話したんですけど、実は昔アリアちゃんのお兄さんと同じバンド……共食いプレデターズで一緒にバンド活動やらせてもらってたんですよ』

 

 緊張で歯切れが悪くなる俺とは異なり、獅子郷はいつもの配信で話す雑談と何一つ変わらない口調で過去をカミングアウトする。

 これが年季の違いって奴か。

 

『アリアちゃんのお兄さんがギターボーカルで、俺ちゃんはドラムやらせて貰ってました。バンド抜けちゃってから長らく連絡とってなかったんすけど、思いもしない形で再開しまして……』

 

 まさか妹ちゃんがアートライブでVデビューするなんてなぁ、と感慨深そうに言う獅子郷。

 

「ホント運命ですよねー。おにぃ、獅子郷さんと連絡とれるようになってちょっと泣いてたんですよ?」

 

「おまっ!?いらんこと……」

 

 なぜか得意そうな妹。

 余計なこと言いやがって。恥ずかしい。

 

『おう?なんだぁ、俺のこと大好きかぁ?』

 

「うぜぇ」

 

『ハハッ、調子出てきたじゃん。それでいこうぜ。敬語とかマジいらんよ』

 

 愉快そうに笑う獅子郷。

 そうは言うがな……。

 

「……一応、お前Vtuber界の大御所なんだろ?ぽっと出の俺なんかがタメ語聞いたら生意気っぽくないか?」

 

『大御所かどうかは知らんけど、Vtuberである前に俺はお前の親友な?そんなんで何か言う奴いたら、俺がそいつに説教するわ』

 

 ……。

 親友、ね。

 恥ずかしげもなく言いたいことをキッパリと言い切るこいつの性格がたまに本当に羨ましくなる。

 口が軽いのは確かに欠点かもしれないが、それでも俺はこいつの欠点に救われてきた側の人気だ。

 こいつの真っ直ぐな性格に一体何度…………俺の心は救われたんだろうな。

 ……それ故に1度失った時の喪失感は半端ではなかったが。

 まあ過ぎた話だ。

 

『ま、そんな訳で。アリアちゃんのリスナーの皆さんにはせっかくのコラボなのに本当に申し訳ないですけど、お兄さんとのイチャコラたっぷり見せつけていくんで。そこんとよろしくおなしゃーっす』

 

「きゃー獅子郷さん積極的ー。ちょーホット。これは妹として応援するしかないかなー」

 

 唐突に気っ色悪いこと抜かしやがる獅子郷と棒読みで謎の引き立て役に回る妹。

 

 ……なんでこいつら無駄に息ピッタリなんだよ。

 

 

 

 

 ------------------------------------------------------------

 コメント欄

 

 :草

 

 :草

 

 :えぇ(困惑)

 

 :草

 

 :つまりお兄さんの貞操がピンチで危険って……ことぉ!?

 

 :なぜそうなるw

 

 :獅子郷、アイドルとのコラボ配信でイチャコラとかお前見損なったぞ

 

 :なお当のアイドルはガンスルーの模様w

 

 :アイドルいるのにその兄が狙われるのか……

 

 :親友ってハッキリ言えるのなんかいいな

 

 :仲良さそうw

 

 :なんで連絡とってなかったん?

 

 :一緒にバンドやってたならそりゃ仲ええわな

 

 :バンドは第2の家族。ハッキリわかんだね

 

 :てぇてぇ

 

 :てぇてぇ……か?

 

 :アリアちゃんはどこポジションなのよw

 

 ------------------------------------------------------------

 

 

 

「じゃあ、早速だけど射撃演習場いこっか」

 

 ひとしきりコメント欄の反応を見た後、仕切り直すように言いながら妹がゲーム画面を操作する。

 

 AP〇Xレジェンダリーには『射撃演習場』と呼ばれる練習モードが実装されている。

 所謂、操作方法をおさらいしたり的に向かって銃を撃つ練習ができるモードだ。

 便利なことに複数のプレイヤーで銃を撃ち合って、決闘のような形で銃撃戦の練習もできたりする。

 

「あんまり時間ないけど、エキシビションマッチまで少しでもウォーミングアップしとこ」

 

 現在は、Vtuber杯前夜祭エキシビションマッチの開始時刻のおよそ1時間半前。

 機材トラブルへの対応や練習時間を考慮して、今日のコラボ配信は本番よりも少し早い時間から行われることになった。

 

 本日のコラボ配信の内容としては、これから1時間半ひたすら射撃演習場やカジュアルマッチ機能を使って練習し、時間になったらエキシビションマッチのルームにアクセス。

 エキシビションマッチに参加し、最後に少し雑談して終わりだ。

 

 獅子郷と妹はさっそくゲーム内で銃を手に取って的に向かって撃ちまくっている。

 俺もそれに倣って地面に落ちている銃を拾い上げて的に狙いを定めて射撃ボタンを押す。

 

 ……やはり難しい。

 

「おにぃ、撃ち合いの練習しよ。どれくらいできるか見たい」

 

 妹の提案で俺と妹がコントロールするキャラが銃を持って向かい合う。

 3カウントで一斉にスタート。

 遮蔽物を駆使して妹の銃撃を避けつつ、妹のキャラに照準を合わせて攻撃。

 

 しかし、俺の弾はほとんど妹に当たらず逆に妹の放つ弾丸は吸い込まれるように俺のキャラの頭にヒット。

 満タンだったライフポイントが秒で溶けていく。

 

「うーん、まあこんなモンだよね。……意外と悪くないじゃん。撃つ時にちゃんと動き続けてるし、基本は抑えられてる感じだね」

 

 忌憚のない意見を言ってくる妹。

 

「おにぃはこのゲームやったことあるんだっけ?」

 

「一応な。……バンドやってた時にどこぞの誰かさんがハマっててダイヤランクに行くまでスタ練……スタジオでやる練習行かねぇって駄々こねたことがあってな。仕方ねぇからランク上げるの手伝った」

 

 懐かしい。

 ランク上げるまでテコでも動かんと言ってたドラム野郎を練習に連れていくために、ベース担当の奴と一緒にこのゲームをインストールして3日徹夜でダイヤランクまで持っていったっけな。

 

『その節は本当に申しありませんでしたぁっ!』

 

 当時駄々こねてたどこぞの誰かさんが死ぬほど申し訳なさそうな声で謝ってくる。

 ……今となってはいい思い出だ。

 実際、3人でやったゲームは凄い楽しかったし。

 なお、その間放置されていたキーボード担当がめちゃくちゃキレ散らかしたのはまた別の話だ。

 

「……とはいえ、やってたの随分と前だぞ?」

 

「シーズン何か分かる?」

 

「あー、そこはちょっと覚えてないな。……確か、瞬間移動できる女盗賊が追加されたシーズンだった気がする」

 

「シーズン5だね」

 

 ちなみに今はシーズン15である。

 余談だが、AP〇Xレジェンダリーの特徴の1つとしてプレイヤーは特殊能力を持ったキャラクターをプレイアブルキャラとして選択して、特殊能力を駆使して戦うという点がある。

 瞬間移動する女盗賊というのは、このゲームに登場するキャラの1人だ。

 毎シーズンごとにキャラが1人ずつ追加されているから、恐らく今は俺の知らない特殊能力を持ったキャラが溢れかえっているのだろう。

 

「あの時と何か変わった点ってあるか?」

 

「…………多分、何もかも変わってると思うよ。キャラも武器もマップも。原型留めてないんじゃないかな」

 

 だよな。

 

「……悪い。あんま戦力にはなれないかも」

 

 流石に申し訳なくなる。

 妹にも獅子郷にも、せっかく見に来てくれた視聴者にもだ。

 

『安心しろよ、エキシビションマッチだ。勝敗関係ねーからとにかく楽しもうぜ』

 

「まあ、わたし1人で大体2.5人分だから丁度いいハンデかな」

 

 気を遣ってくれる獅子郷と、驕るわけでもなく本気で自分に2人分以上の力があると自負している妹。

 

 

 

 

 ------------------------------------------------------------

 コメント欄

 

 :やっぱアリアちゃんうめぇな

 

 :99マシンガンのリコイル制御エグw

 

 :お兄さんも一応やったことはあんのか

 

 :草

 

 :なにやってんだ獅子郷w

 

 :練習は行けよw

 

 :シーズン5か

 

 :シーズン5てマジか

 

 :もはや古代

 

 :いつの時代よw

 

 :多分変わってないものないんじゃないかな

 

 :まあエキシビションだしね

 

 :頑張れー

 

 :2.5人分ってまじかよ

 

 :流石に自意識過剰じゃね?

 

 :この子の場合そうとも言いきれないのが

 

 :1対3で戦っても勝つからなぁ

 

 :むしろ2.5で収まるのか

 

 :チーター3タテは2.5人じゃ無理では?

 

 :獅子郷負けてらんねーぞ

 ------------------------------------------------------------

 

 

 

 

 

 その後は妹や獅子郷のアドバイスを受けながらカジュアルマッチ機能を使って軽く練習試合。

 やはりと言うべきか、マップの構造から何から何まで変わっていて戸惑うハメになった。

 とはいえ、基本的なルールは変わっていない。

 あとは勘を頼りにやるしかないだろう。

 とにかく早々に死んでしまわないようになるべく前に出ずに、サポートに徹しよう。

 

「……そろそろ時間だね」

 

 事前に配布されたIDを入力してエキシビションマッチを開催しているルームに移動。

 参加者の人数がとんでもないためいくつかのグループに別れて行われるらしい。

 俺達はBグループだ。

 

「獅子郷さん、エキシビションマッチって本戦参加の人達は来てないの?」

 

『いんや、来てるぜ。かく言う俺も出るし。とはいえ、基本的に各グループにバラしてるらしいからそんなに警戒しなくてもいいと思うぞ』

 

 少し気になることがあるのか、顎に手を当てて何やら思案している妹。

 

 いよいよマッチが始まる。

 まずは自分が操作するキャラのピックからだ。

 

「……おにぃ、索敵キャラお願いしてもいい?」

 

「了解」

 

『俺はヴォルキリーでいい?』

 

「お願いします。わたしはレイヌで」

 

 ガスマスクを被り鳥を従えている索敵キャラ、ブラッディハウンドを選択する。

 このキャラは、前方に向かってレーダーみたいなのを射出して近くにいる敵を炙り出せる特殊能力を持っている。どうやら俺の役割は周囲の警戒になりそうだ。

 

 獅子郷は背中に羽が生えていて空を飛ぶ能力を持っているキャラをピックした。

 …………マジか。今は空飛ぶのもアリなのか。

 

 妹がピックしたのは、一時的に透明人間なって敵の攻撃を避けて移動できる異空間忍者のキャラだ。

 

 俺が警戒と索敵、獅子郷が仲間を連れて空を飛ぶ移動担当、妹が前に出て敵と戦う前衛だ。

 意外とバランスのいい構成になったと思う。

 

 

 

 

 ------------------------------------------------------------

 コメント欄

 

 :翡翠エメ【固定】:アリアたそ!ファイトっす!応援してるっすよ!

 

 :蒼羽シズク【固定】:先生も頑張ってください!ルールはよく存じませんが精一杯応援しますね!

 ------------------------------------------------------------

 

 

 

 

 コメント欄には見覚えのある美少女アイコンが2人。

 エメとシズクも応援に来てくれたみたいだ。

 これは気合を入れねば。

 

 よくよく見ると2人以外にもVtuberと思わしきアイコンのコメントもいくつか流れてくる。

 

 どうやら獅子郷の所属している2clock 3clockのライバー達のようだ。

 

 アートライブ、2clock 3clock。そのライバー達とファン達。

 全く違う枠組みにいたはずの人々が一丸となって盛り上がって楽しんでいる。

 ……いいな。こういうの。

 

 普通に生きていたら接点のなかった筈の人と人を繋ぐ架け橋。

 音楽、Vtuber問わずエンターテインメントとは斯くあるべしだ。

 

 

 

 

 ------------------------------------------------------------

 コメント欄

 

 白峰ユキ【固定】:皆頑張ってねー!応援してまぁす!

 ------------------------------------------------------------

 

 

 

 

「あっ!白峰先輩来てる!」

 

「白峰……」

 

 コメント欄に流れてきたVtuberのコメントを見て目を輝かせる妹。

 

「ほら、おにぃ!前話したじゃん。シズクちゃんが憧れてるアートライブ1期生の先輩。ピアノとかキーボードめっちゃ得意な人」

 

 そう言えばシズクが話していたな。

 彼女がVtuberを知り、憧れる切っ掛けになったVtuber。

 幼少の頃からピアノを習っていたシズクが感嘆する程の腕を持つ奏者。

 

『白峰さんいいよなぁ。ピアノすげぇ上手いし、なによりあの優しいおっとりボイスが癒されるわ』

 

「お?獅子郷さん白峰さん推しですか?見る目ありますねぇ。おにぃも今度見てみなよ」

 

 身内にキーボーディストがいたからそれなりに耳が肥えてる筈の獅子郷も絶賛するとは相当なものなのだろう。

 

『音楽できて人間性も完璧って流石だよな』

 

「……まあ、俺ら含めて楽器できる奴って人間性を生贄に捧げてる奴多いからな」

 

『俺らのバンドのキーボードとか凄かったもんな』

 

「アドリブ狂、短気、喧嘩っ早い……ホント手ぇつけられない時あったからなぁ」

 

 懐かしき青い日々。

 作曲した新曲を持っていけば「キーボードパートが少ない!」と怒られ、喧嘩ばっかりしてた。

 演奏の腕は他の追随を許さないレベルで凄まじかったが、とにかく本当に我の強い女だったな。

 今どこでなにしてんだろ。

 またアイツと曲の構成巡って話したり喧嘩したりしたいもんだ。

 

『その点、白峰さんは素晴らしいんだぜ。最後まで優しさたっぷり』

 

「そんなにか。あいつに爪の垢煎じて飲ませてやりたいな」

 

『違いねぇ』

 

「『HAHAHAHA』」

 

 

 

 

 ------------------------------------------------------------

 コメント欄

 

 白峰ユキ【固定】:いやいや、わたしなんて大したことないですよぉ。

 

 白峰ユキ【固定】:それに、共食いプレデターズのキーボードさんも

 素 晴 ら し い 方 だ っ た と 思 い ま す よ ?

 ------------------------------------------------------------

 

 

 

 

「凄い謙虚な人だな」

 

『やっぱ育ちが違うんだろ。俺らと一緒にしちゃアカンよ』

 

「ほら、おにぃも獅子郷さんもそろそろ始まりますよ!」

 

 沢山の人の声援を受けて、ついにエキシビションマッチが開幕した。

 どこまでやれるか分からないが、やるからには全力だ。

 爪痕残してやる。

 

 




御愛読ありがとうございます。

よろしければ簡単なものでもかまいませんで感想をお願いします。┏○┓
皆さんの感想を見て筆をとるモチベーションを高めさせて頂いております。
皆さんの感想全て読ませて頂いております。
時に皆さんの感想から着想を得ることもあります。

どうかこれからも変わらぬご声援をよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。