ナザリック総動レベリング祭から数日後
「ふむ、"熱素石"1つをエクスチェンジボックスに入れると金貨6億枚、大体1つの"熱素石"を作るのに必要な鉱石分を修復する時と同じと言った所か。」
パンドラズ・アクターが査定額ボーナスが付く職業を持つ音改さんに変身してエクスチェンジボックスに入れれば黒字でユグドラシル金貨を稼げなくはないが時間と熱素石が勿体ない気がしてアインズは別の活用方法を模索する。
更に数日後
(うーん、毎回蠱棺でアンデッドを狩ってチマチマ経験値を稼ぐより《アンデッド支配》で配下にした上位アンデッドに《星に願いを》を使える様にさせる方が早いよなぁ…
この前のレベリングをした時に上位アンデッド50体以上倒してやっと『クレリック』のレベルが1上がっただけで効率最悪だったし…試してみるか?)
ナザリック総動レベリング祭でアインズの目録通り一般メイド達やナザリック原産の下位アンデッド達はレベルが一気に数レベル上がっていたが、アインズや階層守護者、高レベル帯の者は殆どレベルが上がらなかった。
ユグドラシルではレベル95までなら比較的楽にレベルを上げることが出来、96から100レベルまでは必要経験値が増加するシステムだったので100を超えるとなると更に必要経験値量が増加したのだろうとアインズは憶測している。
その為アインズは蠱棺内で発生する上位アンデッドの活用方法と高レベル帯向けの効率的なレベルアップ方法も模索していた。
試してみる事が沢山あり知的好奇心が止まらないアインズは予備の熱素石がまだあることを確認し、余分に余っている熱素石を手に取る
「熱素石よ!俺に『"星に願いを"を発動出来るアイテムの製作能力と作成方法』を授けよ!!」
熱素石が消滅し暫くするとアインズの頭に未知のアイテム作成方法が流れてくる
「う、おぉぉ…!これが超位魔法を込める事の出来るアイテムか!なるほど、リング型の消費形アイテム。リングのアーム部分は…七色鉱石すべてを使った合金!?そんな事出来たのか…
それにレベル90以上のモンスターからのドロップアイテムをセンターストーンを嵌めて作るリングになら《星に願いを》を込める事が出来るのか。
ん?もう1つレシピが流れてくるな…こっちは最後に《星に願いを》が入められている最高品質のデータクリスタルを最後に使用するのか…超位魔法が入るデータクリスタルなんてあるのか?作成方法だけでなく製作能力も願っていて正解だったな。」
ナザリックにただ一人いる鍛治長に七色鉱石の合金作成の依頼と、蠱棺でよく手に入る様になった上位アンデッドの中でも希少なレベル90を超えるアンデッドのドロップアイテムを預ける。
鍛治長の名は伊達じゃなく丸一日ほどで七色鉱山の合金作成方法を見つけ、そしてそれをアンデッドのドロップアイテムを磨き上げた飾りと組み合わせる
「流石は鍛治長、素晴らしい出来だ。感謝する」
アインズに褒められた鍛治長は恭しく頭を下げ仕事に戻る
「全く、寡黙で王道的な職人気質の奴だ。さてと次は私が仕込む番だな」
そう言うとアインズは超位魔法を展開し蒼白い立体型の魔法が展開される、光が限りなく眩いたところで一気にその光は鍛治長が製作したリングに吸収されるように消える
「成功したかな…?どれどれ《道具上位鑑定》よし出来ているな!だが、やはり超位魔法を込めただけでは『流れ星の指輪』は作れないか…」
《道具上位鑑定》で確認した所それは正しく"星に願いを"が込められたアイテムだが、嘗てユグドラシルにガチャ限定で出てきた超超希少アイテムの"流れ星の指輪"とは似ても似つかない下位互換アイテムになった。
それでも希少で有能なアイテムであり、今のアインズにはこれで十分すぎた。早速手に入ったアイテムを持ち、蠱棺で支配下に置いた上位アンデッドの中で複数被っていて余りレアではない"死の支配者"を呼び出す。
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「すまないが実験体になってくれ。」
呼び出した死の支配者に早速作ったアイテムを渡し、叶えるべき願いを伝えたアインズは実験体の様に扱う配下に謝意を送る
「いえ、寧ろアインズ様の実験体になれる事など光栄の極みでございます。」
そう言った死の支配者は"星に願いを"が込められた指輪、通称"願いの指輪"を嵌め込み発動する。
「《私は願う!》『魔法で創り出したモンスターを倒した場合にも経験値を得られる様にしたまえ!』」
蠱棺で高レベル帯のレベリング用アンデッドが湧くまで多少の時間がかかり過ぎる問題と、この世界では一体でも小国を滅ぼす事が出来る上位アンデッドをレベリングの為だけに使い潰すのは勿体ない。
そう考えたアインズは召喚魔法や創造スキルで生み出したモンスターから経験値を得れば良いのでは?と思いつき死の支配者に今回の命令をした。
「あ、あぁぁああぁ…」
眩しい光と共に"星に願いを"が発動した途端、死の支配者は呻き声を出す
「どうし…なるほどこれは凄いな、凄まじい速さでレベルが下がっていっているな。」
アインズが死の支配者のステータスを確認すると、およそ80もあったレベルがゴリゴリと減っていき既に半分以下になっている
「ふむ、"星に願いを"の経験値消費によって種族レベルがなくなると下位アンデッドになるのか、それとも種族は変わらずにレベルだけが下がるのか。ユグドラシルでも試した事が無かったから気になるが…これは…」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」
"星に願いを"にレベルを全て持っていかれた死の支配者はおぞましい叫び声を上げ願いの指輪と共に消滅した
「これは成功したの…か?分からないな後で一般メイドに《アンデッド創造》で生み出したモンスターを倒させるとしよう。」
一般メイドに創り出した死の騎士を倒させたが経験値が入っている様子がない事から実験が失敗した事に気付いたアインズは、別の死の支配者に今度は願いの指輪と熱素石を渡し同じ願いをさせた。だが
「…これも失敗か…"熱素石"と"星に願いを"の併用なら今までどんな願いも出来ていた筈だが…何故だ?今までと今回何が違う…?」
そもそも魔法やスキルで生み出したモンスターに経験値を持たせる事自体が不可能なのか、それとも願いに必要な経験値が足りないのか。それが分からずアインズは実験を一時中止し思慮に耽る
「これが駄目ならどうしようもないな。」
翌日、3体目の死の支配者に"熱素石"と"願いの指輪"を持たせ、昨日とは内容を変えた願いを伝える。
「それではいきます、《熱素石よ!そして私は願う!!》『ナザリックに属する者が召喚・創造するモンスターから経験値を得られるようにせよ!!!』」
そう願うと熱素石と願いの指輪は消滅し死の支配者のレベルが下がっていく、だが前回と違い今回はレベルが1桁になった所でレベルの下降が止まる。
「これは当たりか?モルモCよ、今からモンスターを創造する。それを倒してみよ」
「承知しました。」
モルモCと名付けられていた死の支配者はアインズが生み出した死の騎士やその他の中位アンデッドや下位アンデッドを命令に従い-レベルが下がった為多少時間がかかったが-なんとか倒す、すると。
「レベルが上がっているな…なるほど、ナザリックに属する者限定の願い事なら叶うということか。為になる、次の願いだが…想定以上に熱素石を浪費してしまったし暫くはお預けだな。」
使いすぎた熱素石の生産を待つ数週間の間にアインズは配下に召喚・創造モンスターを倒す事でレベリングが出来るようになった事を伝える。
それからは数日に1度、円形闘技場にてアインズを筆頭にモンスターを呼び出す事が出来る配下達と共にレベリング用のモンスターを召喚し、それをレベルを上げたい低レベル帯の配下達に戦わせてあげていた。