HLからの訪問者 趣味と特技は斗流血法です   作:nonose

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プロローグ HLでの日常

 ようこそ、皆様方

 ここは異形と異様で形作られる異界HL──ヘルサレムズロット──。

 

 現在から約3年ほど前、ここHLは元々アメリカ合衆国周辺の中でも最もと言われていいほど活気づいていた国紐育だ。

 

 しかしいまはそれは見る影もない。見えるのは所狭しと群がる人と……そして化け物と言い表せれる知能を持った生命達。

 

 ネオンライト輝く人々の街はいまや見ることは出来ない。その代わりに霧で煙ったい街並みが見えるくらいのものだ。

 

 だが何故? 誰もがしる紐育がこのような有様になってしまったのか? 

 

 その全ては3年前、そうあの日から始まったのだ。

 いまでは「NY(ニューヨーク)大崩落」と呼ばれる世界最大の未曾有の災害。

 

 それの影響によって紐育は無惨にも崩壊してしまった……。

 人々は嘆き崩れた。あの紐育がまさかぶっ壊されるだなんて夢にも思わないよ! との有様で、しかもそこで恐怖は終わらなかった。

 

 なんと、崩壊した紐育はどこぞの異空間の先、異界と繋がりそれが交わって新たな都市が出来上がってしまったのだ。

 

 それがここHLだ。その影響で霧は濃いわ、謎の生き物は往来中だわと、世界最大の危険都市とまで言われる羽目になってしまったわけだ。

 

 そんなイカれた街HL。そんな街がまさか平和であろうはずなんてない。

 何故そう言えるのか……そうだなぁ。

 

「…………なんでだろうなぁ」

 

「待てぇっ!! 一人で現実逃避して逃げようとしてんじゃねぇっ!?」

 

 いままさに俺達が迷惑な野郎のせいで解き放たれた化け物に追われ続けているからだ。

 

『ハロー諸君! 今日も堕落を貪っているかい? そんなところで今日は昼食を作る傍らに作った魔獣を解き放つことにしたよ! 』

 

 などという狂言から始まってHL中に解き放たれた巨大魔獣に追われているのだ。

 親切ご丁寧に説明してくれたところ、ヤツらの口の中は異空間と繋がっており食われたら最後魔獣本人にすら食ったモノがどこに行くのかわからないらしい。

 挙句の果てに、デカさはマジでビックリする程デカイ。そうだなぁ、ビル20階建くらいはあるんじゃなかろうか? 

 

「ハハハ、なにこれやっべぇ……」

 

「マジでいい加減にしろよぉ!? 戦えるのアンタしかいないんだからシッカリしてくれよ! ……いやしてくださいっ!」

 

「バカ言えレオくん。俺の事を過大評価しちゃァ、いけないよ。これでもライブラの中で言えば下から数えた方が早いとまで言われるエイマさんですよ? なんなら爺さんからは斗流血法の使い手としてゴミとまで言われる始末だぞ? ……なんなら最近チェインさんにそことなくアピールしてみるものの無惨に撃沈したエイマ・ユウガオだぞ……ハハっ、言ってて自分が悲しくなってきた」

 

「……いやそれは、なんかすいません。てか、最後のはいま関係ないでしょ」

 

「関係ないと申すかね。いま死の間際だと言うのに最後に遺言くらい残してもいいんじゃないかね?」

 

「ああああああっ! 何も聞きたくない聞こえないぃっ!」

 

「ふっ、少年。元気であれ」

 

「うっせぇよっ!」

 

 キラッと決めポーズまで決めたのに不満だったらしい。

 

 そんなこんなで俺と一緒に横で走り回っているのは、レオナルド・ウォッチ少年。

 俺とのある共通点でよくペアを組まされる歳下の男の子だ。

 意外と決める時は決める強いヤツだ。決めるところも、決めないところも何も決めれない俺と違ってな……。

 あれ? なんか涙が出てき「ぐボへっ!」

「…………!? え、エイマさーん!?」

 

 あれぇ、なんか空が見えるなぁ。今日もいつも通り霧で濃くて晴れなのか曇りなのかよく分かんねぇや。

 あは、あはは…………。

 

「…………じゃねぇっ!? 身体が痛てぇ!? まさか弾き飛ばされたのか……!」

 

 恐らくというか、十中八九。紐なしバンジー状態のまま下を見ると。

 まあ、思っていた以上の高度で震えたね……。ではなくて、未だにレオくんが魔獣に追いかけ続けられていた。

 このままじゃ、レオくんもお亡くなりになってしまう。挙句の果てには俺もこのまま潰れたトマトだ。

 

「……いやぁ、困ったねこれは」

 

「………………!」

 

「おや? 何か奇妙な声が聞こえてくるような」

 

「…………!! …………!!」

 

「いやぁ、俺も歳かな。耳がイカレちまったみたいだわ」

 

「…………ッ!! イカレてんのテメェの頭だボケェッ!!」

 

「ゴハッ……!!」

 

「何が困っただ! 血法使え血法! お前でも血糸くらい出せるだろうが!! ……てか、お前はその腕を使えよ!」

 

「いやぁ、ゴメン正直助かった。そしてその問いにはこうして答えよう……すまん、腕がお釈迦になっちまった」

 

 血法を使って高速で突っ込んできたのは褐色銀髪の男。ザップ・レンフロ。

 俺も使用する斗流血法カグツチの使い手だ。

 俺で言う兄弟子みたいなものなのだが、コイツがまた酷い糞を糞で煮えたぎらせたクソみたいな性格をしてるのがこの男だ。

 

 まあそれはさておき、そこはかとなくというか直球でバカにされつつも心配してくるツンデレ男にこうして何故何も出来ないのかという証拠を、無惨にも向いては行けない方向に折れ曲がった腕を見せることで解決させる。

 

 

「……うっわ、キッモ。って、その腕がそんなんになっちまうほどやべぇヤツってことか」

 

「Exactly、その通りでございます。あれは力技でどうにかしようとかしない方がいいな。出来るとしてもクラウスさんでワンチャンくらいなもんだね」

「…………となると」

 

「まぁ、俺達には打つ手なしってワケだ。特に俺はな」

「…………帰るか」

 

「いやいや、まだレオくん追われてるから助けたげてよ」

 

「いやぁ、でもなぁ……何となく嫌ぁな気がすんだよな」

 

「言いたいことは分からなくもないけど、それにしても相も変わらず飽きずにああして面倒事を増やしてくれるもんだな、あのアホボケ王」

 

「この前はなんだったか」

 

「ほら、アレだよアレ。レオくんの頭の上に装着された、物を食えば食うほどデカくなるキモイやつ」

(血界戦線back2back1巻─3話参照)

「…………あぁ、アレか。嫌なもん思い出した」

「まああの後、飲み会焼肉だったから余計な……そんなこと言ってる間にほら、着いたぞ」

 

「……チッ、しゃぁねぇ助けてやるか。おーい! 陰毛頭ァ!」

 

「……あ!? その腹立つ不快な声は……ザップさん! てかエイマさん生きてたんすね!」

 

「おーう、こっちはバッチリよぉ。うちの不肖兄弟子が助けてくれたわ、レオくんは大変そうだね」

 

「見てわかってるなら助けてください……よっ!?」

 

「だって」

「……おい捕まれ陰毛頭〜」

 

「いちいち一言余計なんだよ! ……おわぁっ!?」

 

 血法で作り出される血の赤い糸で見事魔獣の目前から釣り上げられるレオくん。

 よかったよかった助かったみたいで

 

「ところでザップ?」

 

「あぁ?」

 

 

「俺の事を支えてる手を離したら、俺ってどうなんの?」

 

 

「……はぁ? そりゃ、勿論落ち……る……に決まって……ぇえぇぇぇっ!? やっべぇ!? やっちまった!?」

 

 ザップに離された手はそのあとも俺の手に届くことなくそのままゆっくりとまた俺は紐なしバンジーを味わう羽目になった。

 

「……あぁぁぁぁぁっ、臓器が浮き出そうぅぅぅ」

 

 さっき感じた紐なしバンジーはこんなにも景色がゆっくりとしていただろうか。

 何故だろう、なんでいまこのHLで過ごしたクソだけどそれなりに面白かった記憶がポツポツと思い浮かんでくるんだろう。

 

 

「……ああ、これ走馬灯ってやつだ」

 

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