光は屈折しても恋はまっすぐ! -キュアプリズムに恋した少年の話- 作:寿垣遥生
その中でもましろちゃんの怒り…鬼神のようなソラちゃんの怒りと比べたら圧力はなくともバッタモンダーは見事に怯んだよね。こっちでは2回ぐらいましろちゃんは怒ってるけど、原作のこの1回の怒りはむしろ怖いものじゃないのかな?できることならましろちゃんは怒らせない方が良いね。
そして、今回は恋のターニングポイントになるお話。どうぞお楽しみに!
side琢郎
週末の土曜日、僕は昼から母さんに頼まれておつかいをしていた。今日の夜ごはんはカレーライスということで人参、玉ねぎ、じゃがいも、豚肉、カレールーをスーパーで購入。これから公園の前を通るという時…聞きたくもない叫びが耳に入った。
「ランボーグ!!」
「うわああああ!?」
「みんな、早く逃げるんだ!」
その正体はこの街にここ最近姿を現すランボーグ…今回の媒体は公園の真ん中にそびえ立つ公園灯、しかも元が大きいからとんでもなく大きくて凄く強そうだ。そんな姿を見た公園の中にいた人達はあっという間に逃げ去ってあっという間に誰もいなくなる。
「みんなが怯えるところが見れて爽快爽快!誰もいなくなったのはちょっと残念だけど、もっと暴れて公園も丸ごと破壊してしまうのねん!!」
その様子を見て喜ぶ豚のような怪物、そういえばあの時もいたようないなかったような気がする…これがランボーグを生み出しているヤツなのだろうか?暴れてる様子を見てそれを楽しむ。
「そうはさせませんよ…カバトン!」
「まさか…!?」
これから公園を破壊しようとしたタイミングで力強いというか聞き慣れた声が耳に入る。相手の怪物も何かを察してキョロキョロして声の主を探す。そのタイミングで滑り台の裏からプリキュアの3人が姿を現した。
「無限に広がる青い空、キュアスカイ!」
「ふわり広がる優しい光、キュアプリズム!」
「天高く広がる勇気、キュアウィング!」
「Ready…」
「「「Go!ひろがるスカイ!プリキュア!!」」」
そしてプリキュアは戦隊とかのように名乗り口上を決めていく。こうやって離れたところから見てもヒーローらしさが伝わってくるものだ…特にキュアプリズムが光って見える。
「プリキュア、また現れたのねん!やれ、ランボーグ!!」
「ランボーグ!!」
ランボーグはいきなりプリキュアに向かって襲いかかり、地面に穴が開くぐらいの一撃をまずは見せる。これに3人は反応良くジャンプして回避…やはりプリキュアの動きは軽いものだ。
「はああっ!」
「やああっ!」
まずはジャンプした勢いでキュアスカイとキュアプリズムが攻撃を仕掛ける。これにはランボーグも後ろに下がってしまい防戦一方…ここまで攻めれるとなれば後ろに控えるキュアウイングにとっては絶好だ。
「ひろがるウィングアタック!!」
そして、キュアウィングの体当たりのような攻撃がランボーグに命中。これには思わず相手も倒れてしまう…これはプリキュア側にいつもの必殺技を出せる好機だ。
「スカイ、プリズム…今です!」
「「はい(うん)!」」
「そうはさせねえ!ランボーグ、電気パワー全開なのねん!!」
「ランボーグ!!」
すると、ランボーグは自ら起き上がって発電してるのか電気を体内から放出していく。体は大きくなって腕と足は筋肉で太くなり誰がどこから見てもパワーアップした…こんなにも強い相手とはいえプリキュアなら勝てるはず、そんな風に思っていた。
「なんて大きさなの?しかも強そう…」
「そうですね、一筋縄ではいかなそうですけど…ここはとにかく攻めていきましょう!」
「それができるかな?行け、ランボーグ!プリキュアを一気に始末するのねん!!」
「ランボーグ!」
怪物…カバトンが指示を出すとランボーグは電気をあちらこちらへ放出していく。プリキュア達は攻撃して接近戦に持ち込もうとするも近づけない…
「ダメだ、これでは近づけない!」
「フハハハ、俺様が作った今回のランボーグはどうだ!手も足も出せねえだろ?まさに史上最強なのねん♪」
(今回のランボーグはこの前よりも強くてタチが悪すぎる…何か手はあるのか!?でも、プリキュアなら何とかしてくれるはず。)
「えるぅ!?」
僕はプリキュアが何かをしてくれることを祈ったその時、電撃が滑り台に命中してその裏からなんと揺りかごに乗っているエルちゃんが出てくる…しかもその揺りかごは何故か浮いていた。
「「「エルちゃん(プリンセス)!」」」
「プリンセス・エル…丁度良い、電撃でビビらせてからそのまま捕まえちゃうのねん!やれ、ランボーグ!!」
怪物はランボーグに対してエルちゃん目掛けて電撃を放つように指示をしてきた。こんなのに赤ちゃんが当たったら恐らく死は回避できないだろう…当てるつもりはなさそうだけど、当たった時が怖い。そう思っていたら一筋の電撃がエルちゃんへと向かう。
「エルちゃん、危ない…うわああっ!?」
このまま直撃すると誰もが思ったその時、なんとキュアプリズムが盾になってその電撃を代わりに受けた。彼女は奇跡的に命はあるものの体に痺れが来て倒れ込んでしまう。
「「プリズム!」」
「よそ見するんじゃないのねん!!」
「ランボーグ!!」
「「うわあああああっ!!」」
ランボーグはキュアプリズムの方を見ていたキュアスカイとキュアウィングを殴り飛ばすと、2人は流石に対応できず金網まで飛ばされる。まさか、これまで負けなかった強いプリキュアがみんなノックアウトしてしまうなんて…とにかく衝撃でしかない。
「俺TUEEEE!!これが俺様が生み出したランボーグの実力なのねん!恐れ入ったか!!」
「みんな…ううっ、体が痺れてて思うように動かない。でも、守らないと…この公園も、エルちゃんも!」
カバトンが喜んでいる中でキュアプリズムはなんとか起き上がる。しかし、彼女は強力な電撃をまともに食らっていてまともに動ける状態ではない…普通の人なら死んでるぐらいの電力を受けても生き残るプリキュアはまさに奇跡の存在だ。
「まだ起き上がるのねん?懲りねえヤツだなぁ…キュアスカイからやっつけられないのは残念だけど、キュアプリズムから始末してやるのねん!!」
「ランボーグ!!」
カバトンの指示でランボーグはフラフラ状態のキュアプリズムに目掛けて襲いかかる。このままだとキュアプリズムもエルちゃんも危ない…好きな女の子を守れず終わりだなんてそんなのは嫌だ!僕にできることは何かあるのか!?
『いざという時はプリキュアを応援したり守ったりしてください。』
その時、僕はツバサくんの言葉を思い出した。そうだ…僕にはプリキュアを守ることができる!そして、僕はキュアプリズムの騎士(ナイト)になるんだ…そう思った僕は自分が持てる脚力を全解放してキュアプリズムとエルちゃんのところへと向かう。自慢ではないけど、僕は野球部で一番の俊足であるトシよりも速い。それがここでどうやら役に立ちそうだ!
「キュアプリズム、エルちゃん…危ない!」
「えっ?」
「ぐわああああああああっ!?」
何とか追いついた僕はエルちゃんとキュアプリズムを突き飛ばして自分が身代わりになってランボーグのパンチを受ける。自分の体は直撃した途端、まるでトラックに轢かれたかのように宙を舞い空が近く感じた。キュアプリズムの肩に触れれたのはとてもラッキーで守れたことの幸せも感じながら意識が薄れていく。
「石井くん!!」
その目の前で僕の名前を呼ぶキュアプリズム…あれ、僕って彼女に自己紹介をしてたかな?どうして名前を知っていたのかは謎だったけど、彼女に名字とはいえ名前を呼ばれたのは嬉しかった。そのタイミングで僕の意識はここで途絶える…できることなら死ぬ前に『琢郎くん』って下の名前で呼ばれたかったな。
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「琢郎、琢郎!!」
「う、うーん…」
僕の名前を呼ぶ母さんの声がしてふと目が覚める。そこに広がるのは真っ白で蛍光灯しかない天井…そして、横を見るとそこには父さんと母さんの姿があった。
「良かった…この野郎、心配させやがって!」
「父さん、母さん…あれ、プリキュアは?ランボーグはどうなったの!?」
「プリキュア、ランボーグ…何を言ってるの?あんたは公園でずっと気を失っていてその時には誰もいなかったわよ?そしてここは病院。もしかして夢でも見てたりとか…」
「違う!僕はこの目で見たんだよ…プリキュアとランボーグとそれを操るカバトンという怪物を。」
「まあ落ち着け。お前は頭を打ったショックで少し記憶が混乱している…お医者さんからも言われてるが今日はここで入院しろとのことだ。まあ、怪我とかはなかったし明日には退院できるから今日はゆっくり休め…」
「父さん…」
僕は父さんと母さんにキュアプリズムを助けた話をしようと思ったが、どうやら信じている様子もなく僕を記憶障害扱いしている…これ以上話すのも余計にややこしくなってしまうと思った僕は何も言えなくなってしまった。
「とりあえず、俺は母さんを家まで送ってから仕事に戻るよ…君達、入ってきなさい。」
父さんが外に向かって声をかけるとソラさん、虹ヶ丘さん、ツバサくんの3人に加えてソラさんが抱っこしているエルちゃんが病室の中に入ってきた。
「みんな…」
「俺は仕事に戻るから琢郎のこと、頼んだぞ。」
「「「はい。」」」
父さんはそれだけをみんなに伝えてから母さんを連れて病室を後にする。その直後に少し気まずい雰囲気が流れる…ツバサくんとの誓いは守ったが、虹ヶ丘さんとの約束は破ってしまった。怒られるのか褒められるのかよく分からずハラハラだ…
「石井くん…目が覚めて良かった。プリキュアのみんなから知らされたけど、キュアプリズムとエルちゃんを守ろうとしてパンチを受けてずっと気を失っていたから心配だったの…」
虹ヶ丘さんはほっと一息して安心した表情を浮かべる。どうやら怒ってる様子はないみたい…なのかは分からないけど、僕も安心した。
「ごめん…でも、エルちゃんとキュアプリズムを助けられて良かったよ。」
「えるぅ、えるぅ♪」
すると、エルちゃんは小さな手で僕の頭を撫でる。赤ちゃんからこうされるのは少し照れるけど、こうしてエルちゃん(とキュアプリズム)を救えたことは非常に大きくて自分が誇らしく感じた瞬間だ。
「エルちゃんも石井くんのことを褒めてるみたいですね。本当にエルちゃんとキュアプリズムを助けてくれてありがとうございました!」
「ううん。困ってる人を助けるのは人として当たり前のことだからね…とにかく助けようと思ってしたことだし、ツバサくんと約束してたんだよ。『プリキュアを守ってみせる』ってね!」
「ツバサくん、そんな約束をしたの?」
「ええっ、ああっ…はい、男同士の誓いとして琢郎さんが僕にしてましたね。何がまずかったですか?」
虹ヶ丘さんに睨まれてツバサくんは動揺してしまう。それはそうだ、それぞれとした約束は違うものだったから…そして雰囲気も一気にまずくなる。
「ましろさん、ちょっと顔が怖いですけど?」
「ソラちゃん、ツバサくん…ちょっとこれから石井くんと2人きりで大事な話をするから、エルちゃんを連れて先に家で待っててくれる?」
「分かりました。ツバサくん、帰りましょう?」
「ですね。琢郎さん、お大事に…」
そして、ソラさんとツバサくんはエルちゃんを連れて病室を後にする。2人の顔は虹ヶ丘さんの表情を見て少し顔がひきつっていた…普段はおっとりしている子ほど怒ることほど怖いものはない。
「石井くん、私が恥ずかしい思いをしてキュアプリズムの写真を貴方にプレゼントしたことを覚えてるよね?」
「えっ、はい…覚えてます。」
虹ヶ丘さんは声色と表情はいつもと変わらないものの明らかに怒りのオーラを身にまとって僕に迫ってくる。これにはこの世のものでない恐怖を感じた…明らかに怒ってる時よりも怖い。
「そうだよね?待ち受けにするぐらいだから忘れるわけないもん…その時にどんな約束をしたのか覚えている?」
「えっと…プリキュアが戦ってる現場にはなるべく近寄らない、です。」
「そうだよね?でも、石井くんは約束を破るどころか無茶をした…こうなるのが嫌だから私はやめてって言ったんだよ?今回は大きな怪我がなくてランボーグはプリキュアがやっつけたから良かったけど、もっと強いランボーグが相手だったらどうなっていたのか…考えるだけでも怖いよ。」
「ごめん。君との約束を破ったのは悪いことだと自分でも分かってる…だけど、自分が通りかかったところにピンチの人がいたら放置なんてできないよ。もしも、キュアプリズムとエルちゃんを助けられなかったら…間違いなく2人は死んでた可能性もあったんだ。虹ヶ丘さんが僕の立場だったら、君はピンチの2人を放置できてたの?」
「それは…ごめんなさい、私もちょっと石井くんの気持ちを考えずに言っちゃった。そうだよね、私もやっぱり放置できないよ。石井くんって優しいね…」
虹ヶ丘さんは僕が逆に質問を投げると怒りのオーラが消えてから僕に対して謝ってから僕を優しいと笑顔で言ってくれた。好きな人とエルちゃんを守って本当に良かったと心から思う。
「そうかな?僕よりも優しい人なんていくらでもいるよ…ただ、大好きなキュアプリズムはどうしても助けたかった。そう思うとまず足が先に出ちゃったんだ…もちろん、エルちゃんもだけど。」
「石井くん…どうして貴方はキュアプリズムを守りたいと思うの?」
「えっ?」
すると、虹ヶ丘さんはまっすぐな目で僕を見ながら質問をぶつける。キュアプリズムをどうして守りたいのか…そんな理由は至って簡単、僕の中での答えは考える間もなく出た。
「それは決まってるでしょ?キュアプリズムを愛してるからかな…キュアプリズムは僕が命を懸けても守りたいと思うぐらいに大好きだと思った尊い存在だよ。」
「命を懸けて…そこまで思ってたの?」
「うん。僕はそれなりに女の子とは仲良くもしてきたし恋もしてきた…その中でもキュアプリズムは歴代No.1で可愛くて愛おしくて特別なんだ。そういった子は命を犠牲にしても守りたい!そう思って助けたんだよ。」
「本当に?」
「もちろんさ。僕がこんなことで嘘をつくと思ってる?」
「ううん、全然思ってないよ。そうなんだ…きっとキュアプリズムもこれを聞いてたら凄く喜んでるんじゃないかな?命を懸けて、ね…石井くん、王子様みたいでかっこいいよ♪」
すると、虹ヶ丘さんは微笑みながら僕のことを『かっこいい』と褒める。その瞬間、僕の心臓のドキドキは急に早くなった…通常の心拍数の1.5倍ぐらい早くなりそうな心地がする。キュアプリズム本人から褒められるのが一番かもしれないが、そんな彼女の面影を微かに感じる虹ヶ丘さんから言われるのも悪くはない…それどころかむしろ良い!
「ありがとう。ツバサくんと約束した通りにキュアプリズムを守れて良かったよ…凄く嬉しい!」
「やっぱりそうなんだ…男の子同士でそんな約束をしてたんだね。」
「うん、黙っててごめんね…虹ヶ丘さんとの約束もあったことだし、これを話したらツバサくんが怒られると思ったから言えなかった。それで、その…怒ってるよね?」
「ふふっ、大丈夫だよ。むしろ石井くんのその立派なところを見れてますます夢中になっちゃったかも♪」
虹ヶ丘さんは満面の笑みを浮かべてそう言った。夢中…か、思えば女の子から言われなかった単語である。これまでの恋は僕からの一方通行で相手は何とも思っていなかったし、僕に対する印象もほぼ皆無に近かった…でも、彼女は僕のことをいつも気にかけるどころかどんな話でも聞いてくれる。まさに虹ヶ丘さんは僕にとってキュアプリズムに並ぶ天使だ!
「ありがとう!女の子からそう言われるのは初めてだから凄く嬉しい…自分に自信を持てるようになった気がしてこの先も頑張れるよ!ところで虹ヶ丘さんに訊きたいことがあるんだけど、良いかな?」
「私に?答えられる範囲なら何でも良いよ。言ってみて?」
「うん。それで、虹ヶ丘さんって好きな人とかこれまでにいたの?」
「ええっ…どうしたの、いきなり?」
僕が虹ヶ丘さんに好きな人がいるのかを訊ねると彼女はいきなり動揺してしまう。思春期の人にしてはいけない質問なのは分かってる…だけど、虹ヶ丘さんのような素敵な女の子には僕の裏で彼氏を作っているものだと思ってしまうのだ。
「ほら、虹ヶ丘さんって凄く可愛いから男の子にモテそうでしょ?それに優しいし声も癒されるから好きになる人が多いんじゃないんだろうかって思うんだ…」
「まあ、モテてるかどうかは分からないけど男の子から告白されたことはあるよ?だけど、私も何となく恋愛に乗り気じゃなかったから答えを保留したままって感じかな…」
「なるほど。恋愛に乗り気じゃない…何があったの?」
「みんな私の中身を見てないというか…『可愛い』とか『優しい』とか言ってくれるけど、男の子が怖くて。だから、私は男の子を信じられなかったの…石井くんと会うまでは。」
「そうなんだ。もしかして、男の子から嫌なことをされたりとか?」
僕が理由を当てようと要因であろう要素を勘で言ったら、虹ヶ丘さんは無言でこくりと頷く。彼女は凄く辛そうな表情をしている…それだけ嫌な思いをしたということが口にしなくても伝わったような気しかしない。
「私ね、小学生の時に男の子から沢山嫌がらせをされたの。スカートをめくられたり、髪を掴まれたり、服をハサミで切られたり…それで私は男の子が怖くなっちゃって。その間にも何人かの優しくて仲の良かった男の子から告白されたけど、恐怖心から告白の返事に答えられなくなって保留したまま逃げちゃった…男の子はみんながみんな嫌がらせをする訳じゃないのに。」
「そうなんだ…でも、僕のことはそいつらと同じだと思わなかったの?」
「私もここに引っ越して石井くんと会った時は正直言うと最初は怖かったよ…でもね、貴方は最初から優しくてここら辺のことを教えてくれたりして笑顔も汚れのないとても澄み切ったものでこの人と一緒なら変われるかもって思ったの。それで実際に話したりしてみたら楽しくて幸せで…気がついたら男の子に対するトラウマもなくなったんだ。本当にありがとう!」
虹ヶ丘さんは僕の印象に話題が変わると先ほどまでの辛そうな表情から幸せそうな表情に変わって満面の笑み笑顔を見せる。どうやら彼女は僕が知らないところでかなり救われていたようだ…親友を1人救えているのなら凄く嬉しい。
「それは良かったよ…どういたしまして。」
「うん、それで逆に私も質問したいけど、石井くんはどんな恋愛をしてきたの?恋はしばらくしてなかったって言ってたけど…石井くんは凄く優しいからモテてたりとか!」
「いや、僕は全然。むしろ3回告白して3回失敗するぐらいだからね?地味だから相手の眼中にないのか僕に悪いところがあるのかサッパリだよ。それでも、今回の恋は絶対に負けたくないと思ってる…キュアプリズムは誰にも譲らないよ!」
「そうなんだ、頑張ってね…私も応援してるから。」
「ありがとう!」
笑顔で励ます虹ヶ丘さんから元気を貰う僕。しかし、何故か彼女の顔は不思議と赤くなっている…何でだろうか?体調が悪いようにも見えないし、最近の虹ヶ丘さんはかなりおかしいと少し思う。
「それじゃあ、私は帰るね。しっかり体調を整えてまた学校で…うわあっ!?」
虹ヶ丘さんが荷物を持って立ち上がろうとしたその時、彼女はバランスを崩してから僕を押し倒してきた。アクシデントとはいえ突然の出来事に驚いてしまう…
(虹ヶ丘さん、顔が近い…)
「ごめんね…ちょっと痺れちゃって。大丈夫?」
「う、うん…痺れたって何が?」
「えっと…いや、何でもって…えっ!?」
すると彼女は何かに気づいて驚く。そう、僕と彼女の顔の距離は少しでも動けばキスができてしまうぐらいに近かった…虹ヶ丘さんの呼吸がリアルに伝わる。
「あああっ!?これはその…それじゃあね!」
慌てた虹ヶ丘さんは顔を赤くして僕と離れてから走るように病室を後にする。彼女もドキドキしてたと思うけど、僕も凄いドキドキしていた…虹ヶ丘さんとこんなにも至近距離になったことはなかったし、あと少しでキスをしていたという場面となると考えるだけで頭がパンクしそうだ。しかも、本命のキュアプリズムよりも先にしてしまっていたかもしれないと思うと…キュアプリズムを愛する者としての顔が立たない。
(でも、このまま虹ヶ丘さんからキスをされたかったかも…ってダメだ!僕の唇はキュアプリズムとするまでは絶対キープしとかないと。虹ヶ丘さんとしてしまったら迷いが生まれてしまいそうだ…)
僕は頭を振って邪念を振り払おうとする。虹ヶ丘さんもキュアプリズムと同じぐらい気になっているけど、ここで浮気をしたら僕は何のためにキュアプリズムを守ったのか…意味が一瞬にしてなくなってしまう。
(とりあえず、キュアプリズムにまた会えたら今度こそ自分の気持ちを伝えよう。もう迷わない…恋は今回こそまっすぐだ!)
そんなこんなで次に会った時に好きな気持ちを伝える覚悟を持って僕は次の夜ごはんが来るまで眠りについた。夢の中でもキュアプリズムに会えたのだからきっと僕の恋は今回こそ実りそうかもしれない…僕の気持ちが伝わると良いな。
side out
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sideましろ
あれから私はとにかく走って家まで戻ってきて今は自分の部屋で考え事に耽る。まさかあのタイミングで体に痺れが出てしまって石井くんを押し倒してしまうとは…あの時受けた電気が体に残っていたとはいえ、あまりにも大胆すぎると自分でも思う。
(石井くんの顔、凄く近かったな…あと少ししたらキスをしてたんだね、私達。)
そして、あの時の近くで見た石井くんの顔を思い出した。まつ毛は長くて優しそうで人を癒してくれそうな目に綺麗な肌、そして柔らかそうな唇…あと少し動いていたらキスをしていた距離まで迫っていて思い出すだけで恥ずかしくなりそうだ。
(それにしても、石井くんは私のことを命を懸けて守りたいと言ってくれて私を実際に守ってくれた。もしも、助けられなかったら私は死んでいたかも…助けた石井くんからまさか助けられるなんて思ってもなかったよ。凄く嬉しい!)
しかし、その中で同時に石井くんから助けられたことも思い出す。彼はプリキュアに変身できない一般人なのに命の危険とかのリスクを考えずに助けてくれたのだ…それで『命を懸けて守りたい』とも言い、そんなに私のことが好きなんだなと思った。
(でも、石井くんが好きなのは『虹ヶ丘ましろ』としての私じゃなくてキュアプリズムに変身した私の方。正体を話した方が彼のためになるのかな?いや、正体を知ると彼はさらに危険な真似をするはず…うん、バレるまでは黙っておこう。)
そして正体を明かすべきかどうかも悩んだが、それに関してはバレない限りは黙ることにした。彼が私の正体を知ったところで人間性からみんなに広めるなんてことはしないと思うけど、それを知ったからこそさらに危険なことをする可能性はある…もう私は石井くんが傷つくところを見たくはない。
(とりあえずお礼に関してはプリキュアとしての活動が落ち着いたらちゃんとしようかな…最近はランボーグが沢山出てたり、エルちゃんのお世話とかで忙しいし。ごめんね、石井くん…もうちょっと待っててほしいな。)
「ましろさん、夜ごはんの準備ができました!もうみんな待ってますよ?」
「えっ、ああっ…ごめんね、すぐに行くよ。」
ソラちゃんに呼ばれた私は大急ぎで食卓へと向かう。プリキュアのことやエルちゃんのことだけじゃなくて最近は石井くんのことも考えるように…私は今、石井くんに人生で初めて恋をしているのだ。
秋にコラボ映画『F』が公開されるんだけどさ…何か出るキャラと出ないキャラの大人の事情感がどうも出てる気がする。特にスタプリのひかるちゃんが出てないのが納得いかない!声をしているえいたそ(成瀬瑛美)はプリキュアに特別な思い入れのある人なのに出てないのはどう考えてもおかしい。今はでんぱ組を卒業したからタレントとして自由に立ち回れるはずなのに…
まあ、プリアラの女優組はしゃあないと思うよ。美山加恋ちゃん(いちかちゃん)と福原遥ちゃん(ひまりちゃん)は本職が女優で売れっ子だから出れないにしてもさ…声優陣では悠木碧ちゃん(のどかちゃん)、かやのん(あまねちゃん)、はやみん(はーちゃん)といった超大物は出てるのにね。スケジュールがそんなに合わんのか?それとも最悪のパターンとしてプリキュアに出ていたことを黒歴史化したいのか…そんな人はいないと思うんやけど何か悲しい。
まあ、色々言いたいことはあるけどひとまずここまで。高評価、お気に入り登録、感想の3点セットをして次回もお楽しみに!
そして、ましろちゃん…お誕生日おめでとう!そんな日に投稿できて嬉しいです。これからも癒しを届けてね♪