地球圏から遠く離れた辺境の宙域。
海賊すらも寄りつかない場所に一隻の戦艦が漂っていた。
深い眠りから薄らと意識が浮上する。
気怠げな感覚が鈍く体に染み、起きるか否かを脳に問いかけた。
プシュ…と普段聞かない空気が抜ける音が聞こえ、面倒ながらも起きることを決意する。
「うぇ~呑み過ぎた?と言うか凭れて無い、キャベ飲んで寝たか?ていうか此処何処だ?」
見渡せば知らない場所。
壁やら何やらが全体的に無機質で、在るのはSFモノによくある蒲鉾のようなポット?だけな殺風景な部屋。
長年苦労して集めた聖書(エロマンガ含)の書庫だった自身の部屋は何処行った?
まだ完成してない部隊(ガンプラ)も残っているのに。
「…まあ良い(良くない)。次の状況確認だ…」
第一状況確認時から有った途轍もない体の違和感。
意を決して首を下に向けると、そこにあったのは雄大な褐色の二連山。
掴んでみればズッシリとして柔らかく、それでいて程良い弾力がある。
股間に手を添えてみれば、長年苦楽を共にしたマイパイソン(未使用)が武装解除されていた。
そして自身が座るポッドのガラス面を覗き込むと―――
「この顔、鰤の夜一さんじゃん」
映り込んだのはBLEACHの登場人物『四楓院夜一』の顔。
色々と腕や顔のパーツを動かすとガラスに映った自身も同じ動作をする。
「どうしてこうなった?思い出せ」
ドカリと座り込み、思い出せる限りのことを思い出す。
昨日は幼稚園時代からの友人と一緒に、鰤のコミックを読みながら鉄血のオルフェンズを視聴。
近所のドラッグストアで買い込んだ安酒を呑みまくって寝落ち。
現在に至る。
「…もう一回寝れば元に戻るかな?」
そんな現実逃避を考えた矢先、もう一台有ったポッドの蓋が開いた。
起き上がったのはこれまた鰤の登場人物『ティア・ハリベル』と同じ顔の褐色巨乳美人。
「うぇ~気持ち悪く…ない。あれ、此処何処?」
数分前の自分と同じような台詞を吐くハリベル(偽)
この台詞で夜一(偽)は、目の前の褐色巨乳美人の中身を悟った。
☆★☆★
「状況の確認をしよう」
殺風景な部屋で褐色巨乳美女二人が膝をつき合わせる。
互いの中身を明かし、自分達が置かれた状況を整理する。
「まず昨日何をしていた?」
「お前の部屋で鉄オル見ながら鰤読んで、買い込んだ安酒を飲みまくって寝落ちした。以上」
「ですよね、こんちくしょう」
再確認する先日の自分達の行動。
夢かと思って互いの頬をつねるもちゃんと痛いし、胸を揉むとちゃんと感じる(シャラップ)。
「認めたくはないが、これが現実。さらば相棒、使ってやれなくて済まなかった」
「お悔やみする気持ちは解るが、先ずは此処を出てみないか?」
兎にも角にも何もなさ過ぎる部屋。
とりあえず出入り口らしき扉はあるので、情報を得るため意を決して出てみることに。
すると目に飛び込んできたのは―――
「「うーみーはーひろいーな、おおきーなー」」
思わず幼稚園で唄った童謡を口ずさむ。
素っ裸の二人の目の前には、キラキラと星々輝く上も下も右も左も真っ暗な世界 宇宙。
呆然とする二人の前に二つの球体が転がってきた。
『ハロ、ハロ、ゲンキダセ』
ガンダムファンならお馴染みのハロ。
サイズはバレーボール程で赤と青のカラーリングである。
「うぇ…マジかよ。もしかして此処ガンダムの世界?」
「いやガンダムと行っても色々あるし。て言うかどの作品の世界だよ、モノによっちゃヤベェぞ!」
「どれもヤバいと思うが。とりあえずハロ、今年は何年か解るか?」
『P・D318、P・D318』
ハロが語ったのは鉄オルの年号。
そして物語が始まる5年前の時間軸だった。
「マジかぁ~。水星放送されてるからソッチかなと思ったんだが」
「とにかく原作開始まで時間がある。介入でもするか?」
「まだそこら辺は決めなくて良いでしょ。とりあえず戦力の確認とか色々あるが、先ずは何か着るか」
互いを見れば一糸纏わぬ産れたばかりの褐色巨乳美人。
物凄く興奮するが、互いの中身を知ってるし、肝心のマイパイソンは未使用のまま御仏に。
二人はハロの案内で更衣室へと向かっていった。
「あー名前どうする?この成りで佐藤太郎は無いぞ」
「とりあえず見た目通りの名前で良いんじゃないか。俺はティア・ハリベル、お前は四楓院夜一で」