この日私は冥琳の部屋に呼ばれていた。だいたいの予測はつく。冥琳たちがいう天の国、すなわち私たちの国のことについて聞きたいのだろう。冥琳の部屋に着くと戸を叩く。
―コンコン―
宏「冥琳?入りますよ?」
冥「あぁ。入ってくれ」
―ガチャッ―
戸を開けるとそこには、茶を二人分用意して待つ冥琳の姿があった。
冥「わざわざスマナイな。ここに呼び出したりして」
宏「構いませんよ。それで聞きたい事とは、天の国のことですね?」
私の言葉に冥琳は笑みをこぼしながらそうだと答える。
冥「ではまず基本的なところから。・・・・天において、お前たちはどのように日々を過ごしていたのだ?」
宏「そうですね。私と狛傅は医師の資格を持っておりましたので、医師としての仕事のかたわら、大学院・・・こちらで言う私塾みたいなもので勉学に励んでましたね。」
冥「そちらの私塾は裕福な家庭、もしくは皇族や高い地位にいる血縁者しか通えないのか?」
宏「裕福な家庭、皇族のみではなく、私たちの国で生まれた人間ならば六歳~十五歳の間の九年間義務教育として教育を受けなければなりません。これは国が法として制定されており国が経営したり、私塾みたいに個人が経営したりしています。私たちは後者で学問を修めました」
冥「なんと興味深い。国が義務として教育を受けさせるとは・・・」
冥琳は私の話す内容の重点部分を竹管に書き出していく。
冥「では次に、天の人々は、ここと多少の差異はあれど、人は権力者と民衆にわかれ、社会を構成していた」
宏「基本的な部分は似ていますが、私の国では権力者は民衆の投票によって決めていましたよ」
冥「それはどのように?」
宏「それはですね・・・・」
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どれだけの時間が過ぎたのか、外は既に夕日が沈んでいた。冥琳も書き終え外を見る。
冥「むっ、もうこんな時間か。こんなに時間を取らせてすまなかったな、宏近」
宏「いいですよ。それに今日話せなかった内容を纏めて後で出しておきましょう」
冥「そうかそれは助かる。本当にすまない」
冥琳がそういうと私は首を横に振る。
宏「いいですよ。私にとっても非常に有意義な時間でしたし・・・・、なにより」
冥「なにより?」
宏「冥琳とこのように二人きりになれたのですから」
私がそういうと冥琳が顔を赤める。
冥「なっ!!」
宏「ふふ、可愛いですね。とても愛おしい」
その甘い言葉に冥琳はますます顔を赤く染め上げる。
宏「それでは冥琳、また明日。お休みなさい」
部屋から出て行った後、冥琳の顔は当分赤かったという・・・。