「…ガンダムフレームやん」
ラフな格好に着替えた夜一とティアはハロの案内で格納庫へとやって来ていた。
出迎えたのは白地に赤と青のナノラミネートアーマーに身を包んだ2機のガンダムフレーム。
「えーと、青い方がASWーGー38ガンダムハルファス、赤い方がASWーGー39ガンダムマルファスか…」
ハロの液晶に表示される2機のガンダムの概要。
表示された機体の三面図を見るとフレームにエクシアRⅣの装甲を取り付けたような形状をしている。
「なんか背中にGNドライヴっぽいモノが付いてるんですけど」
「更にそこから伸びるバインダーにソードビットが付いてるんですけど」
概要を読めば読むほど、作品ごちゃ混ぜのオーバースペックな2機。
しかし現状格納庫にはこの2機しか無いので、必然的にこれらを使って身を守っていかなければならない。
となればイヤでも習熟が必須である。
「しょうが無い。まずは乗るだけ乗ってみるか」
「そうだな。習うより慣れろとも言うし、と言うか教えてくれる先生居ないし。ハロ、サポートってしてもらえる?」
『『リョウカイ』』
乗り気ではなさそうな口調とは裏腹に二人とも顔はウキウキしていた。
何だかんだで数時間前はガンダム大好きな男の子だっただけのことは有り、急いでノーマルスーツに着替えた二人はハロを伴いコックピットへ乗り込む。
青いハルファスには夜一が、赤いマルファスにはティアが搭乗した。
「ふむ。原作には見ないコックピットレイアウトだな」
「ハロをセットする凹みは解るが、モニターが一つだけしか無いじゃん」
鉄オルは疎か他のガンダム作品でも見ないコックピット。
唯一股の間にハロを納めるであろう凹みが確認できたので、二人は持っていたハロをセットする。
予想通りに機体は起動し、正面モニターに原作でもあった機体名とプログラムが表示された。
「えーと阿頼耶識システムtype・P。type・Eじゃなくて?」
「なんかヤバそうなニオイがぷんぷんしてきた。やっぱ降りようかな」
新車で自宅に帰る際のウキウキ感とほんの少しの恐れ。
起動シークエンスは着々と進んで次の行程へと移り認証登録も兼ねた脳波計測が行われる。
次いで固定具で席に四肢が固定され、最後にヘッドギアを装着し二人の体内を流れるナノマシンが駆動状態に移行。
ナノマシンの影響で二人の目が金色に代わると、機体カメラの映像が網膜に投影され2機のガンダムの起動は完了した。
「まさか既に体に阿頼耶識の施術がされてるとは思わなかった。でも、なんか思ってたのと違うな」
「それな。なんて言うのか、コックピットに座って居るはずなのに立って操縦しているような感覚?」
鉄オルは疎か他のガンダム作品でも見ない、システムによって感覚が制御される操縦システム。
そして機体から情報が流れ込む感覚はあるが、原作のような苦痛は疎か不快にすら感じられない。
後に二人は艦内のデータベースにアクセスし詳しい詳細を閲覧した。
『阿頼耶識システムtype・P』
水星近辺で採掘される新鉱物パーメットをナノマシンの構造材にした新型阿頼耶識。
システム初の無線接続方式であるため被術者の背中にヒゲは存在しない。
現行阿頼耶識システムを凌駕する情報伝達量を誇るが、当然脳への流入量は最低でも即死レベルに達する。
そのための安全策の一つとして機体から送られる膨大な各種情報は一旦ハロへ集約し内蔵されたAIが自動的に情報を取捨選択・最適化。
パイロットへの負担を大きく軽減しつつ、従来以上の直感的且つ迅速な機体操作を可能とする。
話は戻り、ツインリアクターからの電力供給により2機の疑似太陽炉も起動。
GN粒子を放出し始めた二機はクレーンに牽下され、格納庫からカタパルトに移動する。
『ハッチカイホウ。ハッチカイホウ』
ハロの操作で巨大な扉が開き、ガイドレールが暗闇に向けて延びていく。
「ガンダムハルファス。四楓院夜一、出撃する」
「ガンダムマルファス。ティア・ハリベル、出るよ」
勇ましいかけ声とは裏腹にガイドレールを手繰り、おっかなびっくりな挙動で2機のガンダムが顔を覗かせる。
ハロのサポートによりガンダムで外へ出た二人は、自身が乗っている艦を見てなんとも言えない気分となった。
「ミネルバじゃん。インパルスのカタパルト無いけど」
「嫌いじゃ無いけど。個人的にはアークエンジェルかプトレマイオス2が良かった」
鉄オル世界にOOときてSEED DESTINYと余りの雑食ぶりに頭が痛くなる二人。
それから暫くガンダムの操縦を楽しんだ二人は格納庫へと戻った。
戻った二人は艦内の探索を再開。
量子コンピューター『ヴェーダ』が有ったり、AGEビルダーが有ったりと色々な意味で溜め息が連発。
とある鍵が掛かった部屋には大量の現金に小市民の二人は驚愕。
一通り探索して分ったのは艦内の人員は自分達だけであり、艦の清掃や整備等の維持管理は全てハロ及びカレルが行っていた。
最後に食堂を訪れた二人は今後のことについて話し合う。
「想像以上にヤバいなこの艦。絶対に俺たち以外に渡したら不味い」
疲れた表情でコーラを啜る夜一に、サイダーを飲むティアは同意する。
ミネルバ艦内探索に於いてガンダムフレームやAGEビルダーもそうだが何よりヤバいのが『ヴェーダ』
阿頼耶識のオリジナル及びtype・Pの各種データ、ガンダムフレームやGNドライヴの設計データ等々、簡単に世に解き放てないモノの目白押しだった。
尚ヴェーダへのアクセス権限は二人のみであり、アクセスルームへの入室は二人の生体認証が必須である事が救いだが。
「今後のことも問題だ。原作に介入するか否か、どちらにしても必須なのが俺たちの地力上げ。それから補給と世界情勢も見とかないと」
「やること一杯だな。とりあえず火星、いや補給も考えて地球圏へ向かうか」
「そうだな。ハロ、地球圏へ向け前進一杯。加速完了後、慣性機動に移行。周囲の観測は厳に。俺たちは寝る、以上」
ハロに命令を出した二人は探索中に決めた自室へと向かう。
シャワーを浴び、女体の神秘を確認して深い眠りへと落ちていった。
がばがばせってい。