現実世界でアバターまとって無双します ~モンスターが出現する過酷な世界になったけど、どうやらアバターをそのまま使えるらしく、廃ゲーマーだった俺は配信されて謎の最強存在としてバズってしまう~   作:†タック†

21 / 50
ソロ グリムロック GM 第一階層

「な、なにこれ……!? 部屋の中にダンジョンへの空間が現れた!?」

 

 京太とかおるがプライベートダンジョンを出現させると、それを見た桃瀬が目を丸くして驚いていた。

 

「すまないが、ゆっくり説明している時間はない。あとで移動しながら説明する」

「あ、うん……」

 

 桃瀬は呆気にとられながらも、時間が無いことを知っているのですんなりと受け入れた。

 ベッドに寝ているかおるは一瞬でも仮想変身(アヴァタライズ)したせいか、玉のような汗を額に浮かべながらも、強気に手を振る。

 

「いってらっしゃいませ、ご主人様、お嬢様。あ、私のサポートスキルがなくても大丈夫ですか?」

「戦力は落ちるが、今は桃瀬がいる」

「あ、なんか言い方で不機嫌になっちゃいますよ、私ぃ~」

「面倒臭い、静かに寝て待ってろ」

「あ~い。桃瀬さんも京太のこと頼みましたね~。こう見えて結構バカなことをするので気を付けてください~」

「う、うん。天羽さん、すぐに薬を取って戻ってくるからね!」

 

 かおるの気の抜けた言葉を背に、京太と桃瀬はプライベートダンジョンの中へと進むのであった。

 

 

 

 ***

 

 

 

「――という感じのスキルだ。この【プライベートダンジョン】というのは」

「すっっっっっっっっっっっっごい……!! なにそれ!!」

「他言無用で頼む」

「うんうん! りょーかい!」

「正直なところ、まだわからないことも結構ある。けど、今回入力した呪文〝ソロ グリムロック GM 第一階層〟というのが上手く機能すればいけるはずだ」

「いけるの? どんな感じに?」

「たぶん――」

 

 ソロ――これは一人というのを表す言葉だ。今までの経験から、ソロ用のダンジョンの難易度だったり、モンスター自体がソロだったりする。

 グリムロック――ゲーム名を入れることによって出現するモンスターを固定。

 GM――これも入れることによって、さらにモンスターを固定。

 第一階層――ダンジョンの全階層がどこまであるか。第一階層と指定すればボスがそこにいることになる。

 

「多少はブレるが、今回はシンプルな呪文が多いから平気だろう」

「なるほど。つまり、この先にいるであろうGM型モンスターを倒して、薬を手に入れれば良いってことだね!」

 

 ピンキーの姿になっている桃瀬は、大きなグローブを胸の前でバシンと叩き合わせて気合いを入れていた。

 自分以外にも戦えるパーティーメンバーがいるのは良いものだと実感しながら、京太はスッとスマホを取り出した。

 

「京君、スマホなんてどうするの? そもそも電波入ってるの?」

「なぜか電波は良好だ。配信もできる……そう、配信も……」

「えっ、京君……まさか……」

「こほん…………………………こんて~ん☆ 地上へ舞い降りたお世話系メイド天使、天羽かおるのチャンネルでーす♪ 今日も皆様に楽しんでもらうぞーぅ!」

 

● こんて~……うわああああああああ!?

● 野太い声で挨拶が……

● かおるちゃんは今日もかわ……いくない……

● 耳が腐った

● 汚い声で鼓膜ないなった

● なんでかおるちゃんじゃなくて、京太の野郎が最初の挨拶してんだよ

 

「今回は出られないかおるに『代わりに配信してください』って頼まれたんだから仕方がないだろう……。俺自身の挨拶が遅れた、八王子京太だ。今日もダンジョンを攻略していく」

 

● スッと戻って草

● なんで最初だけノリノリだったん?

 

「あ、あたしも挨拶した方がいいよね? こ、こん……えーっと……こんピンキー? うさ耳系ナグール格闘娘のピンキーだよ~……。みたいな?」

 

● かわいい

● ピンキーちゃんレギュラーで嬉しい

● やったぜ!

● ぶっとい太股、ピッチリタイツで浮き出る胸の形……うさ耳ツインテデカグローブ……性癖に来るでぇ……

● (ふて)ぇって!!

● 太くねぇって!!

 

「蹴りワザがあるんだから太い方がいいんです~!」

「さて、今日はかおるがいないから、しばらくしたらカメラは身体に固定させてもらう。多少見にくいと思うが我慢してくれ」

 

● なるべくピンキーちゃんを映せよ

● ピンキーちゃんサイコー!

 

「わかってる、なるべく映すようにする」

「な、なんであたしを映すの?」

「可愛いからじゃないか?」

「かっ!? 可愛い……!? 京君そんな目で見てくれてたの!?」

「い、いや、アバターがって意味で……」

 

● てぇてぇ

● 京×ピンもいいな……

● いや、かお×京だろう

● かお×ピンに期待の百合豚です

 

「なんか専門用語が飛び交っていてよくわからないんだけど……」

「気にするな、いつものことだ。……さて、お喋りタイムは終わりそうだな」

 

● お、ボス部屋に到着したっぽいな

● なんだあの敵……見たことないぞ……

● 知ってる、あれグリムロックのGMでしょ!!

● マジかよ!? そんな相手と戦うのかよ!?

● やっぱり、おちゃらけててもすげぇな。この配信

 

「緊張を良い感じにほぐしてくれたご主人様たちには感謝をする。あとはコメントを見られないが応援していてくれ」

 

● ピンキーちゃんがんばれ~

● ピンキーグッドラック!

● 応援してるよ、ピンキーちゃん!

● ピンキー! ピンキー!

● ハーレム状態の京太死ね

 

「……もしかして京君って嫌われてる?」

「俺はコメントを見ていない、俺はコメントを見ていない」

 

 コメントから目を逸らし、スマホを固定用のベルトに装着してカメラを前面に向けたのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。