VTuberなんだけど百合営業することになった。【SS集】   作:kattern@GCN文庫5/20新刊

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クレーンゲームでうみばに戦争 その6(ラスト)

【登場人物】

 

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

八丈島うみ  DStars3期生 センシティブ委員長

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber

津軽りんご  DStars特待生 きまぐれ僕っ娘

 

【シチュエーション】

 オンラインクレーンゲームでばにらとうみのグッズコラボが開催。

 その対決動画を晩酌しながらずんだと視聴中。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

ずんだ「はーもう、前半戦は見ていてひやひやしたわよ」

 

   「まさかあそこまでピンポン球が入らないなんて」

 

ばにら「むしろそれが撮れ高になってくれたというか」

 

   「おかげさまで同接の数字もよかったですし」

 

   「切り抜き動画も評判いいみたいです」

 

ずんだ「うみもうみよね大人げないっていうか」

 

   「アイツの配信も二窓で見てたけれど、絶対に経験者だわアレ」

 

   「クレーンゲームのコツをちゃんと押さえてた」

 

ばにら「うみ、本気で悔しがってましたからね」

 

   「収録が終ってすぐ『ゲーセン行く!』ってディスコに」

 

ずんだ「負けず嫌いねえ」

 

   「あんなのに三期生の手綱を握らせちゃダメよ」

 

   「ちゃんとアンタが仕切りなさい」

 

   「まぁ、矢面にアイツを立たせるのはいいけれど」

 

ばにら「あは、あははは(苦笑)」

 

   「まぁけど、うみも一生懸命やってるので」

 

   「その頑張りは素直に認めているというか」

 

   「それに三期生は一蓮托生ですから」

 

   「みんなで補い合ってやっていけたらなって」

 

ずんだ「……ふぅん」

 

   「トップVTuberのくせに謙虚なことを言うのね」

 

ばにら「そ、そうでしょうか?」

 

ずんだ「うみなんか『いつか絶対にばにらを超える!』って言いふらしてるわよ」

 

   「それくらいの覇気があってもいいと思うけれど」

 

ばにら「あ、いや、それはうみなりの責任感で」

 

   「私が一人だけ人気が出ちゃったから」

 

   「隣に『同じレベルで立てる人間がいない』と辛いって」

 

   「それで、自分に発破をかけてるんです……」

 

ずんだ「…………なるほど」

 

 

   「一番のライバルはやっぱりうみか。アイツ、なんかやらかさないかしら」

 

 

ばにら「美月さん⁉」

 

ずんだ「冗談よ。冗談」

 

   「ほんと三期生は仲が良いわね。羨ましいわ」

 

ばにら「はい! 私の宝物です!」

 

ずんだ(良い顔して言うなぁ……)

 

ばにら「ところで美月さん。今回の件で思い知ったんですが」

 

   「やっぱり、私クレーンゲームが苦手みたいです」

 

ずんだ「付け焼き刃の私の知識じゃどうにもならなかったものね」

 

   「もうちょっと健闘してくれると思ったんだけれど」

 

ばにら「今後もモーミーオンラインさんの案件は増えると思うんです」

 

   「あと、他のオンラインクレーンゲーム会社の案件も」

 

   「そういう時に、無様なプレイングはしたくないなって」

 

ずんだ「で、私に教えろってこと?」

 

ばにら「……ダメ、ですか?」

 

ずんだ「…………」

 

   「ダメじゃないよ」

 

   「ただ、私もぜんぜんたいしたことないから」

 

   「ほんと、基本的なことしか教えられないけど、いい?」

 

ばにら「大丈夫です! 美月さんのゲームの腕前を信頼していますから!」

 

ずんだ「信頼ねぇ……」

 

   「じゃあ、その信頼に応えて」

 

   「みっちりしごいてあげるとしますか!」

 

 

電子音『ピンポーン! すみませーん! 宅配便でーす!』

 

 

ばにら「あれ? こんな時間に宅配便だなんて珍しいですね?」

 

ずんだ「本当ね。何か頼んだ覚えはないんだけれど」

 

ばにら「私、いただいてきますよ。美月さんは休んでてください」

 

ずんだ「そう、それじゃよろしくね」

 

ばにら「はい!」

 

ずんだ(いけないなぁ)

 

   (どんどん花楓に甘えてきてる)

 

   (慕ってくれる後輩の心理につけ込んじゃってる)

 

   (私も、もっと素直に花楓のことを好きって言わないと)

 

   (でないと……)

 

 

ずんだ「うみやうさぎに獲られちゃうかもなぁ……」

 

 

ばにら「美月さ~ん。荷物、いただいて来たんですけれど~」

 

ずんだ「玄関に適当に置いといてくれればいいわよ。後で運ぶから」

 

ばにら「いえ、それがですね」

 

 

   「『モーミーオンラインさんからの景品』でして」

 

 

ずんだ「……『モーミーオンラインさんからの景品』?」

 

ばにら「なんか、引っ越しサイズの段ボール箱なんですけど?」

 

   「いったいどれだけ獲ったんですか?」

 

   「あと、何を獲ったんですか?」

 

ずんだ「…………はぁ」

 

 

   「あったわ、宅配便の覚えが。今、思い出した」

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

ばにら『え! ずんだ先輩のクッションがもうちょっとで獲れそうな状態に⁉』

 

   『それは獲らなきゃダメでしょ!』

 

 

   『ばにらのクッションと一緒に、部屋に並べて飾るバニ!』

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

はい、というわけで正解はやっぱり「ずんだ」でした。

そして、一人じゃ手が回らないので「りんご」も手伝っておりました。

ゲーセン育ちの二人を敵に回してはいけない……! うみの最大の敗北は、この二人の先輩に根回しを忘れたこと……!

 

ちなみに、後日りんごから獲りすぎたばにらグッズを押しつけられ、さらに置き場所に困るずんさんなのでした。愛がほんと重たいんよ……。

 

今回はだいぶ変則回でしたが面白いとおもっていただけたなら、ぜひぜひ☆をいただけると続きを書く励みになります! m(__)m

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