i. 本作品は不定期に投稿されるとともに、改稿も行われます。ですので本作品に関しましては完成途上の「草稿」を見ている、という認識で読んでいただきますようお願いいたします。
ii. 本作品はゲーム"RimWorld"、同作品向けに有志の方々が作成されているMOD、そしてあたしほもづき氏とidatenzz氏原作の四天王シリーズの世界観を参考・前提にして執筆されています。ですので上述の作品についてある程度の予備知識が必要である場合があります。
iii.本項には挿絵がありますが、同画像はNovelAIの画像生成機能によって作成されたものとなります。
更新履歴
6/19 登場人物、「赤髪のラックル」を追加。
「種族説明」の項を追加。「ラプタ地図」の項を追加。
6/14 登場人物の項を追加。今後、登場人物の説明や挿絵は、物語の進展に合わせて追記・補足する予定です。
一部文章の追加修正(『』内が新規追加部分)
通称「ラプタ伯」は、『ハンターの勢力増長と、彼らの行うラックル乱獲による頭数激減を背景に、』新時代の「ラックル」創造計画として、「クレイドル」と言われる研究施設をラプタ各地に建造した。
宇宙時代の始まりにおいて— 人間に地球外で「発見」された生物であったラックルは、その見た目の人間的なところから宇宙時代黎明期の人間の「偉業」を象徴する生物となった。脊椎に電流を流すことで個体を従順なものにすることも同じく知られた。それからというもののラックルという生き物は、宇宙時代黎明期の人間の慢心とそれによってタガが外れた彼らの非倫理的な傾向を象徴する、愛玩動物として扱われる暗黒時代を迎えることになった。人間と爬虫類のハイブリッドに見える彼らは、地球人のペットとして、時にはより生々しい扱いを受ける存在として人々に「愛されて」きた。
しかし、知能もをつものも含めた他の外惑星生命体との遭遇は、地球人の感覚を正常に戻すと共に、彼らに対する扱いがそうした人々の間で徐々に成文化されるようになると、一般的に銀河系の外惑星生命体を他の知的生命体の合意なく無差別に家畜化することは野蛮な行為であるとみなされるようになった。そのためそれまでラックルの販売で利益を上げていたものは白眼視されるようになり、ラックルの生息惑星も厳重な監視の対象になるとともに、保護の対象ともなった。
しかし、ラックルが捕獲・飼育そして狩猟禁止の対象になったからといって、彼らを追い求める人々の熱がやんだかといえばそんなことはなく、むしろ規制によって闇市場における価格は急高騰した。
野生のラックルの生息地であった『惑星ラプタ』には、地球人と狐を祖先に持つ獣人のミホを主とする知的生命体が「ラプタ統治機構」並びにその傘下で密猟を阻止する監視団を設置していたが、それを圧倒する数の密猟者がラプタに流入し、ラックルを捕獲していった。
数十年後には「ラプタ監視団及び統治機構は今やラックルを監視しているのではない。先の時代の密猟者の子孫を、彼らの先祖より受け取った汚い金で得た力で押さえつける、別の『監視者』になりつつある」と揶揄されるまでになった。ラプタは腐敗した統治機構が圧政を敷く地と変貌し、そこにはもはや野生の、生き生きとしたラックルの姿はなかった。
ラプタは「宇宙時代の、人類の偉業の第一歩」から、「人類が広大な宇宙に残した汚点の第一号」へと、大変不名誉な変転をしてしまった。
ではラックルが完全に絶滅したかというと、そのようなことはなかった。捕獲され、人為的に繁殖されているものはもちろん、宇宙時代の夜明け共に幕を開けた「生命デザイン時代」の波は、ラックルにも波及した。そして彼らはその時代において、前時代における実験動物のマウスのような役割を果たした。
ラプタ統治機構保安総長で、当時ラプタを支配していたエマニュエル・レクレイア、通称「ラプタ伯」は、ハンターの勢力増長と、彼らの行うラックル乱獲による頭数激減を背景に、新時代の「ラックル」創造計画として、「クレイドル」と言われる研究施設をラプタ各地に建造した。初代「ラプタ伯」の計画は従順かつ知性もある完璧な「奴隷」の設計と安定的な大量生産を可能にするラックルの人工培養の実現を究極的な目標としていた。そして彼の役割はその壮大なビジョンと共にレクレイア家に世襲され、受け継がれることになり、13代「ラプタ伯」の治世においては、その計画がいよいよ実現性を帯び始めていた。
しかしラプタ伯の治世には暗雲も立ち込めつつあった。ラプタの支配において重要な役割を果たしてきた、名家「ウェトラ家」とラプタ伯の対立である。
ウェトラ家の先祖は元々、ラプタの地にラックルの密猟を目的として来訪した。そこで密猟者のコミュニティの元締めとなり、ハンター社会、のちのラプタ支配層の形成の中心となった。ウェトラ家の祖とも言えるアリア・ウェトラは当時のラプタ統治機構保安局総長と「協約」を結び、ハンターの活動を黙認してもらう代わりに、当時、地球といった本国からの支援も乏しく難航していたラプタ統治機構の業務を様々な形で補佐することとなった。
さて、事ここにいたり、なぜラプタ伯とウェトラ家が対立するに至ったかというと、ラプタ伯がラックルを人工的に培養することに成功すれば、それはラプタ伯とウェトラ家の勢力均衡が崩れる可能性があったからである。
ラックルの繁殖と捕獲はハンターの生業でもあり、彼らがラプタ社会において特権的地位を保有するための絶対領域でもあった。彼らはラプタ統治機構に「上納金」を納めることで銀河系のブラックマーケットへのアクセスを許されるとともに、ラックル密猟の隠れ蓑を作り、地元で王侯のように振る舞うことが許されていたのであった。
彼らの力の源であるラックルの繁殖と捕獲が、ラプタ統治機構が研究中の人工培養技術によって取って代わられることは、脅威であると共に、死活問題でもあった。
一方でラプタ統治初期において力強いパートナーであったウェトラ家を、統治基盤と組織が盤石になった今、根絶してしまおうとラプタ統治機構側も画策しているのであった。
そしてその両者がとうとう干戈を交えようとしていた。ウェトラ家を頂点とするハンターの一団が、ある「クレイドル」へ奇襲攻撃を仕掛ける…。
【登場人物】
キトリ…ラプタで最有力のハンター派閥、ウェトラ家に所属するハンター。狐の獣人種の一種である「ミホ」である。
クミ…同じくウェトラ家に所属するハンター。狐の獣人種の一種である「ミホ」である。
ナユタ…同じくウェトラ家に所属する新人ハンター。狐の獣人種の一種である「ミホ」である。
赤髪のラックル…キトリらの研究所襲撃の際、発見されたラックル。
13代「ラプタ伯」…現在のラプタ統治機構保安課総長。ラプタ統治機構の事実上の支配者であり、ラックル人工培養計画の推進者でもある。
【種族説明】
ミホ…狐の獣人種の一種。理性と獣人としての肉体を保つために、「ひまわり」に含まれる陽気を定期的に摂取せねばならない。
ラックル…ラプタに棲息する生物。下半身がヘビ、上半身がヒトのような外見をしている。ラックルの牙や、ラックルそのものは宇宙時代黎明期におけるラックルブームを経て、現在では外縁星域、通称「リムワールド」で珍重されている
ヒト…宇宙時代黎明期に、太陽系より移住してきた者たちの子孫の種。
【ラプタ地図】
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