寝落ち配信した妹の横でギターの練習してたら伝説になってた件について   作:五河 緑

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なんか、ランキングで凄い上位にいて震えております。


#4 ニワカロックなギャルとバンドマンだった俺

 

 突然だが、翡翠エメというVtuberについて話そう。

 

 業界最大手Vtuberアイドルグループ『アートライブ』の3期生。

 緑色のショートボブの髪をした快活そうなビジュアルをしたVtuberだ。

 しかし、デビュー当初はその快活そうな見た目とは対照的に非常に大人しく、お淑やかで、初々しい雰囲気で配信を行っていた。

 少々メタいことを言えば、所謂中の人に配信経験がなく、人生において初となる配信業に緊張していたからだと思われる。

 さて、緊張しつつもアートライブの箱推しファン達から『頑張れー』だの『可愛い』だのと声援を貰いながら、配信者として着実に経験を積んでいくと、次第に緊張も解れてきたのか彼女の素の性格が顕になってくるようになる。

 

 彼女は所謂、好きなものの話になると饒舌になるタイプのオタク。頼んでもいないのに、自分の好きなものについて人に延々と解説して悦に浸るタイプのオタクだった。

 

 化けの皮が剥がれたのは、デビュー2週間後の雑談配信枠。

 ある程度、配信慣れして話口調も敬語から砕けたものになっていたこの日、彼女は自分の好きなもの……ロックバンドやロックミュージックについて熱弁していた。

 ……実を言うと、この時点で既に彼女の口から出てくるロックミュージックに対する見識が非常にあやふやで、『ロック音楽は魂が~』とか抽象的なことしか言わないため、実はニワカオタクではないか、という声がファンの間で上がっていた。

 とはいえ、そこはアイドルVtuber。推しを全力で甘やかすファンが多いこともあって、『ニワカでもいいじゃない。可愛いから』と許されていた。

 しかしそんな甘い雰囲気は、件の配信の最中に彼女が投下した爆弾発言で一変することになる。

 

『〇〇ってバンド知ってる?あ、知らない?知らないの?知る人ぞ知るバンドなんだけどなぁ、まっ、ニワカの人には分かんないか』

 

 あろう事か、マイナーバンドを引き合いに出して逆に視聴者をニワカ呼ばわりするという暴挙に出る。

 途端に『あ?』で埋まるコメント欄。直前まで『可愛い』一色だったコメント欄が2秒で豹変する様は最早ホラー映像の類であった。

 そして、この一言が翡翠エメというVtuberのキャラの方向性を決定づけることになる。

 

 イキリ系ニワカロックVtuber。

 

 蔑称としか思えない2つ名が彼女を有名人へと押し上げた。

 今までは、『初々しいだけで無個性、面白みがない』とアンチから揶揄されていた彼女は、自分しか知らないマイナーバンドを布教しつつファンをニワカ呼ばわりし、逆にファンからは『イキんな。ニワカロッカー』と罵倒されるというプロレス芸で人気を博すようになる。

 ファンを弄り、ファンに弄られ、それでも最後は持ち前の愛嬌の良さと可愛らしい声で『でも、可愛いから許す!』に着地する。

 そんな、ウザかわ系アイドルVtuberが翡翠エメである。

 

 

 ちなみに余談だが、彼女の『〇〇って知ってる?知らない?ニワカの人には分かんないか』という一言は、非常に汎用性の高い煽り構文としてネット掲示板などで大流行したらしい。

 

 

 

 

 

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「……って感じの子」

 

「尖ってんなぁ」

 

 妹の口から説明された翡翠エメというVtuberの説明は、なんというか中々パンチが効いていた。

 確かにロック音楽について語る連中の中には、大して見識もないのにやたらとマウントをとってくる所謂、ニワカと呼ばれる存在が少なからずいる。

 翡翠エメもそんなニワカロックオタクの1人らしいが、それを自分の芸に昇華させているのを、凄いと褒めるべきか、なんじゃそりゃと呆れるべきか。

 

「ま、まあ、根はいい子だから」

 

 言葉の端がちょっと震えたのお兄ちゃん見逃さなかったぞ。

 やはりというか多少難のある性格なのか、過去に何か気に障ることでも言われたか……。

 そんなやり取りをしていると、モニターにディスコードの着信を告げるアイコンがポップした。

 

「来たみたい」

 

 意を決した様に応答アイコンをクリック。

 快活そうな少女の声が流れてくる。

 

『おいっす!アリアたそ、お疲れ様っす』

 

「お疲れ様、エメちゃん。今、画面にエメちゃんの立ち絵出すからちょっと待ってね」

 

 配信画面を操作し、リアルな妹とは似ても似つかない赤髪巨乳アニメキャラの横に緑色の髪を短く切り揃えた別の美少女アニメキャラの立ち絵が表示される。

 

「ところで、エメちゃん。凸コラボだけど、マネちゃんから許可もらった?」

 

 マネちゃん、というのは恐らくマネージャーのことだろう。なるほど、大手企業所属となればコラボ1つするのにも運営の許可が必要になるのか。

 

『え?取ってないっすよ』

 

「それ不味くない?」

 

『大丈夫っしょ。箱外とコラボしてる訳でもないんだし。ジゴホーコクっすよ、ジゴホーコク』

 

 ニャハハッと脳天気な笑い声を上げる翡翠エメとは対照的に、妹は「それで前、1期生の先輩に勝手に凸して怒られたじゃん」と目を覆っている。

 ふと、コメント欄に目を向ける。

 

 

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 コメント欄

 

 :出やがったなニワカロッカー

 

 :許可取ってこいアホ

 

 :今日はイキんなよ

 

 :お兄さんガツンと言ってやってください

 

 :本物のバンドマンからロックの何たるかを教えてもらってこい

 

 :まーた謝罪配信すんのかよ

 

 :どうせまた、「反省してまーす」だろ

 

 :舌打ちからの「るっせーな」も忘れんなよ

 

 :バンドマンの前でイキんなよ。絶対だぞ

 

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 ……大盛況のようだ。

 ボロクソに言われてっけど。

 

『んなことよりも!HIBIKIさんっすよ!マジで今そこにいるんすか!?』

 

 興奮気味に歓声を上げてる翡翠エメ。妹は、どうすんの?と目で訴えている。

 まあ、正直に言うしかないか。

 

「えっと、紅アリアの兄です。どうぞよろしく」

 

『共プレのギターボーカル、HIBIKIさんっすよね!?』

 

「……まあ、そう名乗ってた時もありましたね」

 

『生HIBIKI来たァァァァ!』

 

 音割れするレベルの絶叫が鳴り響く。

 思わず俺も妹もたじろぐ。

 

『あのっ!あたし、新宿のライブハウスでやってた共プレのライブめっちゃ行ってましたっ!いつも最前列で見てました!あたしのこと、覚えてます!?』

 

 畳み掛けるようにグイグイくる翡翠エメ。3万人の視聴者が見ているが、お構い無しのようだ。

 

「いや、ファンなのは嬉しい限りですけど、流石にファン一人一人の顔まではちょっと……」

 

『ハロウィンライブの時にTシャツにサイン書いて貰った奴っす!あのシャツ今でもあたしの宝物なんっすよ!』

 

「あっ」

 

 途端にフラッシュバックする バンドマンとして駆け回っていた日々。

 そんな慌ただしくも楽しかった毎日の一コマ。

 そう、あれは確か……。

 

「おめぇ、ライブ中にステージ乱入してきたあの時のギャルかっ!?」

 

『そうっす!そいつっす!キャアアアア、HIBIKIさんがあたしのこと覚えてるぅぅ!!』

 

 再び音割れシャウトが炸裂。

 隣では呆れ顔の妹が半眼でこっちを見ている。

 

 

 

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 コメント欄

 

 :うるせぇ

 

 :うるっさw

 

 :追い詰められたギギネ〇ラかよw

 

 :ステージ乱入は草

 

 :乱入ってマジかよお前ww

 

 :くっそ迷惑な客じゃねぇか

 

 :厄介ファンで草

 

 :てか、エメちゃんギャルなんかい

 

 :お前、ギャルだったのかよ

 

 

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 コメント欄では相も変わらずアイドルに投げるとは思えない罵詈雑言が飛び交っているが、本人は全く気にも止めない。

 

『もーマジ感無量っす。ちょーヤバいっす。アリアたそなんで今まで教えてくれなかったんすか?』

 

「いや、まだ知り合って1ヶ月だし。そこまで絡みなかったでしょ」

 

『なにツれないこと言ってんすか。今日からは義理の姉妹みたいなもんっすよ。あたし、自分のこと勝手にHIBIKIさんの妹だと思ってたんで』

 

 えー、何この子。怖い。

 俺、勝手に知らない子の兄貴認定されてたのかよ……。前見た時からやべぇ奴だとは思ってたが、どうやら現実は斜め上を行くらしい。

 

『HIBIKIさん!ちょっ、語ってもいいっすか!?あたしの共プレに対する愛を聞いて欲しいっす!1番の推し曲を知って欲しいっす』

 

 聞いてもないのに勝手に語り出す厄介オタク。ここが、妹の配信枠だということも忘れて翡翠エメの暴走は止まらない。

 

『共プレの曲はどれも甲乙付け難いくらいイカしてる奴ばっかりなんすけど、それでも敢えて1曲選ぶとしたらこれしかないと思ってます!『明日、隕石降ってこねぇかな』。あの曲は、あたしの人生を変えてくれたっす!』

 

「……なにその、明日学校行きたくねーなみたいな曲?」

 

 テンションマックスの翡翠エメと、対象的に冷めきった妹。

 しかし、妹は厄介オタクに1番やってはいけないことをしてしまった。

 厄介オタクが語っているものに茶々を入れる。そうすればどうなるかは、火を見るよりも明らかで……。

 

『ハァ?何言ってんすか、アリアたそ。それでもホントにHIBIKIさんの妹っすか?』

 

 クソデカため息とはこういうのを言うのだろう。

 

『いいっすか。確かに『明日、隕石降ってこねぇかな』は、序盤こそ現実が上手くいってない非リアの悲壮を歌ってるんすよ。彼女いなくて、頭も悪い、運動も出来ない1人の非リアが、街を行き交うカップルとかを見て隕石降ってこいって祈り始めるんっす』

 

 そこで一息。

 

『でも、後半になるにつれて非リアも努力をしないと変われないって気づく様子が歌詞に出てきて……。ラストのサビとかマジでヤバいっす!『本気で生きるんだ、やり残したことがないように全力かっ飛ばすんだ、明日死んでもいいように、今この瞬間に隕石降ってきても後悔しないように』て歌詞マジ最高っす!!』

 

 オタクは止まらない。周りが話についてきてるかなんて気にしない。

 勝手に語って勝手に興奮して勝手に絶頂している。

 

 

 

 

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 コメント欄

 

 :勝手に妹詐称すんな

 

 :お兄さん困ってるじゃねぇか

 

 :そんで勝手に語り始めるの草

 

 :ほんまこの厄介オタク

 

 :あ、アリアちゃんそういうこと言うと……

 

 :あーやっちまったな

 

 :もうこいつ止まらんぞ

 

 :アリアファンの皆さん、うちのエメがすいませんね

 

 :クソデカため息やめろやw

 

 :てか、隕石のやつなんか普通にいい曲そう

 

 :悔しいけど、ちょっと聞いてみたくなった

 

 

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「えっと、翡翠エメさん?」

 

 恐る恐る声を掛ける。

 

『エメでいいっすよ。敬語とかもやめてください。あたし、HIBIKIさんに敬語とか使われたら申し訳なさで切腹したくなるんで』

 

「じゃあ、エメ。語ってるとこ申し訳ないんだけどさ、ちょっとアリアに場を回させてやってくれないか?一応、今日はこいつがバズりたくて始まった配信だからさ」

 

 極力剣呑な雰囲気にならないように、優しい声音を心掛ける。

 すると、エメの方も『あっ、すいません。ちょっと我を忘れてました。ごめんっす、アリアたそ』と深刻な雰囲気にならないテンションで語るのを中断してくれた。

 妹も言っていたが、きっと根は素直でいい子なのだろう。

 ちょっと好きなことになると暴走してしまうだけで。

 

「えっと、ありがとうおにぃ。……だけど、実を言うとわたしもあんま段取りとか考えてなかったんだよね。エメちゃんも来たし、兄妹の身内ノリにならない感じのトークしたいんだけど、どうしよっか?」

 

 こいつもこいつで、段取り考えてなかったらしい。能天気という意味では、うちの妹も大概だなおい。

 

『せっかくだから、音楽に関する話題にしたらいいんじゃないっすか?ほら、うちらも一応アイドル系Vtuberな訳ですし、歌ってみた動画とかあるじゃないっすか』

 

 うまい案が湧かなかった妹にエメが助け舟を出す。

 

『HIBIKIさんに見てもらいましょうよ。本物のバンドマンの忌憚のない意見って奴聞いてみたいっす』

 

「ちょっ!?歌ってみた動画は、ちょっと……」

 

 傍から聞いてると悪くなさそうな案を出すエメ。しかし、なぜか妹は乗り気ではないようだ。

 

「いいんじゃないか?俺もお前の歌とか聞いたことないし、ちょっと興味あるわ」

 

『そうっすよね!視聴者の皆さんも一緒に同時視聴っす!』

 

 俺の賛同を得られて勢い付くエメ。

 対する妹は、うぅと呻きながら渋々といった様子で画面を操作して、Youtu〇eのホーム画面を開く。

 

 思えば、妹に歌や演奏を聞かせたことは何度もあるが、逆はなかったな。

 一緒にカラオケとか行ったこともないし。誘っても嫌がるんだよな、こいつ。

 

 そんなこんなで準備完了。

 俺は、3万人の視聴者と妹、エメと一緒に妹の歌ってみた動画を再生した。

 

 

 

 

 

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 コメント欄

 

 :お兄さん優しい

 

 :めっちゃ気ぃ遣われてんな

 

 :エメ公お前お兄さんに感謝しろよ

 

 :アリアたん、段取り考えてない模様

 

 :相変わらずのおっちょこちょいw

 

 :あっ、歌ってみた動画は……

 

 :どしたん?アリアちゃん乗り気じゃない?

 

 :歌ってみたはなぁ……

 

 :アレ見られるのか……

 

 :諦めろ、アリア

 

 

 

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『~~~♪』

 

 画面の中では、赤髪の美少女……紅アリアの止め絵のイラストをバックに歌声が流れている。

 歌われている曲は、まあ流行りのアニソンだ。ありきたりで、カラオケでもよく歌われるような奴。素人でも歌いやすい、変に尖ってない真っ当な曲。

 

 だが、俺と妹がいる防音室にはお通夜のような雰囲気が流れていた。

 そして、コメント欄も似たような状態になっている。

『あっ(察し)』みたいなコメントが溢れかえっている。

 妹は、顔を真っ赤にしながら俯いて涙目でプルプルと震えている。

 時折、聞こえてくるエメの吹き出すような笑い声。アイツだけなんか楽しそうだな。

 

 なるほど。

 道理で妹が乗り気にならないわけだ。

 端的に言って。

 

「……めっちゃ音痴だな」

 

「ウワアアアアァ!」

 

 耐えきれなくなったようで、今度は妹が追い詰められたモンスターみたいな咆哮を上げた。

 

「なんで、こんな棒読みなん?抑揚は?」

 

「やめてぇ!やめてよぉ!」

 

 羞恥心に苛まれて床をドタドタと転げ回る。

 

『……ククっ、どうすか?HIBIKIさん?めっちゃ初々しくて可愛くないっすか?』

 

 こいつも分かってて見せやがったな。

 

「だってしょうがないじゃんっ!わたし歌とか歌ったことないんだもんっ!わたしゲーマー枠で入ったの!」

 

 ひとしきり叫んだ後、妹は床に蹲って「わたしはサボテン、わたしはサボテン……」とか訳の分からないことをブツブツ唱え始めた。

 

「現実逃避すんなよ……てか、エメ。今のはちょっと意地悪だったんじゃないか?」

 

『いやぁ、あたしは好きっすよ?アリアたその歌。でも、現状は正しく認識して欲しいじゃないっすか。うちらもそのうちライブとか控えてるんで。せっかく身内に音楽の専門家がいるのに教えて貰えないなんてあんまりじゃないっすか。アリアたそには、もうちょい向上心を持ってもらいたいっす』

 

「……まあ、向上心は大事だな」

 

 ライブをこれから実施するのが確定しているなら尚のことだな。

 このクオリティで出るとか言ったら、流石に俺も物申したくなる。

 

 すると、意識が戻ってきたのか妹が唐突に起き上がり、エメに向かって怒鳴り始める。

 

「エメちゃんだって、人のこと言えないでしょ!?おにぃ、今からエメちゃんのギター練習配信のアーカイブ見よ!」

 

『ふぇ!?』

 

「なんだ、エメ。ギターやるんだ。いいじゃん見せてくれよ」

 

 一転攻勢。今度は、エメが『あっ、ちょっ、待っ』と慌てふためいている。

 しかし、当然のごとく妹は止まらない。

 そして、先ほどと同じく3万人の視聴者を前にして流されるエメのギター練習配信の様子。

 

 エメはVtuberなので実際のギターの映像は映らない。

 しかし、弦を弾いている音が響いているから実際にギターを用意して配信に臨んだのだろう。

 動画内では、エメがギターの弦を軽く弾きながら、自分が買ったギターが如何に素晴らしいかを語っている。

 なるほど、ここまで言うのならばさぞギターへの造詣も深いのだろう。

 それで、腕前の方はいかに?

 

 ……

 

 しかし、一向に始まらないギターの演奏。

 エメの語っている内容は、買ったギターから最近推しているマイナーバンドに移っている。

 軽くギターの弦を指先で弄っているであろう音だけは聞こえてくる。

 

「長いから、ちょっと飛ばすね」

 

 妹が動画を30分先まで飛ばす。

 動画内では相変わらずエメがペチャクチャと喋っている。

 ギターは……弾いていない。

 次、1時間経過後……やはり弾いていない。

 2時間後……よくこんなに喋れるな。

 

『……というわけで、今日のギター練習配信はここまでっす。次回の配信でお会いしましょー』

 

 終わった。

 

「……いや、ギター弾いてねぇじゃん」

 

「当たり前でしょ、エメちゃん楽器なんもできないもん。ギター何本も買ってるくせに」

 

『ぐふぉっ』

 

 腹殴られたみたいな声出すエメ。

 

「そのくせ、ロックがあたしを育てた~とか、あたしの人生を一言で表すなら『ロッカー』かな~とか、いつもそんなこと言ってる」

 

「……お前もう二度とロッカー名乗るなよ」

 

『くぁwせdrftgyふじこlp』

 

 エメがぶっ壊れた。

 

 

 

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 コメント欄

 

 :互いに傷口抉りあってて草

 

 :黒歴史暴露大会かな?

 

 :アリアちゃん、音痴可愛い

 

 :エメは反省しろ

 

 :アリアちゃんのモンスター絶叫w

 

 :エメは残当

 

 :おめぇは、当然の報いだわ

 

 :ぶっ壊れてて草

 

 :おら、エメ。もう二度とロックとか言うなよ

 

 :ほんま草

 

 :お兄さんよく言ってくれた

 

 :こいつ俺らが何言っても「ロックじゃない奴の言葉なんか響かねぇ」とか言ってたもんなー

 

 :もはやロックって言いたいだけの宇宙人だから

 

 

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『お、オェ……』

 

「うぅ……」

 

 ショックのあまり嗚咽するエメと反撃してから再び虚しくなった妹の呻き声が防音室に響き渡る。

 

 いや、どうすんのこの空気。

 3万人放ったらかしじゃないですかぁ。

 

「……しゃあねぇな。じゃあ、あれだ。今度暇な時にでもギターと歌、教えようか?」

 

 とりあえず、場を繋ぐために言った適当な一言。

 

 

「『えっ!?』」

 

 

 2人の声に生気が戻ってきた。

 

 




ご愛読ありがとうございました。
良ければ、感想をお描き下さい。感想を頂くと自分でもビビるぐらい筆が進みます。
どうか、どうか、わたしの筆を動かすと思って、感想をお願いします(:D)| ̄|_

追伸:明日、引越しする予定でして少しこの後ドタバタします。少しだけ次話の投稿が遅れますが、明日中には必ず投稿しますので、御容赦ください。
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