光は屈折しても恋はまっすぐ! -キュアプリズムに恋した少年の話-   作:寿垣遥生

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新年の挨拶と被災地に向けてのメッセージは別作品でやっているのでここでは割愛させていただきます。それにしても、先日の新年一発目のひろプリは重かったですよね…過去のスカイランドのプリンセスであるエルレインがエルちゃんに力を与えたものの、そのエルレインが相手であるアンダーグ帝国のボスでカイゼリンの父親であるカイザーを実は始末していたという事実が語られたのです。これで国交断絶でアンダーグ帝国はスカイランドに攻め込んだということになりどっちが正しいのかややこしくなりました。誤解なら誤解だと分からせんとね…とりあえず、説得しないといけません。エルレインはそんな悪い人には見えんけどなぁ…

そんな今回からは前編、中編、後編に分けてアニメだとスカイランド帰還編に該当するところを琢郎を交えた新解釈としてお送りいたします。現時点で予告しますが、ましろちゃんとの恋の行方がこの3話分でかなり進みますよ!あんなことやこんなことをしちゃったり…もちろん、全年齢の範囲内ですけどw

それでは、また後書きにて。


スカイランド旅行記(前編)

side琢郎

 

「ヨヨさん、本当にお世話になりました!」

 

「ありがとうございました!」

 

 ゴールデンウィーク連休のある日、僕達はエルちゃんを送り返すためにスカイランドへとこれから向かおうとしていた…その前にこっちでお世話になったソラさんとツバサくんがヨヨさんにお礼を言う。エルちゃんも含めて三人はすっかりソラシド市に馴染んだけど、元を辿ればスカイランドから迷い込んだ人達…いつかはお別れの日が来ても文句は言えないよね。

 

「ボタンは貴方が押して良いわ。」

 

 ヨヨさんがそう言ってからソラさんが鏡にあるボタンを押すと目の前に光の入口が現れる…これがこことスカイランドを繋ぐトンネル、ここを潜ればあっという間にスカイランドなんだな。

 

「ましろん、たっくー…お土産よろしく♪」

 

「はーい!」

 

「分かりました…楽しみにしててくださいね。(でも、お土産よりも失うものが大きいんだよな。ソラさんやツバサくんやエルちゃんともっと仲良くすべきだったかも…)」

 

「琢郎くん、そんな暗い顔しないで?元気じゃないとみんな心配すると思うから。」

 

「そうだよね…ましろさん、ごめん。」

 

 僕が三人とのお別れを頭に浮かべていたその時、ましろさんが僕を励ます。一緒にはいれないけど、トンネルが繋がってる限りは会える可能性もあるし、まだみんなと一緒にいれるんだ…これ以上悲しむのはやめよう。

 

「気をつけていってらっしゃい。」

 

「「「「はい!」」」」

 

 そして、僕達はヨヨさんに見送られてトンネルを潜りスカイランドへと足を踏み入れる。僕が読んでいた本に出てきて身近な出身者が過ごしている世界…トンネルの中を進む度にどんなところかの想像が広がっていく。スカイランドってどんな国なのか楽しみだ…

 

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「「「「うわああああああっ!?」」」」

 

「ぐわっ!?」

 

 トンネルを抜けた僕達は1人の男性を下敷きにしてスカイランドのとある場所へとたどり着く。まさか上から降ってくるとは思わなかった…潰してしまった人に申し訳なく感じる。

 

「おかえりなさい…プリンセス・エル。」

 

「えるぅ〜♪」

 

 その一方でエルちゃんは超能力か何か不思議な力を使って浮遊して母親と思われる女性のもとへと飛び込んだ。そうなると、僕達が下敷きにしたのはエルちゃんのお父さんで王冠を付けてるからもしかしてスカイランドの王様か何かかもしれない。凄く申し訳ないことをしてしまったよ…

 

(10分後…)

 

「たーい♪」

 

「歩いた…プリンセスが歩いたぞ!」

 

 エルちゃんのお父さんはエルちゃんが歩く様子を見て感動の涙を浮かべて喜ぶ。そう…この人はスカイランドの国王でエルちゃんのお父さん、女性の方はこのスカイランドの王妃でエルちゃんのお母さんだった。なるほど、王様の娘ならプリンセスというのもかなり納得できる…そんなに凄い子だったんだな。

 

「先ほどは下敷きにしてしまって申し訳ありませんでした…お怪我は大丈夫でしょうか?」

 

「気にしなくても大丈夫だ…こうしてプリンセスが歩けるようになったところを見れたことが嬉しくてな。それよりもそなた達、よくぞプリンセスを取り戻してくれた。深い愛情を持って我が娘の世話をしてくれたこと、心から礼を言う。」

 

 王様は僕達にエルちゃんのお世話をしてくれたことのお礼を述べられる。ソラさんやましろさんやツバサくんはこうして長くお世話をしてきたと思うけど、僕は少ししかしていない…こうしてお礼を言われてもあんまりお世話をした実感が湧かないんだよな。ただ、王様がその一人として僕を入れてくださったことは大変嬉しく思う。

 

「そなた達が守ってくれたのはあの子の身の安全だけではない…笑顔だ!」

 

「たゃあーい!」

 

「ソラ、ツバサ、ましろ、それと…」

 

「石井琢郎です。」

 

「琢郎ね…貴方達はスカイランドのヒーローです。」

 

「いえいえ、ヒーローだなんて…」

 

「そうですよ。僕はエルちゃんの世話を友達としただけで…」

 

「「スカイランドのヒーロー!!」」

 

 僕とましろさんが王妃様から褒められた中でソラさんとツバサくんは目を光らせてヒーローであることを心の底から喜ぶ。ただ、エルちゃんを守ったヒーローは僕達の他にプリキュアがいるはず…どうして肝心のヒーローであるプリキュアのみんなはいないんだろうか?恐らくは世界のどこかでランボーグと戦ってるんだろうな。とりあえず、次に会った時に王妃様がお褒めになってたことを伝えておこう…

 

「それはそうと、王様、エルちゃんをさらった者についてお話が!」

 

「まあ待て。」

 

 ソラさんはエルちゃんを連れ去った犯人について王様に報告しようとしたその時、王様はそれを『待て』と遮る。重要な話ではありそうだがそれを言わせないことに何か意味があるのだろうか…(っていうか、エルちゃんって誘拐されてたんだ。)

 

「プリンセスが帰ってくるのを待ち望んでいたのは私達だけではないのです。国民の皆さんもずっと待っていました…本当に助けてくれてありがとう。」

 

「いやぁ…本当にエルちゃんをこうして無事に届けられて良かったですよ。」

 

「これでエルちゃんの件はめでたしめでたしだね…」

 

「はい。」

 

「いや、まだまだですよ。アンダーグ帝国の件が残ってるじゃないですか…王様、実はアンダーグ帝国がプリンセスを狙っているのです。」

 

「アンダーグ帝国!?ツバサ、詳しく話してくれるか?」

 

 アンダーグ帝国という単語を聞いた王様は表情が真剣なものになり、ツバサくんに詰め寄る。『アンダーグ帝国』、『プリンセスを狙う』…エルちゃんを狙っていたカバトンに何か関係があることは間違いないが、国を揺るがす事態が起きそうなのは想像できる。

 

(説明中…)

 

「うーむ…アンダーグ帝国、何故プリンセスを狙う?」

 

「あなた…」

 

「キャハハ♪」

 

「ああ。いやぁ…すまなかった。とりあえず、この件は全て私が預かる。そなた達は安心して家に帰って親元でゆっくり体を休めると良い。」

 

「お待ちください。プリキュアの力、お貸しします!」

 

 王様はアンダーグ帝国の件を自ら請け負うことを宣言して僕達に家に帰ることを進言された。これに対してソラさんは唐突にプリキュアの力を貸すことを王様に力強く言う…何故、プリキュア本人でもないのに力を貸すと宣言できるのだろうか?

 

「えっ、ソラさん?いやいや、待ってよ…プリキュア本人じゃないのに力を貸すって代わりに言っても王様は困惑しちゃうでしょ!もしかして、プリキュアの正体って?」

 

「あっ、えっと…」

 

「とりあえず、私達もアンダーグ帝国からエルちゃんを守るために協力します!ねっ、ツバサくん?」

 

「は、はい!」

 

 僕がソラさんに問い詰めると彼女は顔を青くして冷や汗をかき、その様子を見たましろさんとツバサくんがフォローする。もしかして、プリキュアの正体がこの三人なのだろうか?確かに今のプリキュアは三人だし、それぞれに顔つきが似てるし…いや、まさかね。

 

「ちょっと待って!プリキュアでもない人間(ツバサくんは鳥だけど…)だけでエルちゃんを守るって危険すぎるよ?ソラさんは確かに体力はかなりあるからそれなりにやれるとしても、ましろさんとツバサくんはどうなるの?どう考えたって力が足りないじゃないか!!」

 

「分かってますよ、琢郎くん…でも、相手がたとえどんなに強くても正しいことを最後までやり抜く。それがヒーローです!」

 

「ソラさん…」

 

 ソラさんの強い信念に僕は何も言えなくなってしまう。そういえば、特訓の時に彼女は憧れてるヒーローがいるという話をしていた…それぐらいに憧れてるヒーローの正義感はソラさんに影響を与えてるし、自身も強い正義感を持ってる。ただ、体力の劣る二人の一般人を巻き込むのは流石に頂けない。どうすれば良いんだ…(ちなみに、ソラさんも僕のことを『琢郎くん』よ呼ぶようになった。)

 

「ヒーローか…」

 

 その時、僕達の声を聞いてたか聞いてないか外で待っていたいかにも強そうでかっこいい雰囲気を出す銀髪の女性が反応しては王室の中に入る。あまりのオーラに口が開かないし、直立不動になってしまう…この人がソラさんの憧れたヒーローなのだろうか?

 

「プリンセス、よくぞご無事で。」

 

「たゃあ〜い♪」

 

 その女性はエルちゃん、王様、王妃様の前で膝まづく。しかしながらこの人は歩き方も所作も美しい…ソラさんはその様子を夢中になり見とれている。この動きとかから王家からいかにこの人が信頼されてるかが伝わり、僕も思わず憧れてしまった。

 

「戻ってくれたか。」

 

「都を留守にしていた間とはいえ、プリンセスをお守りできず…」

 

「いいえ、辺境の地の大火災…貴方がはるばる出向いて指揮を執ってくれたおかげでみんなの命が救えたのです。」

 

「本物だ…」

 

「ツバサくん、この人は一体?」

 

「シャララ隊長ですよ。スカイランドを守るヒーローチーム、『青の護衛隊』…シャララ隊長はそのリーダーで世界一強い剣士なんです!ああ、握手とかできないかなぁ…」

 

 僕がその女性の正体をツバサくんに訊ねるとその人はスカイランドを守るヒーローの中で一番どころか世界一強い剣士でチームをまとめるリーダーとのことだということを知った…やっぱり戦う女性ってかっこいいよね!僕もそういうアニメやドラマをよく観てきたから凄く伝わる。

 

「…」

 

「あっ、ソラちゃん!?」

 

 ちょうどその時、ソラさんがシャララ隊長の背中にそっと抱きつく。彼女は偉大なる人に対していきなり何をしているのだろうか…これはいくら何でも怒られるのではないか!?みんな目を真ん丸にしてるよ、シャララ隊長を除いて…

 

「大きくなったな、ソラ。」

 

「…はいっ!」

 

「あれから10年になるか。」

 

「はいっ!」

 

 シャララ隊長から成長したことを実感されるとソラさんは嬉しそうに『はい』とだけ返す。やっぱりか…彼女の憧れてたヒーローというのはシャララ隊長で間違いなかったんだ。どれぐらい強いのかは見たことがないから分からないけど、あの身体能力お化けのソラさんが憧れてしまうぐらいだから世界一というのも本当かもね…そんな憧れた人との再会を味わうソラさんを見て僕達も幸せになった。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 その翌朝、僕はましろさんとツバサくんと共にレストランで朝ごはんを食べている。昨日はエルちゃんがスカイランドに帰ってきたことを祝って国中がお祭り騒ぎだったな…ちなみに、ソラさんに関してはシャララ隊長率いる青の護衛隊への入隊が認められて彼女は今日からチームに合流するため別行動となっている。身体能力がどこまで通用するのか楽しみでしかない!

 

「えっと…琢郎くん、どうしたの?さっきから私の方をじっと見て…早く食べないと朝ごはんが冷めちゃうし、恥ずかしいよ。」

 

 そんな中で僕は食事をそっちのけでスカイランドの民族衣装を着ているましろさんに夢中になってしまう。ましろさんの顔を見てるとまず真っ先に『可愛い』という単語が浮かぶんだよなぁ…本当に僕が今恋しているキュアプリズムに声も見た目も似てるからたまにキュアプリズムに見えてしまう時があるけど、ましろさんも綺麗だから思わず惚れてしまう。

 

「ああ、ごめん!ましろさんの民族衣装姿が似合ってたから夢中になっちゃってたよ…」

 

「ありが…とう。琢郎くんのもかっこいいと…思うよ?」

 

 僕がましろさんの民族衣装姿を褒めると彼女は顔を赤くして俯きながらもお礼を言って僕のことも褒めてくれた。何だろう…こっちも照れてしまいそうだ。

 

「…とりあえず、朝ごはんを食べちゃおっか。ツバサくんもボーっとしてないで食べちゃいなよ?いただきます。」

 

 僕は照れ隠しも兼ねて朝ごはんを食べていく。しかし、その一方でツバサくんもさっきボーっとしている様子だ…早く食べないと本当に冷めちゃうような気もするけど。

 

「…」

 

「ツバサくん?」

 

「あっ…すみません、王様から『これからプリンセスのそばにいても良い、ナイトとして』と言われてたからそれが嬉しくて。いやぁ、ナイトかぁ…」

 

「子守り役としてって言ってなかった?」

 

「似たようなものです!ところで、ましろさんと琢郎さんはいらなかったんですか?」

 

「「何が?」」

 

「ご褒美ですよ。『望みの物があれば何でも遣わすぞ』って折角言われたのに『特にありません』って断りましたよね…」

 

「まあ、僕はエルちゃんと会ったのが短くて育てたとしてもほんの少しみんなのお手伝いをした程度だし…エルちゃんがここに来た経緯とか知らなかったからね。ただ、あの時に助けることができたのは良かったかもしれないな…」

 

「とにかく、私はエルちゃんがお家に帰れただけで十分だよ。でも、おばあちゃんからスカイジュエルを頼まれてたからそれを貰っとけば良かったかも…」

 

「まるで僕が図々しいみたいじゃないですか。」

 

 ましろさんがエルちゃんがお家に帰れればそれで満足ということを伝えるとツバサくんは拗ねてしまう。まあ、人のためにすることというのはご褒美を求めてやるようなことじゃないしね…ここでご褒美を自ら求めるべきではないだろうな。

 

「それよりも、ソラさんが今日から青の護衛隊に入隊するんだよね。学校に転入してきた当初から凄い身体能力を見せてきたから結構楽しみだなぁ…ましろさんもそう思うよね?」

 

「うん、ソラちゃんならきっと青の護衛隊でも凄く活躍してるかも…そうだ、ソラちゃんやシャララ隊長に差し入れを持って行こうよ!ツバサくんはどうする?」

 

「えっと…ああ、僕はプリンセスの護衛(お世話)をしなくちゃいけないのでお城に戻りますね。プリンセスを守るのは僕のお仕事なので…ソラさんへの買い物は二人で行ってきてください。」

 

 ツバサくんは何かを察したような感じでエルちゃんのお世話をすると理由をつけて僕とましろさんで行くように進言する。彼の言動はどこか怪しかったけど、ましろさんと二人きりで話したいこともあったしもっと仲を深めたいと思ってたからその機会を設けてくれたんだなと思い何も文句は言わなかった。

 

「分かった。それじゃあ、ごはんを食べたら一緒に行こうね?」

 

「う、うん…」

 

 こうして、僕達は思わぬ形でデートをする機会が巡ってくるのだった…ましろさんと二人でお互いの家を訪れたことはあるけど、テスト勉強とか実行委員を請け負った行事の打ち合わせぐらいだったからね。こうやって二人きりで外を出歩くのは滅多になかったし、学校の帰りでたまにあるぐらいだった…それをまさか恋しているキュアプリズムよりも先に経験するとも思わなかったな。とりあえず、浮気じゃないよね?

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 ごはんを食べ終えてツバサくんと別れた後に僕達は買い物のために街中を二人きりで歩く。これが女の子との初デート…ということになるけど、僕はデートをしたことがないからあらゆるイベントでもあまり緊張しなかった僕は珍しく明らかに緊張していた。

 

「こうして二人だけで外を歩くことってあまりないよね。学校に行く時はソラちゃんも入れて三人だったし、それ以外はツバサくんやあげはちゃんもいたし…」

 

「そうだね。アハハ…」

 

 その一方でましろさんの方も少し緊張している様子ながら嬉しそうな表情も浮かべている。お互いデートは初めて同士なのか…とりあえず、男である僕がこういう時はリードしないと示しがつかないといけない。デートをリードできる男はかっこいいからモテるなんてついこの前の恋愛マニュアル番組でやってたし頑張らないと!

 

(しかし、スカイランドでも地上と同じように仲良い男女は手を繋いで楽しそうに歩いているな…僕もこんな風にしてみたいよ。だけど、ましろさんのことは気になるとはいえそういう関係でもないし、浮気にもなるし…どうしよう?)

 

 僕は周りの幸せそうな男女二人組達を見て羨ましく思い、試しに(歩きながら)探り探りでましろさんの指をツンツンとつついてみる。こういうちょっと遠回しにサインを示すのはまっすぐじゃないから卑怯かもしれないけど、今の僕には正直に真っ向から頼める勇気が出ない…これで分かってくれれば良いけど。

 

「琢郎くん、私の指をさっきからつついてどうしたの?」

 

「いや、その…」

 

「もしかして、私と手を繋ぎたかったり?正直に言って大丈夫だよ…周りの人達を見て羨ましいと思ったでしょ?」

 

「バレちゃったか。でも…僕達ってまだお友達だし、異性だからこういうことってダメなのかなと思って…えっ?」

 

 すると、ましろさんは自らの右手で僕の左手を包み込むようにして握る。そんな彼女の表情は顔を少し赤くしながらも微笑んでいてまるで一国のお姫様のように素敵だった。

 

「もう、手を繋ぎたいのなら正直に言ってくれたら良いのに…琢郎くんってこんなにも可愛いところがあったんだね?」

 

「アハハ、恥ずかしいな。緊張しちゃって全然ダメだ…こんな男でごめんね。」

 

「謝らないで大丈夫だよ。お友達に異性も何もないから…さらに琢郎くんと仲良くなれた気がして嬉しいな♪」

 

 そんな感じで僕達はお店に着くまでの間はずっと手を繋いで二人並び歩くのであった。なるほど、女の子って意外と異性と手を繋ぐことに抵抗ってないんだな…僕だけが勝手に恥ずかしがってて損した気分だよ。それから果物や野菜やパンを持ちソラさんのいる青の護衛隊の本拠地へと差し入れを送りに向かった…ましろさんと手を繋いだことはキュアプリズムには内緒にしよう。

 

(移動中…)

 

 それからしばらくして本拠地にたどり着くと、ソラさんとその隊員である女の人が戦っていた。どうしてこの二人が仲間割れをしているのだろうか?彼女の性格からして自ら喧嘩を仕掛けたということはまず考えられない…一体どうなってるんだ!?

 

「何がどうなってるの!?」

 

「なっ…どこから入った!」

 

「すみません。皆さんに差し入れしたくてこちらに来たのですが…」

 

「これもです。」

 

「お、おう…」

 

 思わず驚いたところで護衛隊の一人から怒られたが、僕達は差し入れをその人に手渡して何とかこの場を流す。それよりもどうしてこうなってるのかが不思議で仕方がない…というか、護衛隊の人とも互角に渡り合っているのが何かと凄い。

 

「あのぉ…ソラさんと隊員の人が戦ってますけど、何かあったのでしょうか?」

 

「ああ、あの赤髪のベリィベリーというのがソラに対して喧嘩を売ってきてな…『別の世界でプリンセスを救ってきたことが嘘だ』とか『弱い人ほど嘘をつく』と挑発してソラがそれに乗り『テストをしてください!』とシャララ隊長に志願した結果こうなったんだ。」

 

「そうなんですか…」

 

 隊員の人は淡々と何があったかを話す。何があったかは実際に見てなくてもあのベリィベリーさんにも生え抜きの隊員として新参者に負けたくないというプライドがあるということがよく分かる。僕達の世界でエルちゃんを守ってきたのは事実かもしれないが、それはこのスカイランドの一般の人には知ったことではない…それ故に起きたことと言える。

 

「たあっ!」

 

「ぐっ!?」

 

「「ソラさん(ちゃん)!!」」

 

「…!?」

 

「よそ見をするな!」

 

 僕達がベリィベリーさんから蹴られて後退するソラさんに呼びかけると彼女は僕達の方を一瞬振り向く。その時、ベリィベリーさんは隙を突いて右手に電気を溜めてから解放しそれをソラさんに目掛けて放つと、見事に命中してしまった。

 

「ああっ…」

 

 ソラさんは何とか無事だったもののあの時のキュアプリズムのように感電してしまう。電力がそんなに強くなかったのは不幸中の幸いだったけど、これは大きなダメージになってしまうのは避けられない…はずだったが、体の痺れは一瞬あったもののすぐに消えてほとんどダメージはなく平然と立っていた。

 

(おいおい、キュアプリズムは電撃を食らって立っていられなかったのにソラさんは立ってられるとかタフすぎるだろ…本当に強すぎる。)

 

「青の護衛隊は最強のチームだ…弱いやつに居場所なんてない!!」

 

 ベリィベリーさんは渾身の右ストレートを放つもソラさんはすんなりと避けて背後に回ってからベリィベリーさんが振り返ったところでカウンターパンチを仕掛け拳を寸前で止める。拳は当たっていないもののこの一打が勝負の決定打になったのは言うまでもない…

 

「勝負ありだ!」

 

 同じく横で見ていたシャララ隊長は『勝負あり』を宣告する。そう、ソラさんは新参者の立場ながら先輩の隊員に勝負で勝ったのだ…やっぱりこの子の強さは並大抵のものじゃない。彼女はプリキュアに匹敵するぐらい強いし、青の護衛隊は世界最強の部隊だからプリキュアがいなくてもスカイランドは大丈夫だろう…ソラさんの覚悟は本物だった。

 

「弱いとか、強いとか…大事なのは正しいことをしたいって気持ち。そうですよね…貴方は間違っています!」

 

「…私はっ!」

 

 勝負ありを宣告されて膝まづいていたベリィベリーさんはソラさんから諭されると何か言いたそうに再び食いつく。新参者に負けて隊員としてのプライドをズタズタにされたことはかなり悔しいことだろう…しかし、傍から見たらそれは何を言っても負け惜しみにしかならない。何故に勝負に負けてもなお自分の間違いを認められないのか?こういう潔くないところは非常に見てて見苦しい。

 

「まったく、お前ってやつは…」

 

「ソラちゃん!怪我はない?」

 

「大丈夫?さっき電撃を受けて痺れとかは…」

 

「全然大丈夫です!むしろ、ましろさんと琢郎くんが見に来てくれてそれが力になりました。」

 

 僕達がソラさんに駆け寄って大丈夫かどうかを訊ねると彼女は大丈夫だったようでピンピンしていた。むしろ僕達が来てくれたことでそれが力になったとのことでむしろ助かってたんだな…

 

「ごめんね、私達が声をかけたからあんなことに…」

 

「私が未熟なだけです。体だけじゃなくて心も鍛えないといけませんね…」

 

「…」

 

 僕達が楽しく話をしている中でベリィベリーさんは涙を流しながら怒りや悔しみを噛み締めてこの場を後にする。ソラさんが勝ったことや無事だったことは嬉しいけど、どこか腑に落ちない…強さこそが全てと言いたい気持ちも分かるけど、強さだけじゃ分かり合えないことだってある。ベリィベリーさんもそれを理解できる時が来るのだろうか?それと、何か今日は嫌な予感が起きそうだとも同時に薄々と思うのであった。

 

中編に続く




いかがでしたか?今回のフェーズでは手を繋ぎました。好きな女の子と手を繋ぐということって勇気はかなりありますよね…小さい時なら抵抗なく女の子の手を握れますけど、大人に近づくつれて女の子が嫌がるパターンもある上に男側も手汗をかいてないか不安になるものです。しかし、ましろちゃんは僕の中ではお友達となら手を繋ぐことには抵抗のない優しい子だと解釈してますね…ソラちゃんやあげはちゃんとは手を繋いでたのは明らかでしたし。(ツバサくんとは不明…)

原作の方はあと3話ぐらいでしたかね?それぐらいに終わり次回作の『わんだふるぷりきゅあ』に移行しますけど、こっちのひろプリはしばらく続く上に次回作の恋愛模様は落ち着くまで書きませんから…その分、ひろプリロスを和らげることができればと思います。それに恋愛を添えて幸せにして差し上げましょう!

次回作の話は中編の後書きにできればと思います。その時にはひろプリ終わってるかな?でも、なるはやで書きますね!

感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをして次の中編もお楽しみに♪
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