シーフの孫   作:迷宮の迷子

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ここのところ、ちょっと恋愛脳になっているセイジ君ですが、許してあげてください。



再会そして・・

「篠原秋人」と「七星静香」を知っている?

この子が?いいの?ここには君の大事な子も聞いているよ?

 

「大丈夫です。僕が、この世界で生きていく為に、セシリアと生きていく為に。僕は彼女には隠し事をしません。」 

 

この子は話せたのか?

「・・・」オルステッド様は黙っている。

 

そうだ、俺達はナナホシを知っている。

ナナホシはこの世界で賢明に生きていて今眠っている。

 

「え?まさか死」

 

いやいや、そうじゃない。彼女はその時が来るまで眠っているんだ。 

 

「そうだったんですね。そして、おじさん、僕をかばってくれてありがとうございました。」

 

え?ありがとう、って言ってくれるの?

あの世界で、家族や近所から鼻つまみ者で

誰も必要としてくれず

誰も褒めてはくれなかった俺の事を?

 

「はい、庇ってくださってありがとうございました。

でも、せっかく助けてくれたのに僕も死んじゃってごめんなさい。でも、セシリアにあわせてくれてありがとうございます!」

俺の目から涙が流れてきた。止まらない。

あっちでは頑張れなかった。

だからこちらでは賢明に生きた。

こちらでは、それなりに感謝してくれる人もできた。

でも、だから、あちらの世界の俺は

こちらの世界の俺に、嫉妬していたんだ。

でも、セイジ君、ソンナオレノセナカヲオシテクレルンダネ。

 

『こちらこそありがとう。黒木誠司君』

 

「そうか、だからセイジは俺を見ても恐れなかったんだな。」オルステッド様も納得した。

じゃあ、セシリアも転生したのかい?

「私は、前世の記憶はないです。だから多分ですけど転生者ではありません。」

「私がオルステッド様を恐れないのは、多分、セイジとずっと手を繋いでいたから」

 

そうかそうか、昔から二人を見ていたけど、お似合いだね。

 

セシリアは顔を赤らめながらも「はい!」と答えた。

「ところでなんだけどね。」

「セイジ君達、ナナホシに会ってくれないか。」

 

「ねぇ、セイジ」

「ん?なあに?」

「ナナホシさんの話し知りたい。私は聞く義務があると思うの。」

あ、ちょっとムスっとしてる。そうか、勘違いしてるんだね。

 

「えっとね、僕とナナホシと神人は所謂腐れ縁ってやつでね。中学、はここにはないか。学校で12歳から17歳まで一緒に勉強していたんだ。」

「セイジって一度大人になってたんだ。でも、私には(プクぅ」

「まぁ、3人でよく遊んでいたんだ。でね、多分セシリアが、聞きたいところはここだろうけど。ナナホシは秋人が好きで。秋人もナナホシが好きだったんだ。」

「ふぅん、で、セイジはナナホシの事をどう思っていたの?(ムス)」

あ、まだ納得してない。

「僕はね、そうだね。3人でいる事が、好きだったんだ。」

「む〜、まだなんかモヤッとする。」

あはは、うちのお姫様のヤキモチかわいい。

「だって、ナナホシさんがセイジとあえて、ギュッとしたりチュ〜とかしたら嫌だもん。だから、」

「私に先にギュッとチュ〜して!」

「うん、いいよ。」「え?」

僕はセシリアを優しく抱きしめ、頬にキスした。

あくまでまだ頬ね。

「さ、これでいいかな?「駄目」」

セシリアがひっつき虫になっている。スンスン、あ、そうだセシリア匂いフェチ疑惑。

スンスンしているかと思ったら、セシリアの顔が僕に近づいてきて。

『チュッ』

唇同士のキスだ。

「よし、これてセイジは私のもの!もう印つけたもん!」

 

さて、僕が人生の大イベントをこなしていると、どうやらナナホシのところに行く準備ができたらしい。

エリスさんが迎えに来た。

「けっこういい青春してるわね。」

あ、見られてた。

「感謝なさい、これでも気を利かせたんだから。」

 

七星が今住んでいる場所はケイオスブレイカーという天空にある城らしい。

ルーデウス様が何か合図をすると、空からお迎えが来た。

『光輝のアルマンフィ』さんというらしい。エリスさんはアスラに残るので僕たち3人で向かう。

 

彼の手配でケイオスブレイカーに僕らはやってきた。

マチュピチュみたいかな、と思ったらまさしくラピュタだった。

バルスは禁句だな。

 

「ようこそ甲龍王ペルギウスのおわす城へ、空虚のシルヴァリルと申します。」

天使みたいな人だ。嫌、性格的にでは無く、姿的に。

でも仮面からして天使というより鳥人かな。

「ルーデウス様、本日はナナホシ様との面会との事ですが、ここにいる二人の子供は?」 

「はい、この二人がナナホシに会う用事があるのです。」

 

「そうですか、見れば男の方に若干魔族の血が入っておりますが、まぁ許容範囲でしょう。甲龍王は寛容な方ですから。王との謁見を許します。

 

ここでも面接があるんだ。

圧迫面接でなければいいんだけど。

 

 

「我が 甲龍王ペルギウス・ドーラである」

顎に髭を蓄えた威厳のある龍王様、王だから龍神であるオルステッド様よりは下なのだけど

なんか貫禄がある。

 

「ご無沙汰しております。ペルギウス様」

ルーデウス様がまずご挨拶をされた。

僕たちも続かないと・・・

 

「久しいな、ルーデウス、ところで・・・」

「後ろの二人は貴様の子供か?息子の方はラプラス因子を持っているし。」

 

え?ラプラス因子?ていうかルーデウス様の子供じゃないです!

「いいえ、ペルギウス様、この二人は私の知己の子です。今回はナナホシ殿に合わせようと思いまして。」

ルーデウス様がフォローしてくださった。

「そうか、ただ貴様といい、サラディンといい、この少年といい、強く因子を持つものが増えてきたな。彼奴の復活も近いのだろう。」

 

「あの、ペルギウス様、セイジと申します。発言の許可を頂けますか?」

「うむ、許可する。」

「ありがとう存じます。先ほどペルギウス様は私がラプラス因子を持つとおっしゃっていましたが、どのようなものをもっているのでしょうか。」

 

「そうか、貴様は自分の能力を全て把握してはおらんのだな。いいだろう。教えてやる。」

僕の能力・・・なんだろう。

「まず、貴様は二種類の魔眼を持っている。片方に集中しているため同時には使えないがな。予見眼と痕跡眼だ。既に使えるか?」

「いえ、相手の動きがゆっくり見えることはございますが・・」

「それがラプラスの持っていた予見眼だ。魔界大帝ごときが配っているものより強力だ。完全に使いこなせば貴様に死角はなくなる。」

「もう一つ、痕跡眼は目指す相手がどこに向かっているか、どこに隠れているか、全て把握できる。これも千里眼の上位だと言えるな。但し、これを使うのにはコツがあってな。目の奥にあるもう一つの目を意識する事だ。」

「但し、貴様の魔力は人間としては多いが、ラプラスや、そこのルーデウスに比べれば少ない。特に痕跡眼は長時間は使えまい。使いどころを誤るなよ。」

ペルギウス様は能力だけでなく。特徴までも教えてくださった。

非常にありがたい。バイブル(H×H)と併せて頑張ろう。

 

そんなおり、先ほど案内してくれたシルヴァリルさんより、ナナホシの目覚めと会食の用意ができたと告げに来た。

「そうか、あちらでナナホシが待っておる。行くがよい。」

ペルギウス様は同席しないのかな。

 

 

「えっと・・・え?ちょっと・・・」ズイ

七星さんは僕を見るなり、一歩寄った。

「えっと・・・こんにちは・・・」スス

七尾さんの前進に合わせて僕は一歩下がった。

 

「なんで逃げるのかな?僕・・・」ズイ

「そんな事を言われましても(怖い)」ススス

今度は更に少し下がって差を広げた。その間にセシリアが入り込む。

 

『ハジメマシテ ナナホシサン セシリアトイイマス』

「え!?日本語?貴方も?あ、ちょっと待って」

日本語で話すセシリア、人神語で話すナナホシ、非常にシュールな展開だ。

「いいえ、私は転生はしていません。でも、こちらの世界でのセイジは私の『物』です。」

今、物って言ったよね!ねぇ!言ったよね!

 

「失礼しました。私はセシリア・クルーエル。そして、彼はセイジ・セーブルキャット」

セシリア、とりあえず、後は僕に任せて。

 

『久しぶり、七星さん。黒木誠司です。またあえてよかった。』

『そして、彼女はセシリア。僕の『彼女』です。』

『彼女ぉ!』

 

(ナナホシ視点)

 

誠司とまた会えた。こちらの時間をカウントすると50年以上ぶりだけど

前の世界の「友達」に会えた。

正直心配だった。私が信頼できるのは、オルステッドとペルギウスとルーデウスだけ。

私はこちらでは年を取らない。永遠の17歳。しかも月に1日しか目覚めない。

こちらの世界の人達でさえ、少しずつ、成長、老いていく。

置いていかれるような感傷、そして寂しさ。

ルーデウスは会うたびに、老いている。

そのうちいなくなってしまう。

この生活ができるのも、ペルギウスが力を貸してくれる間だけ、

ラプラスが復活したら私はここから出ていかなければいけない。

そして、オルステッドもラプラスが復活したらそちらを優先するだろう。

 

私が保障されているのはラプラスが復活するまでの時間だけ。

魔力の免疫がない私はその先、どう生きればいい?

 

そんなところに誠司がやってきてくれた。

前は私とトントンで決して背は高くなかったけど、

もう、すごくちっちゃいの。10歳ってこんなに小さかったっけ。

なのに、同じくらいのちっちゃい子を指して、僕の彼女って言うのよ。

最初、少しだけセシリアと修羅場っぽい雰囲気だったけど、

そういえばシルフィさんとも最初はちょっとぎすぎすしていたかも。

そりゃ、いきなり知らない女の子が知らない言葉で彼氏と話していたら面白くないわよね。

 

セシリアは私に挨拶する為に、日本語を誠司に倣ったんですって。

10歳とは思えない妙手だわ。私としては10歳の子にいきなりマウントとられた感じだけど。

 

でも二人して、私に協力してくれるって言ってくれた。

秋人に合わせてくれるって・・・

 

あの後、みんなで『たこ焼き』を食べた。所謂『タコパ』ね

セシリアは初めての味に目を丸くして、ほっぺにソースつけながら。

また、食べたいから遊びに来てもいい?って。勿論、あなたももう私の大事な「友達」よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケイオスブレイカー ペルギウスの私室

 

「ペルギウス様、至急申し上げます。」

「どうした、轟雷のクリアナイト」

 

「アスラ王国王都アルスにジノ・ブリッツが来襲致しました。只今エリス・グレイラットと戦闘中です。」

「何だと!アルマンフィを呼べ!ルーデウスを至急送り届けよ!」

 

 

 

 

 

 

シーフの孫はいかがでしたか。

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