異世界行ったらTSさせられて最強の不老不死にもさせられたんだけど?   作:嗚呼津

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いきなり国防任されるらしい

「知らない天井だ」

 

 何気に言いたかったんだよな、この言葉。……もう古いかもしれんけど。

 して、なぜ俺はこんな普通では言えない言葉を言える状況になったんだっけ?

 

「起きたか……。我が国最後の砦にして、最強の生物よ」

 

 ……えっ。

 

「お前にはこれから何があっても死なない不老不死、永久不滅の最強の兵士、かつ兵器、そして絶対的なこの国の象徴でいてもらう」

 

 ……えっ。

 

「起きたのならすぐ議会の国策決定会議がある。極秘特別秘書として傍聴してこれからのこの国のためになる国策でも考えておいてくれ」

 

 そう言って中年のおっさんは部屋から出ていく。

 

 ……えっ。

 ……えっ、いや……えっ、えぇ?

 そう、思い出した。確か俺は普通に高校に登校中だったはず。なんでそーんな普通の高校生がこんな物騒というか、意味不明な言葉を投げかけられるようになるのか。……ふーむ、全く分からん。

 

「どゆことぉ……?俺さっきまで普通に登校してたよな?なんでこんな部屋にいてあんな意味わかんねぇおっさんに命令されてんだ?」

「そう言ってあげないでください。あの方も前はもっと理性的な人だったのですが、如何せん国の状況が芳しくなく、不安やらでああなっているのです」

「ワァッッッヒィ!!……フゥ!?」

 

 完全に独りだと思って独り言言ってたら返事来たぁ!超びっくりしたぁ!!

 

「随分と個性的な驚き方をしますね」

「え、いや、えっと……。あなたは?」

「私のことは……まあ、天才研究者とでも。それより、混乱なされているでしょう、今から説明します。質問があったら都度、訊いてください」

 

 

 

 

 

 えーーーーーっと。まず、この全く気配のなかった白衣を着て髪の毛が手入れされてない伸ばしきったままのなーに考えてるかさっぱり分からんいわゆるマッドサイエンティストの若い女性の説明から察するに、ここは異世界らしい。

 

 詳しく説明すると、俺は道端で血だらけで倒れていたらしい。外観的に右から強く衝撃を受けて全身バッキバキになって、倒れたあと頭蓋骨がバキーンとなるほどの衝撃で頭を打ったのだろうとのこと。

 

 これが本当だとして、俺の登校してたっていう記憶とすり合わすと、俺の信号無視か相手の信号無視かは知らんが高二の俺がぼーっと道路を横断してる所をトラックに轢かれたとかそんなところだろう。

 

 定番の神様転生なんてものは無いみたいだ。しかも死に体の俺をそのまま異世界に飛ばして放置。神様はやはりとっくの前に死んでいたらしい。

 

 というのがこっちの事情で、本当は俺はそのまま死んでいてもおかしくなかったらしい。

 なら、何故助かった、助けられたのかというと、それはこの国の事情が関わってくる。

 

 まず、この世界はここ50年ほど、対立する国は変われどずっと世界的な戦争になる可能性が高いのだとか。

 つまり俺がいた世界で言う米ソの冷戦だったり米中冷戦みたいな感じだろう、あんま知らんけど。

 

 そんな世界情勢のなか大した領土、人口、経済力、軍事力もないのにずっと威張り続けた国があったのだとか、……いや、まあ……、それがこの国──あの中年のおっさんが皇帝のレスリル魔法主義帝国なんだけれども……マジで馬鹿なのか。

 

 いや一応理由はあるらしい、この国は歴史的にも大国に幾度も蹂躙されてきた国の後継国家であり、どこの国も信じられないらしい。つまり、外交を放棄しているということ。……なら国なんて作るなと言いたいがぐっとこらえる。

 

 しかもこの国は今覇権を争う2大大国のちょーど中間地点にあり、ヤヴァイ状況にある。

 

 でここからがこっちの世界、異世界特有の危機回避方法なのだが、この国の名前からもわかる通りこの世界には魔法がある。

 

 で、この魔法ってのが重要で、よくある『地球なめんなファンタジー』で出てくるよーなチンケな魔法じゃなく、ガッツリ大量殺戮ができる魔法があり、そういうものには絶破魔法という通称が与えられる、例えるなら魔法科の戦略級魔法。現実の兵器に落とし込んで例えるなら核兵器。

 

 で、この国はその戦略級魔法みたいなトンデモナイやつを開発して、攻めたら被害が出ると相手国に思わせて国防してきたらしい。……まるで日本の隣国の北の国みたいとは言ってはいけない。

 

「しかし、大国も絶破魔法の開発を加速させるなか、それに対抗出来るほどの絶破魔法の開発がこのヘナチョコ国家には出来なくなりました」

「やべーじゃん」

 

 こんな話を聞いても結局地球のことではないため、あんま危機感を持たずに返してしまう。

 

「そう!ヤバいのです!!この国はもうどちらかの大国に服属した方がいいんじゃないかと議論される世の中。しかし!そんななか颯爽と現れた天才研究者が国に希望を持たすのです!!」

「……あんたか」

 

 ずーーいぶんと自分をヨイショするなぁ……こいつ。

 

「そう、私!!!天才研究者たる私が見つけた人を最強の不老不死にする魔法が希望を持たすのです!!!」

 

 あーーーー……繋がってきたぞー?ここまで聞いたらあの中年のおっさんが言ってきた言葉の意味も理解出来る。

 

「しかし、この魔法には欠点があった」

「そりゃないと怖すぎるわそんな魔法」

「1つ、とてつもない労力がいること、広大な魔法陣を必要とし、過呼吸を起こすほどの長文の詠唱をしなければならず、莫大な初期投資魔力が必要だった。……まあ、自分一人で何とかしましたけど」

 

 うわ、想像するだけで発動させる勇気を無くす魔法だな。

 まあ、そうしないと不老不死なんて作れないんだろーなあ……。

 

「2つ、この魔法を受けることが出来るのが女性だけだったこと」

 

 そりゃまた、女尊男卑を加速させるよーな魔法ですなー。

 

「3つ、女性とか以前にこの魔法に適応出来る人間がこの国に1人もいなかったこと」

「ダメじゃねーか」

 

 なんだよその圧倒的出オチ感は。

 一瞬で帰れって言われたんじゃねーの?あの中年のおっさんに。

 

「そう、ダメだったんですよねー……。さすがに国民まるまる適応検査したら1人ぐらいは居ると思ってたんですけどね……。でも絶望しながらトボトボ歩いてる私の前に現れたのが!!」

「あーーーー、死に体の俺で、たまたま適応検査したら合格でこりゃ幸運だと不老不死にする魔法をかけたから俺は今こうやって生きてるのか」

「その通り!!いやーあれはほんとに運が良かった!!!もしあのまま通り過ぎて死なせてたらと思うとっ……」

「ちょっと待て」

 

 俺は流してはいけない問題に気がついたぞーー?

 

「はい?」

「その2、女性しか適応出来ないっていったよな?」

「はい、言いましたが?まあ、正確に言うと適応は男女関係ないんですが、細胞だったりの関係で魔法を女性しか受けれないんですよ。男性が受けたら体が弾け飛びます」

 

 ってことは、あーーーーっと?えーーーーっと?男の俺がなんで受けれてんの?……いやー、まさかな?体を見て確認するだけ………………いや、こえーー!!自分じゃこえーからマッドサイエンティストに訊こう。

 

「なんで俺魔法受けれてんの?」

「?…………気づいてないんですか?あなた、性転換魔法で女性になられてますよ?しかも美少女」

「聞きたくなかった……」

 

 理解した俺は無言の涙を禁じ得ない。…………相棒がっ!相棒がぁーーー!!旅立ってしまわれたよぅ……。

 

 そして、差し出された鏡を見る。確かに美少女だ。てか性別奪われた上に満足出来ないビジュアルだったら絶望すぎる。何も残らねぇ。

 

「そして、最強の不老不死の人類として誕生したあなたをあの人はこの国の最強兵士、兵器として絶破魔法に変わる抑止力にするみたいですね。今はまだ公表せずに極秘特別秘書としてるみたいですけど」

 

「マジか……17歳の高校生の俺が国防の要になるとかどんなだよ……」

「さすがに切羽詰まりすぎですよねぇ。ま、何はともあれ会議の傍聴を命じられていいましたよね?この国がどんななのか1回聞いてきたらいいですよ」

「そーだな…………」

 

 

 

 どーなる事やら…………ハァ……………………ハァアァー。

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