ありふれた動物能力者   作:マスターM

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弱音

誠とメルド団長の模擬戦から2週間が経った。

その間誠は騎士達に覇気を教えていた。2週間の短い期間だったが、なんとなくの感覚を掴んだ騎士が数人おり、順調にいけばいずれ覇気に目覚めると誠は考えていた。また檜山達小悪党四人組が訓練と称しハジメに暴行していたが、誠によって物理的に止められた。

そしてその日の訓練が終わった後に伝える事があるとメルド団長に言われ待機していると、メルド団長が告げる。

 

「明日から実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要な物は此方で用意してあるが、今までの王都外での魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ!まぁ要するに気合を入れろってことだ!今日はゆっくり休めよ!では、解散!」

そう言って伝えることだけ伝えるとさっさと行ってしまった。

 

 

 

 

 

【オルクス大迷宮】

それは、全百階層からなると言われている大迷宮である。七大迷宮の一つで、階層が深くなるにつれ強力な魔物が出現する。にもかかわらず、この迷宮は冒険者や傭兵、新兵の訓練に非常に人気がある。魔物の強さを測りやすいのもあるが、地上に出現する魔物よりも良質な魔石を体内に抱えているからである。

 

誠達はメルド団長率いる騎士団員複数名と共に、【オルクス大迷宮】へ挑戦する冒険者達のための宿場町【ホルアド】に到着した。なおこの騎士団員達は覇気に目覚めかけている者達だ。

新兵訓練によく利用するようで王国直営の宿屋があり、そこに泊まる。

誠はハジメと同じ部屋となった。

 

「あ、誠これ」

ハジメが取り出したのは金棒だった。

 

「おお!出来たのか!」

「うん。でも本当に金棒でよかったの?剣とか槍じゃなくって?」

「おう。これがしっくりくるからな」

誠はハジメに主戦武器である金棒の作成をハジメに依頼していた。ただカイドウの金棒よりヤマトの金棒に近い形だ。

 

「明日試してみるか」

軽く素振りしてそう呟く。

 

コンコンと扉をノックする音が響く。

 

「南雲くん、起きてる?白崎です。ちょっと、いいかな?」

なんですと?と一瞬硬直するも、ハジメは慌てて、扉に向かう。そして、鍵を外して扉を開けると、そこには純白のネグリジェにカーディンを羽織っただけの香織が立っていた。

 

「・・・なんでやねん」

「えっ?」

衝撃的な光景に思わず関西弁でツッコミを入れてしまうハジメ。

 

「俺は席を外す。後は若い者同士でごゆっくり~」

「ちょ!誠っ!!」

空気を読み部屋を出る際に2人に一言言って出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてどう時間を潰すか・・・ん?」

誠がどう時間を潰すか考えていると、素振りをしている雫を見かけた。

 

「こんな夜中まで自主練か雫?」

「ええ。誠は貴方は?」

「雫の幼馴染がハジメを訪ねてきたから、空気をよんだだけだ」

「そう。香織が迷惑かけたわね」

「いやいい。人の恋路を邪魔したくないだけだ」

一通りに振り終えたのを確認して誠は雫に話しかけた。

 

「・・・雫も無茶するんじゃないぞ」

「無茶なんて・・・」

「ここ数日碌に寝てないだろ?それに今の素振りにも迷いが見えた。初めての実戦で極度のストレスを感じている筈だ」

「誠には隠しとおせないわね。そう不安なの」

「たまには全身の力を抜いてみろ。そしてたまには誰かを頼っても罰は当たらないさ」

「なら少し胸を貸してくれないかしら」

「ああいいぜ」

雫は誠の胸に顔をうずめる。

 

「本当は戦いたくないの、でも戦わないと皆が・・・」

「ああ」

「うぅぅ・・・」

数分雫は誠に弱音を言う。

 

「・・・もういいわ」

そういい誠から離れた。

 

「もう大丈夫か?」

「ええ。完全にはまだ吹っ切れていないけど、大分楽になったわ」

「それはよかった」

最初よりも顔色がよくなった事を確認した誠は安心した。

 

「もうそろそろ話しが終わってる筈だ。俺は部屋に戻るが雫はどうする?」

「私も部屋に戻るわ」

お互いに部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠が部屋に戻るとハジメは既に寝ていた。

 

「そうだ一応ハジメのビブルカード作っておくか」

誠はハジメが起きないように静かに髪の毛を一本抜いた。

 

「ん」

「ほっ。起きてないな」

髪の毛を抜かれた事で少し反応したが、起きないことに誠は安堵した。

 

「さ、ちゃっちゃと作るか」

誠はハジメのビブルカードの作成を始めた。

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