光は屈折しても恋はまっすぐ! -キュアプリズムに恋した少年の話- 作:寿垣遥生
そんな今回は引き裂かれた琢郎とましろちゃんの関係がどうなるのかの完全決着の時が来ます!仲直りできるのか?そして、恋の行方も…どうぞお楽しみに!!
sideましろ
「じゃあ、ここを虹ヶ丘さんに読んでもらおうか…」
「…」
琢郎くんと喧嘩しておよそ1週間ぐらいが経った。あれから彼は学校に来ていない…お休みしている理由について先生達は『体調不良』とは言うけど恐らく原因は私だ。これまで皆勤賞で生活リズムを崩すことのない彼が体調を崩して学校を休むなんてまず考えられない…しかもあの喧嘩の後だから原因はそれで心が辛くなり体調に出たのではないかと思う。彼を傷つけてしまった罪悪感が私の中を巡り巡って集中力は最初から切れている状態だ…
「虹ヶ丘さん?虹ヶ丘さん!」
「ましろさん…先生が呼んでますよ?」
「は、はいっ!」
ソラちゃんの声を聞いて私はようやく先生が呼んでることに気づき立ち上がる。今日というか最近はいつも上の空状態が多い…琢郎くんがいなくなってからほとんどこの調子だ。
「とりあえず、東口くんが読んだ続きから読んでくれ。」
「あのぉ…それって何ページでしょうか?」
「なんだ、君は授業を聞いてもいずにぼーっとしてたのか!?まったく…今まで真面目な優等生だと思ってたが石井くんが休んだ途端に腑抜けになりやがって。とりあえず、君だと時間のロスになるから座りなさい…それじゃあここを古性さんが代わりに読んでくれ。」
私は先生に怒られてからもう一度席に座る。運動会の練習でも怒られるし、授業でも怒られて…琢郎くんのことで頭がいっぱいだから何も身に入らない。本当に最近の私は変だ…
「ましろさん…最近どうしたんですか?授業も運動会の練習も全然集中できていませんけど。」
「うん、ちょっとね…」
「もしかして琢郎くんのことが気になったりとか…じゃないですよね?」
「そうなんだ、ここ何日か私は琢郎くん家を訪れて謝ろうとしたけど琢郎くんのママから『息子は貴方に会いたくないから来たとしても会えない』と言われ続けて門前払いみたいな感じだから未だに話せてなくて…」
「そうですか。でも、いつかは琢郎くんも心を開いてくれる時が来ますよ?諦めなければ良いことは必ずあります…最後まで希望を持ち続けてください!」
「ソラちゃん…ありがとう。」
「こら!そこの後ろ二人、こそこそ喋るな…授業中だぞ!!」
「「す、すみません…!」」
私達が話していると先生から怒られてしまう。でも、ソラちゃんからの言葉で少し元気が出たような気もした…諦めなければ良いことは必ずある、その言葉を信じて私は前を向いて頑張ろうと心に決めた。きっと琢郎くんと仲直りできると信じ続けないとね…きっと、上手くいくと信じてるよ。
side out
~~~~~~~~
side琢郎
ましろさんと絶交してしまってから1週間、それから僕は外に出ることなく部屋とリビングを行ったり来たりする生活をしていた。体調に関しては特に悪くはないけど、ましろさんと一方的に縁を切ってしまったことで会わせる顔がなく外に出るのが怖いんだよね…今頃彼女はどんな気持ちなんだろうか?
「琢郎、入るわね…ってまたゲームをしてるの?勉強は?」
「それなら午前中に終わらせたよ。午後ぐらい自由させてよね…用件はそれだけ?」
「それが、お隣のソラちゃんとそのお友達の聖あげはという人がいるんだけど…通しても良い?」
「ソラさんと聖さん?いや、別に…「やっほー!たっくー、久しぶり♪」…ええっ!?」
僕と母さんが話をしているとそれに割って入るように聖さんが部屋の中に入ってきてその後ろからソラさんが続いて入ってくる…通すとは言ってももう家の中にいたってどういうことよ!?
「すみません、もう家の中には入れさせてもらっていたんですよね。それで交渉をする前にあげはさんが突入してしまいました…」
「そうなんだ…(大人とはいえ常識ぐらい守ってよ…高い行動力に関しては尊敬するけど、発動するのここじゃないでしょ!?)」
「おおっ、たっくーがやってるのってAPEXじゃん!私の学校の同級生にダイヤ帯の子がいるんだよねぇ…」
「聖さん、今は集中してるので話しかけないでもらえますか?えいっ、このっ…うわっ、全滅した!もう、貴方が邪魔するから死んだじゃないですか…」
「ごめんごめん…とりあえず、私達とゆっくり話をしてから付き合ってもらうけど大丈夫?」
「まあ、良いですけど…1ゲーム終わったことですし。」
「ありがとうございます。そういうことで、琢郎くんのことは私達にお任せください!」
「分かった…とりあえず、お茶とか用意してくるからゆっくり過ごしてね。」
ソラさんがそう言うと母さんは部屋を出てからお茶を用意するためにキッチンへと向かっていき、部屋の中は僕と女性陣二人という感じとなる。
「これ、今日の授業の分のノートです。」
「ありがとう…しっかり詳しく書いてあるね。ソラさんが書いたの?」
「はい。とりあえず、書けるだけは書いてみました…こんな感じで大丈夫ですか?」
「全然大丈夫だよ。とりあえず、後で教科書と照らし合わせてノートに移しとくね!」
僕はソラさんから受け取った今日の授業の分のノートを受け取る。まだ学校に転入して1ヶ月ぐらいながらも僕のためにここまで尽くしてくれるところは流石はヒーローというところ…僕はソラさんに2回も救われた。
「それと、ここ1週間学校に来なくてみんなに迷惑をかけてごめんなさい。あれから僕は聖さんに言われてから自分の間違いに気づいてね…ましろさんは自ら正体を明かそうとしていて、自分の気持ちも伝えようとしてたのに怖がらせて言わせなくしていたんだ。本当に情けないよね…自分のせいで関係がめちゃくちゃになって。」
「それを言ったら私やツバサくんにも責任がありますよ…貴方を巻き込むべきではないと思いプリキュアの正体は明かさないと心がけていましたけどそれが逆効果でしたね。すみませんでした…」
ソラさんは僕の前で謝る。確かにソラさんもプリキュアの正体を隠す方に加担していたとはいえ、僕を巻き込みたくないという思いがあってのことだ…そこまで気にかけてくれたのにそれを責めるのは良くない。それに、もう僕はましろさんに怒ってはないしむしろ自分が悪いと思って反省している。
「頭を上げてよ。もう誰も責めてないからね…悪いのはむしろ僕だ。ましろさんの気持ちとかも何も聞かずに一方通行だったし…」
「琢郎くん。」
「まあまあ、そんなどんよりしないの!それよりもバトンパスの練習をしない?たっくーは家の中に籠ってからずっとやってないでしょ?」
「そうですね…休んで以来1回もしてません。」
「それなら決まり、近くの公園で練習だよ!私のことはましろんだと思ってやっちゃおう♪」
「あっ、聖さん…ちょっと!?」
「お茶を持ってきたわよ…ってどこへ行くの?」
「ちょっと外で運動をしてきます。お茶は置いといてください!」
「えっ、ええっ!?」
僕は聖さんに引っ張られてバトンパスの練習へと向かう。とりあえず、相手はましろさんではないけど運動会も近いことだしいつ戻れてもおかしくないようにしないとね…
~~~~~~~~
それから場所を移して僕達はあの公園で練習をすることに…キュアプリズムことましろさんとエルちゃんを助けて告白し玉砕したあの公園である。これを知ってるに知らないにしても偶然来た場所としては偶然じゃないような気もした…(とりあえず、服装は運動しやすい服に公園のトイレで着替えた)
「それじゃあ、バトンパス始めるよ!準備は良い?」
「僕はOKです!」
「私もです!いつでも来てください!!」
「分かった、行くよ!」
そして聖さんはバトンを持って僕に向かって走り出す。しかし、やはり大人なのか運動センスはましろさんより上なのか彼女よりも速いスピードで走ってきた…これは合わせるのが少し難しいかもしれない。
「たっくー!」
「はいっ!」
まずは聖さんから僕へのバトンパスは何とか上手くいった。そして次はソラさんにバトンを繋ぐのみ…とにかくコーナーを曲がりそして直線となりバトンを差し出す。
「ソラさん!」
「はいっ!」
そして、バトンはここでソラさんに繋いでいく。こんな感じで1週間ぶりぐらいのバトンパスはまずまずかな?流石に幼稚園の時からリレーを何度も経験した僕だからまだ上手くいくはずだけどね…
「よーし、まあまあ上手くいったんじゃない?いきなりだけど流石はたっくーだね!」
「ありがとうございます!聖さんもバトンパスがなかなか上手いですよ…もしかしてリレーの経験とか豊富だったりしますか?」
「豊富も何も私は幼稚園から高校までずっとリレーのアンカー前をやってたんだから…それはもう大ベテランだよ!凄いでしょ?」
聖さんは自分のリレー経験を自慢する。彼女はそんなに凄い実績を持っている人なんだな…彼女のリレーのスペシャリスト感に僕は脱帽だ。
「とりあえず、もう1回やりましょう!まだまだ感覚を戻していきたいので…ソラさんもOK?」
「はい!私はいつでも大丈夫ですよ。」
それからも僕達はバトンパスの練習を続けていく。こうやって体を動かして感覚を確認していく度に手応えが掴めてきたのと共にモヤモヤがなくなっていく感じもしてきた。もう何も怖くない…勇気も希望も沸いてくる!
(1時間後…)
「はぁ、はぁ…今日はこの辺にしましょう。疲れました…」
それからかなりの時間が経ち僕達は少しずつ息が切れてきたような気がして練習をここで止める。僕も流石に久しぶりに体を動かしたものだから少し鈍っていた…こんなにもきついのも特訓以来だよ。それでも、バトンパスの形はかなり良くなってきた気がする。
「お疲れ様です…琢郎くんのバトンパスも走る姿も本当に凄いです!」
「本当…たっくーは運動なら何でもできてかっこいいよ!正直な話、大好きになりそうかも?」
ソラさんと聖さんは僕のことを褒めてくれる。これだけ女の子から褒められることは嫌ではない…こんな感じで僕はましろさんから毎日褒められたと思うとむしろ幸せだと感じる。
「ありがとうございます。お二人のおかげで元気になりました!まだ嫌なことが全て吹き飛んだわけじゃないですけど、心と体が軽くなった気がします。」
「それは良かった…困った時はいつでも私やソラちゃんに頼りなよ?君のことは心の底から応援してるから。運動会も仲直りも頑張っていこうね!」
「はい、今日はありがとうございました!」
僕は今日の練習に協力してくれた聖さんとソラさんに頭を下げてお礼を言う。本当にこの二人は僕がどん底に沈んでたところを救ってくれた…優しい女性に囲まれている自分ってかなり恵まれてるんだな。こんな人達から慕われることは凄く嬉しい!
~~~~~~~~
翌日、今日は土曜日ということで元々からのお休みである。今は午前中からソラさんから受け取ったノートの内容を教科書と照らし合わせながら(昨日あった)全教科まとめているところで午後も継続中なのだが、そろそろ終わるところだ。
(よしっ、これでひと段落。でも、もう夕方か…とりあえず、運動のためにランニングでもしよう。何もしなかったらスッキリするものもしないからね…)
これから運動しようと運動着に着替えようとしたそのタイミングで部屋のドアをノックする音が聞こえる。今は家の中に母さんと僕しかいないから間違いなく母さんだろう…
「どうぞ。」
「琢郎、勉強は終わったの?」
「まあね。ソラさんがよくノートに細かく写してくれたおかげで今日中には終われたよ…あの子も転入して1ヶ月なのに授業にもついていけてるし、なかなか頼りになるんじゃない?」
「そう…」
「それで、用件は何?これから外へ走りに行こうと思ってるけど…買い物なら頼んでくれたらやるよ?」
「買い物はもう済ませたから大丈夫よ。ただ、外にましろちゃんがいてね…今日は入れて大丈夫かしら?それが用件なんだけど。」
「ましろさんが?」
母さんは部屋の中に入ってから用件を伝える。外にましろさんがいるのか…これまでは会いたくないから門前払いをしていた中でそれでも今日も来てくれたようだ。
「嫌なら私が止めておくけど、大丈夫?」
「僕が相手するしもう大丈夫だよ。母さんはやるべきことをやっておいて…今回のトラブルは僕が自分で解決させるから!」
「分かった…あんたを信じるわね、しっかり気持ちを伝えてきなさいよ!」
「ああ…!」
僕は母さんに背中を押されてましろさんが待つ玄関へと向かう。もう迷わない…聖さんとソラさんから元気と勇気を貰ったんだ!そのままの勢いでドアを開けると私服姿のましろさんがそこにはいた。
「いらっしゃい、しばらく勇気が出せなくて顔を出せずごめんね…毎日のように来てくれたのに何もしてやれなくて。」
「大丈夫だよ。気にしないで…ところで、琢郎くんの体調はどうなの?ここ最近休んでたけど…」
「体調なら別に悪くはないかな?むしろ元気だよ!」
「それなら良かった…」
「まあ、立ち話するのもアレだから僕の部屋で話そうか。話したいことは僕も山ほどあるし君もでしょ?とりあえず、上がりなよ…」
「うん…お邪魔します。」
こうして僕はましろさんを家の中へと招き入れる。まだまだ気まずい雰囲気はどこかにあるけど、とにかく仲直りのためにはこっちも歩み寄らないといけない。それでも何事もなく話ができるのは良いことだ…
(5分後…)
「お茶持ってきたよ。」
「ありがとう。わざわざごめんね…」
ましろさんを自分の部屋に入れてから僕はキッチンで麦茶を二人分用意してから持ってくる。こうして彼女からの『ありがとう』はいつぶりだろうか…感謝の言葉を聞くと胸が軽いな。
「あの、ましろさん…」
「琢郎くん…」
「「ごめんなさい!」」
そんなこんなでその場に座ってから僕が謝ったその時、同じタイミングでましろさんも謝る。僕達の気持ちは全く同じなのだろうか…思わず声が揃ってしまった。
「えっ?いや、謝るのは僕の方だよ…君が言いたいことを言わせず自分が優位に立とうとして無意識に圧力をかけてたからね。あまりにもキュアプリズム…ましろさんが好きだったから自分のことしか考えてなかったよ。」
「ううん、私も。琢郎くんが迫ってくるのが怖かったとはいえ何も言えずに誤解を与えて騙すような感じになって…だけど、それでこんなことになってしまったのは私の責任でもあるから。」
一生懸命に謝るましろさんを見て僕はもう怒っていたことがどうでも良く感じた。元はと言えば何も聞かずに突き放した僕の責任だし、彼女が臆病だということを聖さんに言われるまで気づかず配慮が足りなかったからね…これはもう僕が悪い事象だと言える。
「もう良いよ。お互いこうしてすれ違いはあったけど、こうして分かり合うことができたんだ。僕も君とまたこうして話ができたことが嬉しいよ…ありがとう。」
「琢郎くん…」
ましろさんは安心したような表情で僕を見る。仲直りできたのは僕も彼女もお互い同じで一致した気持ちのようでお互い一方通行ではないようだ。
「とりあえず、改めて確認したいんだけど君がキュアプリズムの正体なんだよね?」
「そうだけど…急にどうしたの?」
「いや、疑ってる訳じゃないけど…あれが夢だったってオチの可能性もあるしね。一応、僕の前で変身してくれない?」
「ええっ…変身、するの!?」
僕がキュアプリズムに変身することをましろさんにお願いすると彼女は驚きを見せる。いくら変身して戦う身だとはいえそれは戦いの流れの中でのことだから人から頼まれて『変身してくれ』と言われたら反応に困るのも致し方なしだろうな…
「不要不急な変身なのは分かってる。でも、やっぱり証明してもらわないとこっちも気が済まないからさ…」
「そう言われても。私、変身すると恥ずかしい姿になるからあまり見せたくないんだよね…」
「見せたくない…もしかしてアニメとかのように裸になったりとか?」
「も、もう…そんな恥ずかしいこと言わないで!とにかく、あんまりジロジロ見ないでね?」
ましろさんは顔を赤くしてから怒り出してからやがて恥ずかしがる。ただ、本気で怒ってるような感じではなかった…というか、そもそもの話で僕の前で彼女が本気で怒ったことってあの1回しかなかったような気もする。それだけましろさんは優しいんだよなぁ…
「スカイミラージュ、トーンコネクト!ひろがるチェンジ、プリズム!!」
彼女がプリキュアになるための変身アイテムを手に取ると服装がいきなり薄ピンクのノースリーブのワンピースになった上で呪文を唱えてから石みたいなものをセットするとそこから変身が始まっていく。しかし、こうして動きを見てみるとノースリーブだから鎖骨も脇も丸見えである…恥ずかしいと言ったのはこれなのだろうか?でも、僕が見てきたアニメのように裸にはならないからまあ健全な変身シーンではないだろうか?それから髪型が変わり、耳飾りとか髪飾りのリボンが付いて服も変わっていく過程を間近で見て生着替えを見ているような気分だった…これが変身シーンを見てしまった男キャラの心境だろうな。
「ふわり広がる優しい光、キュアプリズム!」
そして名乗りも決まると僕は思わず感心して何も言えなくなってしまった。やはりキュアプリズムの正体がましろさんだったのは本当だったらしいけど、変身シーンが何と言うかちょっとあざとくて可愛くて…もう言葉にならないぐらい凄かったんだよね。
「本物だ…生変身シーン、凄かったです。」
「そんな風に言われると照れちゃうよ…ジロジロ見ないでと言ったのに。」
「ごめん、こんなに薄着になった『ましろさん』を見たことがなかったから。そこからキュアプリズムに変身していく過程を見てまるでアニメみたいだったな…とにかく可愛いかったよ!」
「もう、これ以上褒めるの禁止!これで私がキュアプリズムの正体って分かったでしょ…もうおしまい!!」
「待って!しばらくこのままの状態でいてほしい…どうしてもこの姿の状態で伝えなきゃいけないこともあるから。」
ましろさんが恥ずかしくなって変身を解除しようとしたその時、僕はそれを止める。キュアプリズムの状態で伝えたいことは山のようにあり、この姿に恋をしてしまったからこそここで全てを精算してハッピーエンドにしなくてはならない…その責任を果たすにはこうするしかないと思っていたんだ。
「う、うん…分かった。琢郎くんの話、聞くね?」
僕が交渉をするとましろさんは変身状態をキープしてまた正座し、僕も改めて正座してから彼女と向き合う…もう覚悟も何もかもはできていてそのことを口にしてみた。
「ましろさんはどうしてあの時は僕からの告白を断ったの?好きな気持ちがお互いにあるとすれば付き合ってくれたら良いのにって思ってたよ…」
「そうだよね。あの時はごめんなさい…こうするってのはあげはちゃんと相談して決めてたんだ。私がプリキュアとしての役目とエルちゃんのお世話がひと段落するまで待ってもらうようにって。それを伝えたかったけど、迫ってくる琢郎くんのことが怖くなり突き飛ばして逃げちゃったんだ…本当に怖がりな自分を恨みたいよ。」
ましろさんからあの時の事実を聞いた僕は全て聞くことができて安心する。しかし、このまま待たせることが本当に彼女の望みなのだろうか?プリキュアとしてアンダーグ帝国の野望を止めたりエルちゃんのお世話をしたりすることも大事なこと…それに自ら縛られるようなことをして幸せになるとは思えない。
「ましろさん、改めて言わせてもらうけど…僕と付き合ってくれませんか?」
「えっ、でも…貴方と付き合っても今の私には幸せにできないよ。私はソラちゃんのような凄い力があるわけじゃないし、ツバサくんのように空を飛んだり頭を使った戦略を組み立てられないから…こんな弱い私に貴方を守ることなんてできない。」
「ましろさん…」
「だから、琢郎くんを巻き込みたくなくて…えっ!?」
弱音を吐く彼女を見て我慢できなくなった僕は何も言わずにましろさんのことをそっと抱き寄せる。超人的なプリキュアの姿でこんな醜態を見てられない…僕はとにかく彼女を包み込んで安心させることしかできないと思った。
「もう君はプリキュアとしてみんなに貢献しているだけでも十分頑張ってるよ…でも、僕を巻き込んだって良いし頼ったって良い。大丈夫、僕は野球をやってたから体力には自信があるしエルちゃんも僕に懐いてるし赤ちゃんのお世話のコツは何気に掴んでいるから力になれるよ!だから君やエルちゃんを守ることはできるんだ…これなら待つ必要もないでしょ?」
「でも…」
「それに、僕を待たせることが君のやりたかったことなの?本当の気持ちは違うでしょ…もう無理をする必要はないよ。正直に言ってごらん?」
「私は…私は…琢郎くんと、付き合いたい…!私、キュアプリズムになる前からずっと貴方のことが気になっていて仲良くなっていくうちに好きだと気づいて…もう頭の中がいっぱいで…こんな私でも良かったら、付き合ってください!」
ましろさんは言葉を詰まらせながらも僕に自分の気持ちを伝える。これが本当の気持ちなんだな。全てを知ることができて良かったし、ずっと前からこんな風に想っていたんだ…ちょっぴり照れるけど、男としては嬉しい話である。
「こちらこそよろしくお願いします…」
「ありがとう、琢郎くん…ううっ、うわああああああっ!」
僕がその逆告白を受け入れるとましろさんは赤ちゃんのように泣き崩れてしまう。これはもう恐らくどころか誰の目から見ても分かるぐらいの嬉し泣きだろうね…ここまで泣く彼女を見たのは初めてかもしれない。それでも泣かせてしまった罪悪感はなくむしろ自分の告白を受け入れむしろ逆にされたことが嬉しい…そんな彼女の頭を撫でながら僕は泣き止むまで抱き締め続けるのだった。
~~~~~~~~
それからしばらく話した後にましろさんが帰るということで彼女の自宅の前まで送り届ける。恋が実った喜びの余韻が残っていて本当に幸せが溜まりすぎて破裂しそうになりそうだ…(ちなみに変身は解除している)
「今日はありがとう。私も自分の気持ちを全て話せたしスッキリしたよ…琢郎くんと会えてそして話すことができて本当に良かった。」
「僕もだよ…ねえ、改めて訊くけど僕達ってもうカップルだよね?これって夢じゃないよね!?」
「うん、全部現実だよ…琢郎くんは私の彼氏。世界で一番大好きなダーリンだからね♪」
「だ、ダーリン…うわぁ、何か照れるなぁ!」
「それで、琢郎くんは月曜日から学校はどうするの?私としてはもう休んでほしくないんだけどなぁ…」
「もちろん行くよ!今まで迷惑をかけた分、練習も何もかも頑張るから。クラスのグループLINEで伝えておいてくれる?」
「もちろん、後でちゃんと伝えておくね。それじゃあ、また月曜日!」
「うん、またね〜。」
そして、僕はましろさんが家の中に入るのを見届けてからこっちも自宅へと帰るのであった。中学に入ってから出会って友達になり、キュアプリズムとして好きになり、正体を知って何だかんだでましろさんとして付き合うことになった…これって恋愛ドラマのような急展開だとしか思えないよ。それでも僕はましろさんのことを幸せにしてみせるから!そして運動会も頑張るぞ〜!!
…ということでいかがでしたか?皆さんの願いというか恋愛小説らしいハッピーエンドができました!お待たせして本当に申し訳ありません。でも、溜めて溜めて解放という感じでね…まあ決めさせてもらいましたよ。恋の逆転サヨナラホームラン、爽快ですねぇ♪
そんな中で変身シーンの描写について疑問が飛ぶと思うので先に答えておきます。ひろプリの変身シーンの中では『煌めきHOP』、『爽やかSTEP』、『晴れ晴れJUMP』というセリフと演出がありますけどもそれはもう文にするとリズムが悪くなるのでこちらではカットしました。でも、ちゃんと言ってます…カットしただけであってね。それにしても、琢郎は自分で書いてて変身シーンをよく見てるなって思いました。それほどアニメで見慣れたからブレないし総評もできてます。しかしながら、最近のプリキュアの変身シーンってみんな光のノースリーブのワンピースのようなインナーを着てますよね…もうここ何年それで裸で変身してるプリキュアってまあ昔はちらほらだったけどあんまりいないです。先祖的存在のセーラームーンは全裸変身でしたけど、うーん…変身シーンとはいえ女の子が全裸ってあんまりよろしくないのかな?その中でフレプリとかスイプリとかドキプリとかは全裸変身ができたなって思いますよ。(あと、近年ならハグプリも…)
でも、東京ミュウミュウとかは全裸変身なんよね。何が基準なんだろう?そんな変態チックな話はここまでにして琢郎とましろちゃんは無事に結ばれたもののまだあと2話あります。ここで終わりじゃないですよ?何があるのかは楽しみにしていてくださいませ♪
感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをよろしくお願いいたします!それでは…