真・ 恋姫†無双 魏伝異聞『鄧艾』ノ章   作:雪虎

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第一話:鄧艾

元々俺は何の変哲もない農民の出だった。

 

村長のところの仕事を手伝う都合で字の読み書きぐらいは出来たがそれだけ。

 

両親を流行病で亡くしはしたが、村長や村の皆のおかげで食いっぱぐれる事なく生きてきた。

 

そんな平穏な日曜も、あの日の出会いを境に変わった。

 

『水ぉお・・・・みずぅうをくれぇえ・・・・』

 

俺が差し出した水どころか、村長の奥さんが作ってくれた昼飯まで平らげたこのおっさんは『太公望』と名乗った。

 

『お前さんには見所がある』

 

『うん、飯の礼だ。オジさんが色々と教えてやるよ』

 

その日から、俺の日常の中におっさんとの授業が組み込まれた。

 

村の繁栄に役立つであろう農耕、治水、天候の知識から俺には関係ないだろう軍略、築城、政治など、多岐に渡るおっさんの授業は俺を飽きさせる事はない。いや、知識量もそうだろうが話し方が上手いんだよなこのおっさん。

 

一年経った頃にはついでにと武術まで教えられた。おっさんメッチャ強ぇんだよ、力任せにぶん殴ろうとしてもヒラヒラ避けるし。かといって小手先の技で攻めても今度は力で押し込んでくるし。

 

『太公望』名乗るんなら頭脳派にしとけよ。

 

『いやー、居心地が良くてついつい居着いちまった』

 

三年程経った頃、突然そんな事を言い出した。その頃には村の皆からも一員として受けられていたためか、三日に渡って大宴会で送り出す事になった。

 

『良いか?お前は俺の自慢の弟子だ。もし「今だ!」って思える時期が来たら迷わず表舞台に踊りだせ!俺はお前が活躍するのをどこからだって見守ってるからな!!』

 

そう言って、師匠は旅立っていった。

 

―――――――――

 

師匠と別れてから五年程経った頃、大陸全土で近年希に見る大飢饉が発生。

 

それに対し、朝廷から発せられたのは例年の二~三倍に達しようかと言う増税。

 

最初こそ、不満に駆られて暴動を起こそうとしていた村の若手連中を抑えようとしていた。

 

近隣の連中にも軽々に動くなと声をかけ、馬鹿な真似をしようものなら殴ってでも止めた。

 

無駄死にするだけだ、自分が太守に掛け合うからと。

 

そうやって抑え込んでる間に、俺は太守の下を訪れていた。

 

あまりにも急で、理不尽に過ぎる増税。

 

その軽減や、せめて延滞など落としどころを探ろうとしていた・・・・

 

『恐れ多くも陛下の勅を以て発された増税であるぞ!!賤民の分際で勅に逆らうと申すかァ!!!』

 

直面した太守の『目』を見て、全てを理解した。

 

勅が、なんてのは言い訳でしかない。

 

朝廷への賄賂のためか、自身が贅沢に暮らすためか。

 

私欲のためだったのだ。

 

『くたばれ』

 

―――――――――

 

憤りのままに太守を殺害し、衛兵を蹴散らしながら郷里に戻った俺は・・・・

 

『着いて来いやァ!!野郎どもォ!!!』

『『『『『ウォオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!』』』』』

 

ノリと勢いに任せて決起してしまった。

 

太守が私財を貯め込み護るために作った城塞へ攻め入り、兵士たちを懐柔し県令の腰巾着だった守将を始末させ入城。

 

他所の太守やら県令やらが反逆者討伐と言う大義名分を得て兵を差し向けるのは直ぐだった。

 

こちらは兵力五百程度。

 

対して攻め寄せた官軍は五千を越えたが、なにせ金に意地汚いと有名だった太守(故)の私財をこの期に乗じて己がものにせんと好き勝手に動く烏合の衆だ。

 

何ならお互いに妨害工作を仕掛けるものだから、兵力の多寡など問題にすらならなかった。

 

結果として味方の被害がほぼ皆無で迎撃に成功、士気が爆発的に跳ね上がった。

 

そこから都合六度、押し寄せる官軍を撃破し続けた。

 

二度目は更に範囲を広げて近隣の郡県から応援を呼んでいたが、それでも大して問題にはならなかった。

 

しかも官軍を撃破する度、近隣の元野盗やら、地元の悪ガキや荒くれ者たち、果ては元官軍の兵たちですら降伏して身を寄せる者が現れた。

 

気が付けば規模は三千近くにまで膨れ上がり、相当な大所帯にまでなっていた。

 

だからこそ規律を徹底させ、官軍以外との軋轢を生じさせないように努めた。

 

そして七度目。

 

そこに俺の『天命』が待ち受けていた。

 

―――――――――

 

七度目に攻め寄せた官軍は、これまでとは何もかもが違い過ぎた。前回の戦いで主だった面子の首は刎ねてやった。暫くは軍の立て直しやら責任者死後のゴタゴタで休息を取れるだろうと思っていた。だがこの軍は攻めてきた。

 

旗印は『曹』、最近陳留に赴任して来た太守だ。かなりの良家の出でありながら、概ねその治政に対する評判は良く、率いる軍もかなり精強だとは聞いていた。

 

だがこれは想定以上だ。

 

兵の練度と数、将の力量、軍としての戦術。その全てが今まで相手にして来た官軍と比べるべくも無く強すぎる。

 

「残ってる兵は?」

「・・・・・・・・およそ三百、後は逃げたか死んだか・・・・」

 

三百。

 

三千はいただろう兵力があっという間に三百とは。

 

「残った連中に無理せず逃げろ、って伝えろ」

 

こんなところで無駄に死ぬ必要はない。

 

「首魁の俺が出て行きゃこっちに兵力が集中する、そうすりゃあ逃げる連中の時間稼ぎぐらいは出来んだろ」

 

残っていた、三百人が集まってくる。

 

「南門を開け放て。官軍の兵力がそこに集中し出したら残る二つの門から逃げろ」

 

俺の恐らく最後になるだろう命令に、新入り連中が自分たちも最後まで戦うと反発する。それを古参連中が、引きずって逃げる準備を始める。

 

「悪ぃな、お前らには貧乏くじ引かせちまった」

 

その場に残ったのは負傷兵ばかり五十弱。返事を返す程の余力は無いが、全員が笑みを浮かべて頷きを返してくれる。足を怪我していて走れなかったり、腹や胴などの動く事そのものに支障が出る負傷を負っている者。逃げる事が出来ない連中が残っている。俺一人じゃあ官軍を引きつけきれない、だから・・・・俺と一緒に死んでもらうのだ。

 

ノリと勢いの結果とは言え、官軍と干戈を交え六度も打ち払い官吏の首も刎ねた。誰が許そうとも、俺に打ち払われた連中が自分たちの矜持のために俺を殺すだろう。だがそれで良い・・・・逃げさせた奴らの中にも俺の意思を汲み、継いでくれるヤツがいる。敗走し、離散した連中の中にもきっと生き延びているだろうと確信している。

 

「俺たちゃ世間一般から見りゃあ半端者の集まりかもしんねぇ・・・・ノリと勢いだけでここまで来ちまったぐらいだ、後世には阿呆の集まりだと書かれるか・・・・・もしかしたらただの反乱だと締めくくられるかもしれん。・・・・だが!!!」

 

周りの連中が、立ち上がる。それぞれが、最後の力を振り絞るように。

 

「んじゃ、最後の大立ち回りと・・・・」

 

メキッ・・・・・・・・!

 

何かが軋む。

 

メリメリメリッ・・・・・・・・!

 

皆が周囲を見回す中、俺の視線は・・・・ある一点を見ていた。

 

「・・・・嘘だろ」

 

城塞の門だ。併せ目から、歪んできている。

 

衝車なんて大物が動いていた音は無い、かといって衝槌のような人手が必要な物でもない。そんな規則的な音じゃなくて、まるで扉を蹴破るような・・・・

 

ベキッ

 

「っ!!!」

 

ドォンッ!!!!

 

轟音。

 

「はぁああああああっ!!!」

 

飛び散る木片、鉄片から顔を護った一瞬。

 

その一瞬で既に接近されていた。

 

「・・・・クソッ」

 

辛うじて、振り下ろされた刃と我が身の間に槍を挟む。しかし、その刃は、槍ごと、鎧ごと、容易く俺を切り裂いた。

 

「逃げ、ろっ・・・・」

 

声にならない声を挙げ、俺の意識はそこで途絶えた。

 

―――――――――

 

「あの世・・・・・・・・って訳じゃあなさそうだな」

 

天幕の中だろうか、簡素な寝台に寝かせられているのは分かる。手足が動かないのは、どちらも枷を嵌められているからだろう。

 

「何で生きてんだ、俺は」

 

最後に思いっきりぶった斬られたのは覚えてる。あれで死んだ、と思った。いや、あの一撃で死んでなかったとして、俺は何故今生かされてる?官軍と干戈を交え、剰え官吏を何人も討ち取っている。その場で首を刎ねて、掲げるのが普通だろう。

 

それでも敢えて生かす理由があるとすれば、観衆の前に引きずりだしての公開処刑。反乱の首魁を皆の前で討つ事により官軍の武威を示す、と言う建前の、憂さ晴らしでか?もしそうなら、つまらない死にざまになりそうだ。

 

「起きたのね」

 

投げかけられた声にそちらを見る。薄暗いせいか、顔までは見えないが声色と背格好で少女であろう事は分かる。

 

「枷は要らない、と言ったのだけれど・・・・心配症な家臣たちに怒られたわ」

「だろうな」

 

いつまでも寝転がったままは無作法と、身を捩ってからだを起こす。

 

「何が目的で俺を生かした」

 

枷は不要、と言う事は俺を殺す目的で捕らえた訳では無いようだ。となれば、いよいよもって分からない。

 

「少し、貴方と話をしてみたかったの」

 

燭台に火を灯し、近くにあった椅子に少女は座る。一瞬、少女の眼が燃る焔のように揺らめいた気がした。

 

「私たちが参戦するまでの戦いは見事だった。城塞での籠城、と言う利点こそあったものの六度に渡って数に勝る官軍を打ち払い続けた。調べさせた限りでは兵の練度、と言うよりも戦術によるもの・・・・との見立てだった。実際に戦ってみても兵力差も練度の差もあるのにここまで粘られるとは思わなかったわ」

 

パチパチ、と笑みを浮かべながら拍手をする。

 

「誰かに師事したの?それとも独学?」

「教えられたんだよ、『太公望』に」

 

『太公望』と言う名詞に笑みはなりを潜め、怪訝そうな顔つきになる。

 

「それは何かの冗談かしら?」

「さぁな。騙りだろうが何だろうが、あの人は『太公望』を名乗り俺にありとあらゆる事を教えてくれた。その事実は覆らんし、俺はそれで良いと思っている」

 

あの人の門下で学んだ事は事実。それにあの日々は俺にとって良き思い出となっている。

 

「何故反乱を起こしたの?」

「太守の野郎がムカついたからぶった斬って、後は割とノリと勢いだ。あの辺りの若手連中の鬱憤が溜まりすぎてたしな、アイツらが好き勝手に暴れただけじゃあ無駄死にで終わると思ったから俺が旗頭に立っただけだ」

 

腕っ節はある連中ばかりだったが、脳筋だらけだった。抑え込むにも限界だったし、気のいいアイツらを見殺しにする選択肢もなかった。・・・・・・・・まぁ、俺が最初にキレて太守ぶった斬ったしな。

 

「・・・・貴方が過去に打ち払った官軍には非凡な者もいたわ、でも貴方は少ない被害で戦い続けた」

「名ばかりの連合部隊だったからさ。指揮系統がしっかりしてて、頭が凡庸以上だったら数で押しつぶされて終わりさ」

 

敵は常に倍以上、それでも闘い続けられたのは雑多な指揮系統だったからに他ならない。連携のれの字も無いし、突き方一つで面白いぐらいに簡単に隊列を崩す。だが極論、戦いは多くを揃えた方が勝つ。兵数に勝る官軍が指揮系統をハッキリとさせ、最低限の兵法の基本を抑えた凡庸以上の指揮官を据えていたなら俺たちはあそこまで戦えなかった。むしろ、俺は生きていない。

 

「私たちも、正直苦戦させられたわ。恐らく、兵の練度が同等程度なら・・・・今頃は私と貴方の立場が逆転している可能性すらあったと思う程にね」

「それは有り得ん仮定だ。俺が負けて、アンタが勝った。それだけの話しだろ?」

 

過程も大事だが、最後にモノを言うのは結果だ。俺は負けて、仲間を失い、こうやって捕縛されている。それ以上でもなければそれ以下でもない。

 

「そうね、でも・・・・」

 

少女が手を叩くと、片目を前髪で隠した少女が入ってきた。手には剣、話しも終わって斬られるか、と眼を瞑る。

 

ヒュンッ!ヒュンッ!

 

二度、振るわれた剣。と共に俺の手足に違和感がある。

 

「・・・・・・・・何のつもりだ」

 

眼を開けば、俺の手足に嵌められた枷が切り落とされている。

 

「貴方の力を私に貸して欲しいのよ」

 

そこで、火が灯され初めて少女の顔が視える。

 

整った顔立ちだ、と思うと同時に印象に残ったのはその眼差しだった。

 

「・・・・俺の力だと?何を、するつもりだ?」

 

もしかしたら、瞳に映し出されただけだったかも知れない。でも・・・・

 

「中華の統一」

 

俺は、その眼に燃え盛る焔を見た。

 

「・・・・・・・・は?」

 

そして、思わず間抜けな声を漏らしてしまった。

 

今の世の中は、確かに『漢』と言う権威の下で一つになっているように視える。しかしその実はいつ崩壊し、再び群雄割拠の世の中に戻ってもおかしくはないぐらいに危うい均衡で保たれているに過ぎない。俺らみたいに、成果を残すようなのは希だが反乱じたいはそこかしこで起きている。

 

「そのためには貴方のような人材が必要なの」

 

群雄割拠の時代は必ず近いうちに訪れる。そうなると、賭けてもいい。ある程度目端が利く者なら、そこに乗じて成り上がろうとするだろうし、更に野心を抱き己の『国』を作ろうと画策するだろう。

 

だが、目の前の少女は『中華の統一』と言った。

 

「正気か?」

 

長い中華の歴史にあって、国が一つであった事は確かにある。しかし、一度バラけたものを統一し直すと言うのは後世にまで名を残す『偉業』であり『大業』である。かつての秦の始皇帝、漢の皇祖劉邦。ひと握りの英傑だけが成し遂げた。

 

「正気かどうかは分からないわ、でも・・・・本気よ」

「俺みたいなのに声をかけるって事は人材だってまだまだ足りない、それにアンタは未だにたかが太守だ。州牧や刺史になってる連中よりも出遅れてる。西涼の馬騰や江東の孫堅、荊州の劉表、幽州の劉焉や河北の袁家と地位や名声、兵力、財力とアンタの遥か上を行っている英傑たちが数多いる」

 

お互いに名乗った訳じゃあない。だが、目の前の少女が俺の想定している人物であるなら。家柄はそれなりにあるのだろう、だがその他が先に挙げた英傑たちに遥かに劣っている状況にある。

 

「それでも・・・・『本気でやる』ってのか?」

「ええ、やるわ」

「道半ばでくたばる確率の方が高いぞ?」

「そうなるつもりは無いけれども・・・・そうね、やれるだけの事をやった上で迎える死ならば本望よ」

 

本気だ。

 

大言壮語でもなく、目の前の少女は『本気で中華の統一を目指している』。

 

「あー・・・・・・・・」

 

ガリガリと頭をかく。

 

一瞬、迷った。

 

でも。

 

それを・・・・『面白い』と思った時点で・・・・。

 

いや。

 

「俺は何をすればいい」

 

この少女と話をしてしまった時点で、俺の意思は決まってしまったようなものだろう。

 

「そうね」

 

ニッ、と笑みを浮かべた少女。

 

「我が名は曹操、真名を『華琳』。貴方に我が真名を預けましょう」

 

真名を預ける、と。

 

「我が名は鄧艾、真名は『吼狼』。本来死すべきだったこの身、この魂。『華琳』様と共に、その道を違えるまで尽くす事を誓いましょう」

 

拱手し、片膝をつき、首を垂れる。

 

「だが・・・・アンタが道を違えたら、その時は喰い殺すぞ」

 

理想を押し付ける気はない。だが・・・・『これは違う』と、それが最悪の形で為されそうならば・・・・

 

「えぇ、それでこそよ。その時が来たと思ったなら、遠慮なく私を討ち果たせば良いわ」

「あぁ、そうさせてもらうさ」

 

ーーーーーーーーー

 

SIDE 太公望

 

「これも、お前の目論見通りか?」

 

隣に立つ青年の言葉に、私は笑みを浮かべて答える。

 

「目論見なんて人聞きの悪い・・・・」

 

確かに本来、もっともっとのちの時代に現れるハズの英傑である『鄧艾』。それがこの時期に現れた事に興味を持ち、関わった。最初は、後に現れるあの少年の一助になればと思った。だが・・・・

 

「確かに、私は吼狼に私の持ちうる全てを叩き込んだ。そこに色々と思惑があった事は認めるさ・・・・だがね、そこに思考を誘導するような教育は一切していない。全ての選択は、吼狼が選び取った結果だ」

 

想定外だったのは、私が『鄧艾』を、『吼狼』を気に入ってしまったと言う事だ。

 

ぶっきらぼうだが面倒見が良く、お人好しでは無いが気が付けば面倒事を抱えてしまう。一人の人間として好感が持てる。更にはこちらが教える事は次々に吸収し、教えがいのある良き生徒でもあった。

 

「まぁ、元々『■■』のやり方にも少々イラついていたところだ」

 

こことは別の『外史』ではあるが、『天の御使い』と呼ばれる少年がいた。文化も、思想も違う世界に突如跳ばされながらも、少年は懸命に生きた。私が見た『外史』では『魏』の『曹操』の臣下として乱世を駆け、見事に天下平定の一助を担い、様々な少女たちと絆を紡いだ。

 

そして、大幅に『正史』から逸れた結果、その『外史』の管理者により『世界』から排除された。

 

「勝手に送り込んで、好きにやらせといて自分の思った結果と違うから元の世界に帰れ、だと?」

 

元の世界に帰った少年は、戦乱の日々から突如帰還させられた事により精神に齟齬を生じさせ、心を病み、かつて絆を紡いだ少女たちを幻視しながら若くして亡くなった。

 

残された少女たちは、少年のように心を病むような事はなかったがその後の治世に影を落とし、次の世代の頃には再び乱世に戻る事になった。

 

「そんな理不尽あってたまるか」

 

その『外史』と似た『外史』をまかされると決まった時、俺は決意した。

 

「俺の好きにやらせてもらうさ」

 

この『外史』は、『大団円』に導いてやると。

 

「それが、『鄧艾』の存在か?」

「あぁ」

 

最初は『駒』にするつもりだった。

 

「さぁ」

 

でも今は違う。

 

「思うがままに暴れろ、くだらん『神(かんりしゃ)』の思惑など」

 

吼狼(弟子)』も『北郷一刀(天の御使い)』も、どっちにも幸せを掴んで欲しい。

 

「越えてゆけ」

 

期待してるぞ、バカ弟子。




はじめましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりの雪虎です。

やや難産気味でしたが再々改訂版一話目投稿と相成りました。執筆作業も久々でしたので文面おかしいところがないかとか、色々と不安です。溜め込んでいた構想を少しづつ文章に起こしている状況ですので、亀気味な更新になるかと思いますがどうぞ宜しくお願い致します。
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