シーフの孫   作:迷宮の迷子

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現在アンケート中ですが、そのまま継続するとこの流れになります。
恐らく途中で手直しすると思うのですが。
日記調にすると悲惨度にブーストがかかる事を発見。


ルーデウスの日記

オルステッドの許にビハイリル王国内紛の報が届いていた時、

 

当然スペルド村においても異変が起きていた。

 

王城の陥落によってビハイリル王国は既に国としての機能を失い、クーデターの首謀者たちのみでなく、街では略奪に暴行があふれかえっている。

 

王国と友好的な関係を築いていたスペルド族も静観するわけにはいかず、ルイジェルドをはじめとする「戦士達」は反乱の鎮圧、治安維持の為に街へと赴くこととなった。

 

しかし、彼らの活動は困難の連続だった。

 

まず、反乱勢力に対し、圧倒的に人数が足りなかった。

 

50年前の疫病と戦争で多くの戦士を失っている。

 

次にスペルド族事態が持つ悪印象。この数十年はビヘイリル王国との友好、イメージアップキャンペンも手伝いやや好転していたものの、内乱時の武装勢力はそれだけで恐怖の対象となるものである。

 

その為、ルイジェルド達は活動の際に多くの制約を受けることとなった。

 

例えば、暴漢らしきものが民家を襲ったとしよう。

① ひとまず間に割って入る。

② 自らはスペルド族であると名乗り、敵意はない事を示す。

③ 事情を聴く。

④ そのうえで行動を起こす、しかも先制攻撃はせず、まずは相手に攻撃させる。

 

いくら強いと言ってもこれでは抑止力になれるわけがない。

搾取するものは話が終わる前に目的を達成して逃走。

遺された人々は結局解決できていない彼らに対し苦情を喚き立てる。

 

スペルド族も感情がある。苦痛は受けるのだ。結果として悲劇が起きた。

女性が襲われていると思った若い戦士が問答無用で賊を討ち取った。

このような事件が何度か起きてしまった。

 

その中に反乱勢力の密偵を取り押さえた王正規軍も混ざっていたのである。

当然正規軍は遺憾の意を表明し、それに本来クーデター側であったものが乗っかった。

スペルド族の評判は炎上してしまったのだ。

 

結果としてスペルド族は「専守防衛」に徹した。

敵が撃って出てもひたすら襲われているものを守った。

当然、「戦士」は一人、また一人と死んでいった。

しかし、彼らは絶対に暴徒にはならなかった。彼らは自らの誇りに殉じたのだ。

 

この惨状を前に、ようやく長老は決意し。一組の親子を呼んだ。

ノルン・スペルディアとルイシェリア・スペルディアである。

 

長老は二人に5人程の「まだ尾が抜けない子」を保護し、ルーデウスのところに避難するよう指示をした。

ノルンは悟った。長老は残りの者達で玉砕するつもりだと。

 

しかし、この同行にルイシェリアが強硬に反対した。自分は戦士である。父と共に戦うと。

ノルンは説得を一瞬躊躇った。彼女の姿は嘗て自分が父を助けに行くといった姿そのものだったのである。

 

無論長老の命令は絶対だ。ルイシェリアもそれは承知している。

ノルンは父親の強さを彼女に訴え続けた。

ルイジェルドはラプラス戦役を生き抜いた歴戦の戦士である。

これくらいで死ぬわけがない。必ず帰ってくると。

 

ルイシェリアは渋々納得し母に従った。

彼女達は子供たちを転移魔法陣まで連れていき魔法陣を起動させた。

 

今まさに転移が始まろうという刹那、ルイシェリアが呟いた。

 

「お母さんだけが行って。私が助けに行かないとお父さんが死ぬ。昨晩神様がそう教えてくれたの。」

「神様?ルイシェリア!違う!それは神様じゃない!」

 

ノルンがあわてて振り返ると彼女は魔法陣から離れていた。しばらくして転移魔術が発動する。

彼女の叫びもむなしくルイシェリアは振り返り出ていく。

 

彼女もまたヒトガミの罠に堕ちた。

 

─ オルステッドの事務所 ─

 

「兄さん、申し訳ありません。私が迂闊でした。」

ノルンさんが項垂れている。

 

アイシャさんがすすり泣くノルンさんの背中を摩りながら休ませるために部屋を出ていった。

セシリアには子供たちの面倒を見てもらっている。

ここにいるのはオルステッド様とルーデウスさん、アレクさん、そして僕だ。

 

「正直迂闊でした。もう30年何も動きがなかったので」

ルーデウスさんも後悔している。

 

「恐らくはヒトガミの狙いはリジェルド、ルイシェリア両方だろう。以前ルイシェリアにはラプラス戦で役に立って貰ったからな。目をつけられたか・・」

 

うん、何だろう、違和感がある・・・

ルーデウスさんを見たが気が付いていないようだ。

僕は違和感の正体を懸命に追った。いったい何が違和感なのだろうか・・・

 

「とにかく、ルイジェルドとルイシェリアを救援に行く。ヒトガミの関与が明確な以上な。」

 

そうだ、僕たちがラプラスに対応するためにはスペルド族の皆さんの能力が必要だ。

ここは悩むところではない。ルーデウスさんと僕達はスペルド族救援に向かう事になった。

僕とセシリアにとって初陣である。

 

 

 

─ ルーデウスの日記 ─

 

○月1日 

今日からルイジェルドさんを救助にビヘイリルに行く。

治癒術師がいなかったのでシルフィを急遽誘った。

そうしたら師匠が寂しそうにしていたので家族全員だ。

ビートとジロウで留守ができるだろうか?

 

○月2日

転移陣でスペルド族の村についた。

もぬけの殻だ。

残念だけど必ず見つけてやる。

ノルン達の家に行くと俺の作ったルイジェルド人形があった。

帰る時にノルンに持っていってあげよう。

 

○月3日

セイジの円で無事敵を見つけたぜ。

あいつ感謝の正拳突きとかしてないよな。

因みに俺も愛読者だ。

 

○月4日

この村も全滅していた。飼われていた鶏をシルフィとセシリアが料理してくれた。

そう言えばセイジとセシリアが元気がない。

初めてだったよな。人を殺したの。

二人で寄り添って眠っていた。

 

○月5日

油断した。うっかり師匠が眠ってしまった為に初動が遅れた。セイジがセシリアを庇って怪我をしてしまった。

慌てて魔力強化ができなかったと笑っていた。

師匠も申し訳なさそうだ。

俺がキチンとしなくては。

 

○月6日

シルフィとロキシーが熱を出した。雨なので動かずに洞窟で過ごす。大人達が落ち込む中でセシリアは皆を励ましてくれた。二人共いい子だ。

 

○月7日

ルイジェルドは死んでいた。肩から一撃だ。

畜生、絶対あいつだ。

仇は取る。ルイジェルドの槍を形見に持ち帰った。

ルイジェルドのアンデッドとは戦いたくない。

火葬にし、額の宝石だけは持ち帰ろう。パウロの隣に埋めてやらないと。しかしルイシェリアはどこに行った。

 

○月8日

ルイシェリアがようやく見つかった。娼館に売られる寸前だった。

ジノが助けてくれたようだ。この国で初めて戦わないですむ人間とあった。

この旅で唯一の収穫だ。

それくらい、この戦場は地獄だった。

 

 

○月9日

ジノはまだこの国でやることがあるという。

鬼族の頭目はギルだった。

ルイジェルドを倒したのもギルだろう。

皆と話し合った。明日、王城に行こう。

セイジとセシリアが珍しく反対した。

一度仕切り直そうと。

ルイシェリアがセイジを殴った。

セシリアが間に入ったが同じくルイシェリアに殴られていた。多分今のパーティでまともなのはあの二人だけなんだろう。

疲労の激しいシルフィとロキシー、女の子のセシリアにセイジを護衛につけ帰そうと提案した。

四人から反対された。

仕方がない。

ジノは残るというが、俺達は一旦引き返そう。

 

「これが遠征当時のルーデウスさんの日記です。」

 

僕はここまで書かれたルーデウスさんの日記をオルステッド様に渡した。

 

この翌日、ジノさんと別れた後にギルが強襲してきて魔力を撃ちながらの撤退戦になった。

幸い怪我人は出なかった。あくまで怪我人は。

しかし、ルーデウスさんは力を使い果たしてしまっていた。

ペルギウス様の使い魔洞察のカロワンテさんに診てもらうと

「度重なる魔力枯渇による心神喪失状態」との事だ。

 

 

ペルギウス様の話だとそもそもあのレベルの魔力量を持つものが魔力枯渇をするほうが異常だそうだ。

目覚めない可能性もあるだろうし、脳に影響が残る可能性も示唆された。もしかすると僕達の事を覚えていないかも知れないと。

確かにあの元気だったルーデウスさんはこの数日で別人のように頬がコケ、老けて見えた。

 

その後ビヘイリル王国のクーデターは鬼神帝国と名を変え、西へ勢力を拡大した。

シルフィさんとロキシーさんは眠っているルーデウスさんを連れアスラ王国のアルス夫妻の基に身を寄せた。

僕達もオルステッド様とアレクさんと共にルード傭兵団のアルス支店の一角を間借りしている。

 

正直、僕は何も出来ていない。

完全敗北だ。

 

 




何回も書き直して、順番変えて、シーン変えて。
今日は投稿落としちゃうかな。と少し弱気な展開になりました。
ちなみにアンケートのセイジとセシリアの続編を見たいぞ。はこのあたりを5年ほど抜きます。何しろセイジ達、この辺出番ないんで。

シーフの孫はいかがでしたか。

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  • ラブストーリーか?
  • もっと続きが読みたかった。続編あるよね?
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