シーフの孫   作:迷宮の迷子

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ララの占い

「これで、必要なピースは後一つになった。」

 

ラプラスがオルステッドとペルギウスと話をしている頃、僕達夫婦とリリアとアクア、七星さんはある人物の話に耳を傾けていた。

 

ララである。

 

「微妙な未来を変えるために、私は旅をしていた。

あのままだと勝ちきれない未来が視えたから。」

うん、確かルーデウスさんからララさんの旅の理由は聞いていた気がする。

「でも、シルフィさん達は旦那さんを探してくるって思っていたみたいですが.....」セシリアも覚えていたみたいだ。

アクアを膝に載せたまま、そう返した。

 

「あながち、間違っていないとは言った。けど、旦那を探してくるって言ってはいない。」

うん、まあ、勘違いはあるよね。

「あれは、僕が15歳の時だから、5年前ですか。ララさんが「ついにみつけた。」と言って現れたのは。その、ララさんが見つけた男って....」

途中でセシリアが遮り、言葉を続けた。

「セイジじゃないですよね?あの時は、もうセイジは私の....」

「わー!わー!わー!」

皆のいる前で話す内容じゃない。

 

「半分は正解」

「は?半分も!正解なんですか!」

セシリアはあげません!的に僕の腕にしがみついてる。

膝のアクアが落ちそうになったので、僕が咄嗟に僕の膝に移した。リリアとアクアを仲良く膝の上で抱える。

 

「正確には、セイジとリリアがもう一人の救世主を救う役を担う。だから、半分」

「もう一人の」「救世主?」僕とセシリアが声を合わせる。

 

『その救世主って秋人の事?』リリアは僕の膝の上でララに尋ねた。そう、念話で。

 

「そう、秋人」

「え!秋人ですって!」ここまで会話に入れなかった七星さんがここで口を挟む。

「ちょっと、40年ほど前の占いから説明、するね。」

 

クリスティーナがアスラ王国に移住することを決めたあの日、ララの占いに文字通り微妙な占いが出た。

オルステッドとヒトガミの決戦、決戦と言っても、勝たなければいけないオルステッド、負けなければいいヒトガミではヒトガミが有利だ。

 

40年前の占いの結果は、ヒトガミの逃げ切り。これはヒトガミの勝ちに等しい。

だから、ララは旅にでた。

秋人を呼び出すことができる方法を。

 

旅の合間に実験をした。転移が起きやすい場所を

魔大陸、

ベガリッド大陸

大気に魔力が満ちる土地、

大地に魔力が満ちる土地。

そして結論は、奇しくもセイジと同じ場所。

魔力が圧倒的に少ない場所だった。

「私のだけでは足りない。」

周りの魔力があてにならないなら、

魔力は自分で都合をつけなければならない。

 

転移させる場所に、目星をつけたララは転移する魔力を借りれる人を探した。

真っ先に思いついたのは父、ルーデウスだ。

しかし、これがわかるのには時間がかかり過ぎていた。

ルーデウスがこの召喚を行うと間違いなく死ぬ。

ララは自分の意志でこの選択肢を外した。

 

ただ、父を占った時に、父の意志を継ぐ者たちの存在を知った。

それがセイジとセシリアである。

二人の魔力はさほど高くはない。

このレベルなら私でも可能だ。

 

だが、二人が残す子供、リリアならそれが可能だ。

だから、ララはレオに跨り鬼神帝国の軍列を寸断した。

 

「半分といった意味は一つじゃない。」

セイジとセシリア

家族とリリア

リリアと秋人

それぞれの半分、そのピースがようやく揃った。

 

「なら、なら、いつ秋人とは逢えるのですか!」

七星は涙ながらにララに問うた。

 

「本来なら、10年はかかる。」

10年、もう、彼女はこの世界に来て60年近い。

そう考えれば10年は長くはない。

しかし、しかし、10年はやはり短くはない。

 

「10年ですか....」

七星は膝から崩れ落ちる。二人なら乗り越えられるかもしれない。

確かにこの土地は魔力が薄く、七星はこの5年で体調を崩すことはなかった。

でも、この先も大丈夫という保証はないのだ。

 

「でも、また、運命が変わった。昨日の占いの結果を話す。」

変わる?いい方に?悪い方に?

七星はハイライトの消えた目でララを見つめた。

 

「安心して」

アクアの存在、これが吉と出た。

本当なら前回のループ、リリアが10歳の時に起きた転移事件は、アクアの力でいい方に向かった。

「無論楽観視はしない。しかし、アクアがラプラスの魔力を持った。二人が安定して魔力を制御できるようになれば、秋人を呼べる。」

 

「それでも、二人共赤ちゃん。5年は我慢して。」

 

 

 

シーフの孫はいかがでしたか。

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