001 ■■■■■の記憶
僕はこの高校生活で遭遇した様々な怪異を、振り返ってみようと思う。初めは鬼、次は猫、蟹、蝸牛、猿、蛇。その他諸々。思い返してみれば、数こそ少ないが、色々な経験を得られたと思う。だが、それは結果の話であって、正直怪異には会いたくないし、できれば避けたかった。最初に吸血鬼。キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード______今となってはその絞りかす、ミスド大好き金髪碧眼幼女となっている。が、彼女と会わなければ僕は人間のままで居られたのだ。まあ、今更完全な人間に戻りたいとは思ってないけれど。
なぜ今こんな話をしているのかと言うと、忍にいつもより多く血を与えてしまった時に思い出した記憶が関係している。その前に、まずは吸血鬼化について話す。僕は、忍に血を吸われるほど、吸血鬼化が進むし、忍は本来の力を取り戻す。そして、吸血鬼化が進むことによって僕は身体の回復力が上がるのだ。胴体から離れた腕がまたくっつくくらいには。当然脳も効果を受ける。だから忘れたものを思い出せる______ということはなく、何かしらの外的要因。例えば、頭を打つとか、そういう事で忘れたものしか思い出せない。
前に忍に、「お前様は忘れっぽいんじゃな。だが、ミスドのことは忘れたとは言わせぬぞ。」と言われたことがある。そのときはあまりお金がなかったのでごまかしたが、後でちゃんと買っておこうと思う。
阿良々木暦は約束をちゃんと守る男だ。
そうだ。
そうだと信じたい。
なんせまだ買うめどは立っていないのだから。
まだ序盤なのに話が脱線してしまった。話題を戻そう。
この記憶を思い出したということは、自然に忘れたとかそういう事ではなく、外的要因があったということだ。だけど、頭を打ったとか、そう言うのは一切無かった。そして、その記憶は忘れていた、と言うよりも、
いや、それが正しい。
記憶処理。
そんな単語が頭によぎる。
話は変わるが、「怪異はこの世界そのものである」そんなことを忍野メメは言っていた。裏を返せば、「この世界は怪異そのもの」とも取れる。だが、
財団
そんな名前だった。
正直僕には中二病が考えたように思えたのだが、そしたら自分で考えたことになってしまう。高校生にもなって中二病こじらせてるって、どんな奴だよ。
・・・・・・
まあこれが実際にあったことだから、僕が痛いやつにならなくて済んだ。いや、友達を作ると人間強度が下がるとか言ってたやつが何言ってるんだ。
十分痛い。
そんな事実に打ちひしがれそうだ。
まあそんなことは無いのだけれど。
こうして僕が財団を知ることとなるけれど、そう簡単にはいかなかった。なんでも秘密組織だからね。羽川さんもそうだ。自分から情報を隠そうとする組織のことなんか、分かりっこないのだから。
とにかく、僕はこの時初めて怪異以外に、異常と呼ばれるものがあると知った。
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