職場の先輩がウチの飼い猫に似ている件   作:猫好きの餅

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ver.4.7の予告番組の時に公開されたショートアニメ見たら勝手に書いてた


短編 旅人から見た迅

 

 

 

 

 

「ーーー草バフ草バフ草バフ草バフ……!!」

 

私は、積年の願いを込めながら袋に入っている金色に光るバッチのようなものーー聖遺物を握りしめて性能を見る。緑色のランプを模した聖遺物を握り、表示された性能は防御。草の防御なんているかぁ!!なんでサブはいいの揃ってるの!?

 

げんなりした私は残りの聖遺物も見るけど特に良さそうなものはなかった。ため息を吐いてダメだった聖遺物を合成用の袋に入れてテントの中に放り込むと、焚き火の前で焼いた魚にがっついていた非常…パイモンが首を傾げる。

 

「なぁ、なんでそんな杯の部位にこだわるんだよ?別のやつで草は持ってるから羽を変えればいいんだぞ?」

 

今私たちがキャンプをしているのはスメールの森林秘境の前。ここでかれこれ1週間ほど厳選をしてるんだけど、あと少しで4セットいいのが揃うのに、杯だけが出てきてくれない。

 

聖遺物は全部で花、羽、時計、杯、冠の5部位。ほんとは大層な名前が付いてるんだけどみんな略してこう呼んでる。私が集めているのは「森林の記憶」と言う草元素の扱いが上手くなるって言うものでもう杯以外は良いのが集まった。……だけどっ!あと杯っ!あと草元素一致杯だけが出ないっ!……最悪、予定より早いけどフォンテーヌに乗り込んであの歩く幸運塔(蒼夜叉)を連れてくるしか……!

 

でも、パイモンの言う通り草バフ杯自体はもう持ってるし、良さげな羽も持ってる。その気になれば直ぐにセットを組むことは出来るんだけど。

 

「……でも、この羽外したくないし」

「なんかそれ、ずっとつけてるよな?」

 

聖遺物ポーチを開くと羽を取り付けるところにある水色の聖遺物。大地を流浪する楽団の羽………前に人からもらったものだ。性能も最高だからってこともあるけれど、どうしても私はこれを外したくなかったんだ。

 

「なぁ旅人」

「ん?なに?」

 

厳選してたからお腹がすいた。聖遺物ポーチを閉じて私も串に刺さった焼き魚を1口齧る。コップに入った水を口につけているとパイモンは綺麗に残った魚の頭と背骨を焚き火にポイッと投げて口を開いた。

 

「そんなにアイツのことが気になるなら、お前も綺良々達のとこ混ざればいいじゃないか?」

「ぶふっ!?」

 

な、なななんなの突然っ!?

 

吹き出した私を見てパイモンはふよふよとこっちに飛んできて悪戯な顔をする。

 

「は、はぁ!?私は別にアイツのことなんかっ!」

「そうなのか?でもオイラが見てると他の人の前と、迅の前とで旅人の顔がなんか違う気がするぞ」

「そ、それは……」

 

お兄ちゃんに似てるから。

 

迅とお兄ちゃんは容姿も背丈も声も何もかも違うのに、優しい所とか私のことを見る目とか気遣い屋なところとか、内面が似てて無意識に重ねてしまうことがあった。

 

だ、だから別にっ迅がお兄ちゃんに似てるからってだけ!そんな、特別な感情なんて抱いてないからっ!

 

そうまくし立てるように言うと、普段は抜けてる癖にこういう時だけ鋭いパイモンが「そうか〜?」と楽しそうに首をかしげる。絶対楽しんでるなこの非常食めっ。後で迅に甘辛焼きのタレ貰ってこよう。アレをかけて焼いたらいくらパイモンでも美味しくなるでしょ。

 

 

 

それから少し時間が経ち、お腹いっぱいになったパイモンが鼻ちょうちんを作り始めた頃。なんだか眠れなくて私はテントを出た。

 

くうう、さっきのやり取りから謎に頭に迅が残ってる。この前会うまでひと月とか顔見てなかったのに…!

 

彼に最後にあったのは4日程前。ちょうど秘境前に泊まり込んで2日目だった。狙ってた森林どころかお供で出てくる金メッキシリーズの方ですらゴミが出て意気消沈にしてたところに彼は現れた。

 

なんだか知らないけど、迅と厳選すると絶対いいのが出るんだよね。そんな人が目の前に現れたら逃がすわけないじゃん。

 

彼は最初は逃げ出したけど、スメールを冒険する中で使いこなせるようになった草元素で迅の脚を拘束っ!見事転ばせて背中に飛びついたのでした。彼は最初はげんなりしてたけど、最後にはしょうがねぇなと一緒に回ってくれた。そういうところにやっぱお兄ちゃんみを感じてしまう。だからつい、こっちもイタズラとかしちゃうんだよね。

 

はぁ〜、また会えないかな?今度あったら次はフォンテーヌの聖遺物回る。絶対回る。1日ガッツリ回るのは璃月のときと、モンドでの………ぅぅ……。

 

しまった!忘れてたのに!思いだしたくないこと思い出しちゃった!

 

私は1人焚き火の前で顔を抑えて蹲る。

 

前回、前々回と共に恥ずかしい思いしたんだっけ。前回は着替えを見られちゃったからそれを許す代わりにって感じで、特に恥ずかしかったのは前々回。

 

確か、私の洞天で皆でお酒を飲んだ次の日だった。その頃の私は群玉閣再建で忙しくて自分の服の洗濯もままならなかったっけ。だからその時らへんの数日間、穿いてく戦闘用の下着がひとつもなかった。

 

でも私は洗濯を面倒くさがって戦わないしいいやって数日間普通の下着をスカートの下に穿いてたんだけど、そのままのノリで迅との聖遺物厳選の時にも間違って普通の下着を穿いて来ちゃった。

 

ま、まぁそこまでは良かった。別に見られたところで、恥ずかしいけどからかうネタや次に厳選に付き合ってもらう口実が出来るし。

 

 

 

でも、風でパンツが飛ばされるとか聞いてない。

 

 

 

さすがにあの時は焦った。多分1番焦った。だってスカートの下が何も無いなんて、この時ばかりは動きやすさ優先でスカートの丈を短くしてた私を呪った。

 

でも迅にパンツ飛ばされちゃったなんてとてもじゃないけど言えないし、見られなければどうと言うことはない精神でそのまま秘境に行った訳だけど、まさかこんなに心細いなんて思わなかった。

 

どうにか1日耐え抜いて、迅とちょっぴり真面目な話もして。さて帰るかと立ち上がったところで油断を狩るような突風に私の最後の砦(スカート)は容易く吹き飛ばされた。

 

不幸中の幸いにも見られたのはお尻。でも下着は履いてなかったのでもう丸出し。お、乙女が男に思いっきりお尻見られたとか自決ものだよ!お兄ちゃんにも見せたこと無かったのにっ!

 

その時の私はパニックになって色々変なことを言ったことは覚えてる。お互い謝って水に流したけど……、でもめちゃくちゃ恥ずかしかった…。今思い出しても頬が熱くなる。

 

それから璃月港で跋掣と戦ったりもしたっけ、私は群玉閣から申鶴と戦ってたけど、まさか迅が裏でタルタリヤと戦ってるなんて思いもしなかった。心臓も止まってかなり危ない状態だったみたい。私が見れたのは心肺蘇生後だったけど、それでも全身血だらけ傷だらけの迅に血の気が引いたのを覚えてる。

 

そして私はスメールで激動の日々を送ったあとに再会したら、なんと迅ってばハーレム男になってました!

 

すごいっあんだけ悩んでて結局全員自分の女にしたなんて!さっすが蒼夜叉やることが違うねッ!って精一杯の賞賛を浴びせたというのに、晩御飯の鳥肉減らそうとするのはいただけない。

 

でも綺良々達に囲まれる迅を見てなんだか安心した。表情も前より柔らかくなってるし何より幸せそうだし。みんなからの猛アタックに引いてる感じはちょっとするけどね。なんなら綺良々の背中も押してみた。

 

私は気が利く旅人なのでそれとなーく外にでて時間潰して来たんだけどね?3時間くらいして戻って来たら、迅の部屋から綺良々の…まぁ、その、はい。なんて表現するべきか……そう、えと悲鳴みたいな?悲鳴って言ってもそんなに切羽詰まってるような声じゃ……いや、切羽は詰まってたか。……そう、事件性はないけど悲鳴みたいな声が聞こえて私はもう一度屋敷の外に出たんだよね。ちなみにその声は朝までなり続けて私の睡眠時間を的確に削りにかかってたんだけどね。

 

……別にもう1時間ブラブラしてたけど気になってこっそり戻って聞いてたとかじゃないから。だってパイモン寝てるし?置いて洞天出る訳にも行かないし?別に気になったとかじゃない。ほんとに。

 

って何考えてるんだ私。でも今考えてみてもやっぱり迅とお兄ちゃんはそんなに結びつかないな。ならなんであんなに似て見えるんだろ。

 

元々出会ったのは風魔竜に飛ばされた時に助けてくれたんだっけ。そこから一緒に行動することになって、一緒に璃月港も行った。送仙儀式の準備も手伝ってくれて秘境とかにも着いてきてくれて。

 

一目見た時から思ってた「お兄ちゃんに似てる」が膨らみ始めたのはこの頃かな。

 

さっきも言ったけど外見じゃなくて内面が似てるからなんだと思う。実力に似合わないほど謙虚だったから、行く先々でパイモンと一緒に迅の功績を語って歩いた。まさかそれで異名が付いちゃったのは予想外だけど。迅はもっと人から知られてもいいと思う。それだけ頑張ってるし。優しいし。

 

稲妻で再会した時も、落とし穴掘りあったり色々してたっけ。ああいうバカ騒ぎというかしょーもない遊びも旅を始める前依頼だったからなんだか染みたんだ。

 

それが綺良々が出てきてなーんかちょっと面白いことになってるじゃん?とか思ってたらまさかまさか、宵宮も綾華も、刻晴もまさかのエウルアもだなんてね。んで今やハーレム、何が起こるかわからないねまったく。

 

「……混ざる、ね」

 

パイモンがさっき言った言葉が過ぎるけど、ないないと首を横に振った。

 

仮に結ばれたとしても私は旅人。いずれこの世界からも去るからそういう繋がりを作る訳にはいかない。……でも。

 

 

 

 

 

 

「…まぁ、もし私がテイワット人だったらあの中どころか1番に…………なんてね」

 

私の呟きは焚き火が鳴らす音にかき消された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

 

 

「ーーんーっ!んん〜っ!!」

 

「ーーーそれでは、これから"蛍ちゃんはダークホースになり得るのか"会議を始めたいと思います」

 

椅子に縛りつけられて口元を布で覆われた私が声を上げる中、机に座ってる迅くんの嫁たちが真剣な顔付きで机の上に手を組み顔を乗せている。

 

 

 

 

なんなのこの状況!?

 

 







※別に蛍はヒロイン加入の予定はないです。


























今のところは。

だから感想欄で催促とかしないでねっ!筆が動きかけちゃうからっ!

蛍はダークホースになりえますか?

  • 強力なダークホースです。
  • 蛍的には兄代わりなのでセーフ!
  • ほら、強がってないで自覚したらどうだぁ?
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