ジョジョの奇妙な冒険_怪奇を謳い、ショタを貪る女   作:ヘタレ蛇

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第一章は纏めました
トンペティの登場と手紙のやりとりは自己解釈、細かい部分は自己解釈である事をご了承下さい。



第一章後章、対価の報酬〜メインのデザートと後味の悪さ

 

街で波紋の戦士と吸血鬼と戦った後の事。洒落た帽子の戦士、ウィル・A・ツェペリと名乗った。あの時は立ったまま気絶してるから放って置こうと思ったが横槍が入って事情を説明する事はできなかったから現在居候している部屋へと連れ込んだ。暗躍するにしても拠点は必要ですもの。此処の住人?悪党だったから美味しく頂いたわ。

起きるまでツェペリ男爵()を腕を触手に変えて簀巻きにしていたわ。彼が起きた時、「こ、これは!?」と驚愕と言える反応したので面白いなぁ、また今度試してみようと思った。

その後、看病した事を伝えると疑いの眼差しで「なぜ?」と訊かれるので

 

「話をする為、元からその予定でしょ?」

 

と答えた。何度も戦い来られても疲れるだけなのだから。 そしてツェペリ男爵が名乗り、現在は石仮面被った者達を倒す事を伝えられた。改めて言うって事は石仮面に余程の感情があるって事ね。父親とか殺されたのかしら?

私の波の流法って相手の思った事とかは触れずに読み取れるけど、深く記憶を見るには触れないといけないから厄介なのよね。記憶を見ると本人も分かっちゃうから堂々と見るのだけど。

その後は私の目的、って事もないんだけど、エリナがいる此処で事を構えたりしないわ。勿論人は食べないって事も伝えた。

 

「、、、本当に人は食べてないのだな?」

 

「、、、食べてないわよ。」

 

この部屋を使わせてもらう時に悪人を食したくらいよ、ええ。

取り敢えず彼はお互いの見解に納得したのか立ち上がって部屋を出ていった。出ていく際に私に振り返って、、、

 

「再度修行の末、再戦を願おう。」

 

と言っていた。諦めてないのね。戦士としては譽れなのだけれど、現状憎まれ対象は面倒よね、はぁ。

 

 

ある日、川辺付近を散歩していると二人の男性が橋の側の川の中にいた。ツェペリ男爵とジョナサン・ジョースターの2人だった。動きから見て、波紋の修行をしていた。彼、積極的に石仮面へと関わろうとしてるわね。あれに関わった時点で安寧なんてないのに。それとも、、、。

 

「もう関係者の意識なのかしらね。」

 

そう思うとふとエリナの事が気になってしまっていた。

 

 

 

その後、日にかけて波紋の修行が上達していくジョナサン・ジョースターに拭えない不安を感じつつ街や周辺の気配を探った。相手の思考を読む力は生きてても死んでても考える生物であれば読む事ができる反面、それを広範囲となれば自然に拾う情報も膨大になるから非効率である。故に普段は近距離の生物の思考を読むだけに済ませている。石仮面の行方が分からない以上は警戒を惜しんではいられない。エリナにはできる限り夜間の外出は避けるよう言ってある。後は鬱憤晴らしに手頃な少年を捕まえて少し頂いている。

 

けれど何故か引っ掛かる物があった。何か見落としがあるのではないかという。海に浮かぶ氷塊のように溶けきれずあるような物が存在する感じが、、、。

 

ある日、再びツェペリ男爵とジョナサン・ジョースターを見に川近くを歩いている。2人の姿が見えると、ジョナサン・ジョースターは波紋を扱えるようになっていた。使えるようになってしまったと言っていい。力を持つというのは、それに関わる因果と進んで向き合うという事だ。彼は吸血鬼、石仮面、そして()()と相対する道へと入ってしまった。

その時は男爵と同じく私に挑むのだろうか、その時、エリナは悲しむか、私を拒絶するだろうか。

ふと、何故私はエリナが傷付く事に苛立っているのだろう?

何故?

 

思考を巡らす最中、あのスピードワゴンという男が2人に駆け寄って行った。杖を付いてないって事は傷が治ったのだろう。波の流法で音を拾うとウィンドナイツ・ロットという田舎村でゾンビが現れたという事だった。石仮面が行方知れずなら発生する可能性はあるわね。それにしてもゾンビを見たという証言を得てくるなんてスピードワゴンという男は情報収集に長けているようね。

 

「まさか、ディオが!」

 

青髪の青年の言葉に私の中のつっかえが取れた気がした。そして思いも寄らなかったわ。ディオ、その子供の名をまた聞くなんて。私の記憶を恐怖という形で残した小僧が原因、ジョナサン・ジョースターと共に住んでいたという時点で考慮すべきだったわ。小僧が石仮面を使い持ち去った、そしてゾンビ、吸血鬼を作り出しているなんてね。まさかとは思うけど、克服したの?只の恐怖という感情を。物事に理由のある恐怖こそ乗り越える壁があるという事、理由の無い恐怖は壁や苦難という境を乗り越えなければ逃れる事はできない。

つまりは乗り越えた。無意識下にある私という恐怖を克服した可能性が高い。

どうやら、そのディオという男には慎重に会わなければならないわね。

 

「なに、付いていきたいじゃと?」

 

「ええ、私を同行させて欲しいの。」

 

意を決してディオがいるという村へ行く彼らに同行させて貰おうと頼んだ。ツェペリ男爵は疑いの視線をして、スピードワゴンはある種期待の眼差しをして、ジョナサン・ジョースターは只心配そうな表情していた。

 

「私は戦えるわ、それにディオという小僧には面識はあるし、彼の悪意のある心を見逃した責があるわ。」

 

「だがよ、女性のアンタに言っちゃなんだが背が高過ぎるぜ。」

 

正直、これから乗ろうとしている馬車では小さ過ぎるから飛んでいこうと思っているけれど。という事だから両腕を翼に変えて見せた。勿論、ツェペリ男爵は知ってるが残り二人は驚きの表情だ。

 

「げぇ!?やっぱりバケモンだ!」

 

「貴女のその姿は!?」

 

「私は飛んでいくわ。場所さえ教えてくれたら先に行ける。どうかしら?」

 

ツェペリ男爵は先程から顎を擦って考え事をしていた。思考を読んでいる訳ではないが私がディオと繋がっていて、罠に嵌めようとと思われてるらしい。彼らを放っておいても良いが、もし失敗してエリナへの危険性を増やしてはならない。だが疑われたまま攻撃されてもしょうがない。

するとスピードワゴンが横から乗り出した。

 

「なぁオッサン、この女の実力は知らねぇが頼りになるんじゃねぇか?あの凄まじい悪意の塊のディオと相手するなら戦力を用意した方がいいと思うぜ!」

 

「あんたはだまーとれいッ!!」

 

だがツェペリ男爵は諌めた。波紋の戦士とは違う一般人、しかも彼にとっては宿敵とも捉える存在の私を容易く許してくれるとは思えない。彼の思考の中で迷いが見えていた。

 

「でも危険過ぎます。もしも貴女に何かあれば大変です。」

 

ジョナサン・ジョースターは紳士的ね、でもね。

 

「それは貴方も同じではないかしら?」

 

「っ!?」

 

彼自身は私を思ってでしょうけど、私はエリナを思ってそれを返した。私の意図に気付いたのか俯いて返答しなくなった。

 

「貴方達がどう思おうとついて行くわ。私の責と言える事を私は安易に見逃した。害虫を駆除しなければ周りに拡がるものよ。私はそれを始末しなければならない。その為に行くのよ。」

 

ディオという小僧を確かめなければならない。恐怖を克服したというなら尚更放っても置けない。私という種族に置ける次に害を成す存在だ。ならば駆逐しなければならない。

 

「Ms.ミステリオ、君はディオという存在を害虫と言ったね。という事は君にとって大事な物があるという事だ、それは誰かね。」

 

ツェペリ男爵は突然意図の分からない質問をしてきた。思考を読んでも「答えによっては、、、」と直感的になっている。敵味方の判別をしてるのだろう。答える義理はない。けど何方にせよ、答えなければ敵対してくるのは目に見えていた。

大事な物な物に対して誰と来た。人間なんて私にとっては籠の中の果物に過ぎない。些細な物だ。人間、、、そう思うとエリナの顔がふと浮かんだ。

 

「人は少しの事で死んでしまう弱い存在だ。だからこそ、そこに集る鬱陶しい害虫を潰す。それだけの事よ。」

 

私にとっての邪魔な存在を消す事だけよ。そう答えたらツェペリ男爵は子供騙しのイタズラが成功したような不敵な笑みを浮かべた。思考の中でも納得した意思を感じたが何故かとは分からない。この男は何を考えてるか。

 

「ふっ、なるほどな。じゃが宿敵である貴殿を全て信じる事はできない。」

 

遠回しの言い方に神経を逆撫でされてる感覚がする。私を怒らせたいのか?

 

「君にはある場所に向かって手紙を渡しに行って欲しいのだ。そうすれば貴殿の事を信用して良いだろう。」

 

「、、、訳のわからない。Mr.、貴方は私をどうしたいのかしら。」

 

「ふっ、信頼を得る為だよMs.。」

 

 

まんまと伊達男に唆された私は手紙を持って伝書鳩が先行する空を飛んでいた。ツェペリ男爵達は馬車でウィンドナイツロッドへ向かっている。飛んでいる先は南側へと向かっていった。しかも男爵から「君が信頼を得るには誰一人殺してはならぬ。」と来たわ。そこまで殺戮衝動があるかしらね。

 

「、、、あれね。」

 

山岳付近で伝書鳩が降りていくのを確認した。少し離れた場所へ降り立ち伝書鳩を探した。人の気配が微かに感じ取れる。一体誰に渡す手紙なのだろうか。

 

「止まれ!其処を動くな。」

 

声のする方を見ると大柄の男が立ち塞がる。すると側には長髪の男もいた。手紙の相手は彼らかしら?

 

「貴方達はツェペリ男爵の知り合いかしら?」

 

「、、、ツェペリは私達と知己の関係だ。して貴様は何者だ。」

 

疑いの眼差しね。そんなに陰険な関係なのかしら男爵は。それとも私に対して敵意を向けているのかしら。恐らく後者ね。

 

「別に手紙を届けに来ただけよ。」

 

「ほぉ、序に両手に翼を生やして鳩を食いに来たのか?」

 

今度は長髪の男が突っ掛かってきた。どうやら私が飛んできたのを観ていたわけね。しかも鼻に付く言い方ね。

 

「喧嘩を売るなら他所にして。たかだか鳩を食うのも、ピーピー呼吸をする貴方達の相手するのも御免なのよ。」

 

私の言葉に2人は跳ねるように身構えた。男爵の知己と言うから同じ波紋使いなのだろう。そしてそこから恐らく私が石仮面を使った者と予測したのだろう。

面白くない冗談だ。私が彼等を襲いに来たとでも?気にも止めないわ。要がなければ此処には来ないわ。

 

「否、ますます通す訳には行かなくなった。」

 

「石仮面に縁を持つと分かれば、このストレイツォ容赦せん!」

 

「なら2人で掛かってきなさい。」

 

「ほざけ!」

 

 

向こうから来てるんだ、殺されても文句は、、、ふと男爵の「1人も殺す事は許されない。」を思い出した。はぁイライラしてくる。

すると大柄な男は私に接近してくる。すると男から「コォォォォ、、、」という呼吸音がしてくる。波紋法ね、受け止めてあげる。すると私の顔側面へと狙う蹴り込みをしてきたので腕を上げて受け止める。が波紋の威力は凄まじいが体格を相まった蹴り込みに腕の力では受け止め切れず体幹が持ってかれ体がよろけた。私が力負けした!?

 

「うくっ!」

 

「はあぁぁぁぁ!!」

 

すると私の居た所に長髪の男が飛び上がって蹴り降ろしてくる。私は反射的に()()()()()()()()()()()

 

「「コォォォォ、、、!!」」

 

「!しまっ、、、。」」

 

「「はあっ!!」」

 

空中の私に大柄の男は後ろに回り込んで背中へ手刀、長髪の男は私の腹部へ拳。そして前後に波紋を打ち込んできた。体の前後に挟み込まれてしまった体内で爆発するエネルギーが両方から押し寄せて摩擦を起こすように熱が発生させられる。燃える勢いで私の体内を焦がすように体中に巡る。そして私の脳へと()()()()()()()

 

「カァァオオ、、、。」

 

「「むっ?」」

 

動かない私の異変に気づいたのか、はたまたふと落ちた帽子に隠れてた角を見たのか、また波紋使いが私の戦士の血を昂らせた。私は体内の波紋を()()させ、両腕をゴリラの様に大きく、像のように頑強に、熊のように凶猛に。そして両腕に反響させた波紋を流し込む。

 

「こいつ、今の波紋が効いてないだと!」

 

「離れろストレイツォ!」

 

お前らが始めた事だ、付き合ってもらうぞ。

 

山彦波紋疾走(エコーウェーブ・オーバードライブ)

 

体を軸に両腕を振り回す。大柄の男は両腕のガードに裏拳、長髪の男は身を引くが拳先が右肩を掠めた。少なからず攻撃を受けた2人は吹っ飛び膝を地につけた。

 

「こ、これは!?」

 

「我々の波紋だと!馬鹿な。」

 

痛みに呆然としている奴に考える時間を与える程、私は甘くない。

 

「波の流法『震中』」

 

「くっ!ぐおっ!」

 

男爵の言う事に沿って殺しはしない。戦士なら怪我の1つ2つは許しなさい。私は両腕の状態をそのままにして大柄の男の背後へ回り込む。そして掌を真っ直ぐ大柄の男の体側面へと

叩く。指先一点と違い広範囲に連続で打ち込まれるそれは、威力は劣るが衝撃は変わらないから衝撃を乗せ大柄の男は吹っ飛ぶ。

 

「ダイアー!ぐあっ!?」

 

長髪の男は受け止めようとするが衝撃を殺せず一緒に大岩へと吹っ飛んだ。体を起き上がろうとするがダメージがデカかったのか固くなった体を動かしているようだ。終わりにしようかしら、いいえ、まだ高ぶりが収まらないわ。

 

「さぁ、続きをやりましょ〜おかぁ?」

 

「くっ。」

 

「ここまで強いとは。」

 

さぁて、どちらから痛めつけようかしら。

 

「そこまで!」

 

ふと私の気分を遮るように、2人の男はより強い戦士の気迫に満ちた声で止められた。声のした方を見ると岩陰から1人の老人が歩いてきた。

 

「師トンペティ!」

 

「危険です!御下がり下さい!」

 

男2人が師と呼び、敬っている。それに男爵の記憶から彼が見えた。彼が今代の波紋法の長かしら。

 

「随分と痛めつけられたようだ。これは修行のやり直しだな。」

 

「っ、はっ。」

 

「くっ、面目次第もございません。」

 

2人が老師に頭を垂れると私の方へと振り向いた。

 

「して、何用かな?我らの宿敵よ。」

 

声を掛けられた瞬間、言葉一つ一つに威圧を感じさせられた。穏やかなようであるが明らかな敵意を私へ向けていた。熱冷めぬ私の神経がゾクゾクと滾らせる。だが直ぐに己の目的を思い出して気を冷ました。気づいたら頬も熱くなっていて恥ずかしくなる。

 

「貴方がツェペリ男爵の波紋法の師で合ってるかしら。」

 

「うむ、如何にも。我が名はトンペティ。ツェペリに波紋法の教えを与えた者である。」

 

彼から感じるのは敵意だけではない。私の心の内をも見定めるような意思を感じ取れる。短命で在りながらも多くの者を導いた貫禄、永く立ち続け固まった土地の上で揺るがない1つの柱の如く信念の基で私に対峙している。私は彼に対して考える間を持たずに頭を下げた。戦士として礼儀を示さなければならない程の貫禄がこのトンペティにはあった。

 

「老師トンペティ、怨敵である私の御言葉を掛ける事をお赦し下さい。」

 

私にとってカーズ様が畏怖であり恐怖の対象であると相対して、老師トンペティは畏敬を持って敬いを示さねばならない。私の態度に彼の弟子達は戸惑いの様子をする。彼トンペティも私の様子に驚きの表情をするがすぐに雰囲気が柔らかくなる。

 

「うむ、良かろう。存分に語ってくれ。」

 

「はい。」

 

短命種に頭を下げ、敬える相手に出会うとはこの2万年に近い生がある中で自身が驚いている。

 

 

ツェペリ男爵からの手紙をトンペティに渡し、此処に訪れた経緯を話した。

 

「ダイアー、ストレイツォ。支度をするのだ。」

 

「「はいっ!」」

 

指示を受けた先程の弟子2人は私達から離れた。そしてトンペティの視線を受ける。

 

「ツェペリが君を送りつけたのは恐らく我らが君を受け入れるか試したのだろう。共に吸血鬼達に肩を並べて立ち向かうのかをな。」

 

トンペティの言葉に只耳を傾ける。今彼が喋る事は真実であり、信頼に値するからだ。

 

「確かにそなたは我等の宿敵、石仮面、そして()()()()に連なる者であろう。だがそなたに向かっていった弟子達を命を奪わずにこれを制した。そなたを信頼し、己の信じたそなたが我々を殺せばディオとの戦闘は困難を極めるだろう。だが我々を殺さなければ、それはこれよりの戦闘で優位を得られるとツェペリは賭けたのだろう。ディオというのはそれ程の強敵のようだ。」

 

男爵の思惑とあの小僧(ディオ)との想定される強さを彼らなりに吸血鬼の力は恐ろしいのだろう。私達にとって吸血鬼は只の食料。それ以下である人間が戦える力を手に入れるだけでもよくやったと褒められる事だ。

 

「ですが男爵の思惑に反して私が協力しないと予想しなかったのでしょうか。」

 

「、、、私にはそなたに大切な物が存在すると踏んでいるがね。長命な生の中で輝く大切な物を見つけたかな?」

 

それを聞いてふと()()の顔を浮かんでいる事に気付いて顔が赤くなる。この方は何故こんなにも鋭いのか。

 

「図星のようだな。」

 

「、、、何かおかしい事でも?」

 

「波紋も効かないそなたにも弱点があるとはとね。」

 

私の様子を見てトンペティはほくそ笑んでいる。いらっとしたが徐々にトンペティは弟子のやられそうに仕返しをしたのだと理解した。意外と茶目っ気のあるようだ。弟子達の準備の為に待っているが私は待つ必要がはっきり言って無いのだ。彼はいったい何を私に伝えたいのだろうか。

 

「、、、して、まだそなたの名を聴いておらぬな。聴かせてくれるか。」

 

「、、、ミステリオよ。」

 

「ではミステリオ。そなたに1つ予言を授けたいのだ。」

 

「予言、ですって?」

 

予言、今より先の出来事を知り伝えるまやかしの様な内容の事。昔も予言者を語る者もいた。大抵は天候や生贄選びという口減らしで使われていたのを覚えている。トンペティもその類なのかしら、勘繰ってしまうわ。

 

「私は触れた者の波紋によって死に際の未来を見ることができる。波紋は生命のエネルギーでできており、その者の波紋の果てを私は見る事がてきる。」

 

死に際、その者の死ぬ所を観測する力。ますます疑いが強くなる。私達は何万年の時を生きれる者達、しかも私は其処から越えてしまった者。果てなんて存在しない。けど不死という物かも不明ではあるのは確かでもあるわ。けど予言するにしても欠点はある。

 

「トンペティ、私は波紋法は使えません。なので波紋エネルギーは存在しない。」

 

太陽や波紋の効かない体ではあるから、それを還す事をしてるだけだ。けどトンペティは私の言葉を否定する。

 

「いや、そなたが2人へ波紋を還す際に少なからず波紋の呼吸をしているのを見た。以前から波紋法を知っていたのではないかな?」

 

その言葉にかなり昔の波紋の戦士を食らっていた記憶を思い出した。かなり朧気ではあるがその時の呼吸法を自然と思い出して無意識下で波紋のエネルギーを増幅させるように使っていたのか。けれど波紋の師であるトンペティに波紋の先達者を食べてましたなんて言う訳にはいかないわよね。

 

「ええ、まぁ、かなり昔に見たのを記憶してまして。」

 

「、、、まぁ昔の事だ。戦士であれば1人2人は相手していただろう。殺してしまったのも仕方ない事だ。」

 

「ぐっ、、、。」

 

悟られて慰められた。流石に屈辱を感じるわ。

 

「まぁそれは置いておこう。つまりはそなたは自然に波紋エネルギーを作り出している事になる。故にそなたは自身の波紋を持っている事になる。」

 

読めたわ。彼自身も私の行く末を観たいのだろう。不老不死であり、生物の命を取り込み生きている人間にとっての外敵生物。それでも友好的な人間もいるという状況で私がどうなっていくのか気になるのだ。

 

「私の手に触れれば波紋エネルギーは互いに行き来し、そなたの行く末を授けよう。知る勇気はあるかな?」

 

「今貴方に触れて殺されるという想像はされないのですか?」

 

「トンペティ、やはり危険です!」

 

手を差し出すトンペティをダイアーと呼ばれる大柄な男が戻ってきて諌めている。彼の心配の通り、数歩離れた所で話していても私が彼を殺せる。そして直接触れれば確実に喰らう事もできる。だがそれでもトンペティは私から目を離さない。その視線には確信、そして信頼を感じ取れる。それを粗末にするのは己の恥になるだろう。

 

「どうか、教えて頂きたい。私の果てを。」

 

そして私も、自身の行く末を見てみたい。

 

 

トンペティ、ダイアー、ストレイツォと合流した私達はウィンドナイツ·ロッドへと向かった。町事態は山に囲まれた場所に位置している。私は飛んでいくが、彼ら3人は走っている。老師トンペティに関しては人間で言えばかなりの老体だろうに戦闘に走りながら山岳を跳び上がって移動している。波紋法の応用なのだろうが凄まじいわね。

 

「もうすぐ日が暮れる、吸血鬼共が動き出すぞ。」

 

夜は太陽が弱点の吸血鬼は夜が彼等の世界。あの小僧(ディオ)と対峙する時だ。

 

 

町へ到着すると太陽が隠れて夜になった。町は静かに落ち着いた様子。だがあまりにも静か過ぎる。此処からは彼等のテリトリーなのだろう。

 

「注意するのだ、何時どこから襲われても可笑しくない。」

 

トンペティが先頭で指示し、ダイアーとストレイツォが彼の背後、私が最後に付いていく形で向かっていく。するとストレイツォが後ろを視線を向けるように私に言う。

 

「老師トンペティが気を許しても我等はお前を見過ごす事はせぬ。」

 

それについてはトンペティとダイアーは何も言わない。ダイアーもストレイツォ側の意思なのだろう。それは最もではある。これが終わればまた1戦相手する事になるだろう。正直無駄話だ。彼らが一番後ろでなければね。

 

「好きにしなさい、でもまずは、、、。」

 

波紋の呼吸を練り、振り向き様に腕を触手に替えて波紋を流しながら鞭のように振るった。

 

「「グギャアッ!?」」

 

背後から飛びかかろうとした異形の男2人に当たり、弾き飛ばした。

 

「襲撃よ。私達を接待して下さるそうよ。」

 

最初にあった1人は頭に波紋を受けて塵となったが2人目は胸に受けたが徐々に体が崩壊する程度だった。まだ練り方が足りないようね。

それを合図に私達の周りを異形と化した者達が囲い始めた。

 

「こいつらゾンビか、しかもこんなに大量に。」

 

「恐らくこの町の者達だろう。ディオの戦力がこんなにも居ったとわ。」

 

「だがこの程度の敵、我等に波紋の戦士にとって恐るるに足らず!」

 

「こんな状況でそんな事を吐けるんだから今代の波紋の戦士は頼もしいのね。」

 

私達は背を向け合ってゾンビの方を向いている。すると1人のゾンビが舌舐めずりして私達を品定めしている。

 

「タカガ老イボレト男二人、ソレニデケェ女ダケデ勝テルトデモ?」

 

「ふっ、甜められたものだな。貴様ら程度の相手、このストレイツォとダイアーだけで充分だ。」

 

「ホザケ!」

 

そうストレイツォが啖呵を切るとゾンビ達が襲いかかってくる。ダイアーとストレイツォが交戦し始めた瞬間、私はトンペティに寄り護り始める。

 

「老師トンペティ、少し離れましょう。」

 

「否、老いはしたが私も波紋の戦士だ。故に、」

 

「シネ、オイボレ!!」

 

トンペティの正面からゾンビの一人が襲いかかってきた。私が前へ出ようとするとトンペティ自身がそれを遮った。

 

「はああああ!!波紋疾走(オーバードライブ)!!」

 

「グギアアアッ!?」

 

即座に波紋を練り上げてゾンビへと撃ち込んだ。その姿は杖つきの老人というよりは歴然の戦士だった。

 

「私とて波紋の戦士だ、弟子に遅れは取れん。」

 

「そう、ではお任せします。」

 

正直、近代の人間は侮っていたが例外がいる事をこの時に知った。ならば私も此処に来た理由を果たすとしよう。私はトンペティを離れてゾンビ共の前に立つ。

 

 

「ヘッヘッヘッ、女ダ!」

 

「俺達ガ怖クテ命乞イニ来タノカ?

 

「大人シテタラ優シク喰ッテヤラア!」

 

舐め腐ったゾンビ共の目線、不快だわ。こんな低脳な者達を食糧とは思いたくない。牛や豚、鶏に比べたらあちらがまだ良いわ。

 

「貴方達なんて、其辺の家畜に劣ってるとまだ理解できないようね。」

 

その言葉にゾンビ共はわかり易い程に切れた。

 

「「「ナメテンジャネェ、クソアマ!!」」」

 

そして只飛んでくる羽蟲の様にゾンビ共が襲い掛かってくる。私は只、()()()()()()()()()

 

「「「ギャッ!?」」」

 

ゾンビ共は無数の枝が伸びた樹へと突進して自ら突き刺さった。そして生え樹の基は私の両腕。私は両腕を樹へと変えてゾンビ共を突き刺した。その状態で波紋を練った。

 

「カアアアオオオォォォ!!波紋!」

 

「「「アボォッ!」」」

 

波紋は樹へと伝わり、突き刺さったゾンビ達に伝わり肉体を崩壊させていく。

 

「ヒ、怯ムナ!アノデカイ図体ダ。今ノ内ニ囲ンデ殺レ!!」

 

どのゾンビが言ったか分からないが複数のゾンビが私に殺到した。単調な攻撃だわ。腕を戻すまで私はゾンビ共の攻撃を受け流した。すると私より体格がデカいゾンビが襲い掛かる。私は戻した両手をデカいゾンビに対抗する様に受け止める。図体が私よりデカく重いから少し押し負けている。

 

「イイゾ、ヤッチマエ!」

 

「ゲヘゲヘゲヘ、アノ変ナ呼吸サセル暇ハ与ネェ。オマエヲ喰ッテヤル!」

 

私の呼吸を観ていたからか、勢いを付けて押し潰すように力を込めてくる。私を捕食したいなんてね。

 

「それは光栄、ね!!」

 

「ウギャアアッ!?」

 

私の両手でデカいゾンビの両手を喰らった。すると慌てふためいた隙に相手の片足を蹴り食らうとバランスを崩して後ろに倒れ込む。

 

「オデノ足ガ!?」

 

「カガアアアアアアアアア!!」

 

貴方の図体、良い()になりそうね。私はゴリラより大きく、より強固にして()()()()()()()()()()()()

 

「波の流法『震中』」

 

これは輪唱波・波紋疾走の強化版。後の火傷覚悟で私は倒れ込んだデカいゾンビに連続で殴り込む!

 

合奏波・波紋疾走(コーラスウェーブ・オーバードライブ)!!」

 

両腕に込めた波紋はその場で響かせるように連続の波の拳を打ち込んだ。デカいゾンビは悲鳴を上げながら崩壊していくが完全に原型止めなくなるまで打ち込まれる連続する波紋の余波は周囲のゾンビ達にも与えられて崩壊していく。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、、、」

 

跡形もなくなる頃には私は呼吸を見出して地に膝をついていた。私達に集結したゾンビ共は消えてなくなっていた。

 

「途轍もない力だな。」

 

ゾンビが居なくなって、トンペティ達が来た。まるで鍛錬してきたような様子でいる。その分、私には疲れが出ていた。

 

「あれだけの波紋を生み出すなんて俄に信じられんが。」

 

「ゾンビ共が波紋の余波で消し飛んだ。認めざるおえん。」

 

弟子二人の目の前の出来事に驚きを隠せていなかった。それに対してトンペティは当然のような表情をしている。

 

「うむ、だが、、、」 

 

「?!ガハッ、ゴホッ!ゴホッ!」

 

私が立ち上がろうとした瞬間、喉の奥から血の塊が溢れ出てきて咳き込んで吐き出した。今迄無い出来事に瞬時に判断できなかった。

 

「波紋の呼吸の基礎ができておらぬ故、肉体への負荷を掛けている。見様見真似の上であのような荒い呼吸法で大きく吸い込むから肺の途中の管が切れてしまったのだろう。通常の人間では限界がある所を常人以上の肉体であるため保っているという状態だ。努々忘れるでないぞ。」

 

「は、あ"い"。」

 

首を上げて返事するが痛みはある。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()喋るのも呼吸も少し辛い状態だ。だがトンペティはそれを一見して見抜いた。彼への尊敬の念が増すばかりである。

 

だが暫くしても自身の喉の奥が治りにくく、また()()()()の身体の動きが鈍くなっていた。はっきり言って足手まといになってしまった。トンペティに私の現状を伝えた。

 

「ふむ、ではストレイツォ。手を貸してやりなさい。」

 

「はい。不意打ちなど誇りないことはするなよ。」

 

ストレイツォは渋々の様子で私の腕を肩に回す。今貴方達と敵対する事はしないわよ。一応は波紋を纏ってるし、用心に越した事はないだろうけど。

 

「っ!?」

 

ふと彼の波紋が私の脳へと伝わった時に、鮮明な場面が頭の中に現れた。それはストレイツォらしき男が大河の上で鉄の板?の側で男に腕を掴まれていながら躰が崩壊する場面だった。

 

「おい、どうした。」

 

「はっ!いえ、呆けていたわ。」

 

ストレイツォの呼びかけに我に返った。寄りかかるように立ち上がり移動するが先程の頭の中に浮かんだ物は何なのか分からないが先程の光景と目の前のストレイツォは瓜二つだった。

 

「むっ、なんだ?」

 

「いえ、何でもないわ。」

 

何かの幻覚だったのかしら。その時の周りの光景も()()()()()()()()()()()()()()()()()。納得できずに靄が掛かる。

 

 

一先ず民家を借りようとも見知らぬ他人の私達に部屋を貸すほど酔狂な町民は居ないだろう。周りを見渡せる木下に避難させてもらった。ダイアーとストレイツォは残りのゾンビが居ないか見回りに離れてしまい、木に寄りかかる私とトンペティのみになった。

 

「気分はどうかね?」

 

「万全とはいかないわ。変な気分、今の今までこんなに腹から下への動きが鈍いのは初めてよ。」

 

両手は動くが脚の動きが悪いとは意気込んでこれでは自身の情けなさを感じた。この状況ではどうぞ餌にして下さいと言っているような物だ。寧ろ餌である奴等が来てくれれば体も早めに癒えるのだろうが先程の交戦で警戒されたか近付いて来ないのが現状だ。するとトンペティが話し掛けてくる。

 

「何か気になる事があったのかな?」

 

その質問の意図がストレイツォに触れた際に見えた幻の事だと分かった。不思議な現象だった。まるでトンペティが私にした予知のような感覚だ。私はありのまま見たものを伝えた。トンペティは表情を硬くして私に言った。

 

「その事は本人に言う事も聰られる事がなきようにするのだ。」

 

この答えがどういう意味になるのか理解はできない。本人の為だろうか、それとも己が弟子を信用していないのか。いや、トンペティの言葉の重さは信頼に満ちている。だからこそ彼がどう成り果てるかを理解しているからなのだろう。

彼も高き精神ながら1人の脆弱な人間であると私は感じた。

 

 

 

暫くしてダイアーやストレイツォが戻ってきた。そこにはジョナサン・ジョースターとスピードワゴン、そして()()()()()()()が一緒にやってきた。木に体を預ける私に気付いて駆け寄って来た。

 

「ミステリオさん!」

 

「ボロボロじゃねぇか!」

 

「そっくりそのまま返すわ。」

 

彼等も道中戦闘があったようでボロボロだった。あの小僧(ディオ)は余程狡猾のようだわ。ふと、1人居ない事に気付いた。

 

「ツェペリ男爵は?」

 

彼等は俯いた事が答えだった。そして彼の特徴的なシルクハットをスピードワゴンが持っている。彼等の中で一番戦闘に置いて優位な人間が最初に力尽きるとは私も思わなかった。

 

「そう、、、。」

 

「ツェペリさんは僕に最後の波紋を、、、。」

 

それ遮るように私は彼の手に触れて記憶を読み取る。

待ち伏せにあった彼等は一時は凌いだものの、敵の罠に掛り自身(ジョナサン)(男爵)が死の淵に追い込まれ、男爵の最後の波紋を送り込まれ窮地を脱した。そして男爵は息を引き取った。

その光景を読み取り、彼の目を真っ直ぐ見る。

 

「貴方の師は人間として立派だわ。貴方はそれを胸に自身の本分を全うする事ね。」

 

「っ、くっ、、、。」

 

冷たいようだけど、残念でならない。男爵は私が無意識下で認めた人間の1人だったようだ。再戦の約束が果たされないのはとても虚しさを感じた。

 

 

かの少年、ポコの家に行き、姉の救出で少年と共に皆行ってしまった。私は少年の家の父親にお願いしてベッドを使わせて貰う事になった。何とも情けない事か。

 

「たくっ、余所者あんたらヅラヅラと。奴等が帰ってきたらさっさと出てってくれよな。」

 

「本当に申し訳ないわ、ベッドまで使わせてもらって。」

 

態度が悪いがベッドを使わせてくれる分、許容はしてやろうと思う。食い殺してやろうとは微塵しか感じてないわよ。ええ。社交辞令に低姿勢の私を見て父親はため息混じりで気を少し許したようだ。

 

「ホントにあの男共はボロボロのお前さんを置いて娘を探しにどっと行っちまいやがって。少し帰ってこない程度で大袈裟な。」

 

この軽口からして家族への愛情が薄いのかしら?いや、山岳に囲まれた環境だからあまり危機感が薄い性もあるようね。

 

「でも最近は人攫いがあるようですし、警戒していて損はないと思いますわ。」

 

「むぅ、まぁそこまで言うなら少しは気にかけるか。」

 

少し危機感が高まったようね。少年が帰ってきた時に帰りが遅くて叱っていたし、善良ではあるようね。毒親なら私の養分になってたわ。

 

「取り敢えず彼奴等が帰ってくるまでゆっくりしててくれ。俺は少し起きてるからよ。」

 

と父親はそう言って部屋から出た。それを見計らって『波の流法』で彼等が行った古城へ脳波を飛ばした。特に近くの蝙蝠や梟の脳波を操り、古城を眺めさせて視覚を微弱な脳波を受け取る。細い糸を辿るように情報を受け取る。近くとは言えどやはり距離が開くと朧気になってしまうのは仕方ない。

古城自体は静かだが物音が聞こえるから戦闘をしているようだ。古城のベランダで2人見える、小僧(ディオ)とジョナサン・ジョースターだ。小僧が優勢に見える。最悪乗り込んだ全員死ぬかもしれない。

 

「最悪は善良な人間を糧に回復しないといけないわね。」

 

だがそれも杞憂になった。小僧が体が燃えながら高いベランダから崖下へと落ちていったのだ。ベランダを見ると手すり際にスピードワゴンが見える。どうやら終息したようだ。こんな些事で情けないこの状況にやるせなさがあるが納得した安心が心を満たしていた。視界を切る直前に視界の端に動くものがあった。それは人間の男が何か包みを持って超人的な跳躍している。あの場で包まれた物、そして超人的な力の人間。嫌な答えと汗が溢れてくる。確認しなければならない。そう思ってベッドから飛びだす。が言う事を効かずに倒れ込む。

 

「なんだ?どうしたんだあんた!」

 

物音に気付いて父親が助け起こそうとする。図体のデカい私を持ち上げられずに手を拱いている。私は焦りで思考を支配されていた。

もしも、あの男がゾンビが吸血鬼ならまだ終わってない。そしてあの包みは人間の頭部位の大きさがある。生命エネルギーがあれば吸血鬼程度なら死なない事は私の体で理解できている。外れて欲しい、外れて欲しいと願望が焦りへと変わっている。だが体が癒えきれずに体が言う事を聞かない。目の前の人間を喰らおうか、だが違った場合、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()私は違って欲しいと思いながら床に突っ伏していた。

 

 

日が明けて歩ける程度に回復した私は杖を借りて皆の所へ向かった。ポコの姉は無事であったがダイアーが殺されしまった。その代わりにゾンビ達は処理して小僧は倒した。そして()()()()()()()()をスピードワゴンがハンマーで粉砕して皆安堵している。一先ず他にゾンビは残っていないか、小僧の肉体が少しでも残ってなかったか訊いたが城内のゾンビは倒し、崖下には肉体が燃え尽きて衣服は見つけた時に燃やしたとの事だった。見間違いではない筈だ。だが見間違いであって欲しいと願うばかりだった。

 

 

肉体が回復して暫くはウィンドナイツ・ロッドに滞在してゾンビの残党を探した。私の懸念が幻である事を願って、森の中や古城を探索して蟻一匹すら識別するように。

 

「お姉さん、なんか怖いんだけど。」

 

「ふふふ、()()()()()()()()のに可愛いんだから。」

 

滞在中に居なくなっても怪しくない時間帯にポコを連れ出して活力のある生命力を頂いて記憶を食らっている。そしてまた連れ出す時にそれを繰り返している。衝動的に、執着するように、()()()()()()()()()()()()()()と叶って欲しいと。

 

 

それが2ヶ月、結局の所ゾンビは見つからず、一度ポコとその姉を連れてある町へ招待を受けて向かった。ジョナサン・ジョースターとエリナが結婚したのだった。

 

 

あれから数日、ストレイツォ以外に触れた()()()()()()()()()()()が嘘のような幸せで華やかな2人の旅路、ハネムーンへ行く雰囲気が私が見た物を虚ろと幻へと判断させる。私は彼等へ不幸を告げるべきなのか、分からなくなってしまった。彼等が乗る筈の蒸気船をただ見ていた。

 

「貴女も一緒に行きたいのかしら?」

 

そう私に声を掛けてきたのはエリナだった。性はジョナサン・ジョースターと同じジョースターへと変えた。そんなエリナは以前と比べてとても大人びた雰囲気をしている。

 

「私が?夫婦水入らずが普通と聞くけど?」

 

「あら、てっきり貴女も付いてきてくれると思ったけれど?いつも私を護るように来てくれてたから。」

 

そうからかう様にエリナが言う。言われてみればここ数年はエリナについて行く生活をしていた気がする。何万何千生きる記憶の中の小さなひと時、とても膨大な記憶の中のそれは俄な温かさを感じるそれは大切かどうか分からない。

 

「とは言え、私が付いて行ったら彼との時間がなくなってしまうわ。大切に過さないと夫婦間なんて簡単に廃れるわよ。」

 

「そう、じゃあ御言葉に甘えさせてもらうわ。」

 

そう笑顔に微笑む彼女は正に幸せの中を歩いている。私がその道を壊すのが怖かったんだと思う。それを理解するのはまだ先の事、今は初めて空を飛ぶ宙への恐怖と期待の中間、またに地に足が着いてない分からないという思いだった。

 

「でもいつも側に居たからつい相談してしまうのよね。親友である貴女に甘えっぱなしね。」

 

「、、、えっ?親友、、、。」

 

私が?親友?私がそう思ってなかったからとても反応に困った。とてもその答えを出すのが長く感じる。彼女と私は違う、それを彼女は理解しているのだろうか、信頼を置く彼女に()()()()()()()()()()()()()()()()()()。その問いは私自身が気付く事ができずに頭が真っ白になった。どう答えて良いか分からない。すると見兼ねた彼女が訊いてくる。

 

「、、、やっぱり駄目かしら?親友として私は貴女を見てるけど。嫌だったら改めるわ。」

 

ああ、駄目だ。彼女の心は宝石のように繊細でありながら太陽が反射するように綺麗で暖かい。不安や恐怖が溶かされて絆されてしまう。彼女に傷付けたくない(ああ、私は弱い)

 

「いえ、親友で良いわ。私も貴女を親しい人と思ってるもの。」

 

「ふふ、嬉しいわ。」

 

他愛ない話、穏やかな日々、言葉を交わす時間が私の心を癒やしてくれる。ああ、だからこそ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ジョースター夫妻が船に乗船して2日、私は一向に発展しないゾンビ探しを休息がてら海辺に来ていた。エリナは何処まで行っただろうか。長い海路でアメリカ旅行へ向かう彼等は穏やかに過ごしているだろうか。どうあがいても人間は脆い。だがジョナサン・ジョースターが側にいればエリナは大丈夫だろう。だがウィンドナイツ・ロッドから帰還前に彼の波紋から()()()()()()()()()()()()ビジョンが脳内に現れた。

 

「何なのかしら、この力は、、、。」

 

これは老師トンペティが()()()()を見た時が起点だと理解した。でなければ男爵との戦闘で彼の行末を見ることができただろう。彼の言葉を思い出す。

 

 

あの時、トンペティが私の行末を見た時、彼の波紋が私に巡った。そして私の手を離したトンペティはよろけてダイアーに受け止められた。

 

『トンペティ!貴様、何をした!』

 

『止めよ、大丈夫だ。そなたの行末を見た。壮絶な最期だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を見た。』

 

『それは、どういう事ですか?』

 

『遠い先の世、恐らくそなた自身の手で自身の定めを全うするだろう。あらゆるものを巻き込みながら己の意思を果たすのだ。』

 

 

あの言葉が私を追い詰めているのか、其処に彼女が含まれているのか。それこそ今の私が初めて太陽を克服して馴染んだのが海だ。それの水に呑まれて死ぬとは笑えぬ冗談だ。水は振動、波をよく伝える。海に浸れば全身が馴染む。

 

「『波の流法、探波。』」

 

広大な海だからこそ、波風で波長が崩れる。海流で波長を消す。だが性質を知っているからこそ、水中の変移に同調して振動を読める。彼等の航海範囲は絞れている。ならば海は私の目だ。

 見えた。ジョースター夫妻が乗っている船だ。蒸気船を車輪が回るから異常な波を作ってくれる。その時、違和感が生まれた。

 

『、、、ーーキャアア。』

 

「なんだ、悲鳴か?車輪が、止まった?」

 

異様な音と共に煙を吐き車輪で進む船が止まったのだ。だが船自体の激しい振動が大きくなるのを感じ取れる。おかしい、そう思ってしまう。その疑問がすぐに晴れた。

 

船が爆発したのだ。

 

「なっ、、、。」

 

言葉が出なかった。いや、思考が止まったのだ。夢から覚めるように彼の行末を思い出した。そしてエリナの顔が記憶を支配される。

 

「くっ!」

 

私が行ったのは考えるより行動だった。海から飛び出して両腕を翼に変えて飛んでいく。夢であれ、夢であれと飛んでいく。

爆炎に呑まれた船を見て現実だと自覚させられる。ふと流れてくる人間だった欠片を見つけ拾う。

 

「この匂い、ゾンビ。」

 

あの船にゾンビが潜んでいた。じゃあ、それだとジョナサン・ジョースターは、エリナは!消化させるべきか、いやあの燃え方だと人間は既に死んでいる!なら誰か生きているか。

 

「『波の流法』」

 

思考を読んでいく。何処だ、誰か居ないか。生きているのは居ないのか!

 

『ーーーぁ〜、ああ~!』

 

なんだ、この声は。確か赤ん坊の鳴き声か?何処から、、、海の中。まさか何か箱に。私は海に潜り探した。鳴き声を頼りに音を探して只ひたすら潜った。そして、人1人入る箱を見つけた。海面に押し上げた。耳を当てて聞き取る。赤子と人間1人、そして()()()()()()()()。無人の島の浜辺へ押し上げて、中を開く。

突然の光に赤子が泣き喚き、それを抱えるエリナが倒れていた。

 

「エリナ、エリナしっかりしなさい。」

 

「、、、ぅっ、、ミス、テリオ?」

 

私の呼びかけにエリナは虚ろな瞳で目を覚ました。少し安心して木陰に移動させて何があったのか訊いた。

 

船内のディナーでジョナサンが退席して心配して迎えに行ったら代わり果てた首だけのディオと化け物の男の前に傷ついて倒れたジョナサンがいた。その後に船内で変わり果て化け物になった乗客達。男に襲われかけた時にジョナサンの命がけで助けられ、船を爆発させた。力尽きる寸前で赤子と一緒に箱に入れられたという事だ。

 

途中で力尽きて寝込んでしまったから彼女の記憶を読んで理解した。

私は()()()以外で恐怖しているのだ。元凶である私、あの時に動けずに見逃した事実、そして親友と言ってくれた彼女に嫌われなくない。人間である彼女から人外だと知られ、拒絶されるのが堪らなく嫌だった。

 

私は咄嗟に彼女の前から逃げてしまったのだ。

 

 

 

その後はスピードワゴンに当てつけるように頼んだから朧気過ぎて憶えてない。

 

 

それから49年後

 

私は文明が進み高層ビルがそびえる街、その間の道、道路の端で2人少年がいた。1人はジョセフ・ジョースター。ジョースター夫妻の亡き息子のジョージ・ジョースターの息子だ。そしてもう一人は黒人の()()()()()()()()スモーキー。彼はジョセフに救われたばかりである。

 

「じゃあ婆ちゃんに紹介するから準備してこいよ。」

 

「分かった、早めに戻ってくるよジョセフ。」

 

そう二人が別れた。お互い背を向けた瞬間にスモーキーは消えた。

 

「あっ?居ねぇ。意外に早ぇな彼奴。」

 

 

「なっ、なんだよお前は。」

 

路地裏に連れ込まれたスモーキーの目の前にジョセフよりも高身長の褐色肌の女がいた。尻餅ついたスモーキーに女は這い寄った。

 

「貴方、可愛らしいわ。勢い余って喰らい尽くしてしまいそう。」

 

「ヒィッ!?」

 

「大丈夫、終わったら貴方は何が起きたか分からず、何も憶えてないから。感情を曝け出して、楽しみなさい。」

 

「う、うわあああああぁぁぁぁぁぁー!!」

 

私は今アメリカにいた。

 

 

 

 




一先ずは第二章に行きます。修正箇所は後でやります。

今回の技
山彦波紋疾走(エコーウェーブ・オーバードライブ)
受けた波紋エネルギーを反響させて打ち込む技。

合奏波・波紋疾走(コーラスウェーブ・オーバードライブ)
波の流法 震中からなる輪唱波・波紋疾走を連続で打ち込む。両腕が大火傷する。

波の流法 探波
連続した脳波を振動させて広範囲の物体を探知する。水面が続く場所なら遠くまで探知できる。水中なら高性能に。

盛ってますか?ぶっちゃけ盛ってます。
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