シーフの孫   作:迷宮の迷子

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アンケート結果及び内容調整のため若干の改訂をしてとります。
校正に試しにAI使ったらとんでもないことになった。


転生

 

 

雨の日だった。

 

きっかけはすごく些細な事、今となっては原因は思い出せない。

 

大切な友達が口論をしていた。

 

僕はその場をなんとか落ち着かせようとした。

 

しかし、二人はおさまらず、

 

強い雨音の中で、後ろから近づくトラックの音も気づかなかった。

 

気づいたのは直前、僕は死を覚悟した。

 

その時、突然横から何かが僕を押し除けた。

 

黒いジャージを着た、体格のいい人。というか、太った人。

 

僕はクラスでも小柄だったからね。

 

でも、まだ二人はいる。

 

僕は二人を助けようと駆け寄った。

 

でも死ぬ瞬間って不思議だね。

 

色がない。昔のモノクロ映画のように。

 

トラックもみんなの動きもすごくゆっくりだった。

 

だから、私が駆け寄れば助けられると思った。

 

間錯覚してしまった。

 

僕は別にサイボーグじゃない、加速装置なんかついてない。

 

トラックを止めるほどの怪力も、三人を呼んでジャンプする力もない。

 

僕はトラックに押しつぶされた。

 

即死だった。

 

思い出死んだ時に、人生が走馬灯のようにされるって言われるけど、そんな余裕もなかった。

 

上昇した瞬間、意識も視界も吹いて飛んだ。

 

間違いなく、私は死んだ。ごめんね、助けてくれたおじさん。

 

無駄死にさせてごめん。

 

気づいたら、僕は赤ん坊になったみたいだ。

一瞬、すわ、手足がないのか?とも思ったが、そうではない。

周りの人達も日本人ではない。 というか、外国人でもここまでカラフルで派ないような髪の毛の色。

僕は異世界に赤ん坊として転生したらしい。

 

さて、幼児になればある程度は動ける。

本だって多少は読める。

しかし、剣士の父とシーフの家系の母の家族だ。

あるのは母を雇っている貴族から下賜されたスペルド族の本くらいだ。

他に読む本がない僕はそれを暗記するくらい読んだ。

おかげで簡単な読み書きはできる。

算術だって前世の経験が効いていた。

それは年齢にしては優秀らしく、両親は神童だと騒ぎ立てていた。

天才も二十歳になったらただの人。という格言はどうもこちらの世界にはないらしい。

 

その為、特に父が息子の優秀さを職場で吹聴しまくったらしい。

上司の娘と一緒に勉強させてみてはどうだ?と誘われたようだ。

普通なら身分も違うだろうから断る話だが、父は非常に舞い上がっていた。

二つ返事で引き受けてしまったらしい。

 

上司とは女王付きの騎士、所謂アスラ王国の七騎士の一人だ。

粗相をしたら首が飛びそうである。

しかし同時に遠縁でもあるらしい。

何でも、彼女の祖父と僕の祖母(もうなくなってしまった方)が兄妹らしい。

その関係か、彼女の祖父と父は仲がいい。前世で言えば甥っ子だからかな。その子供同士はなんて言ったっけ?

とにかく、そのお嬢さんと僕は、一緒に先生について学ぶ事となった。

 

それが、僕の太陽、セシリア・クルーエルとの出会いだ。

セシリア・クルーエル 金色の髪を肩まで伸ばし、瞳は青。

一言で言えば西洋系、おとなしいかと思えばお転婆な一面も。

クルクル変わるその表情に僕は惹かれた。

 

翌週から、セシリアと一緒の勉強が始まった。

授業内容と成績は

読み書き セシリアも絵本の読み聞かせを受けていたらしく互角、

算術 これは、あっちでの義務教育を真面目にしていた僕が圧勝した。

礼儀作法 惨敗

ダンス 女の子耐性がない僕は意識しちゃってダメダメ。

相手は幼女だぞ。そこまで意識しなくても、と、思いながらも、やっぱり駄目。

 

剣術の先生は水神レイダ、セシリアのおばあさんと北神シャンドル。豪華な講師陣だ。

但しセシリアは水神流がメイン、僕はシャンドルさんに北神流を学んだ。

 

剣術はやはり血統だった。僕の惨敗。授業で剣道はあったものの歯が立たなかったよ。

てか、5歳にもなっていないのにセシリアマジパネェっす。

 

最後に魔術

王宮の上級魔道士が先生をしてくれたのだが、セシリアはともかく僕は悲惨。どうも魔力を飛ばすという感覚が掴めない。

こう並べてみると算術以外は僕の取り柄はないし、学友としてお嬢様と切磋琢磨するには僕は役不足としか思えない。

 

しかし、僕にも取り柄があった。

ずばり「逃げ足」だ。

え?なにそれ?って?

確かに剣でバーンッてやるのはセシリアには勝てないよ。

基本水神流のセシリアは僕が先に仕掛たとしても、それをキレイに「流」で躱すんだ。

そしてカウンターを僕に入れる。

 

普通はそれで負けなんだけど何故か僕はその動きが見えるんだ。

なので一回は躱せる。

まぁそれを何度も繰り返すとそのうち逃げ場を失って結局「パカ〜ン」と一撃を貰っちゃうんだけどね。

これはお嬢様相手だけでなく、他のお弟子さん達と戦ってもそうだったので、僕は逃げるのだけは上手らしい。

「セイジ君は逃げだけなら水神流上級は名乗れますね。」

「多分一撃必殺の剣神流相手なら上級くらいには勝てますよ。」

とお弟子さん達は褒めてくれた。

ちょっと、その時だけセシリアのホッペが片方プクッと、膨らんでいてかわいい。

 

でも逃げ足だけじゃなぁ、僕はセシリアを守れるような格好いい男になりたいんだ。

 




少年編完結の際に一部変更しました。
大きくは変えていませんがご了承ください。
改訂をしたものは「少年編何番」と表題を変えています。

シーフの孫はいかがでしたか。

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