翌日 AM4時。当然ながら今の季節は冬なので外は真っ暗だ。同じマンションに暮らしている一般住民+姫川夫妻、ポンタ&MIUは熟睡している。だが、この少年は違った。
「1ヶ月プロテイン我慢は痛いな」
トール・ヴァーミリオン17歳来年度既婚になる、日本唯一の魔法使いである。というか魔法界でもウォールバーグの次ぐらい……ゴッドインストールを使えば魔法界最強に食い込める実力者である。その気に成れば日本どころかアメリカ等の国家さえも単独で国家転覆させる事が可能な実力者である。
そんなトールであるが、彼は財布の中に余裕を持って2000円だけ入れて外に出てきた。身支度は何時もの魔法使いのローブを纏い、完璧である。準備の事も考えれば少なくても3時半位には起きて準備していたのだろう。あと、物騒な世の中なので戸締りもしっかりだ。
「えーと……スタッフさんも寝てるから。スタッフさんにメッセージだけ入れて」
この時間は流石にスタッフも寝ている。その為にトールはハンディカムカメラを構え、1人で撮影を行っているのだ。そして、そのハンディカムカメラをファイアボルトにくくりつけ、トールはファイアボルトに跨がる。
「朝市に行こう」
マンションから飛び出して……マンションから少し離れるとファイアボルトを加速させて一瞬で飛んで行った。トールが向かったのは朝市の現場である。
朝市とは超・朝早くからやっている市場であり、民間人も使うことが出来る。とれたての野菜や魚介類が売られており、物凄く安くてお得で更に珍しい掘り出し物も売られてる事も有るのだ。
ファイアボルトは圧倒的な加速で、瞬く間に朝市に到着した。朝市は既にこの時間から朝市の有用性を知っている現地の方々、魚を捌くYouTube、料理人など様々な人々が訪れていた。
「キンメダイ1000円か……普段なら絶対買ってるな」
トールは売られている激安お得な魚介類を見ながら考え込む。キンメダイは高級魚であり、築地で食べるなら凄いお金を取られる。だが、朝市ならキンメダイ一匹丸ごと1000円で売られていたのだ。
実はトール。両さんが副業(お巡りさんは本当は副業はダメだぞ?)で板前をしており、高いお魚や良いお魚の見分け方等が分かるのだ。なお、誕生日の時に……大原部長の奢りでアイやフィンと共に両さんが働いている寿司屋(回らない)をご馳走してもらった事も有るのだ。因みにトールもアイも人生初の寿司であったとか。
「おっ、ウチワエビ。ダメだ、やめとこう」
「甘鯛3匹で500円。アリだな」
「アジが5匹で200円。うん、良いアジだな……すいません。これ、ください」
一通り見てから、トールはアジ5匹(200円。一匹辺り40円)を購入。その後もトールは買い物を続け、シャコ10匹(100円)を購入。これで300円だ。その全てを神経抜きにしてもらい、絞めてから、個包装にしてもらった。
「よし、移動だ」
トールはアジとシャコを拡張魔法を用いて、四次元ポケットと成ったローブのポケットに入れて……ファイアボルトに跨がってマンションに戻っていった。なお、その道中で別の朝市によって卵10個を100円でゲットしたのは内緒だ。イオンモールの1/3の値段であり、此処だけ見てもかなりお得であった。
AM5時。まだアイは寝ており、トールは手早くエプロンを纏い、ナフキンを頭に巻いた。やっぱり、料理を行うのは形からであり……これは常識だ。
アジは焼いても美味しいし、刺身でもフライでも、なんならミンチにしても美味しい。シャコは安いが海老に近い仲間であり美味しいし……なにより海老より遥かに安い!!
「朝食……後はアイちゃんのお弁当か」
トールは手慣れた手付きで、蕎麦粉からガレットの生地を作成。その後、ガレットを焼いて目玉焼きと合わせて朝食の蕎麦ガレットが完成。これをルーン魔法が施されて保温が出来る容器にセットすれば、お寝坊気味のアイが起きてきても熱々が食べられる。
「アイちゃん。あんまり白米食べないからね」
トールはアイのお弁当の主食の所に、昨晩作っていたモチモチ生地のパン(デンプン粉)を置き、手慣れた手付きで卵焼きを作成、更にシャコを3匹で瞬く間に捌いて包丁でミンチにすると……デンプン粉で作った生地に包み、蒸しあげる。するとあら不思議……モチモチ食感のシャコ餃子の完成である。更にここに切り干しマンドラゴラを入れて、アイちゃんのお弁当は完成だ。
実は1ヶ月一万円生活は特別ルールとしてロケ弁等が出ず、自分達でお弁当を用意しないといけないのだ。それにアイは中学校に通っており、中学のお弁当も用意しなければ成らない。ロケ弁が出ないとなると、トールは毎日アイのお弁当を用意しなければ成らないだろう。因みにお弁当箱には魔法が施されており、蓋を開ければ熱々に成るのだ。
「野菜が足りないな……アイちゃんの栄養に関わるからな」
魚介類は朝市、肉類は商店街、野菜は商店街と朝市でやっても限度はある。このままでは1ヶ月一万円生活の中でもアイに栄養のあるご飯を美味しく食べてもらえない。トールは考える……どうすれば良いのか?
「よし……魚は取ろう。それが一番安いし」
AM6時 アイちゃん、起床。
「おはようトール!!」
「おはようアイちゃん。ご飯出来てるよ」
トールが作ったご飯を食べてアイは満悦な笑みを浮かべる。
「うーん!!おいしー!!」
アイにとってなんの危険もなく、食べられる美味しい食事は本当に幸せだ。幼少期は虐待やネグレクトで満足行くご飯が食べられず、白米にガラス片なんて混ざっていた程だし。だが、こうしてトールが作ってくれた食事は本当に美味しいものだ。斉藤夫妻に引き取られた後は斉藤夫妻のご飯を食べていたが……社長のご飯は男料理な感じだし、ミヤコ夫人のご飯も美味しいが……それでも経験不足な感じであった。
「アイちゃん。料理覚えたい?」
「料理?」
その時、アイの脳裏に流れ出した記憶。
トールとの間に沢山の子宝に恵まれ「ママ!!今日のご飯なに?」と子供達に聞かれて「今日はカレーだよ?」とエプロン姿で答える自分の姿を。
「うん!!教えて!!」
その日の夜……アイはなんとか、包丁の持ち方を覚えた。
だが、1週間後。
「野菜、豚肉とかに使うお金を考えると……やるか」
杖が変化したグングニルを右手に持ち、ウエットスーツに着替えたトールが海辺に立っていた。その隣では釣竿を装備したアイの姿もある。
「よし!!私も頑張るよ!!」
「朝市でも買えない高級魚を捕まえようとしようか」
アイは釣りを行う為に防波堤に、トールは海に飛び込んだ。
『グングニルで取るの!?鮫でもとるつもりなの!?』
フィンのツッコミが響き……
「アジアコショウダイ!!とったどぉおおーー!!」
『マダラP!?褌で素潜り漁してたの!?』
なお、マダラPは褌一丁で魚を銛で捉える。
因みに十数年後。マダラPは吾郎と珍獣ハンターニノと共にブラジルに行った際、全身真っ黒に成ったり……未知の液体イッキ飲みしたり、電気鰻を倒したりして……完全に吾郎と珍獣ハンターのキャラを圧倒してしまい……伝説のPとして現実世界のナスDポジションとなる。
1週間経過での残金 5500円。
次回!!トール、グングニルで魚を捉える。
フィン『人間の泳ぎじゃねぇぇ!!鮫真っ青だよ!!』
アイ「釣れないな……あっ!!カワハギ釣れたよ!!」
なお、アイちゃんは釣りであった。
見たい番外編。○がトール少年時代。△がマッシュル時代。◎がルビー世代
-
ドッキリGP!!○
-
別荘を買います?買いません?△
-
マリカー実況対決◎
-
缶けり苺プロVS百人刑事◎
-
故郷で爆買い!IN魔法界△
-
学校全体かくれんぼ!!(かぐや様△)
-
原作星野兄妹の来訪◎
-
無人島脱出△○◎