2032年 4月6日 11時23分、佐世保港の海自艦艇全隻が出撃した。
海上自衛隊の戦力は以下の通りである。
第1護衛隊群第5護衛隊 以下5隻
旗艦 イージスシステム搭載型護衛艦 ふそう
イージスシステム搭載型護衛艦 こんごう
汎用護衛艦 あけぼの
汎用護衛艦 ありあけ
汎用護衛艦 あきづき
第2護衛隊群第2護衛隊 以下4隻
旗艦 航空機搭載型護衛艦 いせ
イージスシステム搭載型護衛艦 あしがら
汎用護衛艦 はるさめ
汎用護衛艦 あさひ
第4護衛隊群第8護衛隊 以下4隻
イージスシステム搭載型護衛艦 ちょうかい
イージスシステム搭載型護衛艦 はぐろ
汎用護衛艦 きりさめ
汎用護衛艦 すずつき
呉所属 第1潜水隊群 潜水艦4隻
また、これに加えて呉から偶々寄港していた護衛艦かがも加わることとなる。
一方の中国海軍は、
空母打撃群
旗艦 航空母艦 遼寧
ミサイル駆逐艦 8隻
フリゲート艦 12隻
潜水艦 4隻
両軍の主な航空戦力
海上自衛隊
F-35B 15機(かが艦載機)
対潜哨戒機 約20機
中国海軍
J-15艦上戦闘機 20機
対潜哨戒機 約30機
海自は旗艦にかがを、中国海軍は旗艦に遼寧を据え、お互いに敵艦隊を索敵していた……
一方その頃、はぐろCIC内では……
九鬼「やはり、かががいてくれるのは心強いな…」
CICにて戦闘配置についた九鬼はレーダーを眺めながら隣の橋本にそう言った。
かがは2023年に空母化の改修を終え、2030年より、艦上機隊として新設された第252飛行隊(空自所属)を載せていた。艦載機数こそ、軽空母並みだがその練度はアグレッサー部隊にも引けを取らない精鋭部隊だった。
橋本「相手は空母打撃群ですからね、こちらにも航空戦力が無いと、幾らイージス艦が5隻いても流石に空母相手となると話は別ですし。」
同じく橋本もレーダーを眺めながらそう言う。
海自の艦隊には対空戦闘に特化したイージス艦が数隻配備されているが、数でも勝る中国海軍相手にはそれでも心細かった。恐らく福岡の築城基地からの航空支援は得られるだろうが、それでも戦闘開始に間に合うかどうかは不明瞭だった。
そして、CICの中央では艦長以下、幹部が各艦の司令と話し合っていた。艦隊の司令部をかがに置き、そのかがを中心に外側をイージス艦、あきづき型護衛艦が、その内側をその他の護衛艦が囲む輪形陣を形成していた。
恐らく、中国海軍は遠距離から手始めにミサイル攻撃を徹底的に行い、損傷を敵に与えてから戦闘機が攻めてくると考えられていた。そして、はぐろはかがと同じく全通飛行甲板を持つ護衛艦いせの護衛に着いていた。
橋本「……いよいよですね…」
これまでの訓練とは全く違う、何者にも代えがたい空気が艦を包んでいた。レーダー員は今か今かとはぐろ目掛けて飛んでくるミサイルを待っている。まるで獲物を待つヒョウのようだ。
橋本「やっと…やっと…実戦だ…腕がなるぜ…!!」ニヤァ
九鬼「……」
軍人としての性だろう。そんな橋本を見ていると九鬼も自然と覚悟が決まった。
九鬼(やるしかない…か…!)
海上自衛隊は英訳すれば、Japanese Navy。つまり、日本海軍だ。今まで作業感覚でこなしていた防空演習は、いわば敵を『殺す』為の訓練。九鬼の手は震えていた。彼は同じ人間を殺すことを本能的には拒絶していた。しかし、世界的に見れば、きれいな手の人間の方が少ない。過去の先人達も、敵を殺すことでこの国を守ってきたのだから。
そして、その時は訪れた。
艦長「防衛出動…下令!!」
遂にその時が訪れた。戦闘開始の合図だ。九鬼の身体には、とうとう本番が来てしまった緊張感と、なにかはわからない高揚感に包まれた。
艦内放送『防衛出動が下令された。繰り返す、防衛出動が下令された!!』
艦内の緊張感がより一層高まったのを2人は感じ取った。そして、艦長が自衛艦隊司令部からの訓示を読み上げ始めた。
艦長「我が国はとうとう87年ぶりの戦いを始める。それも護るための戦いである。本作戦に参加した全ての隊員に敬意を表する。そして祖国の防波堤となり、この東アジアの平和を取り戻して欲しい。健闘を祈る!」
橋本「訓示ですか……まさか、本当に聞けるなんて」
九鬼「……」
コイツ、とんだ戦闘狂だな。ダイジョブ?コイツにミサイルの発射ボタン押させて。そのまま中国本土まで撃つつもりじゃ?
その時、艦橋の見張員からCICに伝令が入った。
「こちら艦橋、かがのマストにZ旗を確認!」
そして続けざまに本作戦の艦隊旗艦であるかがより、全艦に通達が送られた。
『現在、我がかがのマストにZ旗を掲揚した。私からも皆に訓示を授ける。』
Z旗?訓示?……まさか、
『皇国ノ興廃コノ一戦二アリ、各員一層奮励努力セヨ!!!』
その瞬間、全艦から歓声が湧いた。
かつての日本海海戦にて、大日本帝国海軍、連合艦隊旗艦三笠より発令された伝説の訓示。まさか、海上自衛官となった自分が聞けるとは………!!!
海自は海軍の伝統を受け継いでいるとはいえ、ここまでとはな…
そして何より、ここは対馬沖、あの日本海海戦と同じ場所だ。
橋本「2尉、これは、東郷元帥も我々の味方になってくれたのですかね!?」
橋本は興奮気味にそう問いかけた。
九鬼「……そうかもな。よし、橋本、先輩方にカッコ悪い姿見せねぇように、アイツら蹴散らしてやろうぜ!!」
海上自衛隊 混成艦隊、佐賀県沖を航行中。中国海軍との迎合まで残り4時間…
メチャクチャ遅いです。すみません。