大変悩んで書きまして、正直この形で良かったのか、やりきれたのか、やりたい事と合致してるのか、分かりません
ただ、書ききれました
前話でここすきを凄い数くれた方、ありがとうございます
励みになります
ゆったりとした前奏が流れる
曲の入りはギターとベース、ドラムが穏やかに始める
そこからもう1つギターが加わり、色が増える
そして前奏が終わる
歌い出しは決められてない
だから、ここからは
わたしが作る
想いを込める
「 転換点 いつかノートに
(あなたとの出会いが、わたしの分岐点)
書いたあの言葉たちは きっと…
(あなたの書いた歌詞は)
泡になって消えた…
(消えることなんてない)
行方なんて知らない… 」
(歌として残る)
語りかけるように、軽快に言葉を紡ぐ
「 擦り切った白いチョークが
(学校での日常も)
ハラハラと落ちていった
(ささいな出来事も)
まるで…星屑みたいだとぉ
(全部思い出の欠片みたいに)
見とれていたんだ 」
(懐かしんでいくのかな)
今が過去になっていく
過ぎ去っていく
切なくなる
「 嗚呼ぁ〜 」
振り切るように声を上げる
「 いつかは消えてしまうけど
(忘れるわけない)
誰かの記憶には残れるかなぁ…?
(わたしは、ずっと覚えてる)
この瞬間を
(あなたとの)
切り取ってさぁ … 」
(いろんな思い出を)
僅かな不安が漏れる
そしてほんの少し希望
「 ひ か る… 朝が 朝が
(朝の光が、空が、雲が)
あまりに 眩し 眩しぃいからさ
(風が、眩しい景色が)
なんかもぅ それだけで
(どうしようもなく、それだけで)
こ こ ろ が宙に舞うぅ 」
(心がいっぱいになる)
「 君の 言葉がずっと離れない…
(あなたの言葉を忘れない)
はなぁれない!
(ずっと忘れない)
「 フラッシュ バッカー 」
(思い出を)
今も〜 思い出してるぅ〜〜 」
(いつも振り返ってる)
間奏に入る
思い出す
リョウ先輩が路上ライブでベースを鳴らしていた所を
伊知地先輩が嬉しそうに迎えてくれた所を
逃げてしまい、断りをいれたスマホを握りしめた所を
ひとりちゃんのギターを聞いた所を
教室で皆に合わせているだけのわたしを…
わたしは朝日を見る
空を見る
「 薄明に染まる空が
(透き通るように綺麗な空)
淡い彩りこぼして
(溢れる朝日)
こんな ちっぽけな僕の
(小さな、わたしの)
背中を包んでく 」
(身体を暖かく包んでくれる)
安堵するように穏やかに
「 透明なこのカラァダはぁあ
(特別じゃない、わたし)
何色になれるのぉ〜?
(何者でもない、わたし)
ただ 水のように流れ
(周りに流されて)
消えてゆくだけ?
(何も出来ない)
ねぇ〜? 」
(ね?)
不安を問いかける
「 ボヤけたままのフォーカスじゃ
(いつも顔を反らしてしまう)
君のホンモノは写せないよぉ〜 」
(残しておきたい、あなたの本当の)
「 寂しげな顔で キミが わ ら う 」
(本物の笑顔を)
「 ひ か る 朝が 朝が
(朝の光が)
あまりに眩しい 眩しぃいからさ
(心を満たす光が)
ちょっとさ らしくはない
(不安があっても)
み ら い も信じちゃうよぉ 」
(皆との未来を信じたくなる)
希望を持ちたい
未来の不安を払いたい
「 君の 言葉がずっと離れない
(皆の言葉を覚えてる)
離ぁれなぁい
(忘れない)
「 フラッシュ バッカー 」
(思い出が)
今もぅ 思い出してるぅ〜 」
(今も増え続けてく)
間奏に入る
彼女のギターを思い出す
力強いギター
激しくかき鳴らすギター
それは拒絶?
それとも叫び?
だったら…わたしは…わたしは…
「 ひ、か、る、朝が 朝が
(優しく慈しむように)
あまりに眩し 眩しぃいからさ
(優しく抱きしめるように)
なんかもぅ それだけでぇ
(嬉しさで満たされるように)
こ こ ろ が宙に舞うぅ 」
(心が満たされるように)
力強くはっきりと声を張る
「 君の 言葉をぎゅっと離さない!
(あなたのコトバを忘れない)
はなーさなぁい!
(絶対に忘れない!)
強く、強く、決意を込める
「 フラッシュ・バッカー! 」
(あなたの事)
今もぉ〜思い出してるうぅ〜〜〜 」
(いつも思ってる)
強い想いを押し出すように
揺らがぬように
決意で固めるように
溢れ出した心が、感情が、想いが、思いが声を上げる
言葉にならない声を
言葉に出来ない声を
言葉じゃ足らない声を
声を乗せる
声が音になる
あなたに届け
皆に届け
思いだけでも
違う
音だけでも…
後奏に声を、音を乗せる
最後まで、しっかりとリズムをとるドラム
支え続けるベース
穏やかで力強いギター
曲が
終わった
わたしは息を吐き、顔を上げる
いつの間にか、絞り出すように声を出してた
よくない声の出し方だわ、なんて何処か冷めたように考えている
気付くと涙が頬をつたってた
左目から一筋
感情が昂り過ぎたかな?
わたしは涙を拭くこともなく、朝日を見やる
綺麗な光
空
風はまだ強く、髪を嬲っていく
ふいにパチパチパチと音がなった
振り返るとひとりちゃんが控えめに佇んでいた
控えめな拍手
「歌、凄かったです」
いつものニヘラっとした笑顔を見せつつ、はっきりと言葉を告げた
彼女の長い髪も風に弄ばれてる
わたしはなんだか安心してしまう
「ありがと、ひとりちゃん」
少し照れながら返事をする
涙の痕を拭きながら、彼女に近付いた
「お、おはようございます、喜多ちゃん」
「おはよう、ひとりちゃん」
わたし達は、ほぼ同時に朝の挨拶を交わし、照れくさげに笑い合う
「…わたし、歌えたわ」
「はい、き、聞いてました。やっぱり、喜多ちゃんは凄いですね」
「そんな事無い。こんなに時間かかっちゃった」
「いいいい、いえ!わたし感動しましたし!」
「ふふ、ありがとう」
真っ直ぐに本心だと分かる言葉をぶつけて来る彼女に嬉しくなる
「ところで、いつから聞いてたの?」
「あ、ええと…、さ、最初から…です」
気付かなかった
「起きたら、喜多ちゃんが居なかったので…。さ、探そうかなって、外に出たら歩いてる喜多ちゃんが見えたので、追いかけたんです」
目が泳ぐひとりちゃん
「追いついたんですけど、な、なんて声を掛けようか悩んでる間に、歌が聞こえて…」
最初からかぁ
だいぶ、恥ずかしい
「ねぇ、ひとりちゃん」
わたしは彼女の手を取る
少しビクッとするひとりちゃん
わたしは彼女の目を真っ直ぐ見ながら
「わたし、結束バンドのギターボーカルとして、これからも頑張っていくからね」
と告げる
まだ頼りないけど、と付け加えてしまうけど
ひとりちゃんは少し目を見開いたあと、繋いだ手を軽く握り返してくれる
そして改めて笑う
今度はぎこちなくない、慈しむような優しい笑顔で
「喜多ちゃんは、もう十分頑張ってますよ」
その笑顔が目に焼き付いて、わたしも笑った
心の底から
満面の笑顔を見せられたかな?
そうだと良いな
「わ、わたしの方こそ、これからもよろしくお願いします」
「ええ!お互いにね!」
その後、わたしはひとりちゃんにギターをお願いして、「フラッシュバッカー」を何度か歌った
この歌い方を、感情を忘れる前に焼き付けておきたかった
自分自身に
録音もして、先輩方にも聞いて貰わないとね
歌詞を使用する上で、この形で良いのか悩みました
グレーゾーンな気もしますが、この形しか思い浮かばず、力の無さを痛感したしだいです
次回は明日投稿予定です
最終話 エピローグ
よろしくお願いします