ここは、嘗てロアとブエナ村の間
殆ど知り合いしかいない村というよりは集落。
後世の歴史家もそこの村の名を知らず、
『アスラ王国の名もなき村』と呼んでいる。
閉鎖的な村ではない。むしろその逆だ。
この村には著名な学者、教師、巨大な企業の経営者、重鎮が移り住んでいた。
彼らを訪ねる為、人の往来は盛んだったし、
行商人が途絶える事はなかった。
そこに一組の夫婦がいた。
彼らがこの村を作った張本人だ。
そして彼らはここでは最も若い番(つがい)だった。
彼らは先程の者達と共にここへ移り住み、
そして幾人かの年配者を見送った。
そう、偉大な魔術師や小説家を。
人は必ず死んでしまうが、逆に新しい命も芽生える。
小説家が面倒を見てきた子供たちも、もう少年少女だ。
互いに学び、鍛え、競い合っている。
そんな仲の良い村で夫婦たちは幸せだった。
そして村の皆もそんな夫婦が幸せであある事を祈っていた。
村ができて5年程が経過した頃、そんな夫婦に喜ばしいニュースが飛び込んだ。
妻が妊娠したのである。
村は、それは老人から子供まで喜び、無事に生まれてくることを願い、夫婦を気遣った。
天空の城からも医者が定期的に訪れ、妻と子供の状態を気遣ってくれていた。
妻のお腹の子は順調に育っていった。
寧ろ順調すぎると言った方がいいかもしれない。
もとから妻が小柄なせいもあるが、些か大きいようだ。
ある日、天空から訪れた医師からその理由が知らされた。
双子を身籠っている。と
夫婦の、村の人たちの喜びも二倍になった。
ある日、医師がその主を伴って現れた。
夫は突然の訪問に驚きつつも、既知であるその主を快く歓迎した。
主は夫やその日たまたま一緒にいた夫婦の友人に目で挨拶をした。
主は妻の様子を一目見ると、また何も言わずに一瞥だけし、帰っていった。
夫婦も友人も訝しんだものの深く気にせず日々をすごした。
その後、天空からの医師は来なくなった。
しかし、それでも夫婦は気にしていなかった。母子ともに安定していたからだ。
そしてついにその日を迎えた。
妻の出産の時が来たのだ。
出産は夫婦の育ての親と言える恩師の妻、白い髪の女と青い髪の女、蒼い髪の女の娘。
そして恩師の妹、夫婦の友人が立ち会っていた。
双子と言っても出産自体はそう難儀せず、無事に出産する事が出来た。
男の子と女の子だ
先に女の子が、後から男の子が生まれた。
男の子が生まれた時、立ち合った者、特に白い髪の女の顔が引き攣った。
男の子の髪の毛の色が緑だったのである。
しかし、この世界で緑髪の子が生まれないわけではない。
事実白い髪の女も同じく緑髪の男の子を産んでいる。
皆は落ち着きを取り戻すと幼子の出産を祝った。
恩師の家族達は二人の赤子に「おくるみ」を贈った。
妹と白い髪の女が仕立て、青い髪の親娘が祝福を与えたものを。
友人は女の子の名前をつけた。
『リリア』と。
その時、しばらく開かなかった天空の門が開いた。
音沙汰なかった天空の城の主が現れた。
夫婦は喜んだ。以前、主は男子の名付け親になると約束していたのだ。
天空の城の主 ペルギウスが選んだ男子の名は
『ラプラス』と
書いてから気づく。
ここの双子は夜こっそり話ししたり
オタゲー打ったりしません。
シーフの孫はいかがでしたか。
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つまらなかった
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ラブストーリーか?
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もっと続きが読みたかった。続編あるよね?