シーフの孫   作:迷宮の迷子

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すみません。モチベが保てませんでした。

これ以後は連続ではなく後日譚として続けようと思っています。


お引越し

前回、序盤からの難敵、ギルと決着できた僕達。

鬼神帝国の進撃を食い止めたという武勇伝は既にアスラ王国でも有名で、

おかげであちこちの貴族から、やれ茶会だ、やれパーティたと連日お誘いを受けた。

おかげで僕もセシリアも既にうんざりしていた。

 

考えたらアルスのその辺が嫌でラノアに逃げたんだった。

 

本日はアリエル女王様に謁見だ。

まあ女王様なら仕方ないよね。

それにシャンドルさんとも久しぶりだし。

 

「女王様、セイジ・クロキ、並びにセシリア・クロキ、参上致しました。」

取りあえず挨拶をする。

 

アリエル様の左右に見知った顔が二人、初めての顔が二人いた。

見知った顔の一人は勿論シャンドルさん。

いつにもましてニコニコしている。

(絶対何か企んでいる。)

警戒を厳とせねば。

 

もう一人は王太子妃殿下クリスティーナ様だ。

ルーデウスさんの娘さんで僕達は打ち合わせによく使わせてもらっている。

もう一人はルーク・ノトス・グレイラット様、だと思う。年も女王様に近そうだし。

もう一人は知らない顔だ。でも確実に偉い人だ。

 

「まずは、鬼神帝国の侵攻を食い止めた事、礼を言います。」

お貴族様の話を長く書いても退屈だろうから簡潔に言われたことをまとめよう。

 

僕等は何でも七大列強にランクインしているらしい。

列強順位はペルギウス様のところに行く遺跡に記されているが、そんなものは見ていないよ。

ジノさんの変わりに列強6位らしい。

あの時の、あとは任せた、はそういう意味なのか。

 

そして、僕達夫婦をエドワード王太子の七騎士に任命したいらしい。

シャンドルさんのニヤニヤの理由はこれか。

まぁ、クリスティーナさんの旦那さんで、クリスティーナさんはルーデウスさんの娘だ。

 

「それは、アルスに住む事になりますか?」

「まぁ、そうなりますね。」

「謹んで辞退いたします。」

 

即答に一同固まっていたよ。

どうも想定していなかったらしい。

 

理由を聞かれたので説明した。

イゾルテさんが失くなった時の水神流の話。

そして最近のお貴族様の接待について。

シャンドルさんも最近の話は噂で知っていたみたいだけど、

10歳の時の水神流の態度は初耳だったらしい。

 

イゾルテさんが失くなった直後で人手が足りなかったらしい。

 

「事情は理解しました。では、こういうのはどうでしょう?」

アリエル様は偉い人の割に思考回路が柔軟だ。

 

アリエル様の出した条件は

エドワード王太子が外国、主に魔法三大国らしいが、に外遊する際の護衛。

但しオルステッドの片腕である貴方達がその任務を受けている時は任につかなくていい。

今回の鬼神帝国との闘いの恩賞として細やかだが領土が賜われるらしい。

え?何それ、僕達が領主様?

 

取りあえず社長と相談するとして僕等は謁見を終了した。

 

 

さて、まずは。

 

「では、第一回家族会議を始めます。パチパチパチ」

「え?セイジどうしたの?いきなり。」

 

オルステッド様や他の人と相談する前に、相談しないといけないと思う。

セシリアは僕の唯一の家族なんだから。

 

セシリアは ああ、と納得してくれた。

ついでに家族という言葉がこそばゆいらしく盛大に照れていた。

「うん、相談しよっ!ね、旦那様。」

さすが元水神流、カウンターが上手い。

 

まず、アリエル様の提案に乗る、乗らないはともかく王都に住むのは嫌だ。

これは二人共同意見。よし可決します。

 

二人で住む家が欲しい。

これは僕からの提案。もっとイチャイチャしたいし。

セシリアはモジモジしながら承諾、よし可決。

 

騎士の件はどうしよう。

これはセシリアも即答できなかった。

取りあえず、今は、アルスに住まなくてもいいらしい。

クリスティーナ様にはお世話になった。

でも、いつまで?

いつかはアルスに住めと言われるのでは?

 

やはり即答は難しいね。

オルステッド様は今はアリエル様を支持しているけど、

次の世代の保証はないのだ。

 

ちょっと棚上げにしておこう。これはオルステッド様相談案件。

 

次に、僕達以外の事についてだ。

まずは、スペルド族の子供達の件。

アスラ王国はミリス教国程ではないけど魔族には住みにくい国だ。

そして、ノルンさんの絵本で多少良くなってはいるけどスペルド族は迫害されやすい。

 

ノルンさんが引き取ることも考えられるけど。

残念だけど人は魔族より寿命が短い。

いつまでも面倒を見られるわけではない。

 

都会よりは田舎の方が、いや、田舎は田舎で閉鎖的でもある。

これもオルステッド様案件だね。

 

で、最後に。

「七星さんの事だ。」

「何、私がいるのにもう一人お嫁さん娶るの?」

セシリアは盛大にぶんむくれた。

 

「いや、そうじゃない。」

「じゃあ、お手掛けさん?」

「いや、そうでもない。てか、お手掛けさんなんて難しい言い回し、良く知っているね。」

えへん!と威張ったので・・頬にチュウした。

仕返しだ。

 

さて、約得はともかく真面目な話をしよう。

ペルギウス様とラプラスとの闘いがいつ始まるか解らない。

そうなると、やはり、彼女は住む家を失う。

 

「そうだね。私も彼女はもう友達だし、やっぱりなんとかしないとね。セイジ偉い!」

うん、結婚しても、・・・してもやっぱりセシリアはかわいい。

二人きりの時の残念さも可愛さアップの要素だ。

 

ともかく、お金の心配もあるけど取りあえず、彼女の住む場所も確保したい。できれば別の家で。

「ん?まさか、通い婚?」

だから、違うって!

 

 

─ ルード傭兵団 オルステッドの事務所 ─

 

二人の意見も纏ったので?上司に報告だ。

騎士については恐らくはアルス駐在になると言われた。

家は郊外でもシフトの関係で帰れない。

夫婦で別シフトも十分あり得ると。

後、今回の鬼神帝国の件の恩賞は別件で貰えるよう話はしてあるとの事なのでこれはお断りでいいだろう。

 

スペルド族の子供達の件

これはオルステッド様も、懸念していたらしい。

が、ノルンさん、ルイシェリアさんと一緒に取りあえずはオルステッド様が面倒を見るようだ。

だが、その件で僕に相談が来た。

「お前が住もうという領地に俺達の家を確保して欲しい。」と。

まぁ、近いほうが相談しやすいから問題ない。

 

最後に七星さんの件だ。

僕の仮説を話してみた。

「彼女は魔力の耐性がないのですよね。そして倒れた。」

「そうだ」

「スペルド族の疫病の話をノルンさんから聞いていますが、スペルド族は野菜に含まれた魔力が体内に残って病気になった。」

「そうだ」

「魔大陸は大気は魔力に満ちているが土地に魔力が少ない。反対に中央大陸は大地に魔力が満ち溢れるかわりに大気には魔力が少ない。」

「何が言いたい」

「ならば、です。大気に魔力が少ない中央大陸で、大地に魔力が少ない土地を探せばいい。」

「!」

「そんな土地は貴族は欲しがらない。よって貴族の反感も買わない。そんな土地に思い当たるフシがあります。」

「ボレアス領、ロアからブエナ村のあたりですよ。」

 

─ ケイオスブレイカー ─

(ペルギウス)

うむ、久しいな。ほぅ、貴様等が番いになったか。

それはめでたい。よし、男子が産まれたらここに来るがいい。直々に名前をつけてやろう。

 

して、うむ、ふむ、成程。

生命のハーケンメイル!そちの意見を聞こう。

うむ、セイジよ。やって見るがいい。

 

(七星静香)

あら、誠司とセシリア、誕生日以来かしら。

聞いたわよ、大変だったわね。

 

うん、うん・・・うん・・・ぐすっ

うん・・ううん、平気よセシリアちゃん

うん・・ぐすっ・・誠司、セシリアちゃん、何から何までありがとう・・うん!そうね。私も協力するわ。

 

ふうん、ペルギウス様がそんな事を、

いいわ、女の子が産まれたら、私に名前つけさせて!ね、お願い。

 

─ ルード傭兵団 居候の間 ─ 

 

セイジ?何見てるの?あ、地図だね!

ルード傭兵団お手製の最新版なんだぁ!

ここがロア?んで、ここが、ブエナ村?

 

へぇ、お花畑が多いんだね。

でも、△?このマークは?あぁ、思った程うまく行ってないんだ。

 

でもお花いっぱいの街っていいよね。

私もお部屋の鉢でお花とかハーブ育ててたから、

引っ越したら、お庭にお花とか植えていい?

え?いいの!?やったー、セイジ だ い す き

 

─ ロア ─

 

いらっしゃいませ。

はい、物件をお探しで・・して間取り等のご要望は?

え?近隣に3軒程ですか・・・うち1軒は事務所兼用・・

 

それですとそこそこ値が張りますが・・・

はい!畏まりました!

そこまでご用意くださるならお任せください!

 

お急ぎですね・・では、中古、もしくは新古物件がよろしいですね。

 

後ご要望は・・成程、そうですね。市場までのアクセスは大事ですね。

 

ふむ、これは如何でしょう。

はい、中央の貴族が避暑地用の別荘として用意したものですが。

建築は済んだのですが、その貴族がその、家庭内のトラブルで手放しまして。

但し使用人の家まで作ってありましたので規模は十分ご希望に添えるかと。

 

アクセスはそうですね。馬車で二時間、馬なら一時間といった所ですか。

 

他に、特記事項は・・・

ふむ、お客様・・先に申し上げるべきことがございました。

 

一つは嘗ての魔法災害で土地が痩せておりまして、

貴族の方が希望された花園が無理なようでして。

そうですね。香料に使える薔薇等はここの土地では無理なようです。

 

ふむ、それは問題ない。むしろ願ったりかなったり。

 

セシリアと下見をすませたがセシリアも気に入ったみたいだ。

住むところは女性の意見が大事だ。

不動産屋さんに手付金を支払っておく。

クーリングオフは一週間だ。

 

まずは転居予定者を連れて観てもらわないと。

「結構広いのですね。」とロキシーさん

「ブエナ村に近いんだ。何か懐かしいけど複雑だね」とシルフィさん

「ねね、畑作れる?作れるなら私も隠居して引っ越す」とアイシャさん

「ブエナ村の記憶は今となったら曖昧ですが、お気遣いありがとうございます。」とノルンさん

「うん、大気が濃いわ。久しぶりの地上ね。」と一人だけ感想が斜め上な七星さん。

 

 

女性陣には好評のようだ。家の数が少し不安になったけど、周囲は何もないので土地を買い足せばいい。何より住まいは女性の意見優先だ。大事な事なので2回言っておく。

 

 

← 王都アルス ─

 

「♪~」

セシリアと引っ越しに必要なものを買いに街に出ている。

彼女は終始ご機嫌だ。それは僕にとっても何よりだ。

最近、忙しかったしね。

 

水神流家元の家で育った為か彼女はあまり外に出たことがない。

基本道場で訓練だったからだ。

 

寝具や最低限の家具は既に手配している。

今日僕らが見たいのは二人で使う食器や復興途中のロアでは手に入らないかもしれない、「女の子が喜びそうなもの」を見に来ている。

 

僕の物?服とかはセシリアが見立てて買ってくれるといいかな。

 

と思いながら、僕は大事な事を忘れている事に気づいた。

 

僕はセシリアに何も買ってあげたことがない。

5歳、10歳、15歳と誕生日は保護者から買ってもらっていた。

自分で買ったのって花束くらい?

 

よし!サプライズプレゼントだ。

 

二人分のカトラリー、食器、テーブルクロス・・・

買いたいもの

買わないといけないものがいっぱいある。

 

今までは家族が用意してくれた、

家を出てもシルフィさん達が揃えてくれてた。

 

そういうものを選ぶの自身が結構新鮮で楽しい。

 

ふと彼女が足を止める。

普段は彼女も通りすぎてしまうお店。

今日は少し気分が違うらしい。

 

彼女の目線の先にあるもの・・・

(サファイアかな)

透き通るような青、彼女の瞳の色だ。

そういえば5歳の誕生日にもらった魔法の杖もこの色だった。

 

「中、入ってみよう」

僕は彼女の手を引いた。

 

彼女が見ていたものは確実に解る。

僕はそれを手にとって、

彼女に飾って見せた。

 

「うん、綺麗だ、セシリア。」

彼女と瞳と同じ色の宝石で飾られた「ミリスの首飾り」

別に彼女はノルンさんとは違いミリス教徒ではない。

でも、女の子ってどこの世界でも憧れるのはきっとおんなじ。

 

「ご主人、これ、買います。」

 

 

 




書きたいことはあるし
書きたい気持ちもありますし

少なくとも毎日20人くらいは読みに来てくれているみたい。

でも、一人語りになっていそう・・・

シーフの孫はいかがでしたか。

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  • ラブストーリーか?
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