取り合えず、『少年編』に関しては見えてきたので
一気に突っ走ります。
エリスはいつも通り元気だったんだ。
いつもとは違う町の景色を楽しみながら一緒にランニングして。
俺は準備があったので汗を流した後クリスティーナの家で準備をして。
その間に彼女はセイジとセシリアを呼んできてくれて。
「あの二人、ロアにいた時の私達みたいね!」って。
本当にいつも通りのエリスだったんだ。
ペルギウスに呼ばれて、着いていくと言うセイジ達を抑えてもらって、俺は一人で駆けつけた。
完全な静寂、しかし、匂いは、ここで起きてしまった事を明確に証明していた。
生臭い。
俺は慌ててエリスを探した。
ドーガもイゾルテも既知の間柄だ。いやむしろ戦友だ。
でも俺はエリスの名を叫び探し回った。
「ルー・・デウス・・逃げて、あいつはまた・・来るわ」
エリスは自分の流した血の池に浸かっていた。
右手がない。
でもまだ生きていた。
「エリス!大丈夫か、今助けてやるからな!」
治癒魔法を無詠唱でできないのがもどかしい。
焦りか幾度か詠唱をミスった。
アルマンフィが俺達をケイオスブレイカーに連れて行ってくれた。その間、俺は治癒魔法を唱え続けた。
ペルギウスがナナホシとセイジ達を連れて駆け寄ってくれた。
セイジもセシリアも泣いていたよ。
「ごめんなさい、ごめんなさい!」特にセシリアは今にも死にそうな顔をしていた。
「いいのよ・・二人共・頑張りなさい」
「それから・・ルーデウス・・あい・・して・る。考えたら・・あまり・言ってあけられなかった・・」
いいから、今は、じっとしていて、そんな遺言みたいなの、イマは聞きたくないから!
その間、三人の使い魔がエリスを見ていた。
洞察のカロワンテはだまって首を横に振った。
贖罪のユルズは
「私が使う術では貴方を殺すことになる。それは王の本意ではない。」
時間のスケアコートも
「申し訳ありません。時を止める意味がありません。」
俺はそんな事聞いちゃいなかった。ただひたすら詠唱を続けた。
そのうち、何もできなくなった。
俺の魔力が枯渇した。
そしてエリスの時がとまった・・・
(セシリア視点)
ナナホシさんも泣いていた。でも、このまま何もしないわけにはいかないって。ナナホシさんは大人だ。私なんかまだ涙が止まらないのに。
アルマンフィに、遣いに行ってもらうようペルギウス様に頼んでくれていた。
片方はシルバーパレスのアリエル女王様
もう片方はシャリーアのシルフィさんとロキシーさんだ。
最初に飛んできたのはシルフィさん達だ。シルフィさんエプロン姿のままだ。きっと飛んできたんだな。
ロキシーさんはルーデウス様を休ませるよう別室に連れて行った。
シルフィさんは涙を浮かべながら、エリスさんの顔を拭いていた。血で汚れちゃった顔を綺麗にしているのね。
アスラ王国からアイシャさんという人が来た。ルーデウス様の妹と紹介してもらった。
エリスさんの顔を見てやはり悲しそうにしていた。
でも、私達の顔を見る時の方が辛そうだった。なんで?
(セイジ視点)
アイシャさんからアルスで起きた事を聞かされた。
さっきからセシリアは呆然としている。実は僕もだ。
レイダ様、ドーガ様、父さん、母さん、お祖母ちゃん。
僕達の家族はみんな死んでしまったのだ。
現場にいた人は皆死んでしまった。女王様から話を聞くよう言われたアイシャさんも辛そうだった。
だって僕等も何でこんな事になったのかわからないんだから。
唯一、騒ぎを聞きつけた門番の証言で剣神の目的はクルーエル家だということは明らかなようだ。
だから、僕らは帰ってきては行けないって。
残念だけど、家族とのお別れは我慢して欲しいと。
さっきまで呆然としていたセシリアがいきなりアイシャさんに食って掛かった。「なんで?なんでお別れもさせてくれないの!」って。
正直僕も同じ気持ちだ。
でもアイシャさんの言い分もよく分かる。
僕もお祖母ちゃん達とのお別れよりセシリアの安全を優先する。
僕はセシリアを抱きしめて、胸の中で泣かせた。
「わかりました。父さん達をお願いします。」
でも、いつまで僕等は隠れていなければいけないんだろう。
(ナナホシ視点)
「誠司がここにいて良かった」
正直にそう思う自分が嫌いだ。
彼らの家族は皆死んでしまったのだから。
でもここなら少なくとも剣神が襲ってはこれない。
ある意味世界で一番安全な場所。
そう、エゴよ。
でも、一人で秋人を待つのはもう嫌。
(ペルギウス視点)
アイシャはアリエルにこの後の相談のために帰っていった。
シルフィとロキシーはルーデウスの回復を待ってシャリーアにエリスを連れて帰るらしい。
セイジとセシリアは帰る場所が無くなった。しばらくはここで置くしかないな。
まぁ、セイジの魔眼は興味深い。滞在中に少し鍛えてやるか。
セシリアはようやく静かになった。泣き疲れて眠ったみたいだ。
これからどうしよう。
なんで剣神がセシリアの家族を狙うのか。
なんでこのタイミングでこんな事が起きるのか。
僕はあてがわれた僕の部屋のソファに座りながら考えた。
証拠なんてない。でも確信はできた。
ヒトガミが何かしたんだ。
じゃあ、原因は僕だ。
「えっと、目の奥にもう一つの目を感じる。か。」
僕の魔眼は右目だ。瞼を伏せて眼球をクルクル動かしてみる。
左目は開けたまま。右目は閉じたまま。
何かキラキラ光っている。
ああ、セシリアの涙だ。
当然、本人であるセシリアが最も眩しい。
少し魔力を込めてみた。両目にだ。
セシリアから光の筋が伸びている。
涙の「痕跡」と繋がった。
もう少し加えてみる。光の筋は次の「痕跡」に。
さらに部屋の外に流れていった。
よしもう少し。
部屋の向こう側が見えてきた。しかし家具や装飾品は見えない。
あくまで光の筋とそれを繋ぐ痕跡だけだ。
光の筋は最後にエリスに繋がった。
「これが痕跡眼?」
ペルギウス様は燃費が悪いと言っていた。
でも、もう少し。
僕はセシリアをベッドに寝かすと外に出てみた。
「何をしている」
いきなり背後から声をかけられてびっくりした。
ペルギウス様だ。
「今朝、ペルギウス様に教えて頂いた、『痕跡眼』。できるかもしれません。」
「ほう、それをして貴様はなにをしようとする。」
「剣神を止めないといけません。」
「止める?殺すのではないのか?」
「はい、正直思うところがありますが、殺してはいけないと思うのです。」
「はっ!深くは聞かん!やってみるがいい。」
僕とペルギウスはエリスの遺体が安置されている部屋に来た。
「ごめんなさい、エリスさん、最後に一回だけ、力を貸してください。」
(まずは「絶」・・・)
(そして「凝!」)
エリスの右腕が光る、光の筋は一つはその看護をしたシルフィ達の部屋へ・・
一つは王都アルス・・・・
もう一つは・・・竜の上顎・・・
「視え・・・ました」
そこまで言うのが精いっぱいだ。
僕の意識はまた深いところに沈んでいった・・・
エリスとジノの激闘シーンを期待していた方。
もしいましたらごめんなさい。
シーフの孫はいかがでしたか。
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面白かった
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つまらなかった
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読みにくかった
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ラブストーリーか?
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もっと続きが読みたかった。続編あるよね?