光は屈折しても恋はまっすぐ! -キュアプリズムに恋した少年の話-   作:寿垣遥生

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ついにひろプリも終盤ですねぇ…この前はバッタモンダーとましろちゃんのお話でしたけど、彼も悩みがあったんだなということが分かりました。ただ、ましろちゃんの絵本を破って泣かせた時点で頭には来てましたよ…しかし、彼の根は変わろうとはしていたのです。闇に飲まれかけながらも改心したところを見せたところは見直しましたね…街の人達(特にましろちゃん)と触れ合う中で変わったんだな。

そんな中で今回は今更ながら原作にもあった特訓回、今さらで申し訳ありません。こっちはもう手一杯だったもので…やっと完成させました。どうぞご覧ください!


キュアプリズムを守るために…

side琢郎

 

 退院してから1週間経った土曜日、僕は家の中で自主勉強をしている。そんな時にツバサくんからLINEのメッセージが届く…(つい最近LINEでもお友達になった。)

 

『これからソラさんの特訓に同行しますけど、琢郎さんも行きますか?キュアプリズムを守るために強くなりたいと言ってたのでソラさんと一緒に特訓してみるのも良いですよ!』

 

 メッセージを開くとソラさんの特訓に同行するという内容が記されてあった。そういえばツバサくんには『キュアプリズムを守るために強くなりたい』とか言ってたな…こんな時に好都合な展開が巡ってきたのは願ってもいなかった。

 

(よしっ、勉強はお休みにして特訓に行くぞ!着替えとか色々用意しないと…)

 

 そして、僕はテキストを閉じて筆記用具も片付けると運動着に着替えてから着替えとかタオルとかの特訓に必要そうであろうものを準備していく。キュアプリズムを守るための力を身につけれるなら何だってやるつもりだ!

 

「琢郎、どこへ行くの?」

 

「ちょっと特訓に行ってくる。明日には多分帰ってくるから!」

 

「ちょっ、特訓って…ええっ!?」

 

 母さんは何が何なのか分からない様子でいたけど、僕はそんなことなど関係なく荷物を持って家を飛び出す。それで横断歩道を渡ってすぐにある虹ヶ丘さんの家の庭に向かうとそこには虹ヶ丘さんとソラさんと虹ヶ丘さんの幼馴染である聖あげはさんが出発の準備をしていた。

 

「あっ、琢郎さん…お待ちしておりました!準備も万端のようですね?」

 

「うん。ツバサくんも前に言ってたことを思い出してくれてありがとう…」

 

「えっ、ツバサくん…もしかして石井くんも特訓に同行させるの?もしかして!?」

 

「はい、前に琢郎さんから『キュアプリズムを守るために強くなりたい』と言われてたのを思い出して誘ってみましたけど…」

 

「良いんじゃない?たっくーのその覚悟…男らしくてかっこいいよ!」

 

「聖さん…ありがとうございます。」

 

 聖さんからかっこいいと言われて僕は思わず喜んで感謝の気持ちを伝える。これがキュアプリズムだったら何十倍も嬉しいことだけど、普段はお姉さんでしっかり者の聖さんから褒められたものだから普通に嬉しい。

 

「ところで、ソラさん…ツバサくんから聞いてるけど、どこで特訓をするの?」

 

「地元の石井くんなら分かると思いますけど、少し離れたところにあるらしいソラシド山ですよ…そこには山の主がいてその人に鍛えてもらおうと思っています!」

 

「なるほど…山の主か、何となく聞いたことがあるかも。でも、何のための特訓をするつもりなの?」

 

「実はカバトンから挑戦状を叩きつけられて…」

 

「カバトン?」

 

「ああ〜っ、違うの!カバもハマる豚汁が商品となるマラソン大会があるから体力を上げるための特訓をするんだよ。ねえ、ソラちゃん?」

 

「えっ、あっ…はい!豚汁のために特訓をするんです!!」

 

 ソラさんが特訓の理由を説明しようとしてカバトンの名前を出したその時、虹ヶ丘さんが間に割って入って誤魔化そうとする。どうしてカバトンがプリキュアじゃなくてよりにもよって一般人であるソラさんに挑戦状を叩きつけるのだろうか…どちらが嘘なのかよく分からない。

 

「そうなんだ…へぇ。」

 

「とりあえず、準備は万端だからそろそろ出発しようか!1分でも長く特訓するんでしょ?」

 

「そうですね!でも、前2列しか使えないから5人しか座れませんよ?エルちゃんも入れて6人で行くにしても窮屈じゃないかと…」

 

「それならご心配なく!」

 

 すると、ツバサくんの体がポンといきなり小さくなってオレンジの鳥の姿になった。あの鳥の姿は虹ヶ丘さんがここに来てからたまに見かけてたけど、その正体はまさかのツバサくんだったのだ…これが本当の鳥人間、なのだろうか?

 

「ええっ!?ツバサくんが鳥になった!」

 

「驚かせてすみません…実はこっちが本当の姿でここでは人間の姿で過ごしていますけど、一応スカイランドではプニバード族という鳥として過ごしています。」

 

「そうなんだ…人間になれる鳥って凄すぎて言葉が出ないよ。」

 

「とりあえず、たっくーは助手席で少年はたっくーの膝の上で良いかな?それで、ソラちゃんとましろんとエルちゃんは後ろに座ろうか。」

 

「「「「はい(うん)!」」」」

 

 こうして僕達の席が決まり、これから特訓へと出発していく。どうしてこのような特訓をするのかはまだ掴めてないからモヤモヤするところもあるけど、キュアプリズムを守る力がこれで手に入るのなら好都合だ…とにかく気合を入れて頑張るぞ!

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「特訓特訓楽しい特訓♪」

 

 それからしばらく車で走り続ける中で聖さんが誰よりもノリノリな感じで運転する。何故に自分は運転手として同伴するだけなのにこんなに楽しいのだろうか…それに、忙しい中でも運転手をわざわざ買って出たのも疑問に思える。

 

「急に頼んじゃってごめんね…おばあちゃんがスカイランドに行くためのトンネルの準備が山場みたいで。」

 

「平気平気!」

 

「ちょっと待って。スカイランドってそんな気軽に行けるようになるところなの!?それと、スカイランドに行くって…もしかしてソラさん、帰ったりするパターンだったり?」

 

「そうですね…スカイランドに帰れるようになるまではここで預かるという約束だったし、私もこのソラシド市にいくら馴染んだとしてもいつかは帰らないといけない身ですから。5月のゴールデンウィークの連休の日にツバサくんもセットで一緒にスカイランドに帰るつもりです。短い間でしたがお世話になりました…」

 

「そっか、ソラさんともエルちゃんともツバサくんとも仲良くなってこれからだって時にね…寂しいな。」

 

「琢郎さん…」

 

 スカイランドの話が出てソラさん達が帰ることを明かされた時、僕は少し寂しい気持ちになった。膝の上に乗ってるツバサくんも心配している…この3人との時間は短かったけど、虹ヶ丘さんを通して仲良く仲良くなれてランボーグを生み出すカバトンとかプリキュアが出てきたりですっちゃかめっちゃかなことがあっても楽しめたと思う。それに、偶然ながらもソラさんと会ってからキュアプリズムに恋をする切欠ができてプリキュアのことを沢山教えてもらい本当に感謝している。

 

「そんなしんみりしないの!こっちでは会えないかもしれないけど、トンネルができるってことは自由に行き来できる可能性もあるはずでしょ?みんなとも会える上にたっくーが大好きなましろんもいるんだから元気出そうよ!」

 

「「ええっ!?」」

 

 僕と虹ヶ丘さんは声を揃えて聖さんの発言に驚く。僕は確かに虹ヶ丘さんのことはキュアプリズムと似ていて気になってはいたけど、あまりにもどストレートなことを言われたので驚くしかなかった。

 

「ちょっ…あげはちゃん!?そんな風に石井くんをからかったらダメだよ?石井くん、ごめんね…あげはちゃんは悪気があってからかった訳じゃないから。大丈夫?」

 

「えっ、ううん…平気だよ!お友達としてだもんね…うん、お友達として大好きだよ。アハハ…」

 

 僕は動揺を隠そうとして平然を装い虹ヶ丘さんからの問いかけに答えた。しかし、その動揺が隠せたかどうかに関しては自分でも分からない…虹ヶ丘さんはどのラインで大好きと言えるのだろうか?それを考えるだけで気持ちが落ち着かない。そもそも、僕にはキュアプリズムがいるのにここで虹ヶ丘さんに乗り換えようとしたら浮気じゃないか!

 

「それはそうと、あげはちゃんも保育士の学校のレポートとかで忙しいんでしょ…私達と一緒で大丈夫なの?」

 

「大丈夫。私、超優秀だから!それに、ソラちゃんの大勝負のためだもん。」

 

「ありがとうございます!」

 

「えるぅ〜♪」

 

 ソラさんの大勝負のために協力してくれた聖さんにお礼を言うソラさん…エルちゃんも上機嫌で何よりだ。このソラシド市ではこんな風に笑い合えるのは少ないかもしれないけど、残りの時間も楽しみたいと思った。

 

「それで、特訓ってどんなことをするの?滝行とかランニングとかの心と体を鍛えるメニューはやるとして他って何だろう?」

 

「やっぱり、ドラゴ〇ボールのかめは〇波のような必殺技を撃てるようなやつとか!」

 

「いやいや、あげはさん…漫画の読みすぎですよ?そんなの現実ではありませ…「そうそう、そういう特訓なの!!」…ええっ!?」

 

「はい、それです!!」

 

 特訓の内容に関してテンションがアゲアゲになる虹ヶ丘さんとソラさん…ツバサくんのツッコミも流石に対処できずで僕もこんなにもテンションの高い2人を見て新しいところを見ることができた。虹ヶ丘さんって普段は大人しいから常識人ポジションかなと思ってたけど、案外ファンタジーなところもあるんだな。

 

(テンションの高い虹ヶ丘さんも可愛い…って、何を考えてるんだ僕は!僕はキュアプリズム一筋。山に着いたら滝行で雑念を払ってもらおう…)

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから移動すること30分…僕達は山の中にある滝の前へとたどり着く。いよいよ特訓なのかという雰囲気を早くも漂わせてる…僕は緊張してきた。

 

「ここは確かパワースポットにもなってる滝だね。何がどうパワースポットなのかは分からないけど、打たれた人は肩こり腰痛とか治るし、運気も上がるし、勝負事も負け知らずになるらしいよ。」

 

「そうなんですか!?」

 

「ソラちゃん、ここなら良い特訓ができそうだね!」

 

「何を騒いでおる…」

 

 背後から威厳のある老人の声がしてそこを振り向くと、そこには天狗のお面を被っていて白髪頭に水色の羽織を着た人がいた…この人の風貌、どこかで見たことがあるような気もする。

 

「パワースポットだか何だか知らぬがここは特訓の場、遊びの場ではない!遊び半分で来た者はすぐに去れ!!」

 

「すみませんでした!私…この石井くんと共に特訓に来た者ですが、貴方がここの山の主ですか?」

 

「いかにも。ワシの名は鯖滝右近次(さばたきうこんじ)、ここの山で強くなりたい人間を鍛えている…お前達、ソラ・ハレワタールと石井琢郎だな?」

 

 ソラさんが騒いでいたことを謝りつつ山の主かどうかを質問すると、その男は『鯖滝右近次』と名乗った…鱗じゃなくて鯖、左近じゃなくて右近。鬼〇の刃に出てくるあの人のパロディ感が出ていて胡散臭く感じる。

 

「そうですけど、どうして僕達の…「判断が遅い!」…いや、まだ何も言ってませんよ?」

 

 僕がどうして面識もないのに名前を知ってるのかを質問しようとすると、鯖滝さんはあの人のように間髪入れず『判断が遅い!』と遮ってきた。この人…この台詞を言いたいだけじゃないのか?

 

「とにかく特訓すると決めたらすぐにやる。もしも、敵が出てきた時にこんな風に迷うと命取りだぞ?まずは滝行だ…」

 

「それは良いですけど、滝に打たれるための服を持ってなくて…」

 

「それなら、ワシが貸してやる。これに着替えたらすぐに滝に打たれてこい!」

 

 そんなこんなで鯖滝さんは滝行用の行衣を2人分用意してくれる。ただ、この人はソラさんに少し甘くないだろうか?僕には当たりが厳しかったのにソラさん相手だと適切に対応していた…

 

(着替え完了…)

 

「それでは滝行を始める。1時間雑念を振り払い滝に打たれることだ…まずは琢郎、お前から滝に打たれてもらおう。」

 

「石井くん、頑張ってください!」

 

「ありがとう。頑張るね…」

 

 それぞれ着替え終えてから僕はこれから1時間滝に打たれることになった。しかし、この滝は頭とか肩に打ち付ける水の勢いがとてつもなく強い…目で見てイメージしてたよりも凄くて押し潰されそうだ。(虹ヶ丘さん達は鯖滝さんから案内された山の中にある絶景のキャンプ場にいる。)

 

(とりあえず、1時間耐えよう。何も変なことは考えるな…虹ヶ丘さんのことも、キュアプリズムのことも!)

 

 僕はとりあえずこの時間はキュアプリズムのことも虹ヶ丘さんのことも考えないようにしてとにかく強くなる自分を思い浮かべながら滝に打たれることにした…キュアプリズムを守るためならどんなことだってやるつもりだ。火の中だろうと水の中だろうとスカートの中だろうと…いや、雑念溜まり放題じゃないか!

 

(ダメだ…どうしてもキュアプリズムのあらゆることを想像してしまう。強い自分になることしか考えるな!)

 

「雑念が溜まってるぞ!余計なことは考えるな…自分が強くなることだけを考えろ!」

 

「は、はいっ…!」

 

 鯖滝さんに言われて僕はさらに変なことを考えずにとにかく自分が強くなることを考えていく。僕は強くなるんだ…キュアプリズムを守れるぐらいに強くなって彼女を支えていきたい!

 

『フハハハハ、キュアプリズムもこれまでか…だったら一気にとどめを刺すのねん!行け、ランボーグ!!』

 

『ランボーグ!!』

 

『『『プリズム!』』』

 

『待て!カバトンとランボーグ…お前達の野望はここまでだ!!』

 

『お前は!』

 

『石井くん…』

 

 しばらく目を閉じて滝に打たれると強くなった自分がキュアプリズムのピンチの場面で登場してランボーグやカバトンに立ち向かう未来が浮かんできた。

 

『僕の特訓で鍛えた成果を見せてやる!』

 

『ふんっ、プリキュアにも変身できねえお前が何を言ってるのねん!ランボーグ…あいつから始末するのねん!!』

 

『ランボーグ!!』

 

『石井くん、危ない!』

 

『てい!はあっ、どりゃあっ!!』

 

 強くなった僕は迫り来るランボーグに怯むことなくパンチを一発、蹴りを二発浴びせて吹き飛ばす。プリキュアにならなくったって勝てる…そんな未来が見えてきた。

 

『かーめーはー〇ー波ぁーーーーっ!!』

 

 そして、とどめは色々想像してたけどやはり王道のドラゴ〇ボールのかめは〇波…そこは僕の趣向からして魔法少女のように魔法で勝つのが1番かもしれないけど、男らしさを考えるとやっぱりかめは〇波みたいなのになるのかな?

 

『スミキッター…』

 

 かめは〇波を食らったランボーグは澄み切って消滅した。これを見たカバトンは膝がガクガクになってすっかり怯えている…こんなことが実際にあったらプリキュアはいらずかもしれないけど、僕としてはこういうのも良いと思ってる。

 

『残るはカバトン、お前だけだ!』

 

『ひいいっ、もうプリンセス・エルは狙わないから命だけはお助けを〜!!』

 

 カバトンは腰が抜けて情けない感じでこの場を後にする。僕がプリキュアよりも先にカバトンに勝つという未来が見えて滝に打たれても寒いとも痛いとも何も感じない…これを乗り越えればもう何もかもに勝てる気がした。

 

『石井くん、ありがとう!こんなにも強くなってかっこいいよ♪』

 

『いやぁ、君を守るために特訓を積んできたからね。かっこいいも何も普通のことをしただけさ…』

 

『素敵!石井くん、ううん…琢郎くん、私と結婚してください!』

 

『ええっ!?結婚…キュアプリズム、話が飛びすぎだよ〜。でも、喜んで…あはははは♪』

 

「…くろう、琢郎!!」

 

「は、はいっ!?」

 

 しばらく滝に打たれ、僕のイマジネーションがキュアプリズムと結婚するという話まで進んだところで鯖滝さんの声がして目が覚める。僕はどれぐらい滝に打たれてたのだろうか?結構長い感じがした。

 

「お前、もう1時間過ぎてたぞ?集中力がそれほどあるのは良いことだが無理はするなよ。」

 

「すみません。強くなった自分が見えていたので…時間のことを忘れてました。」

 

「それはまあ良いことだ。この特訓で前向きな思考を持てる人間はあまりいないが、こうやって向上心を持っていたのは確実に伸びてたからな…期待してるぞ!」

 

「はいっ!」

 

「それじゃあ、次はソラだ…琢郎は濡れた体を乾かしてから次のメニューに向けてアップと筋トレを3セットしておけ。休むのではないぞ?」

 

「分かりました。ソラさん、頑張って!」

 

「ありがとうございます!石井くんも頑張ってくださいね。」

 

 そして、僕はソラさんと交代して次のメニューをこなしていく。着替えてウォーミングアップと筋トレを3セットをした後は山の頂上までのランニングを課されてそれも行った。一見すれば鬼畜なメニューかもしれないけど、キュアプリズムの前で強くなれた自分を想像できたのだから特訓はそんなに苦ではない。ソラさんもこのメニューについて行くところは凄すぎだ…体力測定の時点から女の子の中でも抜けてたし、身体能力はそれどころじゃないから流石と言える。スカイランドでどんな鍛え方をしたらこうなるんだと思えた…

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 ランニングを終えてしばらく休んでる中で僕はソラさんと与えられたスポーツドリンクを飲みながら話をする。スタート地点から頂上を往復してざっと42.195km…フルマラソンを完走したのと同じ距離を走り抜き、流石に休憩を挟まないとヘトヘトだ。

 

「お疲れ様です…私もランニング終わりました。」

 

「お疲れ!息も上がってないようだし強すぎじゃない?僕なんか走り終わってすぐは凄くきつかったけど、ソラさんは走り終わっても堂々としてて凄いな…確か、スカイランドでも鍛えてたとか話してたけどどうして君はそんなにも強くなりたいの?」

 

「そうですね。私には憧れてるヒーローがいるからでしょうか…その人のようなヒーローになりたいと思って私は日々鍛えています。そう言う石井くんはどうして今回の特訓に参加しようと思ったんですか?」

 

「キュアプリズムを助けられる力が欲しいからかな…僕はプリキュアじゃない普通の人間だから特別な力は持ってないけど、キュアプリズムを愛するようになってからピンチの場面を見ていて守りたいと思うようになってね。それに、同じ男のツバサくんがエルちゃんの騎士(ナイト)をしてるところも見てたら負けられないと思ったんだ…」

 

「そうなんですか…でも、石井くんはもう強い人間ですよ。」

 

「えっ、そうなの?」

 

「はい、この特訓のメニューをこなせてるだけでも十分に強いと思います…私でもこう見えて結構ギリギリですからね?それについていけるだけでも偉いと思います。」

 

 僕は女の子ながらもこの厳しいメニューに堂々と向き合ってるソラさんを褒めるが、彼女は謙遜してむしろ僕の方を褒めてきた。こうやって女の子から褒められたことって虹ヶ丘さんぐらいだったし、本当に強い女の子から褒められるのは凄く嬉しく思う。

 

「なるほど、愛する者のために強くなるのか。それは感心だな…」

 

「鯖滝さん、いつの間に!?どこから聞いてたんですか?」

 

「そんなことなどどうでも良い…そういう向上心があるのならさらに厳しいメニューを課しておくべきだったな。とりあえず、最後に2人にランニングと筋トレ3セットをしてもらおう…それでもう現状で教えることは何もない。やってくれるな?」

 

「「はいっ!」」

 

 そして、僕達はまた山頂経由で同じコースを走ってから筋トレを3セットを行う…やはり最後の最後は体に凄く響き、疲れもあったけどキュアプリズムのためだと思えたら頑張れた。本当に愛の力って凄いよね…ソラさんもヒーローになりたいために頑張ってたし、何かのために頑張るということは最高なことと言える。こうしてここでの特訓は幕を下ろした…

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 特訓を終えてから僕達は虹ヶ丘さん達と合流してバーベキューとかみんなとのお話しを楽しんでから夜の11時ぐらいに眠りについたのだが、何故か眠れない。疲れたら普通は眠くなるはずなのに今日は違う…時刻は日付が変わって午前の2時、世間で言うなら丑三つ時である。

 

(どうして眠れないんだろう?ツバサくんのいびきがうるさい訳でもないのに…とりあえず、夜風でも浴びて気持ちを落ち着けよう。)

 

 僕は同じテントのツバサくんが静かに寝ている中でテントを出てから外の空気を吸いに行く。そこには先客として虹ヶ丘さんの姿があった…

 

「虹ヶ丘さん、何してるの?」

 

「うん…ちょっと眠れなくて。石井くんもそうなの?」

 

「まあ、うん…体は疲れてるけど、どうも眠れなくてね。」

 

「そっか。じゃあ、ここで座って星を見ながらお話ししよう?そうすると眠れると思うから…」

 

「うん。」

 

 僕と虹ヶ丘さんは叢に腰かけて星空を見上げる。しかし、山の中で見る星空というのは新鮮なものだ…普段は街の灯りに消える星が灯りのない山だと全てが見えて綺麗な星空に全てが支配されそうだ。

 

「星空、凄く綺麗…」

 

「うん。普段の街中だと星空をゆっくり見れる時間はないけど、こうやって見るのも良いね。それで、石井くん…今日の特訓はどうだった?ソラちゃんと同じで厳しいメニューだったらしいけど。」

 

「まあ、何とかついていけたかな?キュアプリズムのためだと思うと結構頑張れるような気がしてね…ただ、これはあくまでも短期間の体験メニューだったから本格的に鯖滝さんの下でやるとしたらかなりキツいんだろうなって思うよ。それでも、キュアプリズムの笑顔を思い出すと何でもやれそうだった…この調子で日常でもトレーニングに打ち込みたいね。」

 

「そうなんだ…キュアプリズムも強くなった貴方を見たらきっと好きになると思うよ?この調子で頑張ってね。」

 

「ありがとう。虹ヶ丘さんからこうやって励まされるのも嬉しいなぁ…」

 

「ねえ…私からちょっとお願いがあるんだけど、良いかな?」

 

「もちろん。どうしたの?」

 

 少し俯き気味ながらも顔を赤くしながらも僕の方を見つめる虹ヶ丘さん…月と星の光に照らされた彼女はどこか神秘的でまるでかぐや姫のような感じに見えてきた。僕が恋してるのはキュアプリズムのはずなのに虹ヶ丘さんに吸い込まれそうな気もしてくる。

 

「もう私達ってもう1年も一緒だよね?だから、その…私のことを『ましろ』ってそろそろ下の名前で呼んでほしいんだ。」

 

「えっ?」

 

 虹ヶ丘さんは少し緊張感を帯びたような声色で僕に下の名前で呼んでほしいとお願いしてきた。内容は簡単かもしれないけど、まさかこんなにも距離を詰めるイベントがキュアプリズムよりも先に来るとは思ってもいなかった…これって浮気じゃないよね?

 

「えっと…だから、私のことを下の名前で呼んでほしいの。名字で呼ばれると他人行儀のような気もしてしまって…もっと仲良くなりたいと思ってるんだ。もちろん、私も貴方のことを名前で呼ぶから…呼んでみて?」

 

「分かったよ…ましろさん。」

 

「…!?」

 

 僕が彼女のことを下の名前で呼ぶと虹ヶ丘さん…ましろさんは口元を覆い隠して驚くような仕草をしていき、みるみる顔が赤く染っていき俯いてしまう。

 

「どうしたの、ましろさん…大丈夫?」

 

「えっ!?いや…大丈夫!私、そろそろ眠たくなってきたからテントに戻るね。おやすみ、琢郎くん!」

 

 それだけを言い残してましろさんは自分のテントに向かって慌てるようにして逃げる。しかも最後にはきちんと僕のことも下の名前で呼んでいた…聖さんからは『たっくー』とあだ名で呼ばれるけど、こうやってまともに下の名前で呼んでくれる女の子は記憶にある限りましろさんが初めてかもしれない。キュアプリズムよりも先を越されてしまったけど、親友のましろさんと距離を詰めれたことは何よりも嬉しいことだ。この小さな幸せは胸の中に刻んでいこうと思う…そして明日からもまた楽しく過ごせたら良いな。




登場キャラ紹介

鯖滝右近次(さばたきうこんじ)

(脳内)CV:大塚芳忠

身長:180cm

体重:75kg

誕生日:不明

年齢:不明

山に住む主として君臨する存在でそれ以外は謎に包まれている人物ではあるが、彼が手に入れた強さは確かなもので若い時にそれを使った仕事をしていたとも伝えられている。彼のもとには強さを求める者達が全国から集まり、教え子には傭兵、自衛隊、消防士、ボートレーサーと職業は多彩…そんな偉大なる人物だ。

ちなみに、モデルはもう言わなくても分かりますよね…こんな感じで琢郎とましろちゃんの距離は確実に詰まってきました。まだまだもどかしいところはありますけど、これからも続いていくので応援よろしくお願いいたします。

そんな次回はついに琢郎があの場所へ足を踏み入れます!原作の流れからしてお察しでしょう…とにもかくにもお楽しみに。

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