真昼の弟は転生者で、呪術師兼ララライの看板役者です。でも推しの子は知らない模様   作:水の虎

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お待たせしてすみません。

結構多めに描いてたからか時間かかりました。


第四十一話●

 

 

 

「────よし、こんなものかな」

 

 

 春、それは別れと出会いの季節。

 呪術師にとっては少しずつ忙しくなり始める時期────いや、忙しいという意味では非呪術師でも変わらないが、そんな新生活の始まり出す今日この頃、椎名夕もその例に漏れず先ほどまで忙しなく動き回っていた。

 しかしそれもたった今一段落し、彼はぐっと伸びをする。

 

 

「いや~やっぱ便利だわその呪霊。できれば僕が欲しかったけど無理だったからなー。ま、でも流石夏油。呪霊操術様々だね!」

「·········」

 

 

 何やらテンション高く夏油の術式を褒めるが、当の本人は物凄い不本意な顔を夕に向けていた。

 

 

「どした夏油、何か言いたげだね?」

「ええ、そりゃあそうでしょう······」

 

 

 ジトーとした目をする夏油に気づき、夕は首を傾げる。

 そんな様子にとうとう夏油は「あのですね先輩······」と口を開き────

 

 

「どこの世界に呪霊を使って引っ越し作業を手伝わせる人間がいるんですか!!!」

 

 

 夏油傑────近々特級呪術師に上がることも噂される最強の片割れは叫んだ。

 

 

「えっ? ここにいるじゃん」

 

 

 けれど夕にその叫びは届かなかった。むしろ何か問題があるのかと言わんばかりの顔を向けられる。

 

 

「────夕先輩~アイの荷物整理終わりましたよ~」

「ありがとう家入」

 

 

 すると、別の部屋で作業をしていた家入が戻ってくる。ちなみにその手にはタブレットがあり────

 

 

『いや~新しいお家は凄い広いね。画面越しでもわかるよ』

 

 

 そこには出産予定日まで三ヶ月を切ったアイが映っていた。画面では彼女の顔しか見えないが、そのお腹は新しい生命を宿していることがはっきりわかるほど膨らんでおり、夕共々その誕生を待ち遠しく思っている。

 当然そういう訳で現在彼女は宮崎の病院にいるが、本日の引っ越しにあたりテレビ電話で参加していた。先ほどまで家入はその画面越しからのアイの指示に従い彼女の持ち物の整理を行っていたのだ。

 なお会話からわかると思うが新居はかなりいいところだ。子どもが生まれるのと、セキュリティの観点を鑑みて引っ越し先を選んだとあって、相応のグレードと広さとなっている。

 

 

「────そういえばこっちに戻る時に夏油の叫び声が聞こえましたけど、何かあったんですか?」

「どうやら自分の術式が引っ越し作業に使われることが不満らしい」

「えっ、今さらじゃないですか? 私もこの前家具とか買った時に手伝わせましたし」

「だよねー。そもそも物を格納できる呪霊が悪いよね。僕も欲しくて主従関係を結ぼうとしたけど無理だったし」

 

 

 その呪霊は元々伏黒甚爾のものだったが、彼の死亡にあたり使役者がいなくなり、夕が引き継ごうしたがうまくいかなかったため、泣く泣くそれは夏油の呪霊として取り込まれた。

 もっともそれならそれでと、今回は夕に、普段はちょくちょく家入の買い物の際に夏油共々体よく使われているのだが。

 ちなみに人前でポンポンと使えないため、どこか仕舞える場所までの荷物持ちは夏油や、今日は任務でここにはいない五条の役目だ。

 

 

「はぁ······私や悟をそんな風に扱うのは先輩と硝子くらいですよ? それにしても悟······運良く逃げたな」

「最初は一人だけ除け者になることに拗ねてたけどね」

「任務が入らなかったら体よく使ってやろうと思ってたのにな~」

 

 

 そんな普通の呪術師なら顔を真っ青にしそうなことを言い放つ二人。

 

 

『そういえば夕。何でお姉ちゃんとお兄ちゃんの家を隣の部屋にしなかったの?』

「ん? あー、それね」

 

 

 ふいにアイが気になったことを尋ねてきた。

 そう、今回の引っ越しは夕とアイだけでなく、真昼と周もだ。

 先日無事に高校を卒業した二人は来月よりここからほど近い場所の大学に進学する。

 加えて、大学の授業の合間に生まれてくる双子の世話も頼むため、せっかくだからと同じフロアに二人の部屋も確保した。

 しかし今アイが言った通りその部屋は夕たちの部屋と何部屋か離れている。

 けれどそれは別に隣が既に埋まっていたとかではない。

 

 

「まあ、一応の保険かな。姉さんも周も二人なりの付き合いがあるから、もしかしたら自宅に知り合いを招くこともあるだろうし、その時に部屋が隣だとベランダに出た時にバッタリ、ってことが起こる可能性もあるからね」

『なるほど~』

 

 

 そういう訳で実は両隣の部屋も普通に夕名義のものとして押さえられている。そこそこの出費になるが、それくらいでリスクが減らせるなら安いものだと彼は思っている。

 

 

「────夕? 入るぞ?」

 

 

 すると、噂をすればと言えばいいのか、周がこちらにやってくる。

 

 

「どうしたの周? それに姉さんは?」

「料理してる。そろそろできるから俺は三人を呼びにきた」

「そういえばもう夕方か。確かに言われてみればお腹すいたかも。よし────夏油に家入も夕食にしようか。丁度一段落したところだしね」

 

 

 アイがまだ病院で、夕としてもすぐにこの家で生活するつもりはない。そのため昼間は真昼と周の方の引っ越し作業を中心に進めており、また夏油の格納庫呪霊を含めた呪霊のアシストもあって、既に二人の方の引っ越しはあらかた終了していた。

 だからか、真昼がさっそく新居のキッチンで腕を奮ったらしい。

 夏油も家入も夕の姉の料理とあって、その知らせに嬉しそうに頬を緩めていた。

 

 

「────あっ! 夕に硝子さん、それに夏油さんもいらっしゃい。もうすぐできるので座っててください」

「手伝うよ真昼」

「ありがとうございます周くん」

 

 

 真昼の待つ部屋に向かうと、丁度料理の仕上げを行っていた。どうやら引っ越しとあって蕎麦を作ったらしい。またキッチンの様子を見る限り天ぷらも用意されているようだ。

 

 

「ククク······硝子さん、か」

「何がおかしいんだ夏油?」

「なに、あの硝子がおしとやかな女性みたいな呼ばれ方をしているのがね?」

「相変わらず五条共々デリカシーがないなお前は。だからモテないんだぞ?」

 

 

 他方、席についた二人はそんな会話をしている。

 

 

「────そんなことはないよ家入。夏油はモテるよ。具体的には将来自分のことを様付けして呼ぶ幼女を侍らせてるに違いないと僕は思ってる」

「両刀使いのロリコンって業深すぎだろ。引くわー」

「·········だから毎度人の性癖を捏造しないでくださいよ椎名先輩。ようやく一つ目の噂がなくなってきたのに······」

「だから新しい燃料を投下したんだよ? それに今回は捏造じゃなくて真実だ。賭けていい。夏油、お前は将来ロリコンの称号を欲しいままにする」

「······一体何を根拠に?」

「勘」

「滅茶苦茶あやふやじゃないですか······」

 

 

 もはや弄られ過ぎて慣れたのか、呆れたような顔を夏油がする。

 

 

「アイ気をつけな? こういう奴に限ってちゃっかりしてるから」

『わかった~』

「待って、わからないでねアイさん? 硝子の戯言だから」

「これは夏油との関係を見直した方がいいかな?」

「そうですね。アイもそうですけど、何より産まれてくる子どもが危なくないですか? 双子の内一人は女の子なんですよね夕先輩?」

『えっ? 夏油くん流石にそれは······』

「だから違うと言ってるでしょ······」

 

 

 甚だしい風評被害に夏油はげんなりとするが、果たして約半年後も今みたいな態度がとれるのだろうか?

 そんなこんなで話していると、夕食の準備が整う。

 

 

「お~」

「美味しそうですね。ありがとうございます椎名さん、藤宮さん」

「いえ、お礼を言うのはこちらの方です。引っ越しの手伝いありがとうございます。夕が無理を言ったようですみません」

「でも本当に凄いな呪術ってのは。あれだけの物を出し入れしてたし」

 

 

(絵面がちょっとあれだけどね~。まあ二人には見えてないし、言わずが花か)

 

 

 正直格納庫呪霊から物を出し入れする時のビジュアルはあまり良くないため、そんなことを夕は考える。

 まあ細かいことは置いておいて、いざ実食と相成る。

 

 

「ウマッ、姉弟揃って料理うますぎ」

「先輩に勝るとも劣らない美味しさだね」

 

 

 口々に料理を讃える一方────

 

 

『う~·········いいな~······』

「こればっかりは仕方ないね」

 

 

 画面越しに羨ましがるアイに夕が苦笑を浮かべていた。

 

 

「子どもが産まれて、こっちに住む時がきたら一緒に食べましょう?」

「だな。ほぼ一緒に住むみたいなものだし、機会はいくらでもある」

「何なら僕たち四人で一緒に作るのも楽しいかもね」

「いいですね。ここのキッチン凄く広いですし」

『うん! 楽しみにしてるね! ────あっ! もしかしたら大きくなった子どもたちとも一緒に料理できたりもするのかな?』

 

 

 

 

「······本当に仲いいっすね」

「そうだね。まさしく家族って感じだ」 

 

 

 会話を聞いていた家入と夏油がそう漏らす。

 

 

「────まあ、間違いじゃないからね」

 

 

 何やら含みを持たせた夕の発言に二人は首を傾げる。

 そんな二人を尻目に夕は真昼と周に顔を向ける。ちなみにアイの方も悪戯っぽく笑っている。

 それにやや苦笑混じりの真昼と周。

 

 

「実はこの前の卒業式の日に籍を入れたんだ」

「はい。なので私たちはもう名実共に家族ですね」

 

 

 テーブルの上で重ねられる二人の手、その内真昼の方には指輪がはめられていた。

 

 

「おめでとうございます。今度お祝いで何か贈らせてもらいますね」

「ありがとうございます硝子さん」

「そういうことなら私と悟の方でも何か用意しましょう」

「祝いの気持ちは素直に受けとるが、そんな高価なものじゃなくていいからな?」

 

 

 夕を介して呪術師の金銭感覚に触れた周は軽く釘を刺した。産まれてくる自分にとっての甥と姪のためにと受け入れたが、義理の弟からポンッと都内の部屋を提供されたばかりのため、これ以上無償で何かをもらうのは罪悪感が半端ないのだ。

 というか呪術師の金銭感覚はおかしくないかと周は思う。あるいは夕の場合は俳優としての稼ぎもあるから別なのか? そんなことを考え彼は微妙に遠い目をする。

 

 

「────にしても結婚か~。自分の周りでこうも早くその話題を聞くことになるとは······」

『硝子ちゃんはそういう人いないの?』

「残念ながら私の周りには基本まともな男がいないんだよアイ。一番まともだったのが先輩だからね」

 

 

 硝子のぼやきにアイがいい人がいないか尋ねるが、残念ながら彼女の周りの男は基本お察しだ。

 

 

「言われてるよ夏油?」

「あなたも何だかんだで大概でしょう」

「それは自覚してる」

 

 

 でもお前や五条よりはマシだ、という言葉は呑み込み、代わりにそっと息を吐いた。

 

 

「やっぱり次の任務は不満ですか?」

 

 

 すると、ため息の原因を勘違いした夏油がそんな言葉を投げかける。

 とはいえ、あながちそれも間違ってはいないためか、夕は口元を露骨に歪める。

 

 

「······そうだねー·········まったく、だからあんまり術師の階級上げたくなかったのに······」

「まあ、今回は大分体よく押しつけられた感じでしたからね」

「今度上にはダンボール一杯に腐った蜜柑を詰めて送ってやる。幻術で普通の蜜柑に見える加工をした上で」

 

 

 夏油もそれには苦笑と同情の混じった顔を向けるのだった。

 

 

  ○ ●

 

 

 引っ越しから数日後、夕は宮崎の病院に足を運んでいた。

 

 

「あっ、夕!」

「久しぶりだねアイ。元気そうだね」

 

 

 夕が来たことに気づいたアイは花のような笑顔を咲かせる。

 

 

「ごめんね。あんまり来れなくて」

「ううん、大丈夫。忙しいのはわかってるから」

 

 

 彼女に歩み寄り、少し顔を曇らせながらそう言うが、当のアイはかぶりを振って微笑む。

 

 

「それよりテレビとかで観てるよ。すっかり注目の的だね」

「······頑張るって約束したからね」

 

 

 空気を変えるように明るい声で聞いてくるアイ。

 それにそっとお腹を撫でながら夕は答える。

 産まれてくる子どもに誇れる父親でありたい。だから精一杯自分のできることをやってるが、その結果愛する人になかなか会いに来れないのはちょっとジレンマだと思う。

 

 

「凄かったよ? でも夕って歌もいけたんだね。しかもあれ自分で作ったんでしょ?」

「あー······まあ、そうだね······」

 

 

 少し気まずそうに目を逸らす夕。この世界では(・・・・・・)確かにそうだが、実際は前世の知識に基づいてるからだ。

 

 

「そういえばあれってもしかして夕が高専で過ごしたことを歌にしたの?」

「何でわかったの?」

「歌詞が何となくそんな感じだったから」

 

 

 そう首を傾げるアイに夕は苦笑いを浮かべる。確かにあれは高専···というよりは五条たちの学生時代を綴った歌であり、前世において放送された呪術廻戦の主題歌であった。

 たまたまバラエティー番組に出演した際、なり行きでそれを歌ったところ、想像以上にその歌が反響を呼び、現在はCDとして発売すらしている始末だった。

 本人としてもここまでになるとは予想していなかったため、正直結構な罪悪感が内心あったのは言うまでもない。

 

 

「······まあ、お陰でそっち方面からも色々と声がかかるようになったし、アイが復帰したら音楽番組とかで関われるかもね」

 

 

 まったく意図していなかったけど、と夕は若干諦めたように言う。この分だと、また前世の曲を流用することになりそうだからだ。

 もっとも、それを聞いたアイはそれはもう嬉しそうな顔をするのだから、夕としても何も言えなかった。この男はもはやアイに滅法弱くなっているのは言うまでもなかった。

 

 

「────それよりアイ、やっぱりだけど·········」

 

 

 そうやって仕事の話をしていたが、不意に夕が何かを切り出してくる。

 

 

「ダメだよ、夕」

「······」

 

 

 が、最後まで言わせずにアイはバッサリとそれを切った。

 

 

「いや、でも「夕」······うっ」

「夕はそんなことないって言ってくれだろうけど、私は夕の負担になりたくないの。私のためにって思ってくれるのは嬉しいけど、それでせっかくの夕の仕事の機会を奪いたくない」

 

 

 二の句を告げる前に指を口に当てられ、アイに窘められる。

 しかし、それでもなおも納得はできないのか渋い顔を作る夕。

 そんな珍しくふてくされた子どものような夕にアイは苦笑する。

 

 

「もちろん私も寂しくないって言ったら嘘になるよ? でも夕がこの子たちのために頑張ってるんだから私だけ甘えてられない」

 

  

 自分のお腹を慈しむように見つつ、彼女は決然とそう言った。

 

 

「だから心配しないで。夕が頑張ってるなら、私も同じくらい頑張れるから」

「······わかった」

 

 

 流石に夕もそこまで言われてしまえば食い下がれない。それ以上はアイを信じてないと言うようなものだから。

 とはいえまだ微妙に顔にそれが残っているからか────

 

 

「ほーら、明日からお仕事なんだからいつまでもそんな顔しないの」

「はぁ······役者の仕事だけならここまではならなかったよ······」

「呪術師の任務も入ったんだっけ?」

「そうだよ。丁度役者としての仕事先が被ってるからってついでとばかりに面倒な任務を押しつけられた」

 

 

 それが夕が明日からの仕事を渋っていた理由だった。

 どちらか一つなら良かった。役者としての仕事は長丁場のものだが、しっかり出産予定日に余裕を持って間に合わせられる。しかしそこに呪術師としての任務も加わると別だ。役者の仕事の後にそれをこなさなければならない。

 

 

「しかも任務内容がなぁ······」

「大変なの?」

「さっきも言ったけど面倒なんだよ。大変というよりはね」

 

 

 呪物の回収。それが今回夕に与えられた任務だが、呪物の詳細は不明で、大雑把な場所しかわからないときた。つまり普通に呪霊を祓うだけの任務と異なり、捜索の手間もあるのだ。

 

 

(······けど何で呪物って断定したんだ?)

 

 

 件の呪物があるとされる付近で呪いの被害が出たと資料にはあった。被害の内容からして呪霊によるもので、呪物に取り憑いているか、はたまたその呪物が発する呪力に引き寄せられたと考察されていた。しかし何も呪霊がそこにいる理由が呪物とは限らないと夕は考える。

 それにもしも報告の通り呪物が原因であるなら、もう少しそれ自体に対する情報があってもいいはずなのに、まったくの不明ときた。

 わかるのは被害状況からして、その呪物の危険度が準一級、もしくは一級相当ということだけ。

 腑に落ちないし、捜索、回収、その合間に呪霊との戦闘のオマケ付きで正直気分が乗らない。まあ、元々呪術師の任務で気分が乗るようなものなど無いに等しいのだが、そこはご愛嬌だろう。

 

 

「────まあ、何とか出産に立ち会えるようにさっさと終わらせてくるよ」

「無理はしないでいいからね? 無事に帰ってきてくれればそれでいいから」

「いいや、絶対に間に合わせる。ちゃんと産まれてきた子どもたちに伝えたいからね。産まれてきてくれたことへの感謝を」

  

 

 意味が伝わらなくても伝えたい。自分や真昼にはなかった誕生の瞬間の感動を、自分の子どもには伝えたいのだ。

 産まれてくる愛し子たちを確かな『愛』で出迎えたい、そう夕は思う。

 

 

「······そうだね。二人で伝えよう。私たちの子どもとして産まれてきてくれたこと、その感謝と────『愛』を」

 

 

 それにアイは頷く。

 けれどしばらくすると夕の顔を見てふっと笑い────

 

 

「それにしても産まれる前でこれじゃ、産まれた後はもっとだね。ふふ、君たちのパパは凄い親バカになりそうだよー?」

 

 

 お腹の子どもに語りかけた。

 

 

「────」

 

 

 溢した笑みは夕の知る彼女らしいものでありながら、そこには確かな母親としての顔もあった。

 

 

「アイ」

「ん? どうしたの夕────!」

 

 

 だからからか、彼はそっと彼女の前に膝をつく。

 その笑顔を一生のものにしたいから。

 そのために必要なのはきっと一つだけ。

 

 

「夕·········それ······」

「うん────僕の気持ちだ」

 

 

 すべてを捧げるかのように跪いた夕はアイへと指輪を差し出した。

 

 

「結婚しようアイ」

 

 

「······うん!」

 

 

 やっぱり彼女の笑顔が好きだ。

 今日見たアイの笑顔を夕は生涯忘れないだろう。

 とびきり輝く一番星は一粒の宝石を落とした。

 

 

 

 

 その涙は新たな波紋となり────

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────また水面は揺れる(未来は変わりゆく)

 

 

 

 

 

 




藤宮周・真昼
ちゃっかり結婚してた人たち。
指輪自体は真昼の誕生日に渡されてた模様。
きっと大学では名夫婦としてさぞや有名になると思う。その大学は彼らの在学中、カップルの成立が相次いだとかいなかったとか。
さらっと本編で流されたが、新居にて同棲(ほぼ元から)も始まり、もしかしたら夕とアイにも甥か姪が······。
とりあえず周の理性次第だ。頑張れ、超頑張れ(どっちも)

 
家入硝子
結婚ねぇ、相手いねぇし、周りにロクなのがいないと思った人。彼女の立場を考えると割と難しい上に、五条と夏油が身近な男のため、色々な意味で男の基準がバグってる可能性あり。
そう思うと彼女の男性観は呪術界に壊されたといっても過言ではないのかもしれない。頑張れ、超頑張れ。


夏油傑
最近割と扱いが不憫な人。でもその方が悪い方に考えもいかないしいいよね! うん。そうそう(投げやり)
アイのことをさん付けで呼ぶのは将を射んとする者は何とやらの一環で外面を取り繕った結果。夕が卒業した後も料理をたかるために外堀を埋めてる。けれどキャラの濃さかはたまた才能の差か、五条の方が早く名前を覚えられへこんだ。「五条くんとよく喧嘩してる人」と呼ばれた時の絶望(笑)は割と大きかった。
半年後には自分を慕う幼女を二人侍らせてる? 頑張れ、超頑張れ。


五条悟
出番がなかった人。
実は引っ越しの日、夕たちが夕食を食べ終えた直後くらいに任務先から無下限式の長距離移動を敢行。成功こそしたが、ワープ先の周りにあった物が一部破損し、あわや夕から出禁にされそうになるものの、宮崎の病院への導線を作っておくことを条件に何とか許された。
無事に料理にありつけた。頑張r······こいつは頑張らなくていいかも。


椎名夕・星野アイ
結婚した人たち。
もっとも厳密にはまだ籍を入れてないため、苗字はそのまま。
真昼が指輪をもらって「早く自分も~」とか考えてた。アイ本人は態度に出したつもりはなかったが、夕は普通にそれを読み取って用意していた。
ただ渡すタイミングには地味に悩んでいて、子どもが産まれてからとも考えたが、アイの笑顔を見て夕はその場で渡した。
ちなみに夕がいない間の代わりとしてアイは指輪をかなりの頻度で見つめており、それを目撃した吾郎はドキツイストレートを食らうが、幸せそうな推しの顔を見て回復、かと思えば惚気による連打で瀕死、そしてまた回復を繰り返していたとか。
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