ついにこの日がやってきた
「先生、今日1日は私は動けませんので」
「え、何かあるの?」
「メンテナンスの日です」
メンテナンス
自身の体が弄り回されてるおかげで埋め込まれたパーツもある
羽とか、他にもいろいろ
そんなんだからメンテナンスを行わないと不具合が出る
「なので血が吹き出しても大丈夫な部屋はありますか?」
「………あると思う?」
無いですよね
「まぁこの部屋の隅ならあまり問題はないかな」
「それでいいんですか?」
結構飛び散るかもしれないけど
「いいよ」
「言質は取りましたからね、
ぐちゃ、ごぎ…ぶしゅ、バキ……
「うわぁ…」
背中を突き破って羽が展開される
……少し歯車の動きが心配だな
私はポケットから工具を取りだして歯車を外す
「え、それって外せるの?」
「もちろんです、何を当たり前のことを言ってるんですか?」
「…………いや、うん、そうだね」
なんだその思ってたんと違うと言いたげな表情は
…まぁいいか
取り外した歯車に油を垂らして綺麗にしていく
…うん、ピカピカになったね
「光沢が眩しい…」
「なら見なければいいのでは…?」
そんなことを言いながら、付け根の部分から分解をしていく
「パーツ多…」
「触って無くさないでくださいね」
目がキラキラしていた先生に予め忠告しておく
「う……はい」
ガチャ
「先生来たよ〜、およ?ルリちゃん何してるの?」
「ホシノ、羽のメンテナンスしてるだけ」
「…パーツ多いねぇ〜」
と言いながらまだ掃除をしていないパーツを手に取るホシノ
え、ちょソレまず…
「ん、あっ」
「ルリちゃん?」
なでなで
「くぅ、んん!」
「まさか?」
なでなでなでなで
「あ…はふぅ…」
「…おじさんやっちゃった?」
「私は見てない私は見てない私は見てない」
恨むぞホシノ……
「パーツ、一つ一つに…感覚が、あるの…」
「…ごめんね?」
「私は見てない私は見てない私は見てない」
そしてさっきから先生うるさい
見てないことはわかったから
はぁ…ふぅ、落ち着いた
「自分で拭いたりする時は加減ができるから」
「なるほどねぇ〜でもネジにまで感覚があるなんて」
「脳内に接続がされてるからね」
「………そっか」
相変わらずよく分からないところで引くねホシノは
「ということはこの全てのパーツが接続されてるってこと?」
「その認識であってます、何せ本物を模倣するんですから、より細かく動かすためにはこれぐらい必要という訳です」
「成程ね」
よし、とりあえず半分位終わった
「これって撃たれたりしたら作り直しみたいになるの?」
「自己修復機能が備わってるので、作り直しにはなりませんよ」
「何そのすんごい機能」
こればっかりは同意見、マスターの技術がすごい
「そういえば先生、ずっとこの作業みてますが、仕事は大丈夫なので?」
「あ、やば」
「…おじさんも手伝うよ〜」
………
「あんまり甘やかしすぎるとダメな大人になるよ、ホシノ」
「わかってるよぉ〜」
「え、まさかの子供扱い…?」
「少なくともこの前のもやし生活発言で私の中の評価は下がりました」
ガーン、とでも言いたげな表情になる先生
「誠心誠意やらせて頂きます」
「初めからやれ 」
「……ハイ」
よし、終わった
「終わったので戻しますね」
「りょうかーい」
羽を組みたてて……よし
ぐちゅぐちゃ
肉をかき分ける音と共に羽をしまう
「………ものすごい血の量…」
「掃除しますね」
さすがにこのまま放置する訳にも行かないので、雑巾を持ってきて血を拭く
なんだかんだ言ってグロいことに変わりは無いからね
「では最後の仕上げを…」
「仕上げ?」
……………
「…?何してるの?」
「接続回路の更新です」
「あぁ…成程」
「回路が複雑すぎて3時間はかかるので、その間は何もできません」
「さん……!?」
3時間という時間に驚いた先生、そしておもむろにタブレットを取り出す
「…アロナ、彼女の接続回路の更新を手伝うことは出来る?」
アロナ…?ダブレットのAIだろうか
「…………分かった、じゃあよろしくね………ルリ、この部分を触ってくれるかな?」
先生がタブレットを持ってきて、ここを押せとばかりに主張している部分を押す
"接続完了しました!では、更新を手伝いますね!"
「!?」
脳内に直接…!?
この声がアロナなのだろうか
"うわ、なんですかこの複雑な回路は…ですが!ちょちょいと終わらせてみせますよ!"
おお、凄い
どんどん回路が組み上がっていっているのが分かる
あ、そこは
"右翼左翼共に70%完了………これは?"
「…それは私がやるよ」
パスワード入力…………b8:o
いつ見ても意味不明なパスワードだ
"ありがとうございます、更新を再開………終了です!"
おお!もう終わったのか
「更新終了……ありがとうございました…えっと……アロナ?」
「アロナもどういたしましてって言ってるよ」
AIのレベル超えてないか?それ
「大変なんだねぇ」
「醜態を晒された恨みは忘れないから、ホシノ」
「ごめんってぇ〜」
と言いながら抱き着いてくるホシノにチョップをかました
脳内も弄られてる…oh......