月の少年と思い繋ぐ、未完成な歌   作:ゆるポメラ

1 / 7
ゆるポメラです。
また息抜きに書いてみました。
時系列は懐かしめを通り越して、かなり懐かしすぎですが、楽しんでいただけると幸いです。

それではどうぞ。



第0話 古びたカセットテープ

スタジオ併設型ライブハウス『CiRCLE(サークル)』にて。

6人の少女……訂正。5人の少女と1人の少年がスタジオ内で練習をしていた。

 

「お疲れ様~! いやー、今日の練習も頑張ったね! 特にラストに()った曲、今までで1番上手くできたんじゃない?」

 

ちょうど練習が終わり、今井(いまい)リサが言う。

 

「だよねっ、だよね! あこも上手く叩けたなって思ってたんだ~。ね、りんりん!」

「う、うん……あこちゃん……すごく……、よかったよ……」

 

はしゃぐ宇田川(うだがわ)あこに、白金燐子(しろかねりんこ)がそう言った。

 

「えへへ~。りんりんのキーボードも、かっこよく決まってたよ!」

「あ、ありがとう……」

「うんうん! アタシ達、かなりいい感じに纏まってきてるよね♪」

 

次のライブも決まってるし、この調子で……とリサが言いかけた時。

 

「この程度で満足されては困るわ。改善点は、まだまだあるんだから」

「そうね、紗夜(さよ)の言う通りだわ」

 

氷川紗夜(ひかわさよ)湊友希那(みなとゆきな)が言った。

 

「ちょっとちょっと、2人とも~。ここはみんなの成長を称えあって、次のライブに向けてがんばろー! おーっ!! ……っていう流れでしょ? 悠里(ゆうり)もそう思わない?」

「……それはそれ。現状はライブに向けて。友希那ちゃん、次のライブって、どんな感じ?」

「そうね。それじゃあ、次のライブに向けてだけど」

 

リサの言葉に、遠目から見たら、少女にも見えなくもない中性的な少年、水無月悠里(みなづきゆうり)が愛用のショルダーキーボードの手入れをしながら答える。

彼は成り行きで友希那達が組んでるバンド『Roselia(ロゼリア)』の手伝いをしている。限られた時間だけだが。

ちなみに悠里は当初は断ったが、幼馴染みである友希那の熱意……他の4人にも負け、6人目のメンバー扱いとなっている……

 

「華麗にスルーされた……!?」

 

でも今の悠里の答えはちゃんと意味があり、『その意気込みは良い事だけど、本番で空回りしたら意味ないでしょ?』という意味。ちなみに友希那や他の3人もその意味は理解している。特に友希那とリサ、燐子は悠里と幼馴染みなので尚更である。

 

「時間を考えて、私達が()れる曲は3曲くらいね。何か演りたい曲はある?」

「はいは~い! あこは新曲がやりたいですっ!」

 

するとあこが新曲をやりたいと挙手した。

 

「へぇ、いいんじゃない? 最近はずっと同じ曲演ってたしね♪」

「ライブまであと2週間だって分かってるの? 今から新曲を用意するなんて、無理があるわよ」

 

リサは賛成なようで、紗夜はどちらかというと反対寄りだ。

 

「でもでも、いっぱいいっぱ~い練習すれば、ライブまでに間に合うと思いますっ!」

「仮に新曲を用意できたとしても、それから練習となると、かなり厳しいわね。中途半端なものは演奏できない。分かるわよね?」

「うー……でも……!」

 

紗夜の言い分は尤もである。しかしあこは納得できないようだ。

 

「…そろそろ、スタジオを出る時間になるけど……曲の件、どうする?」

「そうね……新曲を演るかは置いておいて、各自、明日の練習までにセットリストを考えてくる事。いいわね?」

 

時間も時間なので、曲の件は各自で明日の練習までに考える事になったのであった。

 

 

 

 

湊家。友希那の部屋にて。

 

「……ふぅ。セットリスト、か……(ラストに盛り上がる曲を持ってくるなら、最初の曲は……あの曲かしら)」

 

友希那はセットリストについて悩んでいた。そういえば、押入れに前に演ったスコアがある筈だと思い出した。

 

「確かこの辺りに……あら? どうしてカセットテープがこんなところに……」

 

押入れの中を探すと、古びたカセットテープを発見した。

 

「(この字は……もしかして、お父さんの? 何かの拍子に、ここに紛れ込んだのかしら)」

 

父の字だと思った友希那は、確認の為にも聴いてみる事に。

 

「これは……!(激しいシャウト……なに……この心を揺さぶられる感覚は……! それに……この声、お父さん……?)」

 

その曲を聴いた友希那は衝撃を受けた。

何より、この曲から聴こえる父の歌声は凄く楽しそうで、音楽への純粋な情熱が伝わってきた……

 

「……この曲、私も歌ってみたい……でも……」

 

自分もこの曲を歌ってみたいと思ったのと同時に、今の自分に、この歌を歌う資格があるのか?と友希那は思ってしまった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。

※主人公の簡単なプロフィールです。


水無月悠里(みなづきゆうり)


容姿イメージ:『らき☆すた』の岩崎みなみ

誕生日:12月12日、いて座

血液型:A型

一人称:僕
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。