光は屈折しても恋はまっすぐ! -キュアプリズムに恋した少年の話- 作:寿垣遥生
でも、ましろちゃんは安定して可愛かった♪
side琢郎
(キュアプリズムって何度見ても可愛い…)
学校に着いてから僕は教室の中でキュアプリズムの写真を見て1人で癒される。昨日の夜から1人の時に訪れる至福の時間だ…ちなみに虹ヶ丘さんとソラさんは2人仲良く離れたところで話している。どうして一緒じゃないのかって?それはウチのクラスの男子(の一部)がからかってくるからだ…彼らは僕が女の子と話すだけでも何か冷やかしてくるので本当に嫌になる。それを避けるためというのが大きいかな?
「よお、琢郎…何見てるんだ?」
「うわああああああっ!?なんだトシか…朝練は終わったの?」
僕の背後から声がして振り返るとそこには僕のクラスメイトにして幼馴染のトシこと波瑠俊雄(はるとしお)がいた。彼は2年生ながら野球部の1番バッターを務めていて俊足の外野手だ…守備も上手いがホームランだって打てるし盗塁もしまくる何でもできる男でガッツもあり自分の役割をそつなくこなす野球星人みたいな存在、そんな彼は僕にとって最強で誇りに思う親友だ。
「ああ、さっきな…だけど、俺を亡霊みたいに扱うんじゃねえよ。」
「ごめん…それで何か用?」
「お前、さっきニヤニヤしながらスマホを見てたけど…何を見てたんだ?俺にも見せてくれよ!」
「別に…時計を見てただけだって。疲れてるなら休んだ方が良いと思うよ?授業中に居眠りとかダメだからね…」
「おおっ、あんなところにプリキュアが!」
「ええっ!?どこどこって…いつの間に!?」
「おおっ、これってキュアプリズムじゃねえか!お前…どうやってこの写真を入手したんだよ?」
僕がプリキュアがいるであろう指を指した場所を見ている隙にスマホをトシから奪われてしまう。プリキュアに弱いことを良いことに上手くしてやられた…彼は本当にずるいけど、油断する僕も悪いかもね。
「こらっ、トシ…!」
「ほぉ…しかも誰かの家でのオフショットか。笑顔が可愛いなぁ〜♪」
「返して!まったく…君は凄く卑怯だよ。プリキュアが好きなことを良いことに利用するなんて…本人達がこれを知ったら泣くよ?」
「そんな堅苦しいことを言うなよ…俺と琢郎の仲じゃねえか?それはそうと、キュアプリズムって凄く可愛いよな!」
「そ、そう?やっぱり分かるでしょ!」
「ああ。リーダーのキュアスカイと比べて女の子らしいしおしとやかだし、何と言うか虹ヶ丘さんにそっくりでまるで彼女が変身したかのような感じだよな!」
「へ、変身?まさかね…何を言ってるんだい?虹ヶ丘さんがキュアプリズムな訳がないよ。そんな普通の人間がプリキュアなんてそもそもありえないし…」
「でも、お前が観てきた女の子向けのバトルものってみんな変身して戦ってるだろ?プリキュアだって同じだと思うんだよ。それに、仮に虹ヶ丘さんがキュアプリズムだとしてみろって…彼女はウチのクラスの美少女ランキングで不動の1位、そんな虹ヶ丘さんがキュアプリズムとか最高じゃねえか! 」
「まあ、そうだけど…」
トシはキュアプリズムの正体が虹ヶ丘さんではないかと分析して熱く語る。確かに彼女はウチの学校の先輩男子が作ったサイトである『私立ソラシド学園美少女ランキング』の2年2組部門で1位に君臨…昨年のクラスでもやはり可愛さとか優しさとかが評価されて1位だった。そんな彼女がキュアプリズムの正体だとしたら僕だけじゃなくて男子はみんな狙うんだろうな。(ちなみに2位はソラさん。なお本人達を含めて女の子達はこのランキングを知らない…)
「なんだよ、そんな不安な顔をして…」
「とにかくスマホを返して!そろそろ朝のホームルームが始まるから席に戻りなよ?」
「はいはい…まあ、推し活頑張れよ!」
僕はトシからスマホを奪い返してカバンの中に片付けようとする。そんな時にLINEの通知音が鳴って誰かと思って確認したら虹ヶ丘さんだった…一体、何だろう?
『昼休み、いつもの場所に来てね。』
僕はとりあえず『了解』のスタンプを送ってからスマホを片付けてまた席に戻る。もしかして、またもや虹ヶ丘さんを怒らせちゃったかな?早速、プリキュアの話を広めてしまって約束を破ったし…普段が優しい人ほど怒ると怖いものはないね。
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それから午前中の授業が終わって弁当も食べ終えた昼休み、僕はいつものように体育館裏のベンチで虹ヶ丘さんを待つ。この場所は2人きりの時で何でも話せる特別な空間で教室よりも気が楽になる空間だ…(クラスで一番の美少女と評されてる子だからなおも特別に感じてしまう…)
「お待たせ。ちょっと委員会の先輩と話してきたから遅れちゃった…」
「ううん、全然待ってないよ。僕も3分ぐらい前にここに着いたから…とりあえず、座って。」
「ありがとう。隣失礼するね?」
虹ヶ丘さんはお礼を一言言ってから僕の横に腰かける。それにしても、クラス1の美少女だということを意識して見るとキュアプリズムに負けないぐらい可愛いな…まあキュアプリズムに似てるって評されれば可愛いのも当然の話だろう。
「どうしたの…私の顔に何かついてる?」
「いや、別に…ちょっと考え事をしててね。」
「考え事って朝に波瑠くんとしていた話のこと?」
「やっぱり…聞いてた?」
「聞いてたというより聞こえてたの方が正解かな?声が大きかったし…それで、波瑠くんに見せたよね?キュアプリズムの写真。」
「まあ、見せたけど。」
「そうなんだ…」
虹ヶ丘さんは頭を抱えて困ったような表情を浮かべる。プリキュアの存在が広まることがまずいのは分かるにしてもどうしてプリキュアと無関係な彼女が困惑してるのだろうか?
「それで、気になることがあるんだけどさ…虹ヶ丘さんってもしかしてキュアプリズム?」
「えっ、あっ…違うよ!?何を言ってるの?」
「いきなりでごめん。トシがキュアプリズムの写真を見て虹ヶ丘さんと顔が同じだから変身した姿じゃないのかって疑っていてね…」
「そ、そんな理由!?前も言ったけど、世界中に同じ顔の人って3人いるんだからきっと私のそっくりさんなんだよ!私はキュアプリズムとは知り合いだけど同一人物じゃないからね!?」
虹ヶ丘さんは手をバタバタさせながら自分はキュアプリズムでないということを弁明しようとする。キュアプリズムのことになるとおかしくなる彼女に違和感はあるけど、この慌てっぷりが可愛く思えてしまう。
「分かってるよ。プリキュアは凄いんだから運動が苦手な虹ヶ丘さんのはずがないもんね…ソラさんがプリキュアだったら分かるんだけど。」
「ううっ…何かちょっと傷ついた気がするよ。」
「ごめん、虹ヶ丘さんを貶すとかそんなつもりはなくて…そんな普通の人間があんなにも凄いプリキュアだってことがありえないって意味なんだよ!だから落ち込まないで?」
「そう?とにかく、プリキュアの写真を他の人に見せたら変な憶測が飛び交って活動しづらくなると思うから絶対に見せないこと…守れる?」
「はい、ちゃんと守ります。」
「本当に?『あっ、プリキュア!』って言われてその方向を向く石井くんだからなぁ…」
「それはまあ…否定できないけど、これは守れるよ。プリキュアのためなら何でもするさ!」
僕は虹ヶ丘さんとキュアプリズムの写真を他の人に見せないと約束を交わすが、痛いところを彼女から突かれてしまう。そりゃあプリキュア(特にキュアプリズム)が好きなんだもん…そこにいるとなると目で追うものだ。
「ふふっ、ありがとう…やっぱり石井くんって人のことをよく考えてるね。」
「どうして虹ヶ丘さんがお礼を言うの?」
「えっ、ああ!キュアプリズムはそう思ってるんだろうなって思って。あはは…」
「まあ、とにかく僕は自分よりも相手とか周りの人が一番だと思ってるからね…もちろんキュアプリズムだけじゃなくて虹ヶ丘さんのこともソラさんもトシもみんな大事な仲間だよ。」
「石井くん…」
虹ヶ丘さんは僕の言葉に嬉しそうな表情を浮かべる。みんなは僕にとってはかけがえのない仲間だからね…この人生で僕には沢山の仲間ができたし、今も一定数いる。そんなみんなをこれからも大事にしていけたら良いな…
「あっ、それと私からもう1個お願いしたいことがあるけど聞いてくれる?」
「何かな?僕にできることがあるなら力になるよ!」
「ありがとう。それでね…今日の放課後、空いてるかな?」
「することは特にないと思うから空いてるよ。もしかして何かあったの?」
「うん…私じゃないけど、ソラちゃんに英語を教えてほしいなと思って。その…家に来てくれる?石井くんって英語は凄く得意でしょ?」
「まあ、英語は点数が良いから得意…なのかな?そういえば、ソラさんって英語があまり得意じゃないよね。僕で良かったら協力するよ!」
「ありがとう!私も英語はそんなに得意じゃないから凄く助かるよ…今日の放課後ね。」
『お昼休み終了5分前です。外に出ている生徒の皆さんは教室に戻って次の授業の準備をしましょう。繰り返します…』
ちょうど虹ヶ丘さんの家へ行く約束をしたところで昼休みが終わる5分前を知らせる校内放送が流れる。まるでこの話を待っていたかのようなタイミングだった…彼女の家へはごく稀に遊びに行ったり勉強会を開いたりで行ったことがあったけど、ソラさんが来てからはこれが初めてだ。
「そろそろ授業があるから戻ろうか。」
「そうだね、次は数学で先生が厳しいから急いで準備しないと。行こう!」
そして僕達は急いで教室へと戻るのであった。虹ヶ丘さんの家に遊びに行くのはいつも楽しみにしてるけど、今に関してはその倍ぐらい楽しみである…そして、ソラさんにはプリキュアに関しても質問したかったからちょうど良いタイミング、色んなことを考えながら残りの授業を過ごすのであった。
~~~~~~~~
「ただいま〜。」
「お帰りなさい。最近は機嫌が良さそうね?」
学校が終わって家に帰ると、僕の母さんである石井裕子(いしいひろこ)が夜ごはんを作っていた。両親は共に優しい存在で本当に頼もしい…本当に僕には良い仲間と良い家族がいて幸せ者だと思う。おまけに、キュアプリズムという何よりも恋しい存在もいるしね…
「まあ、色々と楽しいんだよね。そうそう…これから虹ヶ丘さんの家に勉強を教えに行ってくるけど、ごはん前までには帰ってくるからお風呂とごはんの準備よろしく頼むよ!」
「ちょっと待って。虹ヶ丘さんのところに行くんだったらちょうど良かった…机の上に回覧板があるでしょ?それもついでに回してきてくれる?」
「ええ〜っ、回覧板ぐらい自分で回してきなよ…何で毎回僕に頼むの?」
「だって、今は手が凄く離せないんだもん…これから洗濯もしないといけないし。」
「分かったよ…ついでだし行ってくるね。」
「ありがとう、行ってらっしゃい♪」
そんなこんなで僕は回覧板を回すのもついでに虹ヶ丘さんの家へと向かう。自宅から横断歩道を渡ればすぐの真向かい…あっという間に僕は屋敷の前にたどり着いた。
(それにしても虹ヶ丘さんの家に来るのは久しぶりだな…少し緊張してきたかも。)
そんな感じで僕はインターホンを鳴らす。手は震えているけど何とか押せたかな?しかもソラさんもいることだからより女の子に囲まれてしまうことになる…そう考えると心臓のドキドキが早くなってきたような気もした。
『はーい。』
すると、中から反応してきた声は虹ヶ丘さんのものではなくて幼い男の子の声だった。もしかして虹ヶ丘さんには弟がいたのだろうか?いや、そんな話はなかったはず…どうしてなのか意味が分からない。
「あれ…虹ヶ丘さんじゃない?」
『えっ、あっ…すみません、ましろさんはちょっと今対応できないみたいで僕が対応しています。』
「そう。とりあえず、今回は2つ用件があるから開けてほしいんだ…その虹ヶ丘さんに用があることだし。」
『分かりました、少々お待ちください。』
男の子はそう言うと通話を切ってから走ってくる足音がドアの向こう側から聞こえてくる。それが止むとガチャッと鍵を開ける音がしてドアが開く…
「お待たせしました…って、貴方は確か石井琢郎さんですよね?」
そこに現れたのは僕よりも身長が低くてオレンジ色の髪をして左目が隠れている男の子が出てくる。その子は出会って早々に僕の名前を当ててきた…接点は無いはずなのにどうして僕のことを知ってるんだ!?
「そうだけど…君は誰?」
「すみません!僕は夕凪ツバサ、この家でもう1年ぐらい空を飛ぶことの研究をしています。貴方のことはましろさんとソラさんから聞いていましたけど、やっぱりそうでしたか…」
「なるほどね…って、1年?研究!?空を飛ぶこと?」
僕は夕凪くんが自分のことを知っていたことよりもこの1年間ここにいたことと研究内容に驚いてしまう。それもそうだ、虹ヶ丘さんと会ったのも1年ぐらい前でその時から虹ヶ丘家にいたとなると…いや、それ以前に僕よりも少なからず年下そうなのに学校の自由研究以上に深いことをしているって、もうこっちが空を飛びそうなぐらい驚いてしまうよ。
「と、とにかく今回は2つ用件があってここに来たんだよ。まずは回覧板…これをヨヨさんに渡してもらえないかな?」
「分かりました。いつも石井さんが届けているんですよね?大変な中ですけどありがとうございます。」
「うん…よろしくね。それと、今日はソラさんに英語を教えるためにここに来たんだけど虹ヶ丘さんとソラさんはいる?」
「まあ、一応ましろさんのお部屋にいますけど…」
「ありがとう。お邪魔します!」
「あっ、待ってください!今はちょっと取り込み中だと…」
僕は夕凪くんの制止を遮って上にある虹ヶ丘さんの部屋へと向かう。とにかく、ソラさんの苦手な英語を得意にしていくとなれば1秒も無駄にはできない…とにかく急ぐのみだ。
「(ここが虹ヶ丘さんの部屋…ここにソラさんと虹ヶ丘さんがいるのなら迷わず開けるんだ!)お邪魔しま…えっ?」
僕が部屋に入ると中には虹ヶ丘さんとソラさんに加えて紫色の髪をした赤ちゃんがいて虹ヶ丘さんがその赤ちゃんのオムツ交換を終えたばかりの状態だった…この子は一体何者なんだ!?夕凪くんの存在といいさらに頭が混乱してしまう。
「あっ、石井くん…来てたの?いらっしゃい。」
「虹ヶ丘さん、ソラさん…その赤ちゃんは?」
「ええ、実はちょっと知り合いの赤ちゃんを預かっておりまして…そうですよね、ましろさん?」
「う、うん!だから決して石井くんが思ってることじゃないからね!?」
ソラさんと虹ヶ丘さんは赤ちゃんの存在を知られて動揺する。まあ、思えば虹ヶ丘さんには弟も妹もいないしさっきの夕凪くんとの間でできた子供でもなさそうだし…思ってるようなという以前にそんなことは元から考えていない。(それ以前に妊娠してたら学校に来れないし中学生だから大問題になる)
「大丈夫だよ、僕は分かってるから…それにしても随分と可愛い赤ちゃんだね。名前は何と言うの?」
「エルちゃんだよ。可愛いでしょ?」
「うん、良い名前…エルちゃん、はじめまして。僕はここにいるお姉ちゃん達のお友達の石井琢郎だよ。よろしくね♪」
「えるぅ?えるぅ!」
すると、エルちゃんは立ち上がってから嬉しそうな感じで僕の頬を小さな手で触る。僕は一人っ子だけど不思議なことに昔から赤ちゃんに懐かれることが多いのだ…これなら結婚して子供ができても苦労はしなさそうかもとずっと思っていたし、両親からも言われていた。
「凄いです!エルちゃんが初めての人にこんなに懐くなんて…しかも接し方がとても上手ですけど、石井くんには弟さんとか妹さんとかいるんですか?」
「いや、僕の家族は父さんと母さんだけだよ。でも、昔から僕の周りの赤ちゃんがみんな懐いてくれるんだ…不思議だよね。」
「多分、石井くんは凄く優しい顔をしてるし雰囲気も優しいから安心できるんじゃないかな?エルちゃんも楽しそう♪」
「えるぅ、えるぅ♪」
そんなエルちゃんは突然と僕の頬を思いっきり引っ張っている。僕のここをおもちゃにして遊んでいるようだ…ても、赤ちゃんとはいえここを引っ張られると流石に痛い。
「いてて、ほっぺを引っ張られたら痛いよぉ!参ったなぁ…」
「いけませんよ、プリンセス!この人はお客さんなんですから…すみません石井さん、プリンセスのやることに悪気はないんです…許していただけないでしょうか?」
ちょうどその時、回覧板をヨヨさんに渡し終えたであろう夕凪くんが部屋の中に入ってきてエルちゃんと僕を引き離してから僕に謝ってきた。エルちゃんがプリンセス?さらに新しい疑問が生まれてさらにややこしくなる。
「えるぅ〜!!」
「今、プリンセスって言わなかった!?エルちゃんってプリンセスなの?」
「そうですよ、このお方はスカイランドのプリンセスです。それ以外に何があるんですか?よしよし、落ち着いてください…」
「ツバサくん、スカイランドの話は…!」
「あっ!?」
夕凪くんはエルちゃんを落ち着かせながら彼女がスカイランドのプリンセス…お姫様であることを明かしたが、虹ヶ丘さんに指摘されて彼はやらかしたと言わんばかりの表情を浮かべる。
「大丈夫だよ。スカイランドのことは分かってるから…そもそもソラさんは学校の中でもたまにスカイランドの話をしてたし。」
「まあ、そうでしたけど…って、スカイランドの存在を信じるんですか?」
「実はソラさんが転入してスカイランドの名前を出した時に色々調べたんだ。その中で本屋にスカイランドのことが書かれてあったノンフィクション小説を見つけてね…タイトルは『空の上の国』で内容としてはこの本の作者が30歳の時にスカイランド人を助け、その恩返しとしてスカイランド旅行をした中で色んな体験をしたって感じで最後に『空の上にも国は存在した』という名言を残した有名な大ヒット作だよ。これを読んだらもうスカイランドの存在を信じるしかないね。」
「私もその本が売られてるのは見たことがあったけど、タイトルにあった空の上の国ってスカイランドのことだったんだ…」
「あと、ヨヨさんがスカイランドの人だってことも知ってるからね。前に会った時、この本の話をしたら故郷のスカイランドのことを本に書いてあることの+αを詳しく話してくれて…ヨヨさんがスカイランドの人ってことは虹ヶ丘さんはクォーター?羨ましいよ♪」
「そうかな?おばあちゃんがここに来たのはもうかなり遠い昔だから私はスカイランドの存在をソラちゃんが来るまで知らなかったし、おばあちゃんがスカイランドの人だということはついこの前知ったから。全然スカイランドのことも知らないから羨ましいかどうか分からないかも…」
僕がスカイランドのことを熱く語ると虹ヶ丘さんは少し困ったような笑みを浮かべる。ちょっとドン引きされてる感じなのかな?あまり芳しくない様子だ…やっぱり女の子と接するのって難しいね。
「ましろさん、大変です!」
「どうしたの、ソラちゃん?」
「私…筆箱を学校に置いてきてしまいました!どうしましょう〜!?」
ソラさんは突然と筆箱を教室に忘れたと慌てだす。その気持ちは凄く分かるよ…僕も何度か経験したからね。放課後の教室は閉まってる可能性もあるから本当に忘れたら厄介な事態になる。
「ええっ!?でも、まだ学校は開いていると思うけど教室は閉まってる可能性もあるし…ここは学級委員の私も一緒に行くよ!」
「ありがとうございます…ましろさんはなんて優しいお方なのでしょうか!」
「大袈裟だよ…とにかく、今から私達は学校に行くから石井くんとツバサくんはエルちゃんを見てて?」
「お任せください!プリンセスは僕達が守ります。」
「気をつけてね。」
「ありがとう、行くよソラちゃん!」
「はい。行ってきます!」
こうして、ソラさんの筆箱を取りに行くべく2人は仲良く部屋を後にしてから学校へと向かう。それにしても何をするにも一緒の2人は凄く尊いものだ。流石にこのコンビの間には入れないよ…それぐらいに定番化してる。
「夕凪くん、男同士2人きりになったね。」
「まあ、プリンセスはお部屋の中を探険してますけど…とりあえず、僕のことはソラさんやましろさんのようにツバサって呼んでもらえますか?夕凪だと呼ばれ慣れていないので…僕も琢郎さんって呼びますから。」
「あ、うん…それでツバサくん、君には好きな女の子っているの?」
「なっ!?突然すぎますね…どうしてその質問をするんですか?」
「まあ、男同士だから話せることもあるじゃないか。それにしても君が羨ましいよ…スカイランドからここに来たと思ったら女の子2人に囲まれてさ。それで、どっちが好きなの?ソラさん?虹ヶ丘さん?」
僕は夕凪くん…ツバサくんにソラさんと虹ヶ丘さんのどっちが好きなのかを質問してみる。どっちも可愛い女の子だし難しい質問だったかな?彼は顔を赤くして深呼吸しながら答えを出そうと考える。
「まだ分からないですけど…気になる人がいます。」
「おおっ、それはどっちだい?」
「いえ、ソラさんでもましろさんでもありません…僕が最近気になっているのはその…あげはさん、です。」
「あげはさん…ああ、聖さんだね。虹ヶ丘さんの幼馴染のあの人!新成人ながらハマーを乗り回しつつも保育士を目指して日々頑張ってるあの人…あんな豪快で素敵な大人には憧れるよ!君もそう思うだろう?」
「は、はい…」
ツバサくんは僕に押されてとうとう俯いてしまう。普段の僕だったら逆に押されてる立場だけど、彼は僕よりも年下で結構素直なところがある…普段は弱気な僕でもからかいがいのある相手だ。しかし、第三の答えとして聖さんを出してくるとは…彼はお姉さん好きなんだな。
「そういう琢郎さんは確かキュアプリズムのことが大好きなんですよね?」
「どうしてそれを!?」
「ましろさんから最近聞いてるんですよ。まっすぐすぎるぐらいに大好きだって…」
「ああ、虹ヶ丘さんがね…それでツバサくんが思うにどのプリキュアが可愛いと思う?」
「ええっ!?いや、それは決められませんよ。そもそもプリキュアはアイドルとかモデルとかじゃなくてヒーローなんですから…可愛いとかそういう話じゃないです!」
「そうか。でも、キュアプリズムって可愛いんだよね…とても可愛いし、ふわふわした声に衣装からちらっと見える肩と脇と太ももも最高なんだよ!キュアプリズムこそTUEEEEって感じ♪」
「琢郎さんって変態なんですか?」
「それ虹ヶ丘さんからも言われた…肩とか脇とか太ももってそんなものなのかな?別に見られて恥ずかしいものじゃないと思うんだけど。」
「まあ、意見は人それぞれだと思いますよ。僕に関してはこういうことにはまだ疎いもので…すみません。」
「いやいや、大丈夫だよ。それでさ…ツバサくんはこれからここで何をしていきたいと思うの?」
「そうですね…引き続き空を飛ぶことの研究をしてみたいです。それと、騎士(ナイト)としてプリンセスを守り無事にスカイランドへと戻していきたいなとも思ってますね…まあ、いつ戻せるかは分かりませんけど。」
「なるほど、騎士ね…僕もなりたいな、キュアプリズムを守る騎士に。」
「プリキュアはみんな強いので騎士はいらないと思いますけどね…ですが、いざという時はプリキュアを応援したり守ったりしてください。それがあの人達の勇気になると思いますから!」
「ツバサくん、ありがとう…プリキュアのことをこれからも沢山応援してできることならプリキュアを守ってみせるよ!」
「はい、頑張ってください。」
こうして僕はツバサくんの一言でプリキュア(特にキュアプリズム)を守りたいという気持ちが強くなった。現場に行く時点で虹ヶ丘さんとの約束を破る感じにはなるけど、僕だってツバサくんのような騎士になりたい…そんな気持ちでツバサくんと男同士熱い握手を交わす。それからはスカイランドの話とかその他諸々を話し、ソラさんと虹ヶ丘さんが合流してからは勉強会も完了。今日は色んなことがあったけど、それらを噛みしめてまた明日から頑張ろうと心に誓うのであった。
波瑠俊雄(はるとしお)
脳内CV:榎木淳弥
身長:163cm
体重:55kg
誕生日:5月25日
年齢:満14歳
琢郎の幼馴染で親友。野球部に所属していてポジションはセンター、率も残せてホームランも打てて守れて盗塁も何でもできる野球星人で琢郎が誰よりも頼りにしている。あるプロ野球選手(現コーチ)と同じ読みながら別人もガッツ溢れるプレーはその本人そっくり。
石井裕子(いしいひろこ)
脳内CV:湯屋敦子
身長:160cm
体重:??
誕生日:1月9日
年齢:満38歳
琢郎の母親、専業主婦として家族をサポート。とても元気で優しくほぼ笑顔で滅多に怒らない。浩央とは未だに新婚ぐらいラブラブで息子の琢郎も同じぐらい愛している。競輪選手と同じ読みの名前だが自転車は下手。
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