光は屈折しても恋はまっすぐ! -キュアプリズムに恋した少年の話- 作:寿垣遥生
それでは、また後書きにて…
side琢郎
「琢郎くん、おはよう〜♪」
「おはよう、ましろさん。今日も元気だね!」
僕とましろさんが付き合うようになってから2週間経った日曜日、今日は待ちに待った運動会当日を迎える。しばらく不登校になって練習はあまりしてなかったけど本番までの間の練習でかなり仕上げてきた…そして今は彼女としてましろさんがいるからかなり幸せなんだよね!そしていつものように手を繋いで学校へと向かう。
「ましろさーん、待ってくださいよ!置いてかないでください…」
しばらく歩いているとソラさんも追いついていつもの登校メンツが三人揃う。付き合う前まではソラさんとましろさんが同じタイミングだったけど、今ではましろさんが先にやって来ることがほとんどである。
「ソラさんもおはよう!」
「おはようございます…もう、ましろさんったら琢郎くんの姿を見て真っ先に飛び出すものですから。私のことを忘れないでくださいよ?」
「ごめんね、やっぱり彼氏の姿を見たらどうしても猪みたいに猪突猛進って感じになっちゃうんだよ…ねえ、琢郎くん?」
「えっ、う…うん!」
ましろさんは満面の笑みを浮かべながら僕に問いかけてくる。しかしながら、本当に彼女は変わったよ…僕と付き合うようになってからはもう臆病なところも何もなく動物のように懐いて甘えんぼになった。恋の力ってやっぱ凄いよね!
「まあ、ましろさんと琢郎くんが幸せならそれでOKです。それはそうと今日は運動会当日ですけど調子はどうですか?」
「もう絶好調。ましろさんと一緒ならもう怖くないし、練習だって仕上げてきたんだから…それにソラさんもいるしもう負ける気がしないよ!ねっ?」
「うん、琢郎くんとソラちゃんが一緒なら私も頑張れるよ!運動はちょっぴり苦手だけど私も練習してきたもんね。」
「ですね。頑張りましょう!」
「「「オー!」」」
こうして僕達はさらに気合を高めて学校へと向かうのであった。運動会の本番が迫る中で緊張もしてきたけどそれと同じだけやる気も起きる…昨年は自分の組があと1点足らずで優勝を逃したんだ。今年はソラさんのちからも借りつつ自分も力になって頑張らないとね!
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『プログラム1番、全学年男女による100m走予選です。各レース1着の選手のみが午後の決勝へと駒を進める熱いスプリントバトルにご期待ください!』
それから開会式と準備運動を経て最初の種目の100m走予選が行われる。男子は主なところだと僕とトシ、女子はソラさんがエントリーしていて昨年は男女通しても僕とトシしか決勝に行けなかったのでここはソラさんとかの他の人達の頑張りも必須だろう。(ソラさんは恐らく決勝進出はもう間違いなしだけど…)
(まず最初の1組目から僕で2組目にトシか…とりあえず、僕達で1着を取らないと優勝に向けて勝ち目がない。スタートから決めるぞ!)
「位置について、よーい…」パーン
スタートの合図が聞こえてからパーンと号砲が鳴ってスタートした。ところが、ここでまさかのアクシデント…スタートで転けそうになってしまい上体が起きてしまう。
(しまった…スタートでミスを!?)
このロスが祟ってしまいコーナーを曲がる時は4番手、ここから巻き返さないといけない。しかし周りは陸上部やサッカー部と走ることのスペシャリストが集まっていてこのスタートのミスが命取りになってしまった…後半は巻き返しを狙うもこの組の3着でフィニッシュ。昨年は決めてたスタートで失敗したことが全て出てしまう結果に…これで予選敗退は確定した。
(この種目は僕とトシとソラさんが得点源にならなきゃいけないのに…畜生!)
その後のトシとソラさんはどちらもそれぞれで1着になり決勝進出も他が振るわずで決勝に駒を進めることができたのは男女通してもトシとソラさんの二人のみで全体的に相手の白組に多く勝ち上がりを許してしまった。早くも優勝に黄色信号が灯りつつある…
(競技終了後…)
「おかえり、ソラちゃんも波瑠くんも決勝進出おめでとう!琢郎くんはドンマイだよ…」
「私達頑張りました!」
「だけど、琢郎がな…まさかあのスタートミスが響いてしまうとは。虹ヶ丘さんの前でかっこづけたかったのか?」
「冗談を言える余裕はないよ…あれは僕の単なるミスさ。」
「そうなんだ…とりあえず、まだまだ種目はあるから次は頑張ろうよ!フレーフレー、琢郎くん!!」
ましろさんは落ち込む僕にエールを送る。彼女の優しい声を聞くと凄く勇気を貰えた気がした…これが彼女効果ってやつなんだな。体の底から勇気が湧いてきた気がする!
「今ので元気が出たよ!これからの種目も頑張らないとね。君は僕の元気の源だよ…ありがとう!」
「えへへ♪」
「何だよ、人前でイチャイチャしやがって…お前らみたいな幸せなカップルを見てると羨ましすぎて嫉妬するぜ。」
「そう言うトシも彼女作りなよ…野球もより頑張れるかもね。何なら恋愛アドバイスを恋の先輩としてしようか?」
「何をぉ…琢郎の癖に生意気なぁ〜!」
トシに彼女を作れと指摘したら彼から頭をわしゃわしゃされる。それを見ているソラさんとましろさんはふふっと微笑んでいた…ましろさんとラブラブするのも幸せだけど、何だかんだでトシからちょっかいをかけられるのも今までと変わらず悪くはない。僕って本当に周りの人に恵まれていて幸せ者だ…
side out
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sideましろ
それから競技は順調に進み午前中の種目は次々と進んでいき玉入れ、綱引き、騎馬戦等が終わった…琢郎くんもソラちゃんも出場種目ではどちらも大活躍という中でいよいよ私が一番頑張らなければいけないクラス対抗選抜リレーが始まろうとしている。
「いよいよだ…」
「ましろさん、緊張してる?」
「う、うん…今まで練習してきたけど、上手く琢郎くんにバトンを渡せるかなって不安だよ。」
「安心しろ!君のために前の俺達がリードを稼いでやるから…虹ヶ丘さんは余計なことを何も考えずにただ琢郎にバトンを渡すことだけを考えれば良いさ。」
「そして最後はアンカーの私がトップでバトンをゴールへ届けます。ましろさんの頑張りは無駄にしませんからね!」
「波瑠くん、ソラちゃん…」
「まあ、みんなこんな感じでやる気満々だからさ…何も心配はいらないよ!僕も君が最高のバトンを渡してくれると信じてるからね…ベストを尽くそう!!」
「うん、琢郎くんもありがとう…」
「入場でーす!」
琢郎くんだけじゃなくて波瑠くんやソラちゃんから励まされたところで入場の合図が出て入場門からフィールドへと足を踏み入れる。今ので少し気持ちが楽になり、練習のように上手くいきそうな気もしてきた…とにかくみんなのために私も頑張らないとね!
「位置について、よーい…」パーン
号砲が鳴ってリレーがスタートした。レースの方は波瑠くんのさっきの呼びかけに応えたのか1走目からスタートを決めてから終始トップをキープしてバトンを繋いでいく…彼のやる気ってみんなに伝染するものなんだね。次から次へとバトンが回っていよいよクラスのキャプテンである波瑠くんにバトンが繋がり私の番が近づいた…
(今は私達の2組がトップ…リードは20mぐらい、とりあえず私で差を詰められるのは確実だけど何とかバトンを繋いで琢郎くんやソラちゃんに回そう!)
「虹ヶ丘さん、頼んだ!」
「うんっ!」
そして運命のバトンは私の手に渡り、とにかく全力で走る。バトンの受け取りは上手くいった…とにかくこれを琢郎くんに運ばないといけない。とにかく後ろを確認せず何も考えることなく懸命に腕を振り、走っていく…
(コーナーを抜けた…後はこのバトンを琢郎くんに繋ぐのみ!とにかく走らないと…!?)
しかし、そう簡単に物事は上手くいかない…コーナーを抜けて琢郎くんの姿が見えたその瞬間に足がもつれて転倒してしまい後ろから次々と抜かれる。よりにもよってギャラリー席でツバサくんやあげはちゃんやおばあちゃんやエルちゃんが見ている前で…それだけでなくみんながやる気を見せていた中で私が水を差してしまったのだ。膝は擦りむけて痛いし心も痛くて立ち上がれない…みんな、ごめん。
「立つんだ、ましろさん!あと少し…頑張れ!!」
「…!?」
私が落ち込んでいたその時、琢郎くんの頑張れという叫び声が耳に入る…そうだ、まだレースは終わっていない!この後の琢郎くんとソラちゃんにバトンを回さないと。その前の波瑠くんは足が遅い私のためリードを作ってくれた…それらに応えないといけない!私は立ち上がってとにかく前を向き走った。
「琢郎くん!」
「ありがとう…任せて!」
そして、渾身のバトンを私は琢郎くんに繋ぐ。それでも前との差はまだある…彼は必死に差を詰めようと走りバトンを繋いだ。とりあえず3位の4組は抜いてアンカーのソラちゃんに託されたが走ればもうみんなを怒涛の勢いで抜いていきゴール前で1組を交わして大逆転優勝!琢郎くんとソラちゃんが私のミスを帳消しにしてくれた…でも、悔しさと擦りむいたところの痛みで膝から崩れ落ちる。
「ましろさん、お疲れ様…膝は大丈夫?」
「ましろさんがバトンを繋いだおかげで勝ちましたよ!」
そんな時に琢郎くんとソラちゃんが私のところへ駆け寄る。琢郎くんは心配そうな表情を浮かべ、ソラちゃんは優勝したことを喜んでいる様子だ…
「やっぱり二人は凄いよ…もう目にも止まらぬ速さっていうか。本当、ビューンって…ううっ!」
私は思わず悔しさを堪えきれずにソラちゃんと琢郎くんの前から逃げてしまった。リレーで優勝したのに涙が我慢できない…みんなは頑張ってたのに私だけが足を引っ張ってしまった。そんな自分が許せなくて辛すぎる…もう穴があったら入りたい気分だった。
side out
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side琢郎
「やっぱりここにいたんだ…君ならここに行くと思ってたよ。」
僕はましろさんが校舎裏の水道で顔を洗ってたところを目撃して声をかけた。傷の方も水で洗った後だと思われるし、ここで顔もついでに洗ったんだろうなって容易的に分かる。
「琢郎くん…いやぁ、どうしても水を飲みたくなっちゃって。汗もかいてたし!」
「ましろさん…もう隠し事はやめなよ。どうして君はキュアプリズムの正体といい自分の気持ちといい隠そうとするの?僕達はもう付き合ってるじゃないか…いい加減全部正直に話してよ。リレーで転んだことを悔やんでるんでしょ?」
「私、走るの苦手だし…リレー選手だって自信がなくて。なのに、自分にもできると思っちゃったんだよ。沢山特訓したから…琢郎くんやソラちゃんのように速く走れなくてもちゃんと走れるって!」
ましろさんは声を震わせながら自分の気持ちを僕に伝える。今の僕には彼女の背中しか見えないけど、恐らく泣いているんだろうな…それだけ悔しいんだろうと思う。100m走で細かいミスをした僕と比にならないぐらいに…
「でも、大事なところで転んじゃって。それが悔しい…!ごめんね、琢郎くんやソラちゃんが頑張って勝ったのにこんなこと言っちゃって。」
「ましろさん、ナイスランだったよ。本当に頑張った…」
「えっ?」
僕は泣いているましろさんの前に歩み寄ってから擦りむいた箇所に自分が持ってきていた絆創膏を貼り、彼女の頭を撫でる。前髪にまだ砂利が残っていたもののましろさんの髪は本当に触ってみるとサラサラしていて心地良い…
「僕もましろさんが転んだ時、100m走のミスもあってか諦めかけてたんだ…でも、ましろさんが励ましてくれたおかげで我武者羅に前を向いて走ることができてソラさんも応えてくれて掴んだ優勝だよ。僕も君がリレーのメンバーに決まった時は驚きもあったけど、こうして仲良しの子と走れることが楽しくてね…それで転んでもなお前を向いてくれた君がさらに僕達に火をつけてくれた。絶対に勝つんだと思ったよ…それで勝てたのだからましろさんは僕に最高のバトンを渡してくれたんだ!ありがとう…」
「琢郎くん…」
そして僕はましろさんの体をそっと抱きしめる。学校の中でしかも運動会の中でやるのはよろしくないかもしれないけど、今は二人きりの時間だし、誰も見てないしね…しかも彼女も僕に身を委ねてるからとにかくこの時を楽しんだ。
「ラララランボーグ〜!!」
「うわあああっ、逃げろぉぉお!!」
「「…!?」」
これから良いムードになろうとしたその時、ランボーグの声と逃げ惑う人達の叫び声が耳に入る。僕達は離れてからその現場に向かうとラインカーを媒体としたランボーグがグラウンドの中を暴れていた。
「折角の運動会をこんなに荒らすなんて…」
「ましろさん、琢郎くん!」
「とりあえず、琢郎さんはここで待機していてください。ましろさん、ソラさん…変身しましょう!」
「「はい(うん)!」」
そんなタイミングでソラさんとギャラリー席にいたツバサくんも合流して彼が変身アイテムを二人にも手渡す。とりあえず、ランボーグを食い止めなくては…(ちなみにツバサくんもプリキュアの正体を知ったことは把握済み)
「「「スカイミラージュ、トーンコネクト!ひろがるチェンジ、スカイ(プリズム)(ウィング)!!」」」
三人は例のごとくプリキュアに変身する。しかし、三人分の変身シーンはまあ何気にそれぞれ個性があるもので女の子と共に男の子も変身するという発想はなかなか僕の観てきたアニメでも思い浮かばない…
「無限に広がる青い空、キュアスカイ!」
「ふわり広がる優しい光、キュアプリズム!」
「天高く広がる勇気、キュアウィング!」
「Ready…」
「「「Go!ひろがるスカイ!プリキュア!!」」」
名乗り口上を終えると三人はランボーグに立ち向かっていく。しかし、このランボーグは大柄にしては動きが俊敏だ。キュアスカイのパンチもキュアプリズムの弾幕も当たらない…
「待ちなさい!」
「早すぎて狙いが…」
「僕に任せてください…ひろがるウィングアタ…うわぁっ!?」
「「ウィング!」」
キュアウィングはアタックを狙うもそれよりも速いスピードでランボーグが突っ込んできて弾かれた。彼は身長は低いし細いからフィジカルの弱さがもう完全に出てしまっている…これに二人が駆け寄った。
「隙あり♪ 」
「ランボーグ!!」
「「「うわっ!?」」」
三人が集まったその時、ランボーグが石灰をばらまく。それに直撃したみんなは石灰の山に埋まった状態で身動きが取れなくなってしまった…
「ダメです…身動きが取れません。」
「私も…」
「僕も…動けない!」
「みんな…」
僕は身動きが取れないプリキュア達のもとへと向かってから救出作業を行う。もう危険とか何とか言ってられない…僕がキュアプリズム、ましろさんを守らないで誰が守るって言うんだ!?僕はましろさんの世界でただ一人の彼氏なんだ…とにかくできる限りのことをしないといけない。僕はとにかく手でかけ分けようとしたり木の棒で突いたりして石灰の山を崩そうとした。
「今助けるからね!」
「たっくー、何してるの!?早く逃げないと巻き込まれてしまうよ?」
「えるぅ!」
そんなタイミングで聖さんがエルちゃんを抱いている状態で避難を促す。でも、ここで逃げた方が危険だしむしろ彼女がここにいる方がその倍危険だ…
「聖さんの方が危ないですよ!エルちゃんを連れて逃げてください…僕はましろさんの彼氏なんだ、ましろさんを助けずに見殺しなんてできないですよ!」
「琢郎くん…」
「フハハハハ、美しい愛だねぇ…でもこうなったらプリンセス・エル以外はみんな轢かれて死んでもらおうかな?やれ、ランボーグ!」
「ランボーグ!!」
「たっくー、後ろ!!」
「…ぐうっ!?」
僕が聖さんに言われて後ろを向くとあっという間にランボーグがやって来て僕はそれを反射的に受け止めた。とにかく鍛えた力で先に進ませまいと必死に重心を低くして押し返そうと試みる…
「たっくー!」
「「「琢郎くん(さん)!」」」
「誰も死なせない!僕はみんなを守るんだ、僕はましろさんから言われたような感じのヒーローになる…プリキュアのように強くて頼もしくてかっこいい、ヒーローになるんだああああああ!!」
相手の突撃を受け止めつつ魂の底から叫んだその時、自分の体が緑色の光を帯びて眩しいと思ったランボーグは後ろへと退く。体の底から力が湧くような感覚がして胸の中からプリキュアのみんなが持っていたペンと同じものが現れた…
「まさか、琢郎くんが…プリキュアに?」
「凄い…あの約束が現実になるなんて!」
「僕が…プリキュア?ねえ、これでどうやってプリキュアに変身するの?」
「プリンセス、琢郎さんに例のアレをお願いします!」
「えるぅ、ぷりきゅあ〜!」
エルちゃんが『ぷりきゅあ〜』と念じると光の塊が僕の手元に向かって飛んできてキャッチすると石のようなものになってから緑の木のイラストが刻まれた…
「それで…ましろさん、どうすれば良いの!?」
「そのペンをスカイミラージュに変形させてから手に持ってるスカイトーンをセットして変身するの!呪文はもう覚えてると思うからその呪文を唱えて!!」
「分かった。ましろさん、見ててね…僕の、変身!!」
キュアプリズム…ましろさんが頷いたのを確認して僕は変身の構えをしてからランボーグに立ち向かう。プリキュアの力に選ばれたんだ、もう迷わない。僕が全てを守ってみせる!
「スカイミラージュ、トーンコネクト!ひろがるチェンジ、ネイチャー!!」
僕がスカイトーンをスカイミラージュにセットして呪文を唱えると変身が始まる。髪の毛が緑色に染まり耳飾りもついてから緑のラインが入った白の策士服のような服を身に纏い緑のハーフパンツを履く。そして緑のブーツを履いてから緑色の手袋も装着し変身完了した…
「壮大な癒しの自然、キュアネイチャー!」
そして名乗り口上も決まり地上に降り立つ。自分の姿をこうして見てるとアニメのように変身したんだなと感じさせられる…我ながらなかなかかっこいいところとプリキュアの可愛さも両立できた見栄えではないだろうか?
(僕、変身しちゃった…本当にプリキュアになっちゃうなんて!)
「キュアネイチャーだと!?とにかく新しいのも関係なくやっつけろ!」
「ランボーグ!」
「たあっ!」
僕が一発拳でランボーグを殴ると相手は後ろへと吹っ飛ばされる…凄い、特訓して強くなったにも関わらず変身補正でさらに強くなっているとはね。
「はああっ…!」
「ラン…ボーグ!?」
そのまま飛び蹴りを食らわせるとさらに後ろへと飛んでいった。自分でも驚いてしまう威力だよ…こんな強い力を手にして良いのだろうか?
「ぐぬぬ…こうなったら動けないプリキュアに攻撃しろ!とどめを刺せぇ!!」
「ランボーグ!!」
「そうはさせない…はあっ!」
僕は動けない三人に向かって突進を仕掛けるランボーグを両手から生やした蔦で食い止める。手からこんなのも出せるのか…他のプリキュアよりハイスペックというかある作品の海軍の大将と似た能力だなと思ってしまう。
「てやああああああっ!!」
「ラ、ラアアンボーグ!?」
そのまま僕は蔦で縛ったランボーグに背負い投げをお見舞いした。これで相手は石灰をかなり飛ばしてもう石灰攻撃はできないはず…三人でも苦戦した相手を一人で仕留めるって凄く気持ち良い。
「みんな…えいっ!」
相手が倒れてる隙を突いて僕は石灰の山をキックで砕き三人を救出する。どれもこれも僕で完結してしまってるのはあまりにもできすぎではないかと我ながら思ってしまう…
「ありがとう、琢郎くん…ううん、ネイチャー!」
「どういたしまして。それじゃあ、一気に決めるよ!」
「何をやってる!早く立ち上がれ、プリキュアを始末しろ!!」
「ラ、ラン…ボーグ…!」
「えっ、まさか石灰が切れて力が出ない!?何をやってんだよ、ポンコツがぁ!!」
「ひろがるネイチャーフレアホールド!」
もう力が出なくてフラフラのランボーグを両手を出して念じた先の地中から木を生やして包み込み、そこに光を送り込んでから癒していく。これが僕の癒し技だ…
「スミキッター…」
敵のランボーグは浄化されてラインカーは元の姿を取り戻した。そこから光が出てきたのだが、これがヨヨさんの言っていたキラキラエナジーなのだろう。
「ミラーパッド、OK!」
そしてキュアスカイがミラーパッドでキラキラエナジーを回収して任務は完了。荒れていたグラウンドもすっかり元通り…これで万事解決だ。
「んだよぉ…何のための道具だよ!はいはい、強い強い良かったね。バッタモンモン…」
そして、バッタモンダーは逆ギレしてこの場を去った。これからも恐らく現れると思うけどもうプリキュアに変身できた僕には怖くない…もう負ける気がしないよ!
「まさか琢郎くんが本当にプリキュアに変身しちゃうとはね…」
「僕もまさかだよ…あのデートの時にした無理も覚悟の約束が本当になるとは驚いたな。とりあえず、これからも君達の戦力になるからよろしく頼むね…スカイ、プリズム、ウィング!」
「「「はい(うん)!」」」
そして、僕は正式にプリキュアの仲間になった…異変が終わってからは運動会は無事に再開され、その後の種目でもましろさんの活躍もあって僕達も刺激され赤組は優勝ラッシュ…その結果、運動会は僕達の赤組が優勝となったのだ。昨年のリベンジを果たせたこともプリキュアになれたことも嬉しかったな…これで僕達は何も弊害なく付き合える!!
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運動会が終わり僕とましろさんは二人きりで僕達の聖地である例の公園にて今日の出来事の余韻に浸っている。ソラさんやみんなはもう帰って今頃祝勝会の準備をしている頃合で時間の限り振り返っていた…
「今日は色んなことがあったね…」
「そうだね!運動会では優勝できたし、プリキュアになったし…もう疲れちゃったけど楽しかったなぁ。」
「ふふっ、お疲れ様です。私達は毎日こんなにも大変なことをしてるってことが分かったでしょ?」
「まあね…だけど、僕はさらに強い力を手に入れることができたんだ。これを使ってアンダーグ帝国を止めてみせる!その前に王様と王妃様を目覚めさせないとかな…それでエルちゃんのお世話も同時にしないとね。」
「うん…それで、ちょっと私から二つお願いしてほしいことがあるけど良い?」
「何?ましろさんのお願いなら何でも聞くよ!」
「ありがとう。まず一つ目だけど、私の家で一緒に過ごしてくれるかな?こうやって付き合って琢郎くんも私達と同じプリキュアになったことだし、エルちゃんのお世話も一緒にしたいから…良いよね?」
ましろさんは上目遣いで僕に同棲のお願いをしてくる。まあ、未成年で中学生の僕達が同棲するのは世間的には賛否あるかもしれないけどましろさんの家にはソラさんやツバサくんも同棲してるんだから僕が加わってもまあ些細な問題だろうし目的が同じ人間でまとまると得することもあるからね。
「分かった…反対はされないとは思うけど、父さんと母さんに交渉してみるよ。一緒に住もうね!」
「やったー、嬉しい。それと、もう一つだけどこれからはお互いに呼び捨てで呼び合いたいなと思って…私達ってもうカップルだしそろそろ先のステージに進みたいの。良いかな?」
「もちろん。これからもよろしくね、ましろ…」
「うん!琢郎もずっと私のそばにいてね?」
そして僕達は西日に照らされた中で目を閉じて向かい合ってから唇を重ねる。これが僕とましろのお互いにとってのファーストキスでこの記念をお互いの唇に刻み込む。キスを終えた時にはお互い顔が夕日のように赤くなっていたのはここだけの話だ…
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~20年後~
「こうしてスカイランドの人達はアンダーグ帝国の人達と仲良くなり地球は平和になりましたとさ…めでたしめでたし。」
あれから20年の時が経った。僕達はプリキュアとしてアンダーグ帝国の野望を阻止してエルちゃんのお世話を終えることに成功し、それから成人して生活が安定した後に結婚。(満)34歳となった今では双子の兄弟(満10歳)である琢真&白郎(しろう)とその下の女の子虹花(こうか)(満5歳)の三人の子宝に恵まれた…そんな今は売れっ子絵本作家でサラリーマンである僕の3倍稼いでいる妻のましろがプライベートで作っていたプリキュアの絵本を子供達に読み聞かせていたところである。
「母ちゃんすげー…かっけええよ!!」
「琢真、お父さんも忘れちゃダメだよ…まさかテレビでたまに特集されている『プリキュア』がお父さんやお母さんのことだなんて。僕、こんな大人になりたい!虹花もそう思うよね?」
「うん!パパとママ、ヒーローで凄いね。いい子いい子♪」
「えへへ、ありがとう♪」
(まさかましろだけじゃなくて自分の娘からも頭を撫でられる時が来るとは…照れるけど嬉しいな。)
「父ちゃん、母ちゃん…俺、プリキュアに変身するところを生で見てえよ!変身アイテムはまだ持ってるんだろ?ちょっとで良いからさぁ…」
「ダメだ…お前達、明日はピクニックがあるんだからな。早く寝ないと連れて行かないぞ?」
「「「ええ〜っ…」」」
「はいはい、文句は言わないの。それじゃあ…子供達は私が寝かせるね。」
「うん…みんなが寝たら二人きりで、夜を過ごそう。」
「分かった…待っててね!」
ましろは三人の子供を寝かせるべくリビングを後にするのであった。物語としては時間軸がかなり吹っ飛んだかもしれないけど、プリキュアを通してましろとさらに仲良くなって僕もプリキュアになり付き合うことができて結婚した…そう思うとキュアプリズムとしての出会いはかなり良いものだったと言える。これからもこの幸せを噛みしめながら子供達と過ごしていきたいなと思った…これからもよろしくね!
石井琢真(たくま)、白郎(しろう)
CV:藤原夏海(琢真)、内山夕実(白郎)
身長:135cm
体重:30kg(琢真)、26kg(白郎)
誕生日:7月7日
年齢:満10歳
琢郎とましろの間に産まれた双子の兄弟。名前の由来は夫婦のそれぞれの名前を足したものになっていて性格としては琢真は元気で好奇心旺盛、白郎も好奇心旺盛ながらも彼とは対照的に冷静。序列としては琢真が長男で白郎が次男。
石井虹花(いしいこうか)
CV:Machico
身長:110cm
体重:16kg
誕生日:7月10日
年齢:満5歳
琢真と白郎の妹で石井家の末っ子。好奇心旺盛なのは上の兄弟譲りで癒し系なのは母親譲り…両親はいつも彼女にメロメロな様子だ。
…こんな感じで今回の本編はいかがでしたか?琢郎がプリキュアになっただけではなく結婚しましたね。彼のプリキュアの能力に関しては後ほど活動報告の方にまとめさせていただきますのでもうしばらくお待ちください!
琢郎が変身したキュアネイチャーは我ながらチートだなと思います。作中でも触れましたけど、ある海軍の大将…緑牛ことアラマキの力が使えますもん!悪魔の実を使わなくてもこれって原作のキュアマジェスティを上回ったチート以外に何と言えば良いのでしょう?いや、蔦だったりもするからビンズの方が近いかも…どっちにしても強いプリキュアを生み出してしまいました。
そんなこんなで琢郎とましろちゃんは結婚までしましたが、次回こそが最終回です!最終回は最後でも少し言及したようにピクニック…まあ、夫婦の日常をお届けします。キャラとしては何と、20年後の(作中の)プリキュア勢揃いとだけは言っておきますね…キュアスカイからキュアマジェスティ、そしてここから出たキュアネイチャーが勢揃いです!そうなると…まあ、察しはつくでしょう。それを楽しみにしていてください!
そして、今日は朝8時半から朝日放送並びにテレビ朝日系列でわんだふるぷりきゅあの4話もあるのでその感想も併せてもお寄せしてくださると嬉しいです。今日の4話はついに猫屋敷まゆちゃんが本格登場なのでね…まゆちゃんがどんな子なのか楽しみにしたいですなぁ♪
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それでは、最終回もお楽しみに!