ジョジョの奇妙な冒険_怪奇を謳い、ショタを貪る女   作:ヘタレ蛇

4 / 5
かなり空けてしまった。あいまあいまで戦闘シーンの展開の難しさよ。第一章やり切ろうと思ったら15000字ギリギリになってしまったし、第一章、3部まで増えました。(土下座)
やりたい事詰め込んだら切り捨てしたくないから添削せずにそのまま上げまする。(長文の為)お覚悟を。
バトル展開は短めにしようとした当初はどこに。


第1中章 運命という形の絆~苦手な相手は好き嫌いと同じ

 

 

あれからエリナと会う度にジョナサンについて相談されているけど、流石に一途過ぎる程に想って拗れてるというか。この年代の貞操概念が高過ぎる。まぁ本人の問題だし手を貸す気はないけど。

もう忘れさせた方が良いんじゃないかと思って、「忘れる手伝いをしてあげようか。」と問い掛けたけどエリナはそれを否定した。

 

「ジョナサンの事を想うと辛いけど、この気持ちは大切にしたいから。」

 

ヤバイわ。究極生命体である前に女である私自身が惚れそうだわ。もう最初の旦那の事なんて憶えてないのに。

 

それからはエリナは父の医者の仕事でインドへ引っ越す事が決まった。ジョナサンには別れは告げないつもりのようだ。会いたいのに悲しそうにしちゃって。

 

よし、街の子供漁りは暫く置いといて一緒にインドの子供漁りをしに行きましょう!えっ、私だけ目的違う?

 

 

 

 

そして7年経ち、インドの仕事が落ち着いてエリナはイギリスの病院で看護師を始めていた。私も付き添ってイギリスに戻ってきた。

インドでは私も近くに住んでいたが偶々家に寄ってきたエリナにインドの子との逢瀬を見られてしまった。

 

「私は思春期の男の子を抱かないと死ぬ病気なの。」

 

と涙目で言い訳をしてみたが。

 

「....あっ、そうなんですね。」

 

と苦笑気味に返された言葉が私の心を抉られた。正直悲しくなった。

 

イギリス戻ってきて暫く経つ頃、ある出来事が耳に入ってきた。ジョースター邸が火事に見舞われたと。この話を聞いてエリナは顔色がかなり悪かった。やはり意中の彼を思い浮かべてしまったのだろう。

その後、その火事現場から重体の男性が一名運ばれてくると知らせがあった。エリナは名乗り上げて付きっきりで看病しているとの事だ。

 

 

帰る様子ないから彼女が相手しているという患者の部屋へと出向いた。単にその患者の男性が気になったのだ。薄暗い廊下で分かるくらいに一室から光が漏れていた。扉が少し開いているので覗き見ると、エリナは未だに患者の看病を一人でしていた。タオルを濡らして患者の体を拭いていた、彼女の指先を見るとかなりふやけては血が滲んでいた。患者が来てからずっとやっていたのかしら、たしか火事だったから体中か火傷だらけになっているだろうから濡らしたタオルで冷やしていたらしいわね。でもエリナ一人でずっと続けてたなんて奇妙な事ね。そろそろ呼び止めようかしら。そう思って扉をゆっくり開けると患者の素顔が見えた。

とても見覚えがあった。青髪の少年だったジョナサン・ジョースターだ。今は肉体がとても伸び、身体中が筋肉質でできあがっていた。あんな細い少年が偉丈夫に成長するとは思わなかった。彼は薄着で体の節々に包帯を巻かれていた。

私が扉を開けたにも関わらずエリナは彼の体を濡らしたタオルで拭き続けていた。彼の事を案じながら行っているのだろう。

私は風だけは通るように扉を少し開けておいた。

 

 

 

俺はお節介焼きのスピードワゴンだ。あのおぞましい存在であったディオが怪物になって彼ジョナサン・ジョースター、ジョースターさんのお父上が亡くなり、奴を倒す一手としてジョースター家が燃えてしまうという事件を傍で目撃した者だ。

あのお人好しのジョースターさんが一夜にして全ての物を失ってしまった。そんな彼には心が必要だと思った。彼の傍に誰かがいればそれで生きる糧になる。そう判断してジョースターさんがいる病院に足を運んだ。

俺もその一件で左腕を包帯で下げて杖付きになっちまった。

赤の他人の俺が居てどうなるか分からないが、あんな人を想いやれる甘ちゃんは放っておけねぇ。

そんな気持ちで薄暗い廊下を歩いていると病室の前に一人の女が立っていた。

 

「あぁすまねぇ。ジョナサン・ジョースターさんの病室はどちらで...!?」

 

ジョースターさんの事で頭がいっぱいだったがよく見るとこの女、物凄く背が高ぇ。まるで木がそこにあるような錯覚をしてしまう。そしてこの身の毛を弥立つ存在感はなんだ?!猛獣が目の前にいるような崖の縁に立つ感覚はよぉ?!

 

「あら、面会かしら?今日は日を改める事ね。」

 

そう女は俺を嗜めるように言うが、この感覚は間違いねぇ。つい最近感じた人外のような恐怖だ。

 

「てめぇ!まさか化けも..!?」

 

俺が叫ぼうとしたに景色がぶれた。気付けば女に口許を掴まれて壁に押し付けられた。

 

「病院内は静かにしましょう。しかも真夜中に騒ぐのは駄目だわ。」

 

女はそう言いながら口許を押さえ付けながら言う。こいつ、やっぱり体格さながら力強い!杖を離して腕を掴むがビクともしねぇ。

 

「話なら外でしましょう。良いわねジェントルマン?」

 

女は空いてるもう片方の手に杖をぶら下げて言ってきた。俺が離した杖であった。言い方には優しさが感じたがジョースターさんが心配だ。俺は何とか頷いて意思表示する。すると女は俺を離して杖を渡してくる。

 

「さっ、行きましょう。」

 

女はそのまま行こうとする。

 

「待て、あんたの事を信用してねぇ。ジョースターさんに何かあったかも知れねぇからな。」

 

俺は女の言うことを反発して病室の扉に手を掛ける。其処を女は手を掴む。

 

「なら、今はお邪魔よ。ゆっくり中を見なさい。」

 

「?....これは...!」

 

完全には信用してないが中をゆっくり見る。

 

 

 

 

 

 

「これは...!」

 

病室に来た左腕を怪我したスーツ姿の男が病室内を見て驚いている。察しの良い男だから中の雰囲気も分かるだろう。丁度、中から青髪の少年の声が聞こえてきたしね。割って入るなんて野暮じゃないかしら。

 

「そっか、あんたはこれを気にして俺を止めたのか。」

 

「.....ほら行くわよ、話したい事があるのでしょ?」

 

私はさっさと来るよう男に話し掛ける。中の少年の目覚めに感極まってる所悪いけど。

 

「あぁ、そうだな。今は中の二人の邪魔しちゃ悪い。ジョースターさんも大丈夫そうだし、俺は必要なさそうだ。スピードワゴンはクールに去るぜ。」

 

「.....あんた、面白い人ね。」

 

 

 

 

私はこの男と病院前の塀に寄りかかった。やっぱり警戒してるからか、距離を空けている。

 

「あら、やっぱり私は信用ならないかしら?」

 

「まだあんたを信用した訳じゃない。もしもの為に距離は取らせてもらうぜ。」

 

「ふ~ん、そう。」

 

杖を壁に立てて、懐の銃を忍ばせているのは超音波の脳波で思考を読んでるからお見通しなのだけれど。

 

「それで、聞きたいことは何かしら?」

 

男は、確かスピードワゴンと言ってたわね。余裕ぶっている私に対して勘繰っているのか拗ねているのか、唇を尖らせて出し渋りを見せていた。

 

「あんた、何者なんだい。俺は鼻が利く方だからお前さんから人間じゃない感じがしてならない。最近感じた化け物染みた物だ。」

 

鼻が利くってレベルかしら?私の存在を感じ取ってる程に当たりを付けてるわね。それよりも...

 

「それにな...普通の女がこんな怪しげな男の俺と真夜中二人きりがおかしな話だぜ!!何より、あんたは警戒の一つもしてねぇ!まるで赤子が何やらかすか見守る位に高い位置から見てやがる。自分に害を及ぼさねぇ、絶対的に力量を見定めている奴が取る態度だ。舐めてる訳じゃねぇ、ただ眺めてる。そんな奴の目だぜ、あんたわ!」

 

そう言って私に銃を向けていた。恐怖で手を震わせて、頬から冷や汗を流していた。杖を持たずに怪我している腕で壁を支えて銃口を合わせている。まともに銃口が揺れて定まっていないにも関わらず。

この男の観察眼かしら。とてもよく観てる。そして理解している。此処まで優れているのなら戦士なら強者に入る事も容易いだろう。けどこの男は非力だ。

それを理解している上で震えながら牙を向けるその度胸、とても面白い人ね。

 

「それで、その小さな物で私を倒そうと?胸や頭を貫かれて、果たして、私が地に伏せている事を想像できるかしら。」

 

「....っ!」

 

これだけで彼は理解できる。私は彼等でいう普通ではないと。私は只の貴方達のような原始人ではないと。

私が彼の頬を撫でる程に手を伸ばしても、彼の顔を食らい付く位に寄せても彼が気付くのは私が目の前にいるという現実だ。脳波で彼の判断力を遅らせているもの。

 

「...!ひっ!?」

 

彼はその場で腰を抜かしてしまった。その時に銃を落としてしまったので拾って座り込んだ彼に渡す。

 

「落としてしまったわよ、大事な物でしょ?」

 

「...っ!う、動くんじゃねぇ!あんまり調子乗んなよ。」

 

彼は銃を認識したら私の額を向けて突き付けた。銃が先程より安定せずぶれまくっている。このままでは発砲されかねない。遊び過ぎた私が悪いけど、このままじゃまずいわね。私は自身に向けられている銃の砲身掴み力を込める。

 

「静かになさい。私は風穴空かれようが対して気にしないわ。但し、大きな音を出されると私の知人を困らせてしまうのは不本意なのよ。貴方とは話をしたいだけよ。」

 

「はぅ!?はぁはぁ、はぁ、はぁ...はぁ...。」

 

掴んだ砲身は砕け歪んでいた。あまりの事に恐怖を感じたらしく呼吸が荒くなるが段々ゆっくりに呼吸して落ち着いていってる。普通はこんな光景を見せられて気絶するか放心するのだけれど、逆に冷静になれるなんて。正直私が驚いているわ。

 

「はぁ....分かった。マジでかなりおっかないが話はしてやる。これ以上楯突いたら殺されかねないしな。」

 

化け物相手にこの態度は...それ程に恐怖体験を経験してるのかしら。

 

 

 

 

「_という訳なんだ。」

 

この男、スピードワゴンからジョナサンに対して起こった災難を聞かされた。同じ館に住む男に父親を殺され、血を着けた石の仮面を付けた瞬間に化け物になった。そして館に火を付けてジョナサンが化け物の男を殺して重症を負った。と。

 

「石の仮面...ね。」

 

心当たりがあった。最早遠い記憶の代物。そして現在の私の起点であったカーズ様の石仮面。あれを原始人が使用してどのような効果があるか知らない。聞けば恐ろしい血を吸う化け物になると言っていたけど、私がやってもそうはならないんだけどな。丸ごと喰うし。それ伝えると距離を置かれるから言わないけど。それにしてもカーズ様は何枚試作品を用意してたのかしら。

 

「それで紳士様?未だに私をその怪物と同等だと思うのかしら。」

 

「.....はっきり言うがあんたは普通とは掛け離れている。近付くだけで肉食獣が目の前にいる錯覚をするぜ。だが、あんたはその気はない。で良いんだよな。」

 

少し言うのを躊躇って顔を伺っているけど、私にその気はないって言っているでしょ?

 

「ないわ。養分は必要だけど、そこまでは暴食ではないのよ。その辺の草木から僅かな生命力を吸えれば事足りるのよ。それにね....。」

 

私は病院の方を見て彼女が今、どんな表情しているのか想像した。

 

「大切にしたい人間の子がいるのよ。此処で事を起こしたら嫌われてしまうわ。」

 

彼女に冷たく当たられたら心が痛むのよね。何故かしら。そう考えていると男が黙っていた口を開いた。

 

「じゃあ、あんたは友の為にやらないって事で良いんだな?」

 

「友?」

 

この男が苦し紛れの笑みで友という言葉に疑問を持った。私とエリナが?

 

「なんだ?友達がいるからじゃないのか?」

 

「友達....。」

 

疑問に思う私を見て、「あれ?おっかしいなぁ。」と考えていると男を見つつ、私とエリナは果たして友達なのだろうか思案を深めていた。

 

スピードワゴンという男と別れて数日後の夜、私は手頃な男の子を堪能しながら病院周辺を彷徨いていた。

街周辺から異様な気配を感じる。この気配はジョナサン・ジョースターを初めて見た時にも感じた物だ。気配が消えるまでこの辺りを離れない方が良いだろう。

 

街周辺から異様な気配が消えた位に、ジョナサン・ジョースターが退院した。それでもエリナは彼を支えようと暇な時は彼の側に付いている。今日は何処かへ出掛けるようしているから興味本意で訊いてみると「ジョナサンに付き添ってジョースター邸があった場所行く」と言っていた。丁度気にはなっていたから後で行こうかしら。

 

ジョースター邸が有ったらしい場所へ行くと瓦礫の山で一人で何かを探していた。エリナも近くで杖を持って見守っていた。私は彼女の側に寄った。

 

「熱心に見ているわね。」

 

「....今まで家族とずっと住んでいた所だもの。思い出と今を受け入れたいんだと思うわ。」

 

現実を受け入れる為、ただ必死に探し物をしているだけに見えるけどね。私も気になることあるし。

 

「少し木陰で休んでなさい。あの大男は私が見てるから。」

 

「えっ、でも。」

 

「怪我人をずっと待ち惚けで見てるよりかは生産的よ。」

 

エリナの肩を叩いてジョナサンに近寄る。角が見えないように帽子を深く被って『波の流法』を使う。これでエリナに会話が聞こえても覚えてないわ。

 

 

近寄っても私に気付かない彼は瓦礫の中を探し回っていた。両腕骨折で片方が漸く使えるようになったというのに。それに恐らくだろうが前に感じた異様な気配は此処にはなかった。それは存在していた物が消えたという事だ。それは彼が探している何かなのか確認しなければならない。私は彼の背後から声をかけた。

 

「そこで何を探しているのかしら?」

 

「!あ、貴女は?」

 

ジョナサンは驚きの表情をしている。彼の頬には汗が流れ、首から布を垂らして左腕を固定している中で瓦礫を引っくり返している。所々その形跡が残っている。此処で何時間かけて何を探しているのかしら。

 

「エリナ・ペンドルトンの知り合いよ。怪我人の貴方が居ないものだから気になったのよ。」

 

「あぁ、そうか。失礼、探し物をしてるんだ。」

 

そう言うとジョナサンは再び瓦礫の山を見て回っている。こんなにも体への負担がデカいのにそれを鞭打って探す物とは、父からの遺産?どうせ燃え尽きているだろうし、見るからに広い屋敷の後だわ。これだけ大きな屋敷が燃えてるから金属の部類も溶けてるだろう。それか地中に隠しているか?ならば瓦礫の隅から隅まで探す必要は無いだろう。愛着もあり、何年も住んでいれば建物の構造や場所の感覚だって覚えている筈。一心不乱?いや、見るからに瓦礫の下の表面を確認してるから形のある物ね。なら探し物は...。

 

「多分だけど、石仮面は此処にはないわ。」

 

「!!何故貴女が石仮面の事を...。」

 

彼は驚愕の表情を持って私を見た。当たりらしいわね。

 

「私は幼い頃の貴方を知っているわ。そしてその時に貴方が屋敷に帰る時に感じた異様な気配は今でも憶えてる。けれど今は感じない。もしくは別の物の気配かもしれないけど、そんな事ではないわ。」

 

「貴女は、あれの恐ろしさを知らないから言えるんだ!」

 

私の言葉に苛立ちを感じたのか、下を向いて瓦礫を掴んでいた。力を込めた瓦礫は皹が入り始めた。その姿から石仮面がもたらす脅威的な力の恩恵を、そしてそれをもたらした彼の周りの不運を彼の背から物語っていた。けどそんな事なんて...。

 

「よく知ってるわよ、あれ事態をね。」

 

「えっ...。」

 

俯いていた顔が此方を見た。苦悩を背負っていて性格が曲がるのを見たけどまだまだ純粋そうな顔をしてるわね。簡単に騙せそうな感じがするわ。

 

「貴方の身の回りに起こった事は不運だと思うわ。けどあれに関わっていけば、それ以上の代償を払わなければならないわ。それは貴方以外の物も巻き込んでね。」

 

私は彼に近寄り彼の目を見るように近寄った。

 

「あまりエリナを悲しませるような事は止めなさい。貴方は自身が思っている以上に周りに愛されているのだからね。」

 

「...は、はい。」

 

呆けた表情のまま、私の言葉を処理しきれず曖昧な返事をしてるが理解してるという事にしておくわ。

 

「まぁいいわ。精々今から来る愛しの彼女に面倒診られなさいよ。」

 

私はそう吐き捨てて彼に背を向けて立ち去る。丁度エリナも近くに来ているし、彼女の邪魔になりたくないしね。

 

 

 

「....もしかして説教をしに来てくれたのかな。」

 

色々気掛かりだけどエリナの為に僕を態々説教をしに来たのだろう。

 

「ジョナサン、大丈夫?」

 

「あぁ、大丈夫だ。」

 

去ってしまった女性の言う通り、エリナが杖を持って側にきた。いつの間にか僕は瓦礫に座り込んでいたみたいだ。

 

「あの人、エリナの知り合いって言ってた。」

 

「ミステリオさんよ。あの人には前から相談相手をしてくれてるの。」

 

「君の友達は良い人だ、君を泣かすんじゃないって説教されてしまったよ。」

 

「まぁ!そんな事言ってたの?ふふっ。」

 

 

 

 

 

私は夜の街を歩いていた。最近は殺人鬼が出るとかで真夜中は酔っぱらいか家無き者しか歩かずにとても静かだった。エリナはジョナサンと一緒の筈だからもしもの時は盾になってくれるだろう。

私はあの異様な気配あったこの街を歩いていた。今はその気配はないが俄に残る香りが気にかかった。酒や排水のじゃない。けど自分の中で感じるこれは、いったい何か。嫌悪感?高揚感?いえ、似ているようで違う。これは...

 

すると体全体がドスッ!と貫かれる衝撃が伝わった。ふと見るとお腹から鋭い爪のある腕が生えていた。そして背後には()()()()()()を感じた。

 

「血ダ!女ダ!ウリィリリリリリリリリリィ!!」

 

肌が死んで青黒くなり牙が鋭くなったそれは声高らかに歓喜していた。見るからに男で息遣いは激しいのに冷気のような冷たさをしている。

 

「へへへへ!コンナ別嬪ヲ喰エルナンテツイテルナ俺!レロレロ。」

 

するとそのまま私の首筋を舐め回して、ズルッ!と腕を引き抜いた。

 

「ヘッヘッヘッ!...へ?」

 

だが腕を引き抜いた所から出血はなく、私は倒れないのを不審に思った。私は背後の彼を見た。

ああ、成る程...私が感じたこれは...

 

「ヒッ!ヒィィィィィッ!?」

 

石仮面を被った者(同類)と出会った時の歓喜だ。

 

 

「ハァ!?オデノウデガ(俺の腕が)!?ヒタガ(舌が)!?」

 

男が引き抜いたのは腕ではなく、僅かに残った血管と微かな腕の骨、埋まっていた部分とその先は私の腹部にそのまま残っていた。舌も元あった厚さの半分以上は削れている。私は残っている腕の先をもいで見せ付ける。

 

「臭い息を吐いてるんじゃないわよ。食糧風情が。」

 

腕を持っている手を触手に変えて包み込んで体内に取り込んで消化する。開いてみると跡形もなくなりました。なんてね。

 

「ヒィ!ヒィ!ヒィ!!」

 

恐怖した男は正に人外となった身体能力で逃げ出した。が、それは許さない。

 

「ふん!」

 

触手を先ほど増量した分を含め細くも長く伸ばして男を捕まえる。消化せぬようにして体全体を包むように巻き付け私の目の前に引き寄せる。

 

「ヒィ、タフヘテ(助けて)フファハイ(下さい)。」

 

男はこれから死ぬ恐怖に命乞いをしているが、このまま野に話せば生きる者が被害を受ける。この男も被害者だろうがエリナにも危険を及ぼされかねない。同類であるからこその慈悲だ。

 

「なら、もし次があれば真っ当に生きることね。」

 

「!マッ...!」

 

男の制止を訊かずに触手を締め上げて取り込んでいく。取り込み終わると男を取り込んだ片腕が重い。段々縮んで行くが目立ってしょうがない。

 

「久方ぶり取り込んだけど、やはり馴染むものね。」

 

このタイプの人間を取り込んだのは一万とどの位前だったかしら。私は思案しながら触手を元の手に戻そうとする。と。

 

「!」

 

横から何かが幾つも飛来するのを感じて触手の腕で払い除ける。その中の一つが触手の一本を切り飛ばした。

全て払い除けたと思い飛来した物を見た。

 

「この刃...ワイン!ワインが体を切り裂いた!」

 

飛来した物はワインだった。ワインが平たく流動しつつ飛来して触手を切り裂いた。地面に落ちたワインは只の液体だが払い除ける時に触れて分かった。太陽のような暖かみと波長を感じるそれに鮮明に記憶にあった。

 

「私に何のようかしら、波紋の戦士。」

 

ワインが飛んで来た方を見つめて言うと、闇夜から一人のシルクハットを被った中年の男が現れた。ワイングラスを片手に決めているが私に殺気を向けて警戒している。

 

「お主、何者だ。私を波紋の戦士と知ってるのに加えて、その体はなんだ。」

 

見るからに武装はしていない。だが波紋の戦士はその呼吸で生命エネルギー取り入れ、相手に打ち込む技法を駆使して戦う者達だ。己の肉体一つで戦うのを主流としている。私の腕を見て人外と判断している?いえ、私の正体に当たりを付けているのね。

 

「レディに向かって何者だはないんじゃないかしらMr.?」

 

「ならばこう言うか?何の目的なのかね我ら波紋の戦士の宿敵よ。」

 

やっぱりね、私をカーズ様と同類の者と確信している。見るからに彼の顔表面が汗ばんでいる。猛獣の脅威を目の当たりしている感覚を感じているからだろう。代々伝わってるだろうカーズ様の存在を。勝てる筈のない体格差のある敵を相手取ろうというのだから。

 

「目的?教えたってしょうがないわ。敵である者の言葉を信用なんてする筈が無いもの。」

 

言っても倒そうとして来ようってんのが見え見えなのよ。すると一旦落ち着いたのかワイングラスでワインを揺らしながら話し出した。

 

「ふむ、確かにそうだがね。だが私も対話できる者とはなるべく死闘をすべきではないと思うのだよ。」

 

余裕の雰囲気を見せてるが「命を掛けて戦うぞ。」と言ってるわね。正直めんどくさい。

 

「ならほっとけば良いじゃないの。私は好きにするわ。」

 

私は男に背中を向けるが男は許してくれないらしい。

 

「残念だがそうともいかないのだよ。人間と友好的であろうとそなたの心意を知らぬ限りは私は引けぬのだ!」

 

男は背中を向ける私に構えだした。どうして男ってこうもしつこい部類が多いのやら。

 

「波紋カッター!」

 

すると再びワインの刃を飛ばしてきた。振り向き様に右腕を触手に変化して払い落とす。切れると分かっているなら叩き落としやすい平面を狙って叩けば良い。

刃を叩き落とす隙をついて男は飛び込んできた。無防備過ぎる誘ってる位にね。

私は触手を横凪に振った。男は体を滑らせてそれを交わした。私の下まで滑ってきたから彼の足を踏み砕く為に右足を上げて蹴り下ろす。

 

「掛かったね。」

 

「!」

 

男はそれに合わせて振り下ろす右足に向けて左足で蹴りあげる。それには太陽のような波長を感じ取った。

 

波紋疾っ(オーバードライっ)...ぬっ!?」

 

私は男の左足の軌道に沿って右足を反らした。そう易々と打ち込まれてなるもんですか。バランス的に男の体の上に被さるように倒れるけど、それに合わせて右腕の触手を熊の腕へと変化させて倒れる勢いで男に振り下ろす。

 

バゴンッ!!

 

大きな音と土煙を立たせて街の地面の()()()()()()。男の姿はなかった。

避けた、あの状態で!

すると左側から存在を感じた。

 

「ズームパンチ!」

 

「っ!!くっ....。」

 

私の左こめ髪に拳が打ち込まれた。男は左に一回転がり右向きに起き上がった状態から()()()()()()()()()打ち込んできた。帽子が吹き飛んでしまった。

 

「流石に今のは焦った。君は波紋が効きにくいようだが君の脳に確実に波紋を打ち込んだ。これで君は終わりだ。」

 

彼の言う通り、脳へと太陽に焼けるような波長を感じ取った。あの時の初めて陽の光を浴びた記憶が蘇る。ああ...頭が...

 

 

久方ぶりに血が上る感じがした。

 

 

 

何かがおかしい。私は確実に石仮面を被った者の最大の弱点である脳に波紋を打ち込んだ。彼女は動かなくなってしまった。不気味な程に静かだ。まるで何も無いように、波紋が効いてないかのような無反応だ。いや、脳をやられて動かないだけかもしれぬ。

私は横たわった体を起こして彼女へ近寄った。反応しない。波紋が伝わったなら今頃全身が崩壊し始める筈だが、肉体の崩壊が少しもないのはおかしい。どうなっておるのだ。

次の瞬間、私は目を疑った。

 

「ぬっ!?此奴、角が、角が生えた!?」

 

私の目の前で動かない彼女の頭から角が生えてきたのだ。まず生えてきたという事は肉体が活性しているという事、そして……

 

「波紋が効いておらぬ!なんて事だ!?」

 

人体にとって重要な働きを持つ脳を破壊されれば、石仮面を被った吸血鬼やゾンビと言えど行動不能になる筈。という事はこの者は波紋を効いてないという事だ。このような存在がいると言うのか!?

すると女は片膝をついて起き上がる。その表情は焦りの様子は見せず恐ろしい程にこやかだった。

 

「やってくれたわね。今の一撃は痛かったわ。」

 

「…痛いで済まされては此方が困るのだがね。」

 

強過ぎる。どんな技を打ち込もうとも勝てるビジョンが見えて来ぬ。この者が纏う気配は石仮面そのものの筈だ。だと言うのに波紋を食らっても平然としている。どうなっているのだ。

 

「貰ったなら返さなきゃ礼儀に反するわね。戦士の血を沸かせた御礼よ。」

 

一歩、彼女がこちらへ足を向ける。

 

「波の流法『震中』。」

 

「なっ!?」

 

するといきなり彼女の踏み出した脚の靴の先がレンガへ沈み込んだ。もう一歩歩み寄るとまたしても靴の先が沈み込んだ。そしてまた一歩、歩いた後に足跡のようにレンガに窪みができていた。踏み抜いたというような音をせずに砕くような感じではない。そこにレンガなど存在しないかのようなこの異様さは何なんだ。眼前の化け物はどう変わったんだ。

ゆっくりと此方に来る彼女は通り過ぎる電柱の前に止まり、指先を突き出す。

 

「むっ。」

 

「ふふっ。」

 

警戒しながら構える私に向けて嘲笑うかのような笑みこぼして電柱へと指を突き刺した。静かにすっと刺さる指、それを引き抜くと電柱には空洞が空いた。何だ、この違和感は。

彼女は再度電柱へ指を当てた。そしたらふと小さく音が聞こえてくる。

 

「な、なんだ。この音は。」

 

小さくカリカリカリカリと一定のリズムで聞こえるそれが段々と聞こえてくるようになる。そして彼女を警戒して見た時に電柱が見えた。

 

「はっ、振動している!?電柱が振動しているだと!」

 

目に見えて分かるように電柱が振動していた。何故振動してるかななんて理由は明白だった。彼女の指先から振動していたのだ。それで理解した。指先が触れる直前に目に見えぬ細かい振動で小さくも衝撃を加えていた。それが物質を砕く助けとなり、大きな音を出せずに削ったのだ。つまり彼女の体の先の物は意図も容易く削ってしまうという事だ。

 

「さぁ、簡単に死なないでね!」

 

私の気持ちを読み取ったのか、彼女は急接近して右手を突き出してきた。それを退がり避けるが今度は左手をアッパーのように振り上げてくる。それを仰け反って躱す。少しでも好きを付かれたらやられる。私はなるべく距離を取る形で後ろに跳んでワインを口に含み波紋カッターを放った。

 

「単調よ!」

 

彼女は立ち止まって波紋カッターを指先で貫いていく。彼女に届く事なく砕かれるがその過程で波紋カッターの面に向かって適確に貫いて分解されていた。指先から放たれる細かい振動が波紋エネルギーを相殺しているのか!

 

「ぬっ!」

 

下がり過ぎて水路の鉄柵まで来てしまった。これでは後ろに下がれぬ。

 

「ふんっ!!」

 

下がれぬ私に向かって彼女は真っ直ぐ勢いのある蹴りを入れてきた。寸前で避けるが蹴り抜かれた先の鉄柵はは指先のみならず足先から踵まで綺麗にくり抜かれるように()()()。避けた私を彼女は目で追っており蹴り伸ばした足をそのまま鉄柵を()()()()()()こちらへ蹴り上げて来た。

 

「(ぬっ、、、もしや。)」

 

その技の弱点を見つけた私は彼女の蹴りに沿うように避けながら波紋の呼吸を整える。

 

波紋疾走(オーバードライブ)ッッッ!!」

 

そのまま宙にある彼女の膝裏に波紋を込めた手刀を打ち込んだ。彼女の反応を気にすることはせず、更に呼吸を整え、

 

「コオオオオオオッーー!!波紋疾走(オーバードライブ)ッッッ!!」

 

反対側の拳で先程と()()()()へと渾身の波紋を打ち込んだ。

 

「くっ!」

 

「こふっ!?」

 

彼女の怯んだ声を出しだが打ち込まれた脚で地面を踏みしめ、その勢いを乗せた腕を背中に打ち込まれ私は体と共に意識を一瞬飛ばされ近くの木箱へと突っ込んだ。

 

 

 

「、、、油断したわ。」

 

同じ場所を瞬時に2回叩かれるなんて、流石に痛みが走ったわ。しかも打ち込まれた場所が()()()()()()()()がして感覚が鈍くなった。ふと見てみると火傷したような爛れがあった。何度も打ち込まれたら効くものなのね。気をつけないと。

 

「くっ、、、。」

 

ぶっ飛ばした彼は木箱の破片の中で起き上がって息を上げながら此方を睨んでいる。想像した結果より酷かったかしら、私はそのとんでもなく廻る知能に驚いているわ。

 

「やるわね。2度同じ場所に打ち込むなんて、私も予想外だったわ。お蔭ですぐには立ち上がれないわ。」

 

太陽を克服した私じゃなかったら、今頃3回は死んでいるわね。波紋と相対するエネルギーを持つからこそ、足を動かそうと意識しても動かせないわね。それともさっきの踏み込みで足がイカれたかしら。

 

「はぁ、はぁ、私の本気だったのだがね。そこまで元気だと、私も気落ちしてしまうよ。はぁ、はぁ。」

 

彼は悪態付いてもまだまだ戦えそうな感じがする。それに今までの動きから戦闘センスがずば抜けていると見て良いわね。正直、さっきので頭が冷えたからもう終わりにしたいわ。戦闘能力が高くても生態能力でこっちが有利なのは確実、ここで降参しても彼はどうすることもできない。後は話し合って解決した方が良さそうね。

 

「悪いけど私はもう、、、。」

 

ヅサァッ!!!

 

「あら、、、?」

 

首が落ちたわね。

 

 

 

 

「ギャアハッハッハッハッ!首ヲ落トシテヤッタゼ!!」

 

突如空から現れた男が落ちてくる間際で彼女の首を斧で切り落とした。首が煉瓦の道に転がり、彼女の体が倒れ伏した。

男は見るからに正気ではない。だが知能がある様子から恐らく此奴は石仮面を被った吸血鬼であろう。

 

「見テタゼ!アンタノ変ナ技モマズイガ、コノ女モ俺達ノ天敵ッテコトガヨ。」

 

女を踏み付けて此方を嘲笑っていた。先の者が彼女に取り込まれたのを見ていたのだろう。消耗した所を襲うとは卑劣な奴だ。だが私もだいぶ疲弊してまともに戦えるか不安ではあるが、我が大望、此処で折れてなるものか!私は痛む体にムチを打って構える。

 

「ヘッ!ヤルッテノカオッサン!俺ノ斧ハ血ヲ欲シガッテルゼ!」

 

吸血鬼は女の血のついた斧を舌舐めずりしだす。来るか!

 

「、、、なら自分の血を舐め回す事ね!」

 

「ア?」

 

すると首がない女の体があり得ない角度に捻り吸血鬼の片脚を握り潰した。

 

「ギャアアアアアア!!?」

 

吸血鬼は悲鳴を上げて尻もちをついた。握り潰された足から大量の出血をしてるが、吸血鬼の表情は痛みよりも恐怖に染まっていた。首がない女の首元から血管のような物が伸びて落ちている女の首と繋がった。首は胴体に引き寄せられて元の首の位置に戻った。逆向きに。

 

「ん?逆になってしまったわね。」

 

すると女は両手で首の向き直した。その後、立ち上がり首を鳴らして吸血鬼を見下ろした。

 

「で?血を欲してるって言ったわね。なら地べた舐めまくって自分の血を集めたらどうかしら?」

 

「ヒィ!?ク、来ルジャネエ!バケモノ!」

 

吸血鬼は持っていた斧を彼女へ投げた。だがそれを涼しい顔で飛んできた刃を掴んで砕いた。それを見た吸血鬼は恐れ慄いた。

 

「ヒィイイイイイッ!!」

 

恐怖に怖気づいた吸血鬼はうつ伏せになって残った片脚を使い空に跳び逃げた。尋常でない脚力で空高く跳び、高い屋根の上へ着地した。私は不味いと判断した。

 

「奴は逃げるつもりだ!このまま逃がせば街の人間を食って回復される!」

 

「、、、逃がすつもりなんてないわ。」

 

そういう吸血鬼を眺める彼女の目は、まるで塵を見るだった

 

 

 

「ヒィ、ヒィ、クソガ!」

 

この吸血鬼の男は元々は快楽殺人鬼であった。日々巧妙に隠れ、切り裂きジャックよりは知名度は劣るが自慢の斧で相手を切り落とす事を楽しんでいた。ある時、体中包帯で隠れた車椅子の男から石の仮面を被されて吸血鬼となった。相手の気を伺い隙を見て殺す事が上手くなった。だがそれ以上の相手がいるとは知らず、片脚を潰され高い屋根の上で這いつくばってた。

 

「一先ズハ、手頃ナ人間ヲ喰ラオウ。ソウスレバ逃ゲル事ガデキル。」

 

最早心は折れて逃げの一手しか頭になかった。吸血鬼は両手と片脚を器用に使い、隣りの屋根へと飛んだ。すると背後の現れた気配に気付いた。ふと振り返ると先程の首を落として元に戻った(バケモノ)が背後の空にいた。

 

「波の流法『震破(しんぱ)』。」

 

「グガッ!?(背中ニ、衝撃ガ!?)」

 

(ミステリオ)は音の無い声を振動を増やして放った。それは威力は砲弾に及ばないが門を壊す破城鎚のような威力がある。

吸血鬼は飛び移ろうとした屋根の下の建物の外壁に打ち付けられる。そのまま落ちる瞬前に建物の突起に手をかけてぶら下がった。

 

「ガッ!カッ、、、グッ、クソ!ナンダッテンダ。ナンデ俺ガコンナ目ニ。」

 

両手で突起に掴まり体を支えるが、先程の衝撃波で背中の骨針が曲がってしまった。吸血鬼特有の自然治癒で治るが、吸血鬼は兎に角、あのバケモノから逃げる事に思考が染まっていた。

 

「クソクソクソッ!ゼッテエ復讐シテ、、、。」

 

吸血鬼が悪態つく瞬間、彼の手に何かが飛んできた。そしてそれは彼を攻撃し始めた。

 

「ガアアアアッ!?イデェ!手ニ何ガ、!?」

 

吸血鬼が見上げると、それはネズミだ。手より大きいネズミが彼の手首を食っていたのだ。

 

「クソッ!コノクソ鼠メ!離レロ!!」

 

齧られてた手首を突起から離して振り解こうとした。だがネズミは離れず手を食い尽くさんばかりに齧っていた。吸血鬼はその間も痛みに悶えた。

 

「コノ!クソ!」

 

治ってきた骨針で体重を支えられてきたからネズミを食らいつこうした瞬間、刃が砕けた斧が飛んできて掴んでいる突起を破壊した。突然の事に漠然とした吸血鬼は成るがままに煉瓦の地面へと落ちた。

 

「ガッ!?」

 

片方の手首をネズミに食われながら硬い地面へと落ちて治りかけた骨針が砕けて動けない所に空から降りて来たミステリオに無事にもう片手を潰された。痛みに悶えながらミステリオを恐怖に染まった目で見た。

 

「これで手足が出せないわね。あら、もう一本あるわね。」

 

「グッ、ガアアアアッ!?」

 

ミステリオが言ったことに応じるようにネズミは無事なもう片方の足を齧った。確実に健を切るように。役目を終えたネズミは去っていき、吸血鬼は荒い呼吸をして体を投げ出してた。

 

「さて、首を切られた仕返しはどんなのが良いかしら。」

 

「クッ、ユ、許シテクレ。悪気ハナカッタンダ。衝動的ダッタトイウカ、、、。」

 

目の前のバケモノに嬲り殺される未来を予見した吸血鬼は言い訳には酷過ぎる命乞いを始めた。それを聞いたミステリオは乾いた笑顔のまま吸血鬼に答える。

 

「そう、衝動的ね。ならこれも衝動的って言えば許されるかしら。」

 

するとミステリオは拳を構えて、深く呼吸した。

 

「『震中』。コォォォォォォォッ。」

 

体内の振動を高めて、波紋の戦士と同じ見様見真似、そして彼らが()()()()()()()()()()()調()()()()()()()()

 

「ヒィ!?」

 

吸血鬼は直感した。これは自身にとって死であると。

 

「砕けなさい!輪唱波・波紋疾走(カノンウェーブ・オーバードライブ)!」

 

体内振動を高め擬似波紋エネルギーをかけ合わせた拳を吸血鬼の胸へと打ち当てた。腕先に放たれる細かく連続する振動によって放たれる海波のような拡がる波紋が連続して打ち込まれた。

地面を砕く拳の上に体全体に拡がる波紋によって瞬時に吸血鬼の体中に巡った。

 

「ギャアアッ、、、。」

 

体中に起きるエネルギーの反発で体が燃え尽き、感じる間もなく吸血鬼は塵となった。そこに残るは殴ってできた砕けた煉瓦の地面と戦闘の惨状の中で立っているミステリオだった。

 

「ふぅ、疲れたわ。」

 

初めて使う波紋に寄せたエネルギーが彼女の体中の疲労を起こしていた。波紋法の修行しなければ使えない程の事を無理矢理やって見せた。基礎土台ができてないのに建物を建てるという事をしたのだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()もう使わないようにしようと思った。

 

「何と言う事だ、まさか波紋まで使うとは。」

 

この光景を見た先程の波紋の戦士、ウィル・A・ツェペリ男爵は茫然としていた。弱点である波紋を耐性あるだけでなく、これを使用してみせたのだ。勝ち目がある無しでいうなら絶望的である。

これに対してミステリオは戦士としてはちょっと可愛そうに彼を思えてきた。異種族だとしても少なからず人の心はあるのだ。すると先程のネズミが、彼女の手に登ってきた。

 

「むっ、鼠かね?」

 

彼がミステリオの手のネズミを見ると登ってきた彼女の手に

気付いた。指が3本も欠けていたのである。ふと思い出すと指が欠けている光景があったと思い出すと、彼女の手に乗ったネズミが体が崩れた。それは彼女の欠けた指の所に纏わりつき、彼女の元の指になってしまった。

 

「切り取られた指が生命になるなんて、やっぱり思うけど不思議ね。」

 

あのネズミはツェペリ男爵と戦った時に切られた触手の一部だと気付いた。波紋も効かず、強靭な肉体に波紋を使え、体の一部を生命として切り離せる。彼女の脅威は本人は慣れた一部となっていた。

 

「取り敢えずMr.、悪いのだけれど今夜はもう帰らして、、、?」

 

「、、、。」

 

「、、、立ったまま気絶してるわ。」

 

ツェペリ男爵はあまりの出来事に混乱して気絶という形で寝込んでしまった。




ツェペリ男爵、扱い雑になってしまった。(反省)
あと、途中から気づいたのですがツェペリ男爵の名前がいきなり出てしまったので加筆しました。ツェッペリンって間違えてました。脳内でアニメーション形式で作成してるから原作で知っているキャラって見逃しちゃってたな。もしかしたら他にも見逃してる可能性あるので確認してみます。
次で第一章完させます。
取り敢えず技の紹介
技名
波の流法 震中
脳波により骨針、そして体の腕脚先へ振動を与え細い衝撃を
作り出す。そして指先、腕先、脚先へから繰り出す衝撃により当たった瞬間に連続した打撃、衝撃を可能とする。
(ぶっちゃけ原理が途中からバグったからおかしい部分は省略しました。)

波の流法 震破
脳波から産み出す振動を溜め、口から音と共に形として放つ口大砲。
(溜め具合によっては自身の脳を破壊することもある。口からというのは音を大きくさせる構造故である。)

輪唱波・波紋疾走
波紋エネルギーに酷似させた波長を震中に同調させて一点に乗せて打ち込む波紋法モドキ。使用後は全身の疲労と打ち込んだ部位の火傷がある。
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