最後の記憶は、空色の二足で歩く蟲の化け物と対峙したところで終わっている。
俺、ブレイン・アングラウスの生涯は実にあっけないものだった。村1番の剣の腕を持ち、自分は敵無しと過信したこともあったが、御前試合ではガセフの前に膝をつき、その自信も打ち砕かれた。
貪欲に強さを求めたが、人間種と化け物の壁は高く吸血鬼シャルティアブラッドフォールンに手も足も出なかった。
ただ「成し遂げた。」そう自信を持って言えることもあった。
あの魔導国の化け物どもにも人間の力は届き得るという証明ができた。もちろん倒せやしなかった。全力の1%も引き出せやしなかった。ただ俺はアイツの爪を切れた。
それは確かに人類がアイツら化け物を傷をつけることが出来るという証明だろう。それだけで俺の人生には意味があったと胸を張って言える。
出来るならもっと頂に手を伸ばしたかった。目の前の化け物に挑んだことに、武人としての俺が二の足を踏ませた。悔いは山ほどある。ただ同時に確かめてみたくもある。今の自分はどれほどか。またこの世界に生きるものとして...人間種として...そしてガゼフの友として。あそこで立ちはだからねばならなかった。魔導王の侵略を許してはいけなかった。
色んな思い出が頭をよぎる。
楽しかった...嬉しかった...面白かった...
...ただそれ以上に辛かった...悔しかった...負けたく無かった...
それが俺の一度目の人生の素直な感想だ。
きがついたらかあさんがまえにいた。
ねむい。
おなかすいた。
ねむい。
おなかすいた。
ねむい。
おなかすいた。
またつよくなりたい。
ねむい。
おなかすいた。
どうすればいいんだろう。
いままでのしゅぎょうじゃだめだ。
ねむい。
そんなふうに1年経った。
ようやく歩き始められるようになり、思考もちょっとずつ前世に戻りつつあった。
神様が何のために俺を過去に送ったかは知らんが、余計なことをしてくれた。俺はあそこで終わるつもりだったんだがな。どーしてか今ここでピンピンしてる。
このまま農夫として生きるのも悪くないが...生憎俺は剣しか知らない。強くなれと武人としての俺が語り掛けてくる。これは,,,呪いだな。いくら考えたところで剣しか思い浮かばん。まあ前世は寝ても覚めても剣のことしか考えてなかったんだ...当然っちゃ当然のことか。
なら悩むことはない。なってやろうじゃないか...最強に。
猶予は二十有余年。それまでにあいつら化け物に勝てるようにならない...人の身で...イメージが思い浮かばんな。
俺の真爪切りはあの化け物に届かなかった...あいつらに届きうる人類はセバスさんを除いて俺は知らない。セバスさんを探すか...自分で強くなる道を模索するか...自惚れるつもりはないが人類種のなかでもそれなりに才を持って生まれた俺は前世では貪欲に強さを求め努力してきた。
そんな俺でなお足下に及ばない。なら答えは一つしかない。
セバスさんを探そう。ただシャルティアブラッドフォールンを見るまで俺はかの御仁の名前を聞いたことはなかった。見つけるのは容易ではないはず...なら多方面にコネクションを作り、情報を集めつつ腕を磨こう。
もっとやりようはあるかもしれんがなにぶん学がないもんでそれしか思いつかん。選択肢はいろいろある。強さが評価され、コネクションを作れる場所。王国の御前試合、帝国の闘技場、聖王国の騎士団加入。法国の徴兵。冒険者。そして...過去の傭兵の真似事...
色々考えたが騎士団は向かないだろうし、傭兵の真似事もまっぴらごめんだ。ほかの方法で伸び悩んだらの最後の選択肢としよう。
御前試合、闘技場、徴兵、冒険者...
御前試合はおそらくどんなにうまくいっても過去のガゼフの立場が限界だろう。王国戦士長になったところで化け物に届くとは思えん。
帝国の闘技場も同じく却下だな。武王は魔導王に足下も及ばなかったらしいからな。
徴兵も悪くないが...冒険者だろうな。強者は人間界には少なすぎる。腕を磨きたいなら積極的にモンスターを狩るべきだろう。ランクを上げてけば貴族や名のある商人とのつながりも生まれてくるだろう。とりあえずの目標はミスリルってとこか。15になるまでには行っときたいな。まあ、頭でうだうだ考えてもしょうがないからとりあえずはよく食ってよく寝よう。この体じゃ剣も振れやしない。
「ブレイン! あんまり出歩かないで!」
...本でも読んでるか。
キャラクター設定
ブレインアングラウス
再産の神童
役職——アングラウス家の一人っ子。神に〇〇〇〇……
住居——リ•エスティーゼ王国の貧しい農村
職業レベル ギフテッド———————-10lv
趣味—読書