ありふれた動物能力者   作:マスターM

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合流

「まだ上向いている」

「了解」

ユエをおんぶして六王銃のあけた穴を月歩で上がっていた。ユエにハジメのビブルカードを渡し、5層ごとに止まりハジメの位置を確認する。

 

「う~ん。上層部か・・・」

「誠大丈夫?」

「ああ、これぐらいなら問題ない」

誠はハジメは上層部と予測し、ユエはずっと動いている誠を心配する。

 

 

 

 

「真横」

遂に1層目に着いた時にユエがビブルカードを見て言う。

 

「この階にハジメがいるのか」

誠は見聞色を広げながら、ハジメがいる方へと歩く。

 

「ん?これは・・・まずい」

「どうしたの?」

「ハジメを見つけたが、ハジメより強い気配が2つ。1つは恐らくこの層の主だな」

「間に合う?」

「難しい・・・だが」

見聞色でハジメを見つけたが、他にも気配がありその1つは層の主で、ユエが間に合うか聞くが、距離があるため間に合うか分からない為、誠は覇王色を飛ばし威圧する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・え?」

ハジメは中型犬の大きさで後ろ足がやたらと大きく発達したウサギの魔物の蹴りで、左腕を粉砕され、蹴り潰されようとした時に、二メートルの巨体に足元まで伸びた太く長い腕に、三十センチはある鋭い爪が三本生えた熊の魔物が現れ、ウサギは硬直し、ハジメは更に強い存在に恐怖をするが、風が一陣吹くとウサギと熊がガタガタと震えていることにハジメは困惑する。

 

 

コツコツコツコツ

足音が近づくにつれ、ウサギと熊はさらに震え冷や汗を流す。

 

 

 

「無事ではないが、合流できてよかったぞハジメ」

「誠!!」

誠の登場にハジメは左腕の痛みを忘れ、誠に飛びついた。

 

 

 

ハジメを落ち着かせた誠はユエの紹介と自身がここにいる経緯、ハジメに攻撃をして奈落に落としたのは檜山だと伝え、恵理に檜山を捕まえるように言った事を伝えた。誠が話している時に、ウサギと熊は逃げようとするが、誠が睨んだ事でその場に立っている。

 

「じゃあその反逆者の住処に行くんだね」

「ああ、そうだが食料がないとな。俺は戦闘を含め3日なら大丈夫だが」

「なんで?」

「生命帰還で栄養の巡回を遅らせているからな。その為に念のため2日前から食い溜めしてたからな」

「だからあんなに食べてたんだ」

反逆者の住処に行く事は確定しているが、食料の事で悩む誠。

 

「そう言えばユエは食事はどうなんだ?」

「食事でも栄養とれる・・・でも血の方が効率的」

「ああ、吸血鬼らしいな。なら俺の血飲むか?」

「いいの?」

「ああ」

「・・・いただます」

誠がユエに食事を聞くと食事より血が効率がいいと言い、誠はユエに自身の血を飲むかと聞くと、ユエはいいのか聞いてきて誠が了承した為、ユエは誠の首筋に噛みついた。誠は首筋にチクリと痛みを感じた後に力が抜き取られている感じがした。

数秒後ユエが口を離す。吸血の効果かやつれた感じはなくなりつやつやと張りのある肌になっていた。

 

「・・・ごちそうさま」

「もういいのか?」

「ん。誠の血栄養豊富。それに熟成の味・・・美味」

「そうか・・・で、それは?」

「ん?」

血を吸い終えたユエの姿が、誠の人獣型に似た姿になっていた。

 

「俺の血を吸った影響か?ユエ違和感はないか?」

「ん、ない。誠とお揃い」

「誠とお揃い?どういう事?」

「こういう事」

誠も人獣型になり誠はユエにした話をハジメにもした。

 

「まさか誠がテンプレの転生者だったなんて・・・しかもその女神様からトータスとエヒトの事を聞いてたから、あんなにも警戒してたんだね」

「そういうことだ」

ハジメに答えた誠はふとウサギと熊を見る。

 

「もしかしたら・・・」

誠は2体の前に立つと、右手の爪で左の手のひらを切った。

 

「俺の血を飲め」

誠の命令にウサギと熊は血を飲む。すると2体は亜人族のような見た目になった。

 

「え?え?変化した・・・」

「不思議だ・・・」

ウサギは若い雌だったようで微かに胸に膨らみがある。熊の方は渋い声だったため歳は人間に当てはめると40代後半のようだ。

 

「どうやら俺の血を飲むと人型なら龍の、動物なら人の能力を得るみたいだな。ハジメ俺の血飲むか?」

「えっと・・・保留で」

「そうだろな。まあ水は確保したいが・・・ん?」

誠の検証は成功した。そしてハジメに血を飲むかと聞くと保留すると言う。水を確保したいと言った時に、ぴちょん・・・ぴちょん・・・と水滴を見聞色で聞こえた。

 

「水滴がする。行くぞハジメ、ユエ、キャロ、ジン」

「うん」

「ん」

「キャロ?」

「ジン?」

「ああ。お前達の名前だ。今更だが、俺と共に来ないか?」

ウサギにはキャロ、熊にはジンと名付け、共に来るか聞く誠。

 

コクッ

2匹は互いに顔を見て頷く。

 

「「我等、主人について行きます」」

片膝をついて言う2匹。

 

「そこまで畏まらなくってもいいんだがな。まあいい」

3人と2匹は水滴がする方に向かう。

 

 

 

 

 

「これは・・・」

水滴がする方に向かい、途中の壁は誠が壊していく。そしてたどり着いた所には、バスケットボール位の大きさの青白く発光する鉱石が存在していた。

 

「怪我が治る。治癒作用がある液体を出す鉱石か・・・ユエもハジメも飲んでみろ」

「わかった」

「うん」

一口飲むと先程切った手のひらの傷が治り誠は治癒作用があると思い、魔力も回復できるのかユエとハジメにも飲ませた。

 

「ん?魔力回復した」

「左腕の痛みがなくなった」

「魔力も回復するとはな。これからの俺達の生命線だ。ハジメ小さな石を使って容器を錬成しろ」

「了解」

ユエが魔力も回復したと聞くと、ハジメに石で容器を錬成しろと言い、ハジメは手頃な石で容器を作り始めた。

この鉱石は【神結晶】と呼ばれる歴史上でも最大級の秘宝で、既に遺失物と認識されている伝説の鉱物だった。そこから液体と溢れ出すものを【神水】と呼び、これを飲んだ者はどんな怪我も病も治るという。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてここからが本題だが・・・。ハジメどうする?」

「誠の血を飲むかどうかだよね?」

「ああ。現状で言えばお前が一番弱い」

「そうだね。迷宮の魔物を従える誠に、魔法の天才吸血鬼のユエ。誠の血を飲んだキャロとジン。そしてただの鍛錬師の僕」

ハジメはこの中では一番弱い事を自覚していた。

 

「僕の選択は・・・

 

 

 

 

 

 

魔物の血肉を食べる」

「いいのか?」

「うん。確かに誠の血を飲めば龍人になれると思うけど、それは仮物の力で僕の力じゃない」

「魔物なら自分の力になると?」

「そんな気がするんだ」

「わかった。ハジメの考えを尊重しよう。キャロ、ジン。ハジメにこの階層の魔物の事を教えてやれ」

「「はっ!」」

ハジメの考えを尊重した誠はキャロとジンにこの階層にいる魔物の事を教えるよう言うと、2匹は頷き早速ハジメに話し始めた。

 

 

 

 

キャロとジンの話を聞いて。尻尾が二本あり大型犬の大きさのある白い狼・二尾狼を4体狩って来た。

 

「最初に4体仕留めるとはやるなハジメ」

「キャロとジンのおかげだよ」

話している時もハジメは二尾狼を解体していく。

 

「じ、じゃあ、いただきます・・・」

ハジメは恐る恐る二尾狼の肉を口に入れる。

 

「うぐっ、ぐぅう、ま、まずいぃ」

神水を飲みながら血肉を食べるハジメ。

 

「ーーーッ!?アガァ!!!」

ハジメの体に異変が起こり始めた。全身に激しい痛みが時間が経てば経つほど激しさを増す。

 

「ハジメ!これを飲め!!」

誠がハジメに神水を飲ますが、痛みが引いたと思った瞬間再び激痛が襲う。

それを繰り返している間にハジメの体に変化が現れ始めた。

髪が白くなり、筋肉や骨格が徐々に太くなり、体の内側に薄らと赤黒い線が幾本か浮き始める。身長も十センチ以上高くなっている。

 

やがて、動脈が収まったハジメはぐったりと倒れ込んだ。

 

「大丈夫かハジメ?」

「ああ。そういや、魔物って食っちゃダメだった・・・」

見た目も口調も変わったハジメはステータスプレートを取り出し、ステータスを確認する。

 

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:8

天職:錬成師

筋力:100

体力:300

耐久:100

敏捷:200

魔力:300

魔耐:300

技能:錬成・魔力操作・胃酸強化・纏雷(てんらい)・言語理解

 

「・・・なんでやねん」

何時かのように驚愕のあまり思わず関西弁でのツッコミが響き渡る。

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