光は屈折しても恋はまっすぐ! -キュアプリズムに恋した少年の話-   作:寿垣遥生

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遥生です。いよいよわんぷりの開始までカウントダウンとなって参りました!ひろプリロスはまだありますけど、新しいプリキュアに向けて気持ちを週末に向けて切り替えていきたいと思いますよ…わんぷりの方も将来的にはこのような恋愛作品を書きたいですね。その構造も少しずつできているのでまあ原作のストーリーの進展次第かな?やってやりますよ。

そして、ここのひろプリもいよいよ佳境です!琢郎とキュアプリズムのデート…念願のデートに気持ち膨らむ琢郎、果たして彼女とどんなひと時を過ごすのか?そして、琢郎は…ひとまず今回は前編をお届けいたします。最後までどうぞお楽しみあれ!


キュアプリズムとデート(前編)

side琢郎

 

「よしっ、これで完成だ!」

 

 デート当日の朝、僕は仕事休みの父さんから『俺が髪型をセットしてやる』言われて任せることに。ひとまず完成したということで目を開けて鏡を見ると…

 

「えっ、リーゼント?」

 

 僕の髪型はどこかの番長のような立派なリーゼントになっていた。僕の主観かどうかは分からないけど、何となく時代錯誤でダサいようにも感じる…

 

「見て分かるだろ。俺が学生の時はこの髪型がモテてたんだぜ?リーゼントは時代最先端の髪型だったんだ!」

 

「いや、流石に今の時代にこれはモテないよ…これが似合うイケメンがいればモテるんだけど。」

 

「バカ野郎!福〇蒼汰がいるじゃねえかよ…仮面ラ〇ダーで主役を張っててリーゼントにしてただろ?あんな国民的イケメン俳優がしてるなら琢郎もしなきゃ損だぜ!」

 

 父さんは僕を論破しようと前例として福〇さんの名前を出してくる。しかし、それはもう10年ぐらい前の話で彼はこの作品以外ではリーゼントにしていないんだよね…それで、その作品に出ていた時は外を歩いていてもリーゼントじゃないからバレなかったらしい。ただ、芸能人でもない一般人の僕がするのはちょっとね…

 

「浩央ったら、本当にリーゼントが好きね。」

 

「まあな!俺も学生時代はリーゼントにしてモテたもんよ…好きになってくれた女は20人ぐらいいてファンクラブだってできてたぞ?裕子にも今度その時の写真を見せてやるよ。」

 

「それは楽しみ!浩央のかっこいいところ、沢山見せてね♪」

 

「もちろんだ♪」

 

「あのぉ…ラブラブしてるところ悪いけど、髪型を直してもらえませんかね?この髪型じゃ行きたくないんだけど。」

 

「男が人の決めた髪型にごちゃごちゃ言うな!それはそうと時刻はもう9時40分だぞ…約束は10時じゃねえのか?」

 

「えっ!?ヤバい…もう時間ないからこのまま行くよ!行ってきます!!」

 

「「行ってらっしゃ〜い。」」

 

 リーゼントのセット並びに髪型のことで父さんと揉めたり、父さんと母さんがラブラブしていたらいつの間にか時計は9時40分を示していた。本当に時の流れって早すぎる。髪型そっちのけで大慌てでソラシド駅へ向かうしかないよ…本当にウチの両親はどうかしてるとしか言えない。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

(時刻は10時5分…ちょっと遅れたか。)

 

 僕は家を出てからソラシド駅まで全力疾走で向かった末に5分遅刻しながらも無事に到着。本来だったらかなり早めに出てから歩いて余裕を持って行こうと思ったらこんなことになってしまうとは…おまけに道中では『変な髪型』と通行人から指を差されて笑われもした。それでも僕は立ち止まることなく駅まで走り切ることには成功…しかし、キュアプリズムの姿はまだない。とりあえず、額の汗を拭きつつ待ち続けるのみだ。

 

(キュアプリズムとデート…ついに夢が叶う時が来たんだ!緊張するけど、こんなリーゼント頭で良かったかな?それでも今日でこの恋に決着をつけるぞ!キュアプリズムは僕のものにしてみせる。)

 

「琢郎くん♪」

 

 その時、背後からふんわりした優しくて甘く可愛らしい女の子の声が耳に入る。この声の持ち主は僕の知る限りは二人のいずれか…一人は僕が恋しているキュアプリズム、そしてもう一人は親友のましろさん、君はどっちなんだ?そう思ってパッと振り向く。

 

「えっ、キュ…キュッ…キュア…」

 

「?」

 

「キュアプリズムだああああ!」

 

 そこにいたのは間違いなくキュアプリズム本人だった。編み込みもしているピンク色の長い髪は艶やかで白い大きなリボンも耳飾りも似合いそれでいてアニメから飛び出したような顔面偏差値で白のドレスも似合っており、まさに天空から舞い降りた天使のようなその姿は僕をあっという間に骨抜きにしてしまう。

 

「待たせてごめんね。変s…ううん、着替えるのに時間がかかっちゃって。大丈夫だった?」

 

「いや、僕も髪型のセットとかに時間をかけちゃって今着いたところ。お互い遅刻だよ…」

 

「そうだね。でも、今日の琢郎くんの髪型…いつもと違うけど何かあったの?まるでどこかの学校の番長みたい…」

 

「ああ…実は父さんにセットを任せたらリーゼントになっててね。ダサいでしょ?」

 

「ううん…むしろ強そうかも?私はかっこいいと思うよ!」

 

 キュアプリズムは僕のリーゼントを見てそれを褒める。周りからはバカにされて恥ずかしかったけど、大好きな人から褒められればもう僕は幸せだ。

 

「ありがとう。そんな君もいつもと雰囲気が少し違うけど、もしかしてお化粧してる?」

 

「当たり!実は家を出る前にお化粧もしてみたんだ…どうかな?」

 

「うん、お化粧効果で可愛さももっとアップしてるよ!100点満点が200点超満点って感じ?」

 

「本当に?嬉しいな…琢郎くんのこういう素直なところ、本当に素敵だよ♪」

 

 僕がキュアプリズムのことを褒めると彼女は満面の笑みを浮かべて『素敵』と褒め返す。普段はお化粧はしてないけど、こういう時にナチュラルメイクで出陣したことでもう可愛さは赤字覚悟の増量キャンペーンである。元から可愛いのにこんなにバフがかかったら好きになるしかない!

 

「そう言ってもらえて僕も嬉しいよ。時間も押してるし、そろそろ行こうか…今日は沢山楽しもうね。」

 

「うん♪」

 

 そして、僕達は駅を出発して最初の目的地へと向かう。ついに始まったキュアプリズムと二人きりのデート…こういう雰囲気はましろさんと練習したからその分の慣れはある。とりあえず、彼女と手を繋いでみた。

 

「えっ、手を繋いでくれるの?」

 

「うん。折角の機会だし、思い出作りとはぐれないようにね…」

 

「分かった…それじゃあ、私も離さないからね。」

 

 キュアプリズムは僕が握った手を握り返す。女の子は手を繋いでも案外平気…ましろさんもそんな感じだったけど、彼女も同じですんなり受け入れてくれた。ましろさんとキュアプリズムはなんて優しい女の子だろうか…そんな素晴らしい出会いに僕は世界一の幸せ者だと言える。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから僕達はまず最初にショッピングモールの洋服屋さんに立ち寄る。そこでそれぞれに似合いそうで夏でも着れる服を探しているところだけど、キュアプリズムにはどんな衣服が合うんだろうか…理想としては可愛さとちょっとしたセクシーさもあるやつが望ましい。そんなのがあるのやら?

 

(これは…良いんじゃないか?)

 

 僕はある組み合わせを見てそのセットを手に取った。へそ出し仕様の白のトップスにミニスカート…肩とお腹(おへそ)が出てる感じといつものスカート丈より短くて生脚がこんにちはしそうなミニスカ、僕の中では程良くセクシーで可愛いんじゃないかと思う。

 

「琢郎くん、服は決まった?」

 

「うん!キュアプリズムも決まったみたいだね…それぞれ交換して試着しようか。」

 

 そして、僕達は選んできた服を交換してからそれぞれ試着室に入ってから着替えていく。隣からはキュアプリズムの衣擦れ音も耳に入ってきてイヤらしい気分になるけど、ここで興奮しておかしなことになったら幻滅されてしまう。冷静に、冷静に…

 

(しかし、タンクトップを着るのは久しぶりだな…この上から白シャツを羽織る感じか。これってイケメン俳優が着そうな組み合わせだけど、彼女にとって僕はイケメン俳優と同等という意味なのかな?)

 

『着替え終わったよ。琢郎くんは?』

 

「ちょっと待って…半ズボンがまだ!」

 

 色々と考えているうちにキュアプリズムは着替えを終えていていたようだ。僕もとにかく急いで格好を整えつつ着替えを済ませていく。

 

「よしっ、お待たせ!」

 

 とりあえず、僕は半ズボンも履き終えて着替えを完了させてから試着室の外に出る。その目の前にはなんと、僕が組み合わせた衣服を着ているキュアプリズムの姿があった…肩出し、へそ出しでミニスカからは置いてあったマネキンのように太ももがこんにちは状態となっておりK-POPのアイドルみたいだ。

 

「そんなに見られると恥ずかしいよ。特にお腹と太ももはちょっと…」

 

 キュアプリズムはモジモジしながらおへそと太ももを手で隠そうとする。でも、肩と鎖骨は見られても良いんだな…そこはもう普段からチラッと見えてるし問題ないのだろう。

 

「全然気にしないで。(お腹と太ももは)太くなく健康的だし、(おへそは)変な形もしてないから!凄く可愛いし似合ってるよ。」

 

「そう?だったら良いんだけど。琢郎くんの前以外じゃ着れないよ…」

 

「セクシーな服は好きじゃなかった?」

 

「嫌い…じゃないよ。むしろ着てみたいと憧れてたけど、私ってそんなにスタイルは良くないでしょ?だから着れる自信がなかったの。でも、似合ってるみたいで良かった…」

 

 僕はキュアプリズムの反応からしてこういう服が好きじゃないのかと不安に思っていたのだが、むしろ憧れてたということで安心した…彼女のスタイルとしては身長は中学二年生(ましろさん情報)の平均ぐらいはあって胸だって同世代の異常に大きい人と比べたら圧倒的負けてるけど比較的ある方でお腹も太ももも適度に良い肉付きをしている。こんな人がスタイル良くないって謙遜しすぎだと思うけど、口に出して見た感想を言ったら報告を受けたましろさんから『セクハラだよ!』って怒られるし心の中に感想は留めておこう。

 

「僕の方は似合ってる?見たところ俳優さんがドラマで着てるようなものだからちょっと不安だけど…」

 

「凄く似合ってるよ!琢郎くんって俳優さんみたいにかっこいいからこういうのも合ってるかなと思ってたんだ♪」

 

「そうかい?僕が俳優…いやぁ、照れるね。」

 

「私も凄く似合ってると思いますよ!それで、ご購入の方はどうなさいますか?」

 

「それじゃあ、琢郎くんの分d…「どちらも買います!」…ええっ!?」

 

 店員さんがやって来て購入についての質問をしてきてキュアプリズムの意見を遮りどちらも購入すると宣言した。僕は彼女が考えた組み合わせは気に入ったし、僕が考えたコーデも気に入ってるから選んだ…それだったら買うしかないでしょ!

 

「かしこまりました。それでは、ご購入された商品は全て半額としますので…2500円です!」

 

「良いんですか、これだけ買ってこのお値段で?」

 

「キュアプリズムさんはこのソラシド市を守ってくださるヒーローなのでヒーロー割ですよ。これからもよろしくお願いいたします!」

 

「は、はい…」

 

 こうして僕は二人分の服を全額男気を見せて支払って購入した。次の夏にデートに行く時はこの服装で行けたらな…そう思うとこれからのことも楽しみが膨らむばかりだ。今回で決着をつけて付き合い夏にこの続きが楽しめたらと思う…

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 服を買った僕達はまた自分の服に着替え直してからゲームセンターに移動してからそこで遊んでいく。今はカーレースのゲームで二人対戦をしているところだ…ちなみに僕はこのゲームのライセンスを持っていてランクは上から二番目のA、こんな僕が真っ向勝負をすると初心者のキュアプリズムに悪いので30秒ハンデを設けてから30秒前に行かせて追いかけることに。今は中盤から終盤に入るところだ…

 

「あと3km…とにかく逃げないと!」

 

(キュアプリズムはカーレースのゲームは初めてなのにも関わらずなかなかやるじゃないか…流石はプリキュア、動体視力とかの感覚が鋭いから難しいコーナーも咄嗟に反応している。アクセルとブレーキしか教えてないのに大した素質だよ…でも、着実に追いついてる!)

 

 彼女の走りも初心者にしてはかなり良いのだが、こっちはオンライン対戦で最高80連勝してきたんだ…好きな子相手とて負けたら示しがつかない。そして背後につくといつでも抜ける態勢は整った!

 

「そこだぁっ!」

 

 僕は最後のヘアピンコーナーでキュアプリズムの車を追い抜く。これが渾身の突っ込みだ!ここで抜かれたらもう抜き返すことは不可能と思っていた。しかし…

 

「えっ、抜き返された…!?」

 

 キュアプリズムにコーナーの出口でまた抜き返されてしまう。僕も少し流れ気味かなと思っていたらこれを狙っていたのか?これはしてやられたよ。そして、このままゴールへ飛び込んだ…

 

「私、勝っちゃった!」

 

 当の彼女は勝ってしまったことに驚く。まあ、レースゲームをしたことがないでこれだからね…これはもうビギナーズラックなのか求められる才能が開花したのか、いずれにしてもとんでもないことをしてくれた。僕もこれには一切の悔いはない…負けるとしたら好きな人に負けてしまうだろうなとは思っていた。

 

「おめでとう。参ったな、まさかあそこで抜き返すなんてね…狙ってたでしょ?」

 

「うーん、偶然かな…琢郎くんも上手だったよ!」

 

「ありがとう。でも、キュアプリズムも初めてにしては上手かったよ…そんな君にはご褒美として何か欲しい物をクレーンゲームでプレゼントするね。」

 

「良いの?ありがとう!」

 

 そして、僕はキュアプリズムをクレーンゲームコーナーへと案内する。どんな景品があるのかはまだ見ていないけど、恐らく女の子が好きそうなぬいぐるみやお菓子とかはありそうだ…僕はここの常連ではあってもクレーンゲームまではあまり把握してないからよく分からないけど。

 

(移動中…)

 

「ここがクレーンゲームコーナーだよ。多種多様の物があるからどれでも好きなのを選んでね!」

 

「それじゃあ、このピンクのうさぎのぬいぐるみの台にしようかな?」

 

 キュアプリズムはクレーンゲームコーナーに着いてから早速大きなピンク色のうさぎのぬいぐるみが1個置いてある台を指定してきたのでそれに挑戦することに…このぬいぐるみは僕の目から見ても可愛いから欲しくなったんだろうね。とりあえず、百円玉を入れてスタートしていく。

 

(これを一発で取れれば僕は完全無欠のヒーローだ!かっこいいところを見せたいね…)

 

「琢郎くん、頑張って!」

 

「ありがとう…よしっ、ここだ!!」

 

 僕は真ん中にアームを定めてボタンを押す。アームは開いてぬいぐるみを捕獲しようとする…これで捕まえられるか、天国と地獄を分ける審判の時が来た。

 

「ああっ…折角掴んだのに!」

 

 しかし、ぬいぐるみは掴んだところで持ち上がることなく落ちてしまう。どうやら持ち上がるポイントから僅かにずれていたようだ…一発で取れなかったことは悔しいけど、まだ百円玉は結構ある。何なら千円札を両替すればここで半日過ごせるどけはできるぐらいはあったかな?しかし、それをすると今後のスケジュールに影響が出てしまう。(時間的にもお金的にも…)

 

「大丈夫、まだまだチャンスはあるよ。焦らない焦らない…」

 

 僕はもう一度百円玉を入れて再挑戦する。とりあえず、ここは冷静に行こう…焦っても捕まえる手段を失うのみ。クレーンゲームは頭を使った景品との駆け引きのある頭脳戦だからね!ここで慌てているようではかっこ悪くて示しがつかない。

 

(ここなら取れるはず…行け!)

 

 今度こそ僕は狙いを定めてボタンを押す。アームは下がっていきぬいぐるみを掴み持ち上がる…ここまで来ればもう後は持っていくだけだ。このまま、このまま!

 

「やったー!」

 

「よしっ、ぬいぐるみゲットおおおお!!」

 

 こうしてキュアプリズムが求めていたぬいぐるみは二発で捕まえることに成功。僕はクレーンゲームはあまりしないからどうなるかと思ったら上手くいって良かった…僕は彼女のヒーローになれたのではないのか?

 

「琢郎くんは凄いね…どのゲームをやらせても上手で本当にかっこいいよ。」

 

「アハハ、僕にかかればクレーンゲームも朝飯前だよ!(まあ、実際はクレーンゲームはあんまりしたことないけどね…ゲットできて良かった。)」

 

 キュアプリズムから褒められて僕は堂々と威張ってみせる。しかし、心の中ではめちゃくちゃ焦ったよ…クレーンゲームのほぼ未経験なところが露呈しなくて良かったと思う。バレたら幻滅されてたかもな…

 

「どうぞ、大事にしてね。」

 

「ありがとう!可愛いなぁ…ピンク色のうさぎを見てると何故か親近感が凄く湧くんだよね〜。」

 

 うさぎのぬいぐるみを受け取ったキュアプリズムは嬉しそうな表情を浮かべる。そういえば何年か前のアニメでキュアプリズムに声の似たうさぎのキャラもいた記憶があるけど、それもピンクだった気もしたような…何か縁があるんだろうか?

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 そして、僕達はゲームセンターでの時間を終えてからお昼ごはんのためにサイゼリヤを訪れる。ゲームセンターではあの後、プリクラを一緒に撮ろうと思っていたのだが…よりにもよってプリクラはどこも混んでいて流石に荷物がある状態で長時間待つのは酷なので今回は予定変更せざるを得なかった。

 

「それにしても、デートでサイゼリヤというのってなかなか新鮮だね…普通ならマクドナルドとかスターバックスとかがデートで立ち寄るお店としては一般的だと思うけど。」

 

「嫌だった?」

 

「ううん…ただ、珍しいなと思って。」

 

 キュアプリズムは困った笑みを浮かべて僕をフォローしてるのかデートでサイゼリヤに行くことを『珍しい』と表現する。もしかして本当は嫌だとか思ってるんだろうか…少し好感度が下がったんじゃないかと不安だ。

 

「琢郎くんっていつもこのお店を利用してるの?」

 

「まあね。トシがオフの時で一緒に遊ぶ時はいつもここでお昼ごはんを食べてるよ…安くイタリア料理を食べれるし、僕達はもう常連でね。」

 

「俺がどうしたんだ?」

 

「うわああっ、トシ!?」

 

 僕がトシとのサイゼリヤエピソードをキュアプリズムに語っていると練習が終わってユニフォーム姿の本人が僕達の前に現れる。本当に彼は神出鬼没で思わずびっくりしちゃうよ…そんなトシは野球部の後輩を一人連れていた。

 

「だから、俺はお化けじゃないっての…どうしていつも驚くんだ?それはそうと、お前…どうしてキュアプリズムさんと一緒にいるんだよ!?」

 

「デートだよ。キュアプリズム、彼が僕の幼馴染で親友のトシ…挨拶して。」

 

「キュアプリズムです。はじめまして♪」

 

「波瑠俊雄です。貴方のことは琢郎から聞いてますけど、実物はかなり美人っすね…」

 

「嬉しい、ありがとう。」

 

 トシは実物のキュアプリズムを見て緊張しながらも美人と褒める。普段の彼は女の子の前でこんなことになることはないのだが、流石にソラシド市の英雄で超絶美少女を目の前にしたらこんな風になるんだな…

 

「それよりも、琢郎…お前はマジでデートでサイゼリヤに連れて来たのか?」

 

「マジだけど、何かまずかった?」

 

「バカ野郎!店の人がいるからこういう表現はアレだけど、サイゼリヤはデートに相応しくねえ場所なんだぞ…テレビ番組とかネットとかでもあるだろうが!?」

 

「うそでしょ…」

 

 トシから告げられた衝撃の事実に僕は言葉を失ってしまう。そんな情報があったんだな…僕は恋愛とかの知識は独学でそういうのは見てなかったから、美味しくて慣れてるお店に行けば大丈夫だとずっと思ってた。キュアプリズムがドン引き気味だったのはそれが原因だったのか…

 

「トシくん、大丈夫だよ。私は全然気にしてないの!実はサイゼリヤに来たのは初めてで私もよく分かってないから…」

 

「そうですか。とりあえず、良かったな…それとお前の髪型もどうしたんだ?リーゼントとか時代遅れだろ…」

 

「それに関しては触れないでくれるかい?僕じゃなくて父さんからされたから…」

 

「そうか…まあ、デート頑張ってくれ!」

 

「先輩、早く飯を奢ってくださいよぉ…お腹ペコペコなんすから!」

 

「おいおい、慌てなさんなって…じゃあな!」

 

 そしてトシは後輩の子に引っ張られるように奥のテーブルへと向かう。しかし、デートをこんなに楽しんでいてアレだけど彼はこのことを広めるかどうかが不安だ…まあ口は堅いだろうから信じるとしよう。

 

「とりあえず、注文しようか。キュアプリズムは何を食べる?」

 

「そうだね…琢郎くんのオススメを頼んでみようかな?」

 

「オススメか…僕の場合だと辛味チキンとミラノ風ドリアだね。いつも来た時に頼んでる組み合わせで、お手頃ながらこれでもお腹いっぱいになれるよ。」

 

「辛味かぁ…私、ちょっと辛いのは苦手かも。」

 

「大丈夫、ここのチキンは旨味の方が勝ってるからね…思ってるほど辛くないから安心して!」

 

「分かった、琢郎くんのことを信じるね。」

 

「うん!それじゃあ、ボタンを押すよ。」

 

 僕は店員呼び出しボタンを押してから注文をする。そして、出された辛味チキンとチキンドリアはとにかく見た目から美味しそうでお値段以上の味でたまらない…キュアプリズムはチキンもドリアも気に入ってくれたことだし、僕も美味しかったし最高のひとときだった!

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから食事を終えた僕達はしばらく休んでからショッピングモールを後にして駅前のカラオケ屋さんへと移動して案内された個室に入る。カラオケに関してもトシとは行ったことはあっても女の子とカラオケに行くのはこれが初だ…しかも二人きりだからトシとのカラオケと比べたら緊張してしまう。

 

「それじゃあ、琢郎くん…まずは何を歌う?」

 

「うん…ただ、その前にどうしても君に質問したいことがあるんだけど。良いかな?」

 

「質問…良いよ、何でも聞いて。」

 

「キュアプリズムの正体ってましろさんなの?」

 

「…」

 

 僕はキュアプリズムにギリギリアウト覚悟で前から思っていたことを質問をする。ましろさんとキュアプリズムは声も見た目も似てるしまさかと思っていたけど、これをついに本人から聞き出せる機会を見つけてぶつけてみた。彼女は俯いてから何かを考えてるのか黙り込む…やっぱり、まずい質問だったかな?

 

「…違うけど、半分正解かな。」

 

「半分正解…どういうこと?」

 

「実はね…私のこの姿は変身している姿なんだ。琢郎くんは前々から気づいてたみたいだけどよく当てれたね?」

 

「いや、トシから前に『お前が観ているアニメは大体変身して主人公が戦ってるだろ』って言われてたんだよ…あれを言われなかったらそうじゃないかと考えることもなかったかな?だから、僕の力で解いた訳じゃないよ。」

 

 どうやら僕がトシに言われて考えていた考察は本当だったようで本人の口から明らかになる。ただ、これを受けても僕は驚くことはなかった…でも、こうやって変身して戦うヒロインが現実にいるってのはまさかだよね。

 

「それでも、その事実を知ってくれたのが貴方で本当に良かったよ…他の人に知られたらみんな私や他の仲間の正体を特定しようとネットで動こうとする人が出てきて大変なことになってたかもしれない。でも、琢郎くんはそんなことはしないもんね…貴方は優しいし私達を守ってくれるから。」

 

「それは買い被りすぎだよ…でも、僕もなるべく君達を守れるように力をつけたいと思ってる。そのために頑張るよ!」

 

「ふふっ、応援してるね。」

 

 僕の強い意志に対してキュアプリズムは微笑んでエールを送る。元は人間だけどもまるで女神のようで優しい笑顔が眩しすぎて一瞬だけど目を合わせられなくなってしまう…この笑顔は何となくましろさんに似てる気もした。(本人はましろさんが正体だということを否定してるけど…)

 

「それで、誰かが変身している姿ということが分かったことを前提として君の正体って誰なの?変身を解いてその姿を見せてほしいよ。」

 

「えっ!?いや、それは…ダメだよ!いくら自分の姿が変身した姿ということを教えても私の正体は教えられないかな。」

 

「大丈夫だよ。君の正体のことは秘密にするし、ここは個室だから店員さんを呼び出さない限り誰も入ってこないから…ねっ?だから、お願いします。」

 

「ごめんね…それでもダメなものはダメなんだ。」

 

「どうして?」

 

「だって、琢郎くん…私の正体を知ると絶対無茶なことをするでしょ?ましろちゃんからは命を懸けて守りたいと思ってることは聞いてるけど、琢郎くんが私のせいでってことにはなってほしくないよ。」

 

 キュアプリズムは心配そうな表情で僕を見ながら本音を語る。それぐらいに僕のことを大事に思ってるんだな…まだ面識はそんなに多くないけど、その中で僕に『大好き』と言えるぐらいだから心より嬉しく思う。

 

「安心して。僕は君が生きている限り死ぬことはないよ…特訓を積み重ねる限り僕は強くなり続けるからね!キュアプリズムは僕が守る…自分も死なないし君を死なせない。」

 

「琢郎くん…」

 

「だから、正体を教えて?」

 

「もう、バカ!折角良いムードだったのに台無しだよ。とにかく、正体は絶対に教えません!」

 

「そ、そんな…」

 

 僕はこれでもかという男気を見せて正体を教えてもらおうとしたが、キュアプリズムから怒られてしまう…もちろん、僕の男気は本気で正体を見たいのも本気だよ。

 

「でも、貴方がプリキュアになったら…正体を教えてあげようかな?プリキュアになったら、ね。」

 

「本当に?それだったらプリキュアになってみせるよ!ヒーローの素質があればなれるんでしょ?だったら簡単…すぐなれるんじゃない?(…とは言ってみたけど、プリキュアのなり方が分からない。何かアイテムとか生まれるのかな?その鍵って誰が握ってるんだ…とにかく誰か僕をプリキュアにしてくれ!)」

 

「琢郎くんならきっとなれるよ。頑張って!」

 

 キュアプリズムは僕の苦し紛れの意気込みに対してそれにエールを送る。しかし、僕も少々イキりすぎたかもしれないかな…なれるかどうか分からないのにこんな強気になっちゃってさ。とりあえず、何とかならないものだろうか?

 

「ありがとう。とりあえず、そろそろ歌わない?」

 

「そうだね、まずは琢郎くんだよ。歌声楽しみにしてるね♪」

 

「任せて!練習の成果見せるよ。」

 

 そんなこんなで僕達はとにかく歌うことに。キュアプリズムの正体は僕もプリキュアになれば知れるのか、それでも誰かが変身した姿という収穫はあったのでまずまずだ…これを楽しみにしつつも今はデートをとにかく楽しもう。

 

後編に続く




…いかがでしたか?10000文字オーバーの長丁場…デートはやること多いですよ。

今回はデートも充実してましたけど、その中で琢郎がキュアプリズムの正体に迫るシーンが終盤にありました。彼はましろちゃんが正体ではないかと思ってましたが、実は大正解!相手のましろちゃんは正体を明かさなかったものの『誰かが変身した姿』ということだけは明かしたのです。ここで正体を明かしてたらどうなっていたことでしょうか?その結末は自分にも分かりません。

しかし、羨ましいデートですよ…手を繋いだり、セクシーな服を着せたり、ゲーセンで楽しんだり、外食を楽しんだりとね。おまけにカラオケの個室で二人きり!彼としては変身していない『虹ヶ丘ましろ』としての彼女と楽しみたいこととしてやりたかったことを実行することに…まあ、元からこれらをしたいとは思ってましたけど。

そして、いよいよこのデートも次回で後半戦。琢郎はついに決着をつけようとついにトリガーを引くことに…ましろちゃんがどんな決断をするのかにご注目ください!

最後に、わんぷりについてですが…正規戦士の残り二人の声優が先日発表されましたね。上田麗奈さんと松田颯水さん…上田さんは鬼滅の刃のカナヲちゃんの声でお馴染みで前からプリキュアになってほしいという声がかなりありましたけど、念願の実現でした。松田さんはひろプリではソラちゃんのライバルであるベリィベリーとして準レギュラーを張りそこからプリキュアへ昇格。どんな声になるのか楽しみですね!わんぷりワクワクだぁ♪

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