DEATH APP   作:混沌遊

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No1「DEATH APP①」

DEATH APP

(デスアプリ)

 

Humans whose names are entered into this app will die.

(このアプリに名前を入力された人間は死ぬ。)

 

The effect cannot be obtained unless the target's face is in the head. Therefore, the effect cannot be obtained all at once for people with the same surname and the same name.

(対象の顔が頭に入っていないとその効果は得られない。ゆえに同姓同名の人物に一遍に効果は得られない。)

 

If you enter the cause of death within several tens of seconds after the name, it will be the same as the cause of death.

(名前の後に数十秒以内に死因を入力すると、その死因の通りになる。)

 

If you don't enter a cause of death, all will be heart failure.

(死因を入力しなければ、全てが心不全となる。)

 

ーーーーーーー

 

PM.9:30頃。

某県某市にある二階立ての一軒家の二階で、茶髪のショートヘアーの青年鉤(まがり)ユタカは自分の部屋で自主勉強を行っていた。

 

彼は市内の学校に通う高校3年生で、現在は市議会議員の父親と専業主婦の母親、中学3年の弟の4人暮らし

成績優秀・スポーツ万能の絵に描いた様な優等生であり、スタイル抜群で人柄も良く周囲からの評判も良い方である。

 

「あー疲れたなー、少し休憩でもするかぁー」

 

しばらくして休憩に入ったユタカは、この時間帯に放送されているお気に入りのラジオ番組を聞きながら、スマホのアプリ欄から「デスアプリ」と呼ばれるアプリを開いた。

 

このアプリは数日前、ユタカが興味本位で開いたダークウェブ上のアプリストアで見つけインストールをしたものだ。

中身は何の変哲のないメモ用のテキストアプリだが、このアプリに名前を入力された者は数十秒以内に死ぬといわれる呪いのアプリだという。

 

(名前を入力された人が死ぬアプリか‥‥。フフッ、まさか‥)

 

ユタカはそのアプリの中身を見ながら、他人を馬鹿にする様な笑みを浮かべる。

彼はオカルト自体には興味を持っていたが、その類の話はすべて作り話だと割り切るタイプであり、オカルトの噂自体は信じてはいなかった。

 

「デスアプリ」の噂も例外ではなく「どうせ『D●ATH N●TE』か何かに感化されたやつが作ったジョークアプリ」などと内心馬鹿にしていた。

 

しばらくするとラジオ番組が終わり、ラジオニュースが流れた。

 

『皆さんこんばんわ、ニュースラジオの時間です。ますはこちらのニュースです。』

『l国がX国へ侵攻してから数年が立ちました。現地では今でも激しい内戦が続いております。』

 

その日のニュース内容は主にl国によるX国への軍事侵攻の話題であった。

 

l国によるX国に軍事侵攻。その深刻さに日本を始めとする諸国がl国への経済的制裁やX国への援助、両国の仲介などは行っている様だが終結する見込みはない。

 

国際社会はこのX国への軍事侵攻を決行したl国の現職大統領を非難していた。

ユタカも他国に無益な戦争を仕掛けるl国の大統領に対して強い怒りを感じていた。

 

(‥‥少し試してみるか)

 

そのニュースを聞いたユタカは、「デスアプリ」にl国の大統領の名前を入力した。

 

(もしこのアプリの噂が本当なら名前を入力されたl国の大統領は死亡する。そうなればl国は軍事侵攻どころではなくなり、この戦争は終結するだろう。)

(アプリの噂が嘘でl国の大統領が死ななかったとしても、ジョークアプリを使った所で何らかの不利益が発生する訳ではない。)

 

ユタカはl国の大統領の名前を入力した後、ラジオニュースを注意深く聞いた。

 

しかし速報が流れる事はなく、その日のラジオニュースは終了した。ユタカは速報が流れなかった事から「このアプリの噂はデタラメ」と判断しため息をつきながらラジオの電源を切った

 

(…なんだ、やっぱりただのジョークアプリじゃないか)

(馬鹿馬鹿しい、まあ最初から信じてはなかったけどな)

 

気がつくと時刻は深夜11時を過ぎていた。本来ラジオ番組が終わった後すぐ眠りにつく予定であったユタカは、それができなかった事に苛立ちを感じながら寝床についた。

 

ーーーーーー

 

その翌日、ユタカは弟と共に一階のリビングルームで朝食を取っていた。

父親は日頃から市議会議員の仕事に追われ基本的に自宅にはおらず、この日は母親も急用で家を留守にしていた。

 

「兄さん、そういえばさぁ‥‥」

 

食事中、弟がユタカに声をかける。「どうしたんだ?」とユタカが返すと、弟は言った。

 

「l国の大統領が亡くなったらしいよ」

「え‥‥?」

 

弟のその言葉を聞いたユタカは一瞬動揺した。

 

ユタカは「嘘だ」と否定したが、弟は「嘘じゃないって、今日の新聞とか見てないのかよ」と言い返した後、ユタカに顔に目掛けて新聞を投げつけた。

 

ユタカは恐る恐る新聞の記事を確認すると、新聞には確かにこう書かれていた。

 

『l国の大統領急死。政府も認める』

 

その見出しを見たユタカは顔色を変えた。それを心配した弟は「どうしたんだよ」と声をかけるが、ユタカはすぐに「何でもない」とごまかすかの様に答えた。

 

その後、慌てた様子で突然身支度を始めた。

 

「兄さん急用を思い出したからちょっと出掛けてくる、留守番頼むぞケンジ!」

 

身支度を終えたユタカはそう言うと逃げる様に家を後にした。

 




【登場人物】

・鉤(まがり) ユタカ
主人公。
市議会議員の父親と専業主婦の母親、中学3年の弟の4人暮らし
成績優秀・スポーツ万能の絵に描いた様な優等生であり、スタイル抜群で人柄も良く周囲からの評判も良い

・鉤 ケンジ
ユタカの弟。中学三年生。
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