シーフの孫   作:迷宮の迷子

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この辺りが一番グダグタしていたので書き直しました。


魔眼

「ルーデウス・グレイラットです。セイジ君だね?」

年は父さんよりは上、セシリアのおばあさんくらいだろうか。

瞳の色が左右で違う。

落ち着いた感じだ。大人の男って雰囲気を醸し出している。

何より、何かわからないんだけど、近いような、懐かしいような、申し訳ないような・・・

5歳の心ではよく分からない気持ちだ。

「ん?どうしたかい?」

僕が黙って考え事をしていた為、再度ルーデウスは声をかけてくれた。

いけない。ちゃんと挨拶をしなければ。

 

「はじめまして、セイジ・セーブルキャットと申します。ルーデウス・グレイラット様のご高名は兼ねてからお聞きしております。」

「いや、私なんか大したことはしていないよ。」

ルーデウス様は謙遜されているがここはアスラ王国、アリエル女王擁立の立役者である彼の名を知らぬものはいない。

 

加えて、僕にはもう一つ尊敬すべき事があるんだ。

「あと!僕はスペルド族の冒険の大ファンなんです!あの本を書かれたノルン先生はルーデウス様の妹で、あのお話はルーデウス様と奥様のエリス様の、冒険のお話ですよね!」

 

ルーデウス様は僕の勢いに押され一瞬固まったものの、相好を崩して応えてくれた。

「そうか!あの本を読んでくれたのか!」

「はい!僕はあの本で読み書きを覚えたんです!」

「ほう、それは何より、私もあの本を読んでくれて嬉しいよ。」

 

「あの、ルーデウス卿・・そろそろ本題を」

恐縮しつつ魔道士先生が声をかけてきた。先生ごめんなさいすっかり忘れていました。

 

「ああ、すまなかった。彼の魔力についてだったね。」

そうだった。ルーデウス様は僕の魔力を調べてくださるために来てくださっていたんだ。

 

(ルーデウス視点)

 

「う・・む」

ルーデウスは彼を見ながら考えた。

魔力は決して小さくはない。ロキシーやシルフィと比べても多いくらいだ。しかし、魔力は使うから量が増えるはず。

実際シルフィはこのくらいの年から魔力を使うようになって飛躍的に量が増えた。

しかし教師は彼が魔法を成功させたことはない。と言う。

 

では産まれたてからこれだけの魔力を持っていたのか?

いや、ありえない、普通これだけの魔力量があれば死産だ。

俺だって、器は大きかったようだが、初期はウォーターボール2発分だ。訓練無しにはこうならない。

 

「イゾルテさん、ドーガ。彼から闘気を感じますか?」

ルーデウスはここにいるものの中からいわゆる剣の達人達の意見を聞いた。

 

「さて、闘気は感じませんね。」「ウス」

「そうですか・・私は闘気を纏えないのでわからないのですが。闘気はないと。」

「ルーデウス殿、私もいるんですけどね。」

 

あ、シャンドルさんがいたのを忘れていた。

「彼に剣術、正確には棍術ですが、それを教えているのは私なんですよ。

そこで気づいたのですが、彼は訓練をしていて魔眼を持っているような動きをすることがありますな。」

 

成る程、魔眼による魔力消費と魔力総量の強化。これなら魔道士にはわからないかもしれない。

 

「シャンドルさん、ちょっとお願いがあります。ためしてみたいことがあります。」

 

「なんでしょう?」

ルーデウスはシャンドルの耳元で囁いた。

 

「ふむ・・・面白い、やってみましょう。」

シャンドルはいたずらっぽく笑って頷いた。

 

シャンドルはセイジの前に立つと彼に向かって告げた。

「セイジ君、これから君に剣技を見せます。終わったらゆっくりでいいので真似して見せてください。」

 

シャンドルの本気の剣技は当に「目にも止まらぬ早さ」である。

恐らく目で追えたのは水神レイダくらいだろう。

当然ルーデウスも全ての動きがわかるはずもない。

 

それを彼は再現してみせた。

「えっと、まず、こう切りかけて、返す瞬間に右手の指をこう、二本立てて見せて、それから・・」

「今度こちらに歩いてくる時に、一、ニ、で一瞬止まって、三、止まって四、五と歩き方に変化をつけて・・・」

「最後に右肩へ切り下ろす時に、右足を、こう僕の前にさしだして足止めをしつつ、」

「左手の刀の陰から手刀が突き出されました。」

「こんな感じですね。」

 

「お見事・・・正解です。」

シャンドルが感嘆の声を上げた。

「私は右手と歩きの二回目のフェイントは見えませんでしたね。」

水神を瞬間だが5歳の子供が上回ったのである。

 

「ふぅ・・・疲れました。」

セイジは右目を閉じ、へたり込んでいた。

 

魔力枯渇に近い症状だ。

「セイジ!大丈夫!?」

 

剣技の実演から彼がそれを再現して見せるまでを固唾を呑んで見守っていたセシリアが彼の元へ駆け寄っていった。

 

「うん、セシリア、少し疲れただけだから。ちょっと休んだら楽になる・・よ・・。」

セイジはセシリアにもたれかかるようにしなだれかかり気を失ってしまった。

 

 

どれくらい気を失っていたのだろう。

ほんの数分のような気もするし、数時間のような気もする。

薄く瞼を開くと、そこには心配そうに僕の顔を覗き込むセシリアの顔があった。

ちょ、ちょっと近いんですけど!

僕は身長100センチくらいの幼女のお膝を借りている。

なので彼女の顔は僕の目の前の位置になるわけだ。

 

「大丈夫?」セシリアは相変わらず心配そうに覗き込んでくる。

「だ、大丈夫!ほ、ほら、も、もうこんなに!」

僕は慌てて彼女のお膝から飛び退いて大丈夫さをアピールした。

 

「やあ、気がついたようだね。」

二人のやり取りに気づいたらしくルーデウス様が声をかけてきた。

「無理させて申し訳なかったね。でもおかげで君の能力がよくわかったよ。」

 

ルーデウス様から聞かされた僕の能力はこうだ。

僕の右目には生まれつき魔眼というものが宿っている。

魔眼にはいくつもの種類があるそうで珍しいには違いないが、全くお目にかかれないものではないそうだ。

実際ルーデウス様は予見と遠見の、魔眼を持っているらしい。

ルーデウス様の知り合いにも違うタイプの魔眼をもっている方がいるそうだ。

そして僕の魔眼は、強いて言うなら、「見切り」といえばいいのかな。とルーデウス様は仰った。

 

簡単に言えば、相手の動きが全て把握できて、対処できる魔眼らしい。

何そのチートスキル。やったー!と考えたがどうもそうとも言えないらしい。

ルーデウス様も予見の魔眼をもっている。だから相手がどう仕掛けるかわかるそうだ。

 

しかし、見えるのと避けるのは別だ。見えていても的確に対応できる瞬発力、判断力がなければ結局予見の内容通りにやられてしまうらしい。

 

予見できても常時最適解を選ばないと逃げ道を塞がれる。

加えて相手の速度が早すぎれば予見と同様に対処不可能な状況になる。

 

しかし訓練無しに魔力の集中ができるのはすごいらしい。

魔力を他の箇所に動かす訓練、万遍なく広げる訓練もできるようになれば更に出来ることが増えるらしい。

 

 

 

・・・・あれ?この設定どこかで聞いたことがあるぞ。

 

 

そうだ、「念」だ。

 

 

 

僕の能力が前世で読んだことがある「念」に近いと気づいたとき、後方から声がした。

 

「セイジ君、素晴らしい能力のようだね?私と手合わせしてくれないか?」

セシリアが言っていた要警戒人物、ギル・クルーエルが声をかけてきた。

 

「いや、私も剣神流と水神流を少し嗜んでいてね。君のような能力を持つものと手合わせをお願いしたい。」

口調は柔らかいが、視線は厳しい。

虎?狼?いや、この目は爬虫類のそれだ。

 

「ギル!貴方は10歳も下の子に何言っているんですか!」

 

レイダ様が声を荒らげお弟子さん達がお兄さんを羽交い締めにして連れて行ってくれた。




細部を全体的に改修。

シーフの孫はいかがでしたか。

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  • ラブストーリーか?
  • もっと続きが読みたかった。続編あるよね?
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