新たに見ていただいた方、継続して読んでいただいている方、本当にありがとうございます。
最近AIを利用し始めました。これで少し執筆速度が上がることと思います。
14話の内容が間違っていたのに気づきまして大幅に改定しました。よければそちらもぜひ!
ローマ帝国の使者が漢に到達す。歴史書を開けば簡潔に記されたこの人物は一見すると元老院から選ばれた立派な使者が、中華で最も大きな国であった魏の王、曹操に謁見したかのように読める。
さて、その曹操は陳留は謁見の間で名だたる文武の官が居並ぶ前にいた。彼ら彼女らは唯才是挙のもとで曹操が集めた輝かんばかりの才能の持ち主たちである。
曹操は重厚な座に腰掛けてゆったりと腰掛けていた。
「今、私たち三勢力は力を蓄え終えたわ。あとはいつ、どのように会戦を開くかを各勢力考えているでしょう」
曹操は臣下をゆったりと見下ろす。
来たるべきときが訪れた。
西方では漢中以北の不安分子は排除され、良質な戦馬が送られてくるようになった。東方では孫呉との大戦は終わり、諍いは小康状態にある。既に孫呉も次の大動員の準備を始めているということだ。劉備もまた南方の慰撫を行っているというが極めて静かなものだった。
最も大国である魏を前に孫呉と劉蜀が争うことほど愚かなことはない。荊州はやや宙に浮いた形にあるが謀略によって収まるべくして収まるだろう。最終的には魏の下に統一されるが、と曹操は泡のような荊州の現状をふと笑った。
ゆえに決戦。
「我が軍はほかに比べるまでもなく量も質も勝っているわ。決戦に小賢しい策は不要。そうは思わなくて?」
夏侯惇ほか猪武者たちがおお、と目を輝かせた。
「無論戦術的策は必要よ。軍師にも役立ってもらうわ。私が言いたいのはこの曹孟徳こそ決戦の要であるのいうことよ」
今魏以外の国はどうなっているか。呉は以前から魏と争っている合肥を境界に戦闘は小康状態にある。その最中に江南地帯で大きな力を持つ四大豪族を孫家の下にまとめて山越すら滅ぼし、さらには荊州に手を伸ばしている。
では劉備はどうか。漢中の南、荊州の西にある山脈に守られた蜀を州牧劉璋から奪い、統治地帯を広げていた。未だ南蛮と彼らが呼ぶ部族が支配している地域もあるが、間もなくこれは諸葛亮の智謀により敵ではなくなる。
いずれも後顧の憂いがなくなれば目は魏へと向かう。呉は合肥か襄陽を攻めることができるだろう。蜀は漢中の奪取か漢中を迂回して上庸を攻めるか、長江から襄陽を狙うこともある。軍師たちの読み合いに頼る部分が多くなる。
だからこそ曹操は戦場を自分で選びたい。
「私が軍を進めるのはここ、烏桓よ」
それは襄陽を南に下ったところにある地点だった。江陵を陥す。
「なるほど、これは……」
荀彧が感嘆の声を上げたのを皮切りに、ほかの軍師たちや軍略に長けた将も唸る。
荊州に手を出すとなれば呉は黙っていられない。包囲がさらに厳しくなる蜀としても同様だろう。
「しかし呉は合肥を攻めてくるのではないでしょうか」
荀彧の疑問はもっともだ。本拠地から近く補給も容易い。ここを得れば寿春を経由して陳留攻略も視野に入る。さらにいえば指揮系統の異なる劉備たちと共に行動するとは考えづらい。
しかし郭嘉がそれに異を唱える。
「いえ……だからこそこちらから江陵を攻めるのではないでしょうか。呉とて攻める道は複数残したいはずです。むざむざ取られる阿呆でもないでしょう」
曹操は牙を剥くように笑い、宣言した。
「私はここで劉玄徳、孫伯符双方を討つわ」
曹操は椅子に深く腰掛け、慌てふためく臣下たちを見て満足気に微笑んだ。
***
陳留からはるか南にある海沿いの土地、日南郡。西にアンナン山脈と東に南シナ海があり、現在のベトナムの中北部に位置している。その都市からやってきたという一団について、事実上交州を治めている交趾太守の士燮は自室で頭を悩ませていた。
交州は戦国の世とはいえ安定した土地である。しかし問題も多い。蜀と呉という中華の二国に面しているためその外交には気を使う。南には日南郡を害するチャンパ王国がある。
しかし今回の悩みの種は海からやってきた。その一団は一国の使節団だという。これは交州一国で対応できる話ではない。平穏な世の中であれば朝廷に遣いを出せば済んだ話だった。
士燮は大いに悩んだ末にこの使節団を曹操の下に送ろうと思った。統治する領内にはかつての都洛陽があり、司隸の優れた人材を豊富に抱えている。漢の後継だと謳う蜀と比べても将来的な外交に安心感を抱ける。
交州は蜀や呉に伝手があるのでよく情報が入ってくる。今呉が南荊州を狙って動きつつあるが、長沙を経て江陵を上れば魏の領内に入れる。今ならまだ魏に使節団を送ることができる。それにある男の存在が士燮に魏をより一層印象的に見せた。
十日あまりの日にちを使節団に貰い、彼らには役所に近い出来るだけ立派な館に滞在してもらうことにして、魏へ赴く支度をした。使節団の人々も長い船上生活による陸酔いから回復するのに良い期間になった。
使節団は奴隷だという船員を除けば十人にも満たない。これに曹操麾下の高官に拝謁するための官吏たちと護衛の兵を加えておよそ五十人ほどの人数が北を目指す。
まずは鬱林郡に入り南寧盆地を流れる邕江を辿っていく。邕(南寧)まで到着すると荊州に入る。零陵郡を通り、長沙にやってくるまでの道程はまこと順調に進んだ。
しかしそこで一行はぎょっとしたような目で長沙の城壁に立つ旗を見た。黄の旗(おそらく黄忠のもの)に加えて劉の字の旗が靡いていたからだ。
「これは……いかにして街を越えようか」
一行には使節団が持ってきた朝貢品と思われる荷駄がある。道を外れて街を越えるのは困難に思える。別の街を通っていこうにも蜀の領内や呉の領界になるので危険だ。
「ではこうしてはどうだろう。我らは今より商人となるのです」
使節団の荷物を商会の品物と偽り、官吏たちはそれを扱う商人ということにする。使節団は外国の品について説明するために連れてきたという体だ。
交州と荊州では気候や文化が異なるので官吏たちの様相でもなんとか商人ぶれるだろう。
一行は使節団から商会に姿を変えて長沙の城門に現れた。官吏の額に汗が滲む。しかし相手の役人はやけに浮かれた様子でこちらの素性を確認すると通行の許可を出した。
「このように目出度いときだ。決して迷惑は起こすなよ」
「目出度い?」
「いかにも。黄太守様が再び長沙に戻って来られたことが目出度いと言わずしてなんとする。貴様らもあと数日早ければ太守様のご尊顔を拝めただろうに」
これは使節団にとって大変に幸運なことだ。黄忠を用いた蜀の計略であろうが、浮足立った街中ではよほどのことがなければ悪目立ちはしない。黄忠がいれば役人も気を引き締めたであろうがちょうど不在ときた。
これ幸いとばかりに一行は宿をとってここまでの疲れを癒やすことにした。
しかしそれもほんの二、三日で終わってしまった。なんと長沙に蜀の馬岱が来るという報せが入ったのだ。彼女は黄忠とともに長沙の計略を行っていた上、脚が速いため黄忠の代理として所用をこなすための来訪だった。
一行は急いで旅装に戻り、武陵方面への城門を目指した。しかしまた、成都から長沙へもまた武陵を通る。彼らが馬岱と会ったのは長沙を出た翌日のことで、街道ですれ違っただけで済んだ。
安堵する官吏をよそに、人一倍感の鋭い馬岱は何か違和感のある商隊だとそのときすでに勘づいていたのだった。
***
「王秀とか翡刺熟に似てた気がする」
それは馬岱が長沙に到着した翌日のことだった。彼女がここにいるのは長沙が蜀についたと示すためであり、政務は簡単なものしかない。
あらかた終わらせたところで飽き性の彼女は街の散策に出かけた。涼州出身の彼女にとっては荊州人というのはかなり別の人種だ。街行く人を眺めながら屋台で軽食を摘んでいると、頭の片隅へこびりついている違和感がむくむくと顔を出してくる。
それが昨日の商隊の構成員の違和感だ。まるで違う出身の人物が混ざっているのは分かった。それが何かとぼんやりと考えていて、ローマ人であるガイウスやパルティア人である翡刺熟(ヘラシュク)に近しいものがあるように思えた。
思いつきのままに城門へ向かい、昨日通過した商隊について質問する。記録によると交州からの一団だという。
南蛮より南にある交州ならまだ見たこともない人種が住んでいるのかもしれない。しかしその交州人と西方の人種が一緒なのはどういうことだろう。
あのとき商隊は武陵に向かっていた。次の目的地はどこだろうか。山を抜ければ成都に行ける。しかし交州からなら建寧から北上するほうが早い。であれば商隊の行先は襄陽。曹操の支配地だ。
「思い過ごしならいいんだけど……一応確認しといたほうがいいよね」
役所に戻った馬岱は江陵へ早馬を出して件の商隊が来た場合の足止めを依頼する。そして自身も数人の伴をつけて馬に跨った。
(迎えが来た? それとも援軍? どういう関係にしても魏と西方が同盟なんてことになったら不味いのは分かる。商隊を捕まえて尋問だ。最悪――斬る)
***
襄陽攻略の部隊は三つに分かたれた。漢中から蜀へ攻め入る陽動隊。これは襄陽攻めにお前も他人事ではないぞという曹操なりの脅しだ。次に呉軍に対応する防衛隊。こちらはさきの軍より大規模だが、多くは新野に駐留する。
最後が襄陽を攻め落とし、あわよくば南下する軍。勢いよく鮮やかに奪取すればするほど呉と蜀は焦りを生み、手を結ばざるを得なくなる。決戦への布石というわけだ。
今回ガイウスは最後の軍に配属された。既に雍州牧の地位を返上したため、漢中に縛り付けるつもりは曹操にはないようだった。
江陵は荒れに荒れた。
元々劉表が存命だった頃も劉琮派と劉琦派による後継争いは絶えず、水軍を司る蔡一族や孫策を始めとする各地からの間諜により、現在も降伏派と抗戦派が唾を飛ばして争っている。
夏侯の旗が二つ。さらに西、程、徐の旗が居並ぶ。抗戦派のものか、一万を超える兵が城の前に待機している。これを心胆寒からしめて、降伏派に一切の希望も見せずに終わらせる。
「よいか魏の強者どもよ! このような雑兵疾く斬り伏せて城門をこじ開けよ! 偉大たる曹孟徳様の道を切り開け!!」
やはり戦場では夏侯惇の声が一番よく響く。傍に控える兵たちの士気が上がったのを敏感に感じ、ガイウスは深く息をして無駄な力を霧散させた。
「作戦は予定通り。如才隊が弓で一あてした後に元譲隊があの壁を食い破る。そのまま城まで突っ込むので我らが残った兵を残さず食い尽くす。横陣の構えで圧死させよ」
戦闘はもののニ時間前後で終わった。それというものの劉琦とそれに連なる数名の武将が野戦で一当てした後籠城を始めたが、劉琮があまりの夏侯惇の怒声に怯んで降伏派に傾き様子見を始めてしまったためだ。これは同時に派閥内にある水軍の長蔡瑁を無駄にすることになる。
本来籠城とは援軍の見込みがあって行うものだ。ここで劉備に救援の使いを出して全軍で防戦を始めていれば歴史は変わったかもしれない。
「城門が開きました。襄陽は降伏を選んだようです」
「そうですねー。では風たちは南に行きましょうかー」
「はい」
ここからの戦は塩梅が難しい。荊州を睨む二国に対して魏は襄陽という要を入手した。さらに南下して、江陵を得れば二国は進む先を失い、魏を挟んで各国で大国魏と対峙しなければならない。
各個撃破すれば楽だが、曹操はそれを望まない。ガイウスも確かに一度明確な勝利を以て魏を中華の後継としての地位を名家たちに示さなければならない。
ここから先は形だけだ。曹操は攻める。そう思い込ませて二国をつなぐ。
「行きましょうか。香風殿」
「うん。みんな、行くよー」
ほとんど消耗のない軍が縦列になって南へと侵攻していく。襄陽の南には漢水が流れ、その先には江陵へと続く要衝・当陽がある。我々の任務は、本隊の南下に先駆けてこの地を確保し、安全な進軍路を切り開くことだ。
後方から追いかけてきているはずの輜重隊が持つ船を待ちながら、一行はのんびりと進んだ。
***
事態は混迷を極めていた。
荊州も北部、河の南にある当陽まで辿り着いたことから、残るは渡河を行い襄陽に入る。そうすれば数日で曹操の領土である南陽郡へ至る予定だった。
しかし河の寸前まで辿り着いたとき、背後から馬が大勢走る音が身体を揺らした。使節団を遥かに超える大部隊が砂塵の向こうから駆けてくる。
速度を上げて先へ進むが差は急速に縮まる。やがて軍を率いる将の顔が判別できるようになったとき、それが馬岱であると官吏は知った。
(あの一瞬で身分が割れたか? いや、あの行軍速度はいくらなんでも速すぎでは……)
馬岱率いる騎馬隊は三千。それが真っ直ぐに使節団に向かってきている。遥か後方には全力で走る歩兵も見える。
このままの速度では轢き殺されてしまう。
しかし官吏の心配は杞憂だった。騎馬隊は使節団の前で二股に分かれ、歯牙にもかけず北上していく。
(これはもしや国境で何かあったのか?)
いかにも、ガイウス軍は渡河する準備に入っていた。襄陽と当陽は荊州南郡を通じて南北を繋ぐ要所である。経済的な中心地と戦略的な拠点。
しかし重装備のガイウス軍は大人数を同時に渡らせることができない。最低限の重装歩兵を接収した船で数往復して渡らせて防衛戦を築いた後、軽装歩兵や投擲隊を一気に通過させる。ガイウス率いる騎兵は用意していた浮力の高い大きめの船、馬が三頭乗れる程度のもの五艘でのピストン輸送になる。そしてガイウスが河の半ばを過ぎようとしていたそのときだった。
「敵兵確認。蜀の者と思われます」
「騎兵三千、後方に歩兵が二千ほどあります」
よもや蜀がここまで荊州に手を伸ばしていたとは思わず硬直するガイウス。しかし程昱は持ち前の観察眼で敵の動きを観察している。
「これは計画的ではない衝突ですねー。敵騎馬の疲弊も激しく、援軍もないでしょう」
「なるほど。味方は既に半数以上渡河しています。風さんは戦うべきだと?」
「善戦して撤退が最上。ここで勝ち、当陽攻めに時間をかけて引き返すのが次策かとー」
「では急ぎましょう」
馬岱の騎馬隊が密集した歩兵の盾に向かって騎馬の速度を乗せて槍を穿つ。ほとんどが弾かれるが当たりどころの悪いものは貫通し兵に損耗を与える。
一方ガイウス軍の投擲隊は石を騎手に向かって高速で放る。命中率は悪いが何人かの兵が落馬していく。
最も無勢だったのが軽装歩兵で、重装歩兵の盾に潜んでは攻勢をかけるが騎馬には叶わず一気に数を減らしていく。
「あははは! 王秀も渡河中に警戒を怠るなんてばーか!」
その声を聞いて相手が馬岱だと知る。幸いにも遭遇戦だから罠はないだろう。
「重装騎兵ニ百、渡河を終えました」
「ご苦労。これだけあれば鋭い鏃にはなるだろう」
旗手の合図で騎兵が蜂谷の陣を取る。漆黒の鎧を纏った騎兵はそびえたつ壁のようで、それが一斉に突撃を始めた。
もちろんその攻撃力は馬岱も知っている。しかし機動力に劣る弱点も知っているのだ。
「敵の突撃を避けて後ろに回るよ!」
「いけません、敵歩兵が障害に……!」
ここで自由になった重装歩兵が騎兵の側面のカバーに入った。陰に潜んだ投擲隊が真っ直ぐに向かってくる馬岱軍を執拗に狙う。さらに追いついた歩兵隊はガイウス軍の軽装歩兵が待ち構えていたかのように襲いかかられた。
「長槍降ろせ!」
騎兵が持つ通常より長い槍が馬岱たちの頭上に降ってくる。当たれば失神か骨折か。戦闘は継続できない。
それを避けても後続に槍の壁が襲いかかる。馬岱軍は総勢二千まで数を減らしていた。対してガイウス軍は二割の損耗といったところだ。
「撤収ー! 長沙で守りを固めるよ!」
ガイウスにも聞こえるような大声。つまり多くの守兵を用意した長沙ならば容易に落とせまいという馬岱のブラフだ。
そしてガイウスはそれに乗った。
「今日を以てここを魏の国境とする。孤立した貴君らの命運は短いぞ」
撤退を始める馬岱からの返事はなかった。ただ去り際に彼女が何かを避けていくように走るのが気になった。
それは馬岱にしても同様で、結局あの一団が何だったのかという当初の目的すら果たせなかった。今ガイウスがこの馬にいるのは必然か。考えることは多いが、まずは動き出した魏の報告を軍師たちに送ることが先決だ。
一方、馬車を率いた一団へと辿り着いたガイウスは跪く彼らが平民ではないことにすぐに気がついた。所作が美しすぎる。
「馬上から失礼する。貴君らは何処からここへ参った。この先は魏になりました」
「それは目的地が近づいてきてくれたということ、我々としてもありがたいことです」
「む。魏への訪問者でしたか」
さてはまだどの勢力にも組みしていない荊州のいずこの郡県からの使者ではなかろうか。
すると程昱が扇子で少し離れたところにある馬車を指し、口元を戻した扇子で隠していつもの宝慧の声で話し始めた。
「あの荷物は俺にも用意できねぇシロモノがあると見たぜ」
「風さんでも?」
「凛ちゃんから借りた天の国の望遠鏡なるもので見ればそのようですねー」
そうなると相手はどこかの富んだ者のようだ。今それほどの宝を用意できる国は三国以外にあるまい。訝しむガイウスとは裏腹に、低い姿勢でちらりとガイウスを観察していた官吏が声を上げた。
「その体躯に鎧……あなたが西王秀将軍ではありませんか?」
「いかにもそうです」
「それはさらに運が良い。我々は交州から来た使節団なのです。曹孟徳様に謁見するのにぜひお力になっていただきたい」
それはどういうことか、と声を上げようとしたとき、一団の後方から数名の男が前に進み出た。外套で顔は見えづらいがいやに背が高い。
その中の一人が頭巾を取る。ガイウスは驚いた。彫りが深く碧い目、そしてくすんだ金の髪。日焼けしているものの白人のそれはまさに漢人ではない証だった。
「はじめまして。私はウィブリウス・エブルヌス・アルビーニウスと申します。ローマからの使者として参りました」
かくして流れ着いたローマ人は、遠い異国の地で歴史と異なる邂逅をした。
ローマ人が漢にやってきたことに加え、インドからの貿易は結構盛んだったようです。
実際シルクロードが後漢の政策で封鎖されていたことから海上貿易が発展していたそうです。