急遽始まったメルド団長と誠の模擬戦にはハジメ達地球組と誠のステータスの報告を受けた国王と王妃にリリアーナとライデルと騎士達にイシュタルが観戦することになった。
誠からの要請でメルド団長は完全武装だ。流石に剣の刃は潰しているが。対する誠は軽装だ。その方が分かりやすいと周囲の反論を抑え込んだ。
「それではこれよりメルド団長対龍波誠の模擬戦を始めます」
副団長のホセ・ランカイドが中央に立ち言う。
「勝敗は致命傷を負う攻撃を受けるか、降参で決まります。両者よろしいですね?」
ホセの言葉に2人は頷いた。
「それでは・・・始め!!」
「剃」
開始の合図と同時に誠は剃を使いその場から消えた。
『『『『『き、消えた!!?』』』』』
全員が消えた誠に驚く。メルド団長も驚くが、直後直感で剣を後ろに振り抜く。
カキーンッ!
直後金属同士がぶつかる音がした。
見て見ると剣と何故かメルド団長の後ろにいた誠が右手の人差し指を黒くし突きだしていたところだった。
「・・・どうやって俺の後ろに・・・」
「剃という、瞬間に地面を10回以上蹴って、その反動エネルギーに乗って爆発的な速度で移動する六式の一つの技を使っただけですよ。それとこの突きは指銃と言って、全身の筋肉が起こす力を一点に集約させ、それを硬化した指先に乗せて電光石火の強力な突きとして相手に撃ち込む攻撃技で、武装色の覇気の硬化で更に硬度を高めただけです」
「なる、ほどなっ!」
誠の説明を聞き、メルド団長は無理矢理剣を振り抜いた。誠は後ろに避けるがメルド団長の追撃を避ける為上に避けた。
メルド団長は誠の着地に狙いを定めるが、その目論見は崩れる。
「月歩」
『『『『『う、浮いてる!!?』』』』』
月歩で浮いている誠に目が飛び出る見学者達。
「嵐脚」
浮いたまま誠は嵐脚を使う。飛ぶ斬撃をメルド団長は避ける。
そして誠は静かに着地する。
「化けモンかよ龍波のやつ・・・」
誰かがそう呟いた。
「やれやれ、末恐ろしいな・・・だが次は此方から行くぞ!」
メルド団長が攻めに転じる。メルド団長の鋭い太刀筋は紙のようにヒラヒラと避ける誠。
「これは風圧で避けているのか。・・・なら!」
メルド団長が魔法の発動にうつる。
メルド団長の魔法攻撃を誠は目を閉じ全て避ける。
更に次の行動に移ろうとするメルド団長の行動を妨害する動きをする。
「参ったな・・・攻撃が避けられるいや、予測されているのか?」
王国の人間たちは信じられない光景に唖然としていた。王国最強が一方的に押されている事に。
「ふぅ、生命帰還」
誠は生命帰還を発動させた。すると誠の筋肉量がスピード特化になる。
「剃刀」
月歩と剃の併合技である剃刀で一気にメルド団長に迫り、自在に動かせる髪でメルド団長を拘束する。
「・・・参った」
抜け出せないと悟ったメルド団長が降参した。
「・・・はっ!?し、勝者龍波誠!!」
あまりの事に固まっていたホセがメルド団長の降参を受け、勝敗を言った。
勝敗が決すると生徒達は誠とメルド団長に近寄る。
「凄いな誠は。まだ本気じゃないだろ?」
「ええ、まあ。・・・本気出せば戦わず終わると思いますよ」
「それは技能のやつか?」
「はい。覇王色の覇気は戦うまでもない相手を気絶させる事が出来ます。ただ覇王色は数百万人に1人王の資質を持つ者だけが使えます。武装色と見聞色は誰でも備わっていますが、覇王色は資質の有無ですね」
「って事は誠は王の器って事?」
覇気の説明を聞き、ハジメがそう呟く。
「見聞色は周辺の気配を感じるものだ。他者の考えや極めれば数秒先の未来が見える」
「ちょっと待って誠。じゃあガチャで星5が当たり続けたのは・・・」
「見聞色の未来視だな」
「ずるじゃねーかよ!!」
未来が見えると聞き幸利がガチャの事を突っ込んだ。
「で、最後の武装色は見えない鎧を纏う感覚だな。より強力な覇気は防御力だけでなく、攻撃力にも転じる。武装色は武器にも纏わせることができる。これも極めれば内部破壊が出来るようになる」
「じゃあ開始と同時に消えたのは?」
「それは六式と言う武術の1つ剃だ」
幸利が開始直後に消えた事を聞いてきて、メルド団長に言った事を言う。
「次に使ったのは指銃で全身の筋肉が起こす力を一点に集約させ、それを硬化した指先に乗せて電光石火の強力な突きとして相手に撃ち込む攻撃技だ。要するに極限まで威力を高めた一本貫手だな。あと派生技で
「一点集中・・・」
指銃の説明を聞き雫が呟く。
「次に宙に浮いたのは月歩は強靭な脚力によって空を蹴り浮く技だ。剃の応用技でもある。剃と月歩を組み合わせた剃刀と言うのもある。で次に使ったのは足技
最後の嵐脚だ。これは凄まじい速度で脚を振り抜くことで飛ぶ斬撃を放つ攻撃技だ」
「遠距離にも対応出来る武術か・・・」
今度はメルド団長が呟く。
「残り2つは防御系で、まず紙絵は敵の攻撃から生じる空気に身を這わせて、紙の如くひらりと相手の攻撃をかわす防御技だ」
「俺の攻撃を避けたのはこれか?」
「はい。見聞色も使い確実に避けてました」
「その言い方だと当たる攻撃もあるみたいだが?」
「ええ、紙絵は攻撃範囲を読み違えるとダメージを受けてしまう恐れがあるため、見聞色を併用すれば回避できます」
「成程な・・・」
誠の説明にメルド団長や生徒達は納得した。
「そしてもうひとつの防御技は鉄塊で、肉体そのものを鉄の装甲にも匹敵する程硬化させる防御技。後派生技で鉄塊拳法ってのがあり、これは鉄塊の発動時は動けない弱点を克服し、全身に鉄塊を掛けたまま自在に活動する事を可能とした体術だ。
全身が硬化した状態だから、防御力も然る事ながら攻撃各種も重みを増している」
「柔の紙絵に剛の鉄塊だね」
「そうハジメが言った様に柔と剛の使い分けができる。とまあ、俺が使える武術・体術です」
「成程な・・・誰にでも備わっている覇気か・・・俺達にも使えるか?」
「う~ん多分使えると思いますが、切っ掛けが必要かもしれません。なりより疑わない事が大切です」
「疑わない事?」
「覇気は意志の力。己の力を疑う者は覇気を満足に使えない」
「成程ね・・・」
「そして六式を極めた者だけが使える究極奥義で、衝撃を相手の体内に送り込む六王銃がと言うのもがある」
「武装色の覇気の内部破壊と同じ物か?」
「ええ、酷似しています」
「そう言えば最後筋肉量が変わったのは?」
誠の説明が終わったタイミングで龍太郎が聞いてきた。
「ああ。それは生命帰還と言って、本来脳の命令で意識的に動かすことはできない髪や内臓などを、己の意識を張り巡らせることによって操ることができる技能だ。メルド団長を拘束したのはこれだ」
そう言い髪を自在に操る。
「他に質問は?」
誠の問いかけに誰も手を挙げず、その場は解散となった。