星野アイと運命の魔法使い   作:静かなるモアイ

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『五反田監督!!新作の映画シリーズの撮影お疲れ様です!!』

五半田『ああ、お疲れ。今回の映画は伝記物でな……もっとも最新の英雄様と、その周りのドキュメンタリーに近いな。1作目と2作目は伝記映画、3作目はドキュメンタリーと伝記物……最後はドキュメンタリーかな』

1作目 トール・ヴァーミリオンと魔法界から人間界。

2作目 星野アイと運命の魔法使い

間の小説 トール・ヴァーミリオンと子育て奮闘記

3作目 マッシュ・バーンデッドと2つの世界

4作目 ヴァーミリオン夫妻と輪廻の三つ子

後日談小説 1星野吾郎の憂鬱。2 ルビー・ヴァーミリオンとマホドルの道。3 アストルフォ・ヴァーミリオンと道化の神

『最後に一言を』
五反田監督『この映画を……幸せ絶頂なアイドルと魔法使いの夫婦に捧ぐ。あと、運命の三つ子にもな。因みに4作目を監督したのは俺ではなく、運命の三つ子の長男だ』


トール・ヴァーミリオンとSASUKEサードステージ

SASUKEのサードステージ。それは制限時間無し、だが難易度は今までの2つを遥かに超越する難易度を誇る。これまで数多のチャレンジャーをリタイアさせ、年によっては生き残ったチャレンジャー全員がリタイアとなる年もある程に過酷なステージなのだ。

サードステージの障害物は定期的に変わっており、今年度の障害物は合計4つで構成されている。どれも基本のファーストステージと時間が短いセカンドステージと比べて、過酷であり大勢のチャレンジャーを薙ぎ倒して池ポチャにしてきた過酷なシリーズだ。

今回用意された障害物はプロペラうんてい→プラネットブリッジ→クリフハンガー→そして代名詞であるパイプスライダーの4つで構成された握力と腕力の空中巡礼である。この異名から分かる通り、握力と腕力に絶大なるダメージを与えて、ファーストステージとセカンドステージを乗り越えたがダメージを受けたチャレンジャーの腕に絶大なる負荷を与えるのだ。

 

「なにこのアトラクションの城」

 

これから挑戦するチャレンジャーを代表して、トールがサードステージを見上げながらそう告げた。トールの側には他のサードステージにチャレンジするメンバー……ぴえヨン、海パン刑事、トキが仁王立ちしており……ちゃっかりとトールの側にはアイが立っているが今さら気にしてはいけない。

 

プロペラうんていはモーターの力でプロペラのように回転するうんていに捕まり、次のうんていに飛び乗っては移動する障害物。うんていは全部で4つあり、3つ目と4つ目のうんていは回転が噛み合わないように成っており……斜め等に飛び出さなければ移動するのは困難な代物だ。

 

プラネットブリッジはセカンドステージにあった透明な壁のスパイダーウォークの進化系。玉4つと幅が変わる板の間に身体を納め……腕力と脚力で身体を支えて横に移動する鬼畜な代物。なお、玉と板の幅が変わるので背伸びしたり……身体を縮めたりしないとバランスを崩して落下する。

 

クリフハンガーは指の力だけで身体を支えて、横に移動する代物。此方も地獄である。

 

パイプスライダーは2本のレールの間に置かれたパイプにぶら下がり、身体を振っては体重を移動して移動する最後の難関。なお、パイプを巧く滑らせないとパイプがレールから外れて池ポチャしてしまう。筋力と筋持久力を消耗した先にある地獄と言えるだろう。

 

「実は皆さんに言いたいことが有ります。ファイナルステージに進めるのは1人だけです」

 

スタッフが告げる。ファイナルステージに辿り着けるのは1人だけとの事で、サードステージをクリアしてもファイナルステージに出場できるかは分からないとの事だ。

その1人はサードステージのクリアタイムが最も速い人物との事であり、サードステージを最も速くクリアした人物がファイナルステージの挑戦権を得るのだ。

 

確実にクリアするためにゆっくりと着実に障害物をクリアしてサードステージをクリアするか。

 

失敗を恐れず、スピード重視でサードステージをクリアしてファイナルステージへの挑戦権をゲットするか。

 

「順番は籤引きで行います」

 

公平の為に籤引きで順番を決める。その結果、ぴえヨン、トキ、海パン刑事、最後にトールの順番となったのだ。というか、運営スタッフは思っていたのだ「こんなにサードステージまで人が残るなんて」と。もしかしたら、全員……サードステージをクリアしてしまうかも知れない。その事を危惧し、ファイナルステージへの挑戦は最も速くクリアした人物としたのだ。

 

「先に行くよ」

「ぴえヨンさん」

 

ぴえヨンはトールの肩を叩き、いつもの自棄に高い声ではなくマジトーンの低い声でそう告げた。今、ぴえヨンの限界を超えた挑戦が始まる。

 

 

『さあ、始まりました!!サードステージ最初のチャレンジャーは……苺プロダクションが誇る筋肉の化身!!プロダンサーであり、ボディービルダー!!仮面を被った振り付け師、ぴえヨンだ!!』

 

ぴえヨンはスタート位置につき、今……動き出した。

 

「ピヨ……」

 

こんな時でもキャラは忘れず、平常心を保ってぴえヨンはサードステージを進む。先ずはプロペラうんてい、ヘリコプターの羽のように動くうんていを掴み、次のうんていに進んで行かなければならない。

ぴえヨンはトールと異なり、長い年月身体を鍛えてきた。SASUKEの舞台だってテレビ越しとは言え、見てきた。冷静に頭でシミュレーションをこなして、プロペラうんていをこなしていく。そして、最後のうんていを……ぴえヨンは身体を捻り、なんとか掴んだ。

 

「ぴえヨンがやったよ!!」

「先ずは最初の障害物はクリア」

 

ぴえヨンを応援するアイ、トール、そしてB小町のメンバー。なお、トールはエネルギー補給の為かシュークリームを食べつつ、プロテインを飲んでいる。

 

だが、次はプラネットブリッジ。横になり……玉と板の間に身体を挟めて進んでいく物だ。ぴえヨンは玉に手をつき、板に足を置いて身体を横にして進んでいく。だが、板の幅が前後しだした。バランスが崩れるが、日々……筋肉トレーニングを行うぴえヨン。強靭な体幹でぶれずにすんでプラネットブリッジを突破した。

 

「ここまでは大丈夫。問題は次だ」

 

ぴえヨンは手をグーパー、グーパーと開き……指と握力の調子を確かめる。ここからが真のサードステージの戦いであり、握力と上腕の巡礼の始まりだ。

 

地獄のクリフハンガー。指の持久力と指だけで身体を支える握力がすべての種目だ。ぴえヨンの握力は非公開だが、メロンを軽々と片手で潰せる程の握力を誇る。だが、問題は握力だけで全体重を支えて進まねばならない。

ぴえヨンは強く決意し、クリフハンガーに挑む。

 

メロンを潰せる握力でクリフハンガーの突起(3センチ)を掴み、腕力と握力で進む。ぴえヨンの前腕と指に絶大な負荷がかかるが……それでも進まなければ成らない。

 

「ぴえヨンの腕が」

「プルプルしてやがる!!ぴえヨンであれだろ?私じゃ無理だ!!」

 

渡辺が震えるぴえヨンの前腕を指差して告げ、ニノがぴえヨンの凄さを改めて感じて告げる。ぴえヨンの体重は筋肉と身長で3桁の大台に乗っており、体重が重いこともあってか負荷がトール達と比べた遥かに高い。

 

だが、ぴえヨンはやりきった。地獄のクリフハンガーを制覇した。

 

『ぴえヨンさん凄い!!さあ、最後の関門!!パイプスライダーです!!』

『さあ、覆面筋トレボディービルダー!!行けるか!!』

 

実況の声が響き、ぴえヨンはパイプスライダーに手をかける。いざ、ぴえヨンは心を落ち着かせる。

 

(ここまで長かったピヨ)

 

ぴえヨンは思い浮かべる。プロダンサーであるが、筋肉が有りすぎる為か……アイドルやジャニーズ、歌手より目立ってしまう為にバックダンサーが出来ず……されど筋肉を捨てたくない日々を送っていた。そんなある日、斉藤社長から「アイドルグループを作ったんだ。振り付け師に成ってくれないか?」オファーが来て苺プロダクションに所属。その後、B小町もメンバーが順調に増えてきて、更にはトールとフィンもやって来た。トールが来てB小町は良い意味?で変わったし、事務所の規模も大きくなった。

 

(君のお陰だよ。トールくん)

 

先輩として、男としてぴえヨンは見本を見せなければならない!!いざ、ぴえヨンはトールに背中を見せるためにパイプスライダーで滑走した!!

だが、ぴえヨンの握力の持久力は限界であり……ぴえヨンはバランスを崩してしまい、池ポチャしてしまった。

 

『ぴえヨンさーん!!』

『ぴえヨン!!無念の着水!!初出場でサードステージ敗退!!無念だ!!』

 

ぴえヨン……敗退。

 

 

 

次にトキが行う事となった。最強の整体師トキ。

 

「行こうか」

 

上半身裸となり、トキは本気モードと成って挑戦する。前回は参戦する事が出来なかったサードステージ。ファーストステージをクリアするだけでも凄い人、セカンドステージをクリアすると超人、サードステージをクリアすれば超人を超えた何か……さあ、限界の先へ……トキは動き出す。

プロペラうんていは無事に突破。プラネットブリッジも動く板のお陰か、体幹部分に結構な負荷が来たが問題なく突破できた。さあ、地獄のクリフハンガーが始まる。トキはクリフハンガーに手を掛け、いざ……挑戦が始まる。

 

「ぐっ!?」

 

クリフハンガーの掴むところは3センチ。しかし、先端の角がわざと削られてるので実質は2・5センチしかないのだ。その僅かな所を掴み、握力と上腕の筋肉だけで進まなければいけない。ある程度進んだ所で……

 

『トキが落ちた!!落ちてしまった!!』

『最強の整体師さんが落ちたぁぁあ!!』

 

トキ、無念の着水。リタイアである。

 

 

「私の番だな」

 

何処から見ても変質者の海パン刑事……いざ出陣!!

 

「海パン刑事頑張って!!」

「きゃー!!素敵よ!!」

 

なお、海パン刑事の応援に何処から見てもセーラームーンとセーラーヴィーナスのコスプレをした変質者のおっさん……ゲフンゲフン!!警視庁所属の美茄子刑事と月光刑事である。そこ、いい年したおっさんが美少女のコスプレしないとか言わない。

 

『なんか、セーラームーンのコスプレしたおじさん来たぁあ!?』

『えー、情報によりますと。この2人は警視庁の特殊刑事課のお巡りさんとの事です』

『刑事なの!?えっ!?刑事なの!?何処から見ても変質者ですけどぉおお!!』

 

詳しく知りたい方は『こち亀 特殊刑事課』と検索しよう!!自己責任だよ?

 

月光刑事と美茄子刑事が応援にやって来て、いざ……海パン刑事はプロペラうんていに挑む。順番にプロペラうんていをこなしていくが、最後の4本目で……

 

「ぐぁぁあ!!」

「「海パン刑事!!」」

 

着水!!リタイアである!!

 

『取りあえず、変質者は倒れましたね』

『フィンくん!?相手は刑事だよ!?』

 

 

 

そして……この少年の出番である。

 

『さあ、最後のチャレンジャー!!最年少セカンドステージクリアを成し遂げ、サードステージもクリアなるか!?トール・ヴァーミリオン!!』

 

最後にトールの出番がやって来た。シュークリームを食べて、エネルギーを補給し……トールは構える。

 

「トール!!此方だよ?」

 

なお、ゴール地点には我らがアイが待っている。果たして、トールは無事にアイの元に辿り着けるのか?

 

「じゃあ……本気を出しますか」

 

ゴキ、ゴリ、ゴキ!!トールは気合いを入れるためか肩の間接、首の間接を鳴らして戦闘準備はOKだ。

 

トールは地面を蹴り、プロペラうんていを掴み……全身の力を用いてバネのような動きで2番目、3番目のうんていをショートカット!!すぐさま4番目を掴み、無事に着地。

 

『ショートカットした!?』

「シュークリーム此方にあるよ!!」

 

アイがシュークリームを掲げる。すると、トールのやる気スイッチがONになり、出力が100%を突破する。

 

「ほいほい」

『プラネットブリッジの板の上を疾走した!?いや、確かにダメとは言ってないけど……本当にやる人いる!?』

 

トール、プラネットブリッジの板の上を走り抜けて大幅ショートカット。

 

そして地獄のクリフハンガーであるが……トールはトキやぴえヨンと比べて体重が軽い。その為か、すいすいと進むことが出来た。

 

「さてと……これか」

 

そしてぴえヨンが脱落したパイプスライダーに手をかけ、トールは飛び出す。いざ、アイとシュークリームが待つゴール地点に!!

 

「到着」

「はい、シュークリーム」

 

トール・ヴァーミリオン……無事にゴール!!

 

アイからシュークリームを受け取り、彼は見上げる。後は前人未到のファイナルステージだけである。

 

 




次回……トール・ヴァーミリオンとSASUKEファイナルステージ

斉藤社長「制覇したら焼き肉奢るぞ!!」
トール「じゃあ、叙々苑で」

ルビーの杖の神様どうする?因みにトールはオーディン、アストルフォ(次男、転生前トールの弟)はロキ

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