異世界行ったらTSさせられて最強の不老不死にもさせられたんだけど? 作:嗚呼津
「てか、会議聞くつってもどーすればいいんだ?場所どこだよ⋯⋯」
とりあえず、この国の現状を知るために会議を聞こうと思うが、そもそも場所分からんし、今俺がいる場所が病院なのか、それかその他の政府の建物なのかも分からん中どうしろと?
「ああ、大丈夫ですよ。私が連れていきましょう」
「おお、助かる」
いや、連れて行くのが当たり前か。
「で、一応触り程度に聞いておくけどこの国の首脳陣はどんな政策を考えてるんだ?」
「んー私も最近何しようとしてるのかは不老不死魔法の研究ばっかしてたからあまり知らないですけど、ちょっと前⋯⋯2、3年前は食料事情を解決しようと密輸やら国境を超えた密猟を国が推奨したり、経済を潤すために他国にスパイ潜り込ませてその国の税金やら大商人の儲けやらをくすねたりとかしてたましたよ。まあ、まともな政治形態だと国が運営できないんでしょうねえ」
「⋯⋯国民何してんだ、クーデター起こせよ」
国民は自分たちの国の改革をしようとはしなかったのだろうか⋯⋯。
「いや国を変えるより他国のお世話になるほうが簡単なので」
⋯⋯逃げられてんじゃーん。この国に救いはない。
さすがに呆れた顔しかできない。
「だから経済力が無くなるんですよ。だからと言って逃げ出すほどの生活困難な国民になんの手助けが出来てないのがこの国の現状です」
「これは……今頃議会で何話すんだって感じだな……」
「楽しみにしていてください、きっとまともなこと話してないので」
「いや楽しむもんじゃねぇだろ。……自分が住んでる国の政治だろ」
それでいいのかこの国お抱えの天才研究者が……。
「まあ、私は最悪研究さえ出来れば良いので。そして国は私の研究を止めさせる訳には行かないので」
「ああ……はいはい利害の一致ね。全く、主要人だけ裕福してるなんて嫌な国だぜ。皇帝様もあんなに太ってるしよ」
「一応言っときますけど、アレはマトモな太り方してませんからね?」
「は?」
太り方にマトモ、マトモじゃないなんて区別あんの?……いや意外とあるかストレスで食うしな。
いやそれだと結局裕福だからこその太り方だな。許すまじ皇帝。
「周りが痩せ細るなかあの人だけがどんどん太っていく。国のナンバー2でさえ痩せていってるのに……全く何を食ったのやら」
「………………そゆことね」
マトモじゃない太り方というのはどうやら精神面の話だけじゃなく物理的な話だったらしい。
この世界の食料がどんなのがあるかは知らないが、おそらく普通の精神状態なら口に入れないものをバクバク入れたせいで作られた体らしい。死んでもしらねーぞ。
「さ、着きましたよ議会会議場です」
マッドサイエンティストに付いていって廊下を歩いていたら着いた。どうやら俺がいた場所は政府の建物らしい。
こっそり中に入ると、……まあ、よくある議会って聞いたら思い浮かべる空間がそこに広がっていた。壁には国旗だろうものが掲げてあって実に壮観だ。
てか、その空間のすぐ横に扉を開けた瞬間に着いたのだが。……てっきり傍聴席かなんかに行くと思っていたんだけど……。
それらしい場所がない。
「なあ、傍聴席とかってないのか?」
「ありませんね。多分一般の人が入ったこと無いんじゃないですかねー」
「わー世間に何するか広める気ゼーロ」
これだから末期の国家は。
こんな国に国防押し付けられた俺って……。しかも不老不死だから永久に……うへっ。
「え?それじゃあどこで会議聞いとけば良いの?」
「さあ、そこら辺で隠れて聞いとけばいいんじゃないですか?」
そうして指を差したのはほんとに椅子とかもないホントに端っこ。
いやまあ、多分俺の存在政府の人にも知られる訳にもいかないしねバレないよーにこっそりすみっコぐらしするしかないよな、しゃーないしゃーない……。
「───やはり、ここは隣国メサル王国に宣戦布告し絶破魔法とは行かないまでも、我が国が誇る魔法でもって戦争に勝ち。衰退が止まらない我が国の経済をその国の経済力で補い、国力増強の糧としましょう!」
……ん?なーんか聞いちゃいけない単語聞こえた気がしたぞ?
なんか、宣戦布告やら戦争やらって……聞き間違いだよね?
え?間違いじゃない?……あっ、そっすか。
「うむ……戦争による経済への救済か……一理あるな、その方針もこれからの国策の1つとしよう。他の者、異論はあるか?」
いや、あるわ異論、てか文句。
平和ボケした日本人だからこそ言うけど、戦争、するなよ。国力が伴わない戦争は地獄しか生み出さんぞ。メサル王国がどんな国かは知らんが問題になってる二大大国ほどじゃないだろうが少なくともこんな終わってるレスリル魔法帝国なんかよりかは国力があるのは確実だろう。
で、魔法を使う、なんて言ってるが使えるのはおそらくメサル王国が完全な戦時体制が整っていない戦争初期のみ。つまり一撃講和を狙うということだろう。
ふーん⋯⋯無理じゃね?いや、いやその初手で相手の要衝を潰すつもりなんだろうが⋯⋯うーんメサル王国がこの狂った国の作戦をうまくいかせるような対策は取ってないと思うが⋯⋯、それを考えると戦争という賭けに出るのはバカとしか言いようがない。
てかせめてメサル王国から戦争をしてくるような工作をしたほうが良いと思うけどな、出来るだろ他国から金くすねてきてんだから。被害者面できるし。
「⋯⋯よし、異論はないか」
おい、大丈夫かこいつら、
「では、正式にこの案を国策とし、これからはこれを達成するために議論を深めていこう」
国策決定会議を聞き終わって、俺が起きた部屋に俺とマッドサイエンティストは戻り、俺は心の中で会議の内容の馬鹿馬鹿しさに呆れていた。
議論は机上の空論ばかり、どれもこれも聞いている価値のないような話で、メサル王国のことも分析せずに物事を決め、予算を決めていく。
なんだよ王様拉致って降伏を迫るって、拉致れるもんならやってみろよ。
「それで、会議を傍聴してどうだったかね、我が国の切り札よ」
「⋯⋯どうだったもなにも、最悪だ」
「ふむ、なぜかね?なにか意見があるなら聞くが?」
「まず、戦争なんてするべきじゃない。経済が不安定なら国内から直していけ、搾取で成り立つ国なんていつか破綻する」
「しかし、工業をするには工場を建てる金がない。農業をするには土地が枯れすぎている。なら、国外に手を伸ばすしかないだろう、仕方ないことだ」
ち、この国はほんとに⋯⋯終わりすぎだろ。
「なら!そもそもの話だ⋯⋯!あんな滅茶苦茶な作戦で始める戦争にこの国が勝てるわけがない⋯⋯、国を滅亡させる気か!?」
そう、勝てるわけがない、この国の軍は魔法を使う人間、魔法兵によって構成されているからこっちの世界のような戦車だったりのような出費が大きいものを作る必要がないため、まあまあ軍は強いらしいが、そんなの相手も同じことだ。
何より、あの『魔法により大きな打撃を与える』作戦を成功させたとて、相手が戦争の継続を決意したら、すぐ相手は体制を整えるだろう。
この世界の軍は兵器で成り立っているのではなく、先ほどの通り、兵器なんかよりはるかに手軽な魔法によって軍が成り立っているのだから、国民から魔法を使える人を軍に徴兵したらいい。
なら、この国が勝てる道理がない。
「確かに、あの作戦だと、負ける、それは実は私も解っている」
「⋯⋯なら」
「しかし、あの作戦を無視し、私が思い浮かべている真なる作戦を実行に移せば、我が国がメサル王国に絶対負けることはない」
「⋯⋯は?何を根拠に⋯⋯」
いやなにをどうしたらこの国が絶対勝てると言い切れるのか。
「まだ自覚がないのか?私はさっきも言ったぞ、『我が国の切り札』と」
「⋯⋯ああ、そういうことかよ」
「分かってくれたなら良い。この戦争でお前を投入し、敵兵を薙ぎ払う。そしてお前の際限無い恐ろしさを世界に広め、我が国は絶対に手を出してはいけない国という認知をさせ、立場を確立させる」
どうやら、俺は異世界生活初日で戦争に参加しなければいけなくなったらしい。
この国の経済事情を聞く限り、戦争をするのは決定と言っていいだろう。
さすがにもうちょっと猶予があると思ったんだけどなあ⋯⋯。俺に人を殺す覚悟なんて無いのに。戦争をこの身で味わったことなんて一回も無いのに。
まあいい、分かっていたことだ、覚悟をしよう。⋯⋯なんて簡単にはできないが、こういうマインドセットじゃないとやっていけない。
「⋯⋯魔法の使い方なんて知らないが⋯⋯?」
一応、苦し紛れに抵抗をする。
「その点は大丈夫だ。国の魔法研究開発局が認知している魔法は使い方も含めすべてそこのマッドサイエンティストが脳に直接インプットしてくれている」
「追加に私が作った魔法も私の魔法を使って脳にインプットしたから安心していいですよー。⋯⋯まあ、正確に言うと脳とは違うんですけど。⋯⋯それはまた今度不老不死魔法の詳細も含め説明しましょう」
⋯⋯たしかに、そう認識すると魔法のことが脳に浮かんできた。少し非現実に触れ興奮してしまうが、そうじゃない。
逃げ道を完全に塞がれてしまった。⋯⋯はあ、さすがに本当に覚悟しなければいけないな。
なら───
「分かった。⋯⋯ああ、分かったぜ。了解だ、この国は俺が勝たせる。だから、俺の作戦を聞いてもらうぜ」
───どうせなら、開き直ってやる。
こっからはもはや夢の中に居るように思ったほうが良い、俺がこの戦争の主導を握ってやる。
その方がこの国のあんな奴らに任せるより絶対上手くいく。
「まず、工作をしてあっちから戦争を吹っかけてくるようにしろ」
「……ああ、分かった。確かに、そのほうが良いな」
少し驚いた顔をしたが、どうやら従ってくれるらしい。よしよし、上々だ。
「そして、戦争に勝った後、あっちが自分から戦争を吹っかけたのに負けたということで弱気になっているところに俺が大勢の国民の前で演説して心を射抜いてやる。そして完全にメサル王国をレスリル魔法帝国に吸収する」
神様にこそ貰えなかったものの、結果的には異世界チートだ。存分に最強として君臨してやろうじゃねえか。
「⋯⋯ハハハッ!最高じゃねえか!!」
俺が厨二的に決意を固めていると、いきなりなんか皇帝が笑い始めた。どした⋯⋯?やっぱ食ってたモン、やべーモノじゃねえの⋯⋯?
「決めた。俺はこの戦争がこの国の勝利で終わったら皇帝を退く。次期皇帝はお前だ。なんなら国号変えてもいいぞ!お前の名前でこの国を変えていけ!!⋯⋯そういえばお前、名前は?」
⋯⋯え?いきなり皇帝?え、マジ?そんなの予想してないんだけど?⋯⋯いや、そうだ夢のように考えろ。
……スゥ、フゥ。
⋯⋯最高じゃねえか。この国をまともな方向に自分の手でできるんだろ?⋯⋯ああ、最高だ。ハハハハッ!……ハア。
えーーっと、再度落ち着いたところで、名前⋯⋯か。日本名だと合わねーしな⋯⋯。
んーーっと⋯⋯ゲームで使ってた名前にするか。
「俺の名前はミーザ。そして、国号はミーザ帝国にする」
これだと女の体の今の俺でも違和感ないだろう。あ、やっぱ名前と国号が一緒なの恥ずかしい変えよう⋯⋯。
「ミーザ。そしてミーザ帝国⋯⋯か。いい名前だな!」
うーーーん手遅れっ☆⋯⋯諦めよう。
よし、やってやろうじゃねーか。ひとまず明日から魔法でも訓練がてら使ってみよう。
ああ、見とけよ世界。俺が、君臨してやる。
俺の戦いはこれからだ!