職場の先輩がウチの飼い猫に似ている件   作:猫好きの餅

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違うんや…本当は刻晴と宵宮の内包するつもりやったんや…。




あと一歩でメインヒロインだったキャラのお話


幕間: 小話 エウルア

 

 

 

 

・その服どうやって着てるの?

 

 

 

「……急に何よ」

「いや、前から気になっててさ。結構特殊なデザインだから」

 

ある日。洞天に顔を出したエウルアにモンドまで連行された俺は彼女の部屋でお茶をしていた。あんまり通行証でワープ移動はやっちゃダメなんだけどなぁ。だからとちょっと気になってたことを聞いてみたんだけど、エウルアは紅茶のカップを持ったまま訝しげにこっちを見てくる。

 

前までだったら「急に何?ついに頭がおかしくなっちゃったのかしら。そんな相手に復讐してもつまらないから、しっかりしなさい」とか心配してるんだから貶してんだかわからないセリフを言ってきたものだけど。

 

「…それを知ってどうするつもりよ」

「どうも?ただふと気になっただけだよ。上下一体型って訳じゃないんだよな?」

「どれだけ気になってるのよ…。……わ、わかったから、ちょっとこっち来て」

「お、おう?」

 

席を立って手を引いてくるエウルアに疑問符を浮かべながらついて行く。そしてそのまま脱衣所に詰め込まれた。

 

わけがわからず目をぱちくりしていると、エウルアはくるりと後ろ向いた。やっぱ背中空き過ぎじゃね?

 

「この背中の留め具が剣帯と、ベルトを兼任してるのよ。まずはそこを外して」

「へぇ〜、…やっぱ、ちょっと背中空き過ぎじゃない?」

「…そうかしら?涼しいから良いんだけど」

 

言われた通り留め具を外すと、ちょっといたずらっぽい目で見て来たからそっぽを向く。

 

「ふーん?私の背中が出てると何が不都合でもあるのかしら」

「…お前、わかってて聞いてるだろ…」

「…ねぇ、どうなの?」

 

身長差が10cmほどあるエウルアが上目遣いで聞いてくる。自分の顔面の強さを最大限活かす角度にたまらなくなった俺は観念してエウルアの耳元で囁いた。

 

「…他の男に、エウルアを見られたくない」

「…っ」

「1回しか言わないからな?」

 

顔を離すと見事な茹でエウルアが完成していた。

 

「…前までは、こういう嫉妬みたいなの…俺の立場でしてもいいのかなって悩んでたりもしたんだけどさ。…どう、かな?嫌か?」

「…そ、そんなことないわよ…?……その、迅は、私が他の男に見られるのが嫌なの?」

「…うん。エウルアってよくひとりで呑みに行ったりしてるだろ?…その時割と落ち着かなくなる」

 

ああ、言っちゃった。意を決して彼女の顔を見てみると、なんか上の空というか、ぽーっと俺の顔を見ている。

 

「え、エウルア?大丈夫か?」

「………迅」

 

エウルアは、するりと俺に抱き着いて来た。背伸びをして俺の脇から手を回して耳元に口を寄せて囁いてくる。

 

「…嬉しい」

「…嫌じゃないか?」

「好きな人に嫉妬されて、嫌なわけないでしょ?……今度からは、1人で呑むのは控えるわね?」

「え、別に辞めなくてもいいんだぞ?」

「行って欲しくないって、顔に書いてあるわよ。……ふふっ」

 

エウルアは満足したのか身体を離す。「脱線したわね」と、再度自分の服の構造を説明し始めた。

 

「ベルトを外したあとは白と黒の生地が一体になってるから、肩を抜いていくのよ」

「…お、おう」

 

エウルアは手袋とネクタイを外すとスルスルと袖から腕を引き抜いた、するとネクタイで見えなかったが中に黒のぴっちりとしたインナーが見える。プチプチとボタンを外す音がして前が開き、ブラトップのようなインナーに包まれた身体が出てきた……って、なに冷静に見てんだよ俺っ!おかしいだろっ!

 

「って、ストォーップ!!別に脱がなくてもいいよ!?」

「…え、だってこの服の脱がし方が知りたかったんじゃないの?」

「語弊がすぎる!…ただほんとに構造が気になっただけだってば!。わ、わかったからもう俺は出るから…」

「待ちなさい。…逃がさないわよ」

 

後ろを向いた俺の腕をエウルアが掴んだ。そのまま回転運動で位置を入れ替えられると壁に押し付けられる。

 

「私をここまで脱がしておいて、逃げるのは許さないわよ」

「俺は脱がしてないけど!?」

「しかも、あんな私に効く言葉まで言って…!責任取って、最後まで脱がせなさいっ」

「どういうこと!?」

「どうせっ、脱がす時が近いうちに来るわっ!」

「ちょ、落ち着けって!」

 

そうこうしているうちに残った下もストンと落ちてしまい、下着姿になってしまったエウルアが顔を紅潮させて俺に迫る。

 

「…イヤよ。このまま責任取りなさい」

「お、お前っ、こんな流れでいいのかよ!もうちょっとこう、あるだろ!まだ昼間だぞ!」

「そうね昼間ね。時間はたっぷりあるわ」

「ダメだこいつ止まらねぇ!」

 

この後、アンバーが遊びにきて我に返るまで、エウルアと俺のせめぎあいは続くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「…つか、いいのかよ。居留守なんか使っちゃって」

「ど、どの道あんな格好を見られる訳には行かないでしょ?」

 

暇だから遊びに来たらしいアンバーに居留守を使ったことを申し訳なく思いながら、服を着たエウルアと並んでソファに座り込んだ俺たちはため息を吐いた。

 

この後夕方には一緒にエンジェルズシェアに行く予定だけど、まだ時間がある。なんか寂しくなった俺はおもむろに隣のエウルアの腰に手を回した。

 

エウルアはびっくりしつつもおずおずと俺に身を寄せる。

 

「……そろそろ慣れてくれてもいいんだぞ?」

「…無理よ」

 

そういい肩に頭を乗せてくるエウルアの頬が赤い。そんな彼女を腕の中に引き寄せながら、ずっと言いたかったことを口に出した。

 

「…ありがとうな」

「…なんのこと?」

「色々、全部だよ。言ったろ?エウルアは俺にとって一番の恩人だって」

「…それは、私にとってもそうよ」

 

ここでどっちが先に、なんて言い出したらキリが無さそうだ。

 

「今の生活は、楽しいか?」

「ふふ、何よそれ。父親?」

「まぁ、そんなもんかな」

「…今の生活がどれのことを指しているかはわからないけど、……充実してるわ。守るところがあって、大切な人たちがいて。前までだったら卑屈にならないとやっていけなかったけど……民に好かれるって、こんなにいいものだったのね」

「それも全部、エウルアが頑張ってたからだよ。……まぁ、俺は前のエウルア結構好きだったけど」

「あら、戻った方がいい?」

「今の素直な方も可愛いから迷う」

「……君はまたそういうことを…」

 

エウルアに小突かれながら、彼女の顔が俺の首筋にまで移動する。ソファに着いた手にエウルアの手が重なり、肌に彼女の息遣いが感じられる。

 

「……私のこと、好き?」

「好きだよ。…まぁ、説得力無いかもしれないけど」

「…嬉しい。それについては貴方は悪くないわ、私たちのワガママだから。……やっぱりまだ悩んでたのね」

「開き直った、とは言ってもね。やっぱりつっかえるところはあるよ。でも、みんなが幸そうで良かった」

「……辛かったら、すぐ言って?」

「うん」

 

エウルアの顔がすぐそこまで近付いてくる。俺が少し顔を傾けるとそれに答えるように目を閉じたのて、そのまま唇を重ねた。

 

「…っ、でも、迅のファーストキスを奪ったのは誇らしいわね」

「アレのせいで跋掣戦の作戦会議ろくに耳に入らなかったんだからな?」

「そのくらい印象に残ったの?」

「ああ、鮮烈にな。そりゃ前に好きだった女からキスされたら脳なんて止まるのが普通だろ」

「ふふ、そんなに覚えてくれたのなら、……………って、今なんて言ったの?」

「あ、やべ」

 

つい口が滑って言ってしまった。そんな俺の両肩を驚愕の表情を浮かべたエウルアが揺すってくる。

 

「ど、どういうことよ!」

「俺も最近気がついたんだけどさ。多分、稲妻帰る前くらいの俺、エウルアのこと好きだったんだと思うんだよ。結構目で追ってたし」

「な、なによ、それ…!」

「ま、まぁエウルアにはこれ以上ないってくらい助けられたしさ、自分も頑張ってる人からそんなことされたらそりゃ好きにもなるかって…。当時は恋とかわからなかったから自覚無かったけど」

「…そ、それじゃああの時私が告白してたら付き合ってたってこと?」

「うん」

 

こくりと頷いた俺にわなわなと震えたエウルアは俺の事をソファの上に押し倒して来た。

 

「…わ、私…千載一遇のチャンスをふいにしてたのね…」

「お、俺も何度か話しかけようとしたんだけど、なんかその時エウルアめちゃくちゃ不機嫌でさ、もしかしてエウルアの評判上げたのが余計で嫌われたかなってずっとビクビクしてたんだよ」

「あ、あれは当時迅に惚れたのを自覚してなかったから、会う度にドキドキして上手く話せなかったのよ…」

「あ、そうだったんだ……その、なんかごめん」

「謝らなくていいわ。今となってはみんながいる方が良いし、それが知れただけでも満足よ」

「まぁ、結果オーライってやつか」

「迅が言うとなんかむかつくわね」

 

なんで?

 

「じゃあ、今日さ。俺我慢しなくてもいいか?」

「い、いいけど…何するつもりよ」

「…ま、これからのお楽しみで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エウルア」

「ひゃっ、な、なによ」

 

おやつを作っていたエウルアの背中に抱きつく。お腹に手を回して、肩に顎を乗せる。

 

「さっき言ったろ?我慢しないって」

「これをやりたかったってこと?」

「うん。だってこれ俺がやったらセクハラになるじゃん」

「彼女にやる分にはいいと思うけど…。もう…あ、お、お腹撫でないで?セクハラよ?」

「セクハラになるんじゃねぇか」

「そこ、触られると……変な感じになるのよ」

「…じゃあ、どこ撫でればいい?頭?」

「綺良々じゃないんだから、……じゃあ肩揉んでもらおうかしら」

「小間使いと間違ってない?…いいけど」

 

ボウルの中の材料を混ぜているエウルアの肩に手を乗せると、その凝りように驚いた。

 

「結構凝ってるな」

「いつもなのよこれ。全く、いつも困るわコレには」

「ん、いつも…?」

 

エウルア位の剣士だと剣で肩こりとかはもう無いはずだし、他に何が原因が…?とエウルアの視線を追って、あるものに気がついた。

 

「…なるほど……あ」

「…迅、今日はよく口が滑るわね」

「…リラックスしてるからね(?)」

 

そりゃそうですわ。こんな男性特効の装甲を装備してたら肩もこりますわ。よくエウルアには膝枕をしてもらうんだけど、その時下からだと顔が見えないくらいにはご立派なものを持っていらっしゃる。素晴らしい。

 

気づけば肩に置いた手をお腹に戻し、思ったことがそのまま口に出てた。

 

「……じゃあ、我慢しなくてもいい?」

「…ぁ、……ぅ」

「…って違う違う、ごめん今のなし。ちょっと頭にフィルター着いてなかったわ」

 

そう言って離れようとした俺の手をエウルアが掴んだ。後ろから見える彼女の耳が赤い。

 

エウルアはそのまま振り返ると、なんと俺の手に乗っけるように自分の胸に押し当て来た。

 

圧倒的な体積と重さが手のひらに伝わり、指が沈んだ。同時に俺の体が凍結反応を起こして固まる。

 

「ん、ね、結構重いでしょ?」

「…お、お前…」

 

肩越しに振り返るエウルアが心做しか自分の身体を俺に擦り付けて来ているような気がする。

 

そして、そのまま俺の耳に顔を近づけて。

 

「つ、続きは……夜…ね?………その時は、本当に……我慢しなくていいから」

「っ」

 

 

その後行った、エンジェルズシェアの酒の味は覚えてません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「脱がし方、役に立ったでしょう?」

 

エウルア好き?

  • 大好き。メインヒロインの風格すごい
  • 好き。
  • 一緒に酒飲みてぇ
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