そろそろ足りなくなってきたかなぁーと、綺良々成分の補給回です。
☆☆☆☆☆
「迅、あんたどのルートで帰るわけ?」
「ん、来る時はスメール通ったから、今度は璃月側から帰ろうかな」
「それなら私たちがルミドゥースハーバーまで送るよ?」
「マジか、助かるわ」
ポワソン町で行われたパーティの翌日。壺から戻ってきた俺にナヴィアがそう提案してくれた。
昨日はなかなか楽しかった。色々な魚介料理が出てきた後にボスの号令でいきなりスイーツ料理教室が始まったのはびっくりしたけど。しっかりマカロンの作り方は覚えてしまった。今度みんなに振舞おう。
ちなみに俺が宙に浮く手持ちサイズの壺から出てきても初日に説明したので誰も驚かない。なお、今日は玉衡枕でした。みんな寝てる途中に入ってくるので起きた時の楽しみの一つになりつつある。字面が変態なのはもう開き直ってるから誤魔化さないけど、髪下ろした刻晴マジ可愛いから。いつも丸まって寝てる様で、俺の腕を脚に挟んで寝てたのが強烈に刻み込まれている。当然黒タイツは脱いでいるので生脚の感触がヤバかったです。
話を戻すか。マジで最近煩悩が多すぎてちょっと悩んでる。自分に正直になってから綺良々達もそれを感じとっているのかスキンシップも大胆だし。それに刻晴と言えばあいつ最近風呂に突入してくるんだけど、にごり湯にさせてくれないせいでマジで目に毒なんですわ。タオルも巻かずにちっちゃいの1つで来るからほぼ隠せてないし。絶対狙ってやってるだろ今度なんか仕返ししてやろうってまた話煩悩に逸れてるんだけどォ!!
こ、今度こそ話を戻そう。
俺が行きに通ったロマリタイムハーバーはフォンテーヌの南、スメールから入る門だが、今回通るのは国領の東にある璃月に続く方だ。そこから出て船で沈玉の谷まで渡り、そこから軽策荘、璃月港と歩く。実際配達でフォンテーヌ行くならこっちのルートを通ることになりそうだ。
……いや、え?配達すんのお前?みたいな目で見られそうだけどちゃんと配達するからな!?俺、配達員っ!
送ってくれるという棘薔薇の会のお言葉に甘えて船に乗り込む。ちなみに知り合いにはもう既に別れの挨拶はしに行っている。少しして動き出した綺麗な海景色を見ているとナヴィアが隣に腰かけた。
「迅、あんがとね」
「ん?」
「事件の捜査に協力してくれて。あたし達があんなに捜査してもなかなか進まなかったのに、あんたらが来てからめちゃくちゃ進んだよ」
「お礼は俺じゃなくてアルレッキーノさんに言ってくれ。情報を提供してくれたのはあっちだし」
「それでも、だよ。……それに、公表された情報でひとつ当てが着いたことがあるの。それのお礼」
「あて?」
俺がナヴィアの方を向くと海を見つめた彼女はこくりと頷いた。
「……うん、あんたココ最近図書館で事件簿を読んでたんでしょ?『不義のカーレス』って名前に聞き覚えない?」
「…ああ。俺も気になってちょっと読んだよ。…ナヴィアのお父さんの事件だろ?」
「うん」
不義のカーレスと言われる所以になった事件の流れはこう書いてあった。
棘薔薇の会主催のパーティの最中、銃声が2発鳴り響いた。
周りの人達が駆けつけるとそこに居たのは、銃を持ったカーレス、銃殺された男に、脱ぎ捨てられた服が1人分。
誰がやったかは明らかな現場に、当然カーレスはその場で現行犯逮捕された。
しかしカーレスは取り調べでも口を割らず、審判も決闘権を使って出なかった。そして彼は決闘代理人に敗北、死亡した。
下に書かれていた推測には2発の弾丸は1発を外し2発目で仕留めた。脱ぎ捨てられた服は殺された男の変装用の服だそう。
そして、その日の天候は雨。
そこまで考えてナヴィアの考えがわかった俺は目を見開く。
「……まさか」
「うん、もしかしたら、事件の場にもう1人……その男の人、ジャックを殺した人がいるんじゃないかって思って…。パパはその人の銃を奪ってそのもう1人を撃って、誰かが原始胎海の水を彼に掛けた」
「当日は雨が降ってたから水になっても目立たないってことか?……でも、そうだとしたら」
「……そう、もしそうならパパは冤罪のはずなの。でもパパは何も言わなかった……それで、そのまま…」
「…そうか」
だとしたら、尚更カーレスが黙秘を貫いた理由が分からない。何か言えない事情があったのか、それとも何かまた違うことが起こっていたのか…。
「でね!前までわからないことだらけだったパパの事件が、もしかしたら違うのかもって思えたの。だからもうちょっとあたし頑張ってみる」
「そっか。もし何かあったらいつでも言ってくれ。力になるよ」
「えへへっ、あんがとねっ!」
そこで俺は少し迷って、ナヴィアに洞天通行証を渡した。通行証を受け取ったナヴィアは謎にモジモジしている。
「ありがたいけど……いいの?もしあんたが綺良々ちゃんや他の子とその……してたら現場に鉢合わせないかなって」
「余計な心配せんでええわ!入ろうとしたら俺に通知くるからそんなことにはならねぇって。むしろ遊びに来てくれたら他の国のやつもいるから異文化交流できるかもな」
そんでマカロンを作り方でも教えてあげてくれと答えるとぱああっと笑顔になったナヴィアはうんうんと頷いた。その様子を不思議に思っていると、コソッと後ろからマルシラックが耳打ちしてくる。
「お嬢様、実は同年代の友人が少ないのですよ。なので友人が増えることに喜んでいるのだと思われます」
それは意外。結構顔広そうなのにって思って、綾華の姿が頭に過ぎってなるほどと納得する。仕事相手が多いけど友達は少ないって感じか。確か綾華も蛍が初友達とか言ってたっけ。
そんなことを話しているとルミドゥースハーバーに到着した。荷物を持って船を降りた俺は、目の前の光景に驚く。
「え、なにこれ人多っ」
「なんでこんなところに警察隊がいるの?」
ルミドゥースハーバーはフォンテーヌを守る警察隊が沢山居た。なんなら俺の姿を見るや否や敬礼もしてくる始末だ。呆気に取られていると警察隊の中から一人の女性が歩き出てくる。ってあ、何度か見たことある人だ。とか思っていたら隣のナヴィアの身体が強ばったように感じだ。どうしたんだろうか。
出てきたのは俺と似た色合いの髪を一つ縛りにして、腰に細身の剣と短銃を下げている長身の女性だった。
「貴方が蒼夜叉だな?私はクロリンデ。フリーナ様の護衛を務めるものだ」
「ええ、そうですけど…こんなに警察隊がいるって俺、また何か法律違反しちゃったり……」
「いや、そうでは無い。フリーナ様が貴方を見送りたいと仰っていたのでな。案内をするように仰せつかっている」
マジかよほんと良い人だなフリーナ様。
「じゃあ、あたし達はここで戻るね」
すんとした顔のナヴィアがそういう。目線の向きと雰囲気からどうやらクロリンデさんと何か関係があるようだ。気になったけど、ナヴィアが引く判断をしたのなら聞かないでおこう。
「ああわかった。今まで色々とありがとうな」
「全然気にしないで!…じゃ、またね!」
そういい手を振りながら船に戻っていくナヴィアを見送る。2人の従者にもお世話になったので頭を下げておいた。マルシラックはお辞儀を返し、シルヴァはハンドサインでカッコよく返してくれた。今度あった時はもうちょっとゆっくり話をしたいもんだな。
「…では、フリーナ様がお待ちだ。着いてきてもらおう。………歩きながら聞いて欲しいのだが、ひとつ質問をしてもいいか?」
「ん、なんでしょうか」
コツコツとヒールの音を鳴らしながら歩く彼女の後ろを歩いていると、ひとつ質問をされた。
「フリーナ様とは…どういう関係なんだ?」
あっ、そういやこの前部屋に引っ張られていく所見られたんだった。視線に若干の敵意的なものが混じっている。多分「フリーナ様に仇なす者なら今ここでっ…」みたいな意志を感じる。
「少し前に、図書館でお会いしまして。そこからお話させて頂くようになったんです」
「…そうか。…最近、フリーナ様が前よりも自然に笑うようになった。それが何故か気になっただけだ」
「そうですか……それなら良かったです」
「それと敬語は不要だ。フォンテーヌにも貴方の名前は届いているからな」
「えっと、じゃあお言葉に甘えて。俺の方も君の事はよく聞いたよ。確か決闘代理人でいちばん強いとか。凄いなって」
「それはこちらのセリフだ。貴方こそ、魔神の首を斬り飛ばし、目にも止まらぬ速さで敵を斬り裂く仙人と聞いている。武人として興味深く思う」
「…ちなみに、そのヤケにカッコよくなってる俺の噂はどこから?」
「…ん?スチームバード新聞だが」
「よし、次来た時はシャルロットに挨拶に行こう」
まーだそんな記事を隠し持ってやがったか。シャルロットには何かしらお礼をすることを心に誓ってクロリンデとハーバー内を歩いていくと、奥からフリーナ様が出てきた。俺の顔を見るやんんっと咳払いをして腰に両手を当てる。
「やぁ!待っていたよ」
「こんにちはフリーナ様。よく俺がこっちから出るってわかりましたね」
「ふふん、そりゃぁボクは神だからね。人間の思考を読むことなんで朝飯前さっ!」
そういい胸を張るフリーナ様で和んでいると、彼女は自身の胸に手を添えて俺を真っ直ぐ見た。
「今回は事件の捜査に協力してくれて、感謝するよ。君がまたこの国を訪れることがあるのなら、歓迎しよう」
「はい。ありがとうございました」
俺も目を合わせてそう微笑むと、何故かハッとしてもう一度咳払いするフリーナ様。そして何か言いたそうな目でチラチラとこっちを見る。
「……あ、また来た時は、図書館にも行きますね」
「!」
フリーナ様にしか聞こえない音量でそう伝えると、目を見開いたフリーナ様は嬉しそうにこくりと頷いた。
☆☆☆☆☆
フリーナ様に見送られてフォンテーヌを後にした俺は、ルミドゥースハーバーの下に降りると船に乗り換えて沈玉の谷へと向かった。
埠頭に着くと、正直はよ帰りたいのでもう空を飛んでやった。あんまり下を飛ぶと騒ぎになるので電磁離斥で急上昇して雲の上を飛ぶ。この技を思いついた時に風の翼と合わせたら最強じゃね?と思ってやってみたけど、まさかここまで使い勝手がいいとは思わなかった。蛍も元素使えるんだからどうだ?ってこの前勧めてみたら首をブンブンと横に振られた。
カッ飛んで30分ほどでもう沈玉の谷を抜け絶雲の間が見えてくる。
一応挨拶しようかと仙力探知をしたんだけど、まさかの不在。留雲借風真君はまだわかるけど、削月築陽真君と理水畳山真君が自分の洞天から離れるとかどうしたんだろうか。
まぁいいやとまた飛び立ち璃月港を目指すが、海風が前から吹いてきて速度が出なくなってきた。やむなく降りて璃月港に入る。
行く時にも通ったからひと月ぶりだけどなんだかんだこの街の喧騒が心地いい。時間はもうすぐ夕方になりそうなので一旦ここで一泊し、明日の朝船に乗って帰る方が良さげだな。
さて、ここからどうしようか。まぁ宿は洞天があるから不要なんだけど、今入ったら多分刻晴に捕まる。んで風呂に引きずり込まれる。決して嫌じゃないんだけど、我慢するこっちの身にもなってください。フォンテーヌでは忙しくてそういう暇もなかったから、一緒に風呂に入った日にゃ多分無理だ。
そこで俺の中の悪魔が「いやなんで我慢しとるん?もう綺良々とはやっちゃったんだし他にも手を出せよ」と言ってくる。まぁたしかにそうなんだけどこっちも心の準備とかいるんだって。それに、本当にするならいろいろ物も準備しないといけないし。
ここで話すのはほんとにアレかもしれないけど、妖怪って月に1度特別な日があってその時以外は…その、さ、授からないそうだ。だから前は装備無しでやってしまったんだけど、人間相手だとまだ装備が必要になってくる。お互いまだ望まないだろうしって何考えてんだ璃月港の往来で。バカか俺は。
ちなみに避妊具(言っちゃったよ)はテイワットで割と普及してるんだわ。ちょっとお値段は張るけど不卜廬で売ってるのをこの前見てしまった。
頭の中をシャトルランする煩悩を頭を降って振り払った俺は、とりあえず今日のところは宿を取るかと歩き始めたところで、後ろから聞こえた鳴き声に超高速で反応した。
「…にゃー」
「うぉああ猫だ」
おそらく野良猫だろう。茶トラの猫が俺の方を見て鳴き声を上げている。
その猫はとてとてとこちらに近づいて来た。普段から観光客や璃月港の住民にエサを貰っているのか、にゃーにゃー鳴きながらじっと俺の顔を見上げてくる。
「…っ、ぶねぇ!」
思わず撫でそうになってしまって、伸びる手を脳裏によぎった飼い猫の顔にギリギリで止める。
あかんあかん。綺良々以外の猫撫でたらどんな顔されるか…、うちの飼い猫人間相手にはあんまり嫉妬しないのに、猫にだけは嫉妬深いからな……。前にキャッツテール行ってすごい目にあったしここは我慢して…。
「………」
「…にゃー」
………。
「にゃぁ〜」
…………………。
「ゴロゴロ〜」
「ちょっとだけなら…」
ダメだ。ダメでした。やっぱ生にゃんこの誘惑には耐えられなかった。
ま、まぁ俺今日は洞天に帰るつもりないし?ここ璃月港だし?仮に猫吸いまでしてもバレる事なんてない。
そう自分に言い聞かせた俺はしゃがみこむとこちらを見あげている猫の頭を人差し指で優しく撫でた。毛並みに沿うようにして指先で耳の付け根や頭頂部など、猫が自分で毛ずくろいできない部分をこしょこしょしてやると猫はご機嫌な鳴き声を発した。
あぁ〜^癒されるわぁ。
いやね?別に綺良々が不満とかそういうのは全く微塵もないんだけど。むしろ千織力作の衣装が似合いすぎててヤバいし。可愛すぎて未だに直視出来ないし。
だけども、たまーにはこうしてちゃんと猫を撫でてぇなあと思うわけですよ。まぁ綺良々の頭に生やした大きい猫耳も、手触り良すぎてヤバイんですけど(語彙力低下)。
ああ、ダメだ。なんかめちゃくちゃ綺良々に会いたくなってきた。やっぱり洞天帰ろうかな……。いやでも今他の猫撫でちゃったから帰ってバレたら怒られる。今日のところは我慢するしかないのかな…。
なんて考えていたら、上の空になったことに不満を覚えたのか、指で撫でていた茶トラの猫が急にビクッとなったかと思ったら一目散に駆け出した。
あれ?どうしたんだろうか。まるで、天敵にでも会った……よう……な………。
ん?あれ?なんか後ろから冷気が来ているような気がする。申鶴か甘雨か?別に氷元素出さんでも、普通に挨拶してくれればーーー
「…ねぇ」
「ッ!?」
振り返ろうとした俺はすぐ後ろから聞こえた聞き覚えのありすぎる、普段とトーンがもろ違うひっくい声が聞こえて身体がビクンと跳ねる。
な、なんで?き、綺良々は今稲妻にいるはずっ………!?ここでするはずの無い
冷や汗。ダラダラ流している俺に、後ろから色のない声が続けられる。
「……この前さ、国外配達でモンドに行くってはなし、したと思うんだけどなぁ?………いま、他の雌、撫でてた?」
「めっ、メスかどうかまでは……ちょっと」
「雌だよ。だって
「っ」
あかん。マジで本当に怖い。
「……なでてたでしょ?」
「…はい」
観念し後ろを振り返ると正真正銘、うちの飼い猫にして恋人にして正妻の綺良々が腰に手を当ててご立腹の様子だった。眉がぎゅんと釣り上がり、頬をふくらませて俺を見上げていた。猫耳を模した大きなリボンやそれにまとめられたハーフアップの髪もなにかのオーラによって少し持ち上がって見える。
「き、綺良々…ほんとにごめ「来て」えっ」
俺はひとまず謝ろうと頭を下げようとしたところで。ガシッと手を掴んできた綺良々はずんずんと歩き始めた。妖力まで使っているのか掴まれた腕が全然取れない。俺は引っ張られながら頬を膨らませたまま大股で歩く綺良々に問いかける。
「ちょっ、綺良々っ、一体何処に」
「秘密っ!」
ぷいっと問いかけを無視した綺良々は璃月港外れにある建物まで来た。その建物の看板を見た俺はびっくりする。
「ちょっ!?ここ連れ込み宿じゃねぇか!?」
連れ込み宿、早い話がそういうことをする宿だ。貿易港町として栄えてる璃月港にはこういう宿が街の外れに幾つかある。その中でも有名な連れ込み宿に引っ張りこまれた俺は何故か顔パスで部屋に通された。いやいくら有名だからってそりゃねぇだろ!明日になったら「蒼夜叉!連れ込み宿に出没!顔パスか!?」みたいな噂流れてそうでマジで怖い。
大きめの部屋に通されると綺良々の足も止まる。だがまだ腕は掴まれたままだ。
「き、綺良々…?」
「……っ!」
「んんっ!?」
綺良々は俺が部屋のドアを閉めた瞬間、振り返って抱きついてきたと思ったら唇を重ねてきた。
嫌がる理由も無いので抱き締め返してキスを受け入れてあげると綺良々は俺の事を押して大きなベッドに倒してくる。
「んっんんっちゅっ、んぁ、ちゅぅっ」
しばし口を吸われてやっと離されると仰向けで倒される俺の腰あたりに跨り、荒い息を吐いている綺良々と目が合う。
「その、本当にごめん、他の猫なでちゃって……」
「……渡さないもん」
「え?」
綺良々の言葉に呆気に取られていると、彼女は俺の右手を持ち上げてつけている黒い手袋を外す。そして顕になった俺の手の、さっきまで野良猫を撫でていた人差し指をまるで自分で上書きするように口に咥え込んだ。指全体が熱くて柔らかい感触に包まれ、綺良々の猫の口調が残っている少しだけザラついた舌が俺の指先を這い回る。
「んんっ、ちゅっ、じゅるぅ」
「………」
そのあまりにも扇情的な光景に俺は目を奪われた。舐めるというより最早しゃぶっている綺良々の姿に言いようの無い感情が這い上がってくる。
「ぷはぁ、………これで、上書きっ」
「お、お前……」
ようやく口から出した俺の指が彼女の舌と銀の橋を繋ぐ。そのまま恋人繋ぎで綺良々の手と馴染ませながら、俺を見て妖しく微笑んだ。
「えへへ、…この前の迅くんのまね。……ね、これでわたしだけを見てくれた?」
そんなことを言われて平気なわけが無い。こくこくと頷く俺に蕩けるような笑みを見せた綺良々はまた唇を重ねてくる。
「ああ。もう綺良々しか見れてないよ。ごめんな余計な心配かけさせちゃって」
「ううん、わたしこそ面倒くさくてごめんね。……やっと2人きりになれた」
「洞天だと賑やかだもんな」
左手で綺良々の頭を撫でながら話す。一線越えたあの日から2人きりになるのは今日が初めてだ。
「だいすき」
ちゅっと俺の首筋に唇が落とされる。そのまま吸われて俺の肌に赤い斑点が出来上がった。意味を知らなかった前とは違う、正真正銘の「所有物」のマーク。
「わたしにもつけて?」
前と同じようにインナーをズラしてそう言うので、俺は黙って同じように痕を付ける。
「……やっぱり、人だったらまだ大丈夫なんだけど、猫だけはわたし我慢できないや。こうやってマーキングしないと落ち着かないもん」
「いや、他の猫撫でようとした俺のせいだからさ。俺ってば本当にアホだな。すぐ近くにこんないい猫がいるのに」
そう言うと嬉しそうに微笑んだ綺良々がまたキスをしてくる。突然のように受け入れながら、絡みついてくる2本の尻尾を手で優しく撫でた。
「しかし、よく連れ込み宿の場所知ってたよな。誰かから聞いたのか?」
「え?連れ込み宿?なにそれ」
「え?」
こてんと首を傾げた綺良々に仰向けの俺もこてんと首を傾げる。
「野良猫にヤキモチ妬いちゃって迅くんを引っ張ってたらちょうど宿が見えたから、入ってみたんだけど……。今日は璃月港で泊まる予定だったんでしょ?」
「あ、あ〜…なるほどな。ちなみに連れ込み宿って言うのは……」
今更包むの変だと思ったので、アレな所も隠さず全部説明してやると顔を真っ赤にした茹で綺良々が出来上がった。「ぇ、ぁ、んぇ?…わ、わたし…ぁ、ぅ…」としどろもどろになっていてマジでかわいい。
そして慌ててるせいで今の体勢のヤバさに気がついて無い。頼むから腰の辺り跨ってモゾモゾ動かないで欲しい。
「綺良々」
「ぇ、ふわっ!」
そんな彼女に俺は苦笑すると腕を引っ張ってこちら側に引き倒した。
驚いた綺良々だが、すぐ目の前に自身が俺につけた吸い痕を見て、トロンと顔が蕩けてきた。その吸い痕に舌を這わせつつ今度はワザと腰を動かしてくる。
どうやらその気なのはそっちもらしい。
先程よりも数段艶めかしくなった綺良々と目を合わせると、どちらからともなく唇を合わせた。
後に、コレの事を「にゃんこフェス」とか言ったとか言わなかったとか。
ちなみに翌日しっかり俺たちの行動が刻晴の耳に入っていたらしく、洞天での彼女の視線に炎元素が混じり始めるのだが、それはまたの機会に。
※別にR-18版を間違ってコピペした訳じゃありません。
イチャコラが見たい女の子は?
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綺良々
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エウルア
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宵宮
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綾華
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刻晴
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蛍